- 原産:北アメリカ
- 科:キク(Asteraceae)
- 属:へレニウム(Helenium)
- 種:マツバハルシャギク/アマルム(amarum)
- 別名:へレニウム・アマルム/イエロー・スニーズウィード(yellow sneezeweed)/ファイブリーフ・スニーズウィード(fiveleaf sneezeweed)/ビター・スニーズウィード(bitter sneezeweed)
- 開花時期:7月~10月
- 花の色:黄色●
- 葉の色:緑色●
- 分類:一年草
- 草丈:約20~100cm
- 誕生花:9月28日/10月2日
- 花言葉:寛容/上機嫌/派手/恋の望み
- 用途:切り花
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
マツバハルシャギクとは!?
マツバハルシャギクは学名Helenium amarum、別名では「へレニウム・アマルム」や「イエロー・スニーズウィード(yellow sneezeweed)」とも呼ばれる北アメリカ原産の一年草です。
マツバハルシャギクの語源(由来)
- 属名のHeleniumはギリシャ語の「helenion」に由来しており、helenionは恐らく世界で最も美しいとも言われるギリシャ神話に出てくる女性の「Helen of Troy」に因むと言われています。
- 種小名のamarumはラテン語で「苦い」「不快な」を意味しています。
- マツバハルシャギクの由来は細い葉が束生する「松(マツ)の葉」と似ており、また草姿が「ハルシャギク」に似ている所からきています。
マツバハルシャギクの特徴(魅力)
- マツバハルシャギクは葉が非常に細く糸状もしくは線形をしているため、光や風をよく通しレースを思わせる様な柔らかで繊細な外観をつくります。
- 花は直径が約1.2cmあり中央に団子を思わせる様な丸い突起がある個性的な花姿をしています。
- 花は頭花で舌状花と筒状花で構成されていて、1つの花には舌状花が8~10個、筒状花が約250個集まっています。
- 個性的で色鮮やかな花は切り花として利用される事もあり日持ちは管理方法でもかわりますが約5~7日です。
- マツバハルシャギクは強い匂いと苦味があり全草が有毒なため人および家畜が食べる事は出来ません。
- 食べると胃の不調や神経障害などを引き起こす可能性があります。
マツバハルシャギクは草丈が約50(~130)cm、草姿は直立して上部で分枝します。葉序は互生葉序(しばしば束生)、葉色は緑色、葉身の長さ約8cm、葉身は線形(稀に下部の葉が卵形)です。花序は頭状花序、頭状花序は直径約0.5(~1.2)cm、頭花は約8(~10)個の舌状花と約250個の筒状花で構成されています。果実は痩果(果実は成熟すると乾燥して裂開せず、中に1個の種子を包みます)です。種子は褐色で冠毛があります。
マツバハルシャギクの切り花の楽しみ方
- マツバハルシャギクの収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 水揚げは水切りを行いましょう。
- 水揚げ後は花瓶に生けて飾ります。
- 管理場所は出来るだけ低温環境(糖の消費や蒸散が抑えられる)に置くと日持ちがよくなります。
- 管理は必要に応じて数日ごとに水切りを行い、水換えも同時に行いましょう。
- 日持ちは管理の方法でも左右されますが5~7日程度です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
マツバハルシャギクの園芸品種の紹介
へレニウムの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
へレニウムの珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種の紹介【2021】
マツバハルシャギクの育て方
花壇の土づくり
日当たり
マツバハルシャギクは日光のよく当たる場所で最も生産性が高まり沢山の花を咲かせます。そのため直射日光が6時間以上あたる日向が理想です。また直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。
作土層
マツバハルシャギクがしっかり根を張り健康な成長するには、十分な深さの作土層(表層にある柔らかな土)が必要です。深さ約30cmまでスコップを使い穴を掘り、根張りを邪魔したり保水性や栄養の保持を悪くする石やゴミ等を取り除いておきましょう。
土壌の土質
マツバハルシャギクは幅広い土壌で育てる事が出来ますが、通気性と保水性のバランスがよく肥沃な土壌を好みます。そのため植え付けの前に土壌診断を行いしっかり土作りを行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 土を適度に濡らして手にとり握って土塊を作り通気性・保水性を診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。必要に応じて田土や黒土などを入れ土壌を改善しましょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
マツバハルシャギクは日当り好むため、直射日光が6時間以上当たる日向もしくは、午前中のみ日が当たり午後から日陰になるような半日影で育てましょう。
培養土
マツバハルシャギクは一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+バーミキュライト+腐葉土=4:2:4
水やりの仕方
マツバハルシャギクは乾燥すると葉が落ちる事が多くなるため、基本的にやや湿り気のある土壌を好みます。水やりの頻度は環境(植える場所や土質)にも左右されますが、基本的には土の表面が乾いてきたタイミングで行うといいでしょう。
肥料の与え方
マツバハルシャギクはある程度、有機物を含んだ肥沃な土壌であれば多くの肥料を必要としません。基本的に春に1度だけ肥料を与えたら追肥は不要で、多すぎる肥料は徒長させたり栄養成長を促進させて花数を減らす可能性があります。
肥料を与える場合(寒肥)
植え付け後の肥料は毎年晩冬から早春に与えます。ある程度肥沃な土壌であれば多くの肥料を必要としないことから、牛糞堆肥や腐葉土等を株から少し離れた場所にマルチングもしくは、穴を掘って埋めます。肥料は水平型の配合肥料もしくは緩効性肥料を選びます。施し方は株元から少し離した場所に何ヶ所か穴を掘り、その中に配合肥料もしくは緩効性肥料を施しましょう。
剪定のやり方
マツバハルシャギクは基本的に剪定不要で育てられます。
夏越しする方法
マツバハルシャギクは夏の暑さに耐えますが、乾燥を苦手にしています。そのため地植えでも土の表面が乾燥してきたら水やりをしっかり行いましょう。また鉢植えで育てている場合は、特に乾燥がより早くなるため注意が必要です。
冬越しする方法
Hardiness:3b~8a
マツバハルシャギクは耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。
挿し木や株分けで増やす
播種で増やす
マツバハルシャギクの種蒔の方法
播種時期:3月~5月・9月~10月
発芽適温:約20度
発芽日数:14~21日
発芽条件:
種まき手順
- 種を撒く前に、ポットに種まき用の培養土を準備します。
- もしくは直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上に薄く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
植物の病気
マツバハルシャギクの病気
- うどんこ病
マツバハルシャギクの害虫