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原産:北アメリカ 科:シソ(Lamiaceae) 属:モナルダ/ヤグルマハッカ(Monarda) 種:タイマツバナ/ディディマ(didyma) 別名:/モナルダ・ディディマ/クリムゾン・ビーバーム(crimson beebalm)/スカーレット・ビーバーム(scarlet beebalm)/オスウェゴ・ティー(Oswego tea)/ベルガモット(bergamot) 品種:ラズベリーワイン(Monarda didyma ‘raspberry wine’) 開花時期:6月~9月 花の色:桃色● 葉色:緑色● 香り:花・葉 分類:多年草 草丈:120cm 草姿:直立 誕生花:7月18日/8月14日 花言葉:「燃えるような恋」「感受性豊か」「安らぎ」 | ||
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
モナルダ(ラズベリーワイン)は背が高く約120cmまで垂直に伸びる茎に濃い桃色の花を咲かせる園芸品種です。鮮やかな桃色の花は、ポップでカラフルなお庭やスイートでロマンチックな雰囲気を感じさせるお庭等によく合うでしょう。
開花時期は初夏から秋、花色は桃色、個々の花は唇形、花序は茎の頂部に小花が集まり頭状花序をつくります。草姿は直立で高さは約120cm × 幅は90cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は卵形、葉序は対生葉序につきます。
モナルダ(タイマツバナ)は学名Monarda didyma、単にモナルダと呼ばれる場合は一般的にこの種をさしている事が多く、別名「ベルガモット(bergamot)」や「クリムゾン・ビーバーム(crimson beebalm)」とも呼ばれる北アメリカ原産の多年草です。
モナルダ(タイマツバナ)の語源(由来)
- 属名のモナルダ(Monarda)は、スペイン人の医師と植物学者のニコラス・モナルデス(Nicholas Monardes)への献名です。
- 種小名のディディマ(didyma)は、古代ギリシャ語で「双子」を意味するδίδυμος(dídumos)からきており、ペアになった雄蕊に由来するとも言われています。
- 和名タイマツバナの由来は、炎を連想させるような花色とタイマツを連想させる花の形からきています。
- 英名のビーバーム(beebalm)の由来は、蜜が豊富にある花に蜜蜂が惹かれる事から来ています。
モナルダ(タイマツバナ)の特徴(魅力)
- 花や葉には「ベルガモット」や「オレガノ」に例えられる爽やかで甘い香りがあり
- ↳特に葉を指で潰すと柑橘類の強い香りが漂います
- 花や葉の香りは乾燥しても殆ど失われる事がありません
- ↳そのためポプリの素材としても人気です
- アメリカの先住民は薬用ハーブとして古くから利用しています
- ↳一方でごく僅かですが青酸を含むと言われているため多量の摂取は避けた方がいいでしょう
- 薬効にはチモールを由来とした抗菌・抗真菌薬作用や抗炎症作用等があります
- ↳具体的にはモナルダ(タイマツバナ)のお茶でうがいすると口内のバクテリアが退治され口の中の健康が保たれます
- モナルダ(タイマツバナ)のお茶はアールグレイの風味があります
- 英名のビーバーム(蜂+精油)からも分かる通り花蜂を惹き寄せます
- 地面下の根茎により広がりしばしば群生をつくります
モナルダ(タイマツバナ)は地面下の浅い場所で広がる根茎をもっておりしばしば群生をつくります。茎は根茎から出て、断面は四角形をしており、通常は高さ約60~90cm(稀に150cmに達する事もある)の間で成長します。葉は香りがよく、葉色は緑色で葉脈は薄黄色からしばしば赤みを帯びる事があり、葉の大きさは長さ7(~18)cm × 幅は約3(~8)cmの卵形で薄く、茎に対して十時対生につきます。花は香りがよく、茎の頂部に小花が球状に集まり直径5~10cmの頭状花序をつくり花序の下に赤み(~紫み)がかった苞葉をもちます。個々の小花は長さ約3~4cmある唇形で2個の雄蕊と雌蕊をもちます。
モナルダ(タイマツバナ)の香りの印象と精油成分
モナルダ(タイマツバナ)は花と葉に、「オレガノ」「ベルガモット」「レモン」等に例えられるスッキリした香りがあり、香りを特徴づける精油には「チモール」を主成分に「p-シメン」「テルピネン」「カレン」「ミルセン」等が含まれています。
- チモールの香りは「薬」「タイム」「樟脳」等に例えられる爽やかな香りです。また口の中に入れるとウッディで薬の様な風味(フレーバー)があります。一般に植物ではジャコウソウやタイム等に含まれており、食品(飲料等)の香料、歯磨き粉やうがい薬等に利用されています。またチモールの精油の効能には「抗菌・抗真菌作用」「鎮痙作用」「抗炎症作用」「去痰作用」等があります。
- p-シメンは「木の香り」や「柑橘系(僅か)」に例えられる心地よい香りをもっています。植物ではタイムやクミン等に精油が含まれており、一般的には石鹸等の香料に利用されています。p-シメンの精油には抗菌作用(殺菌作用)があるとされています。
- テルピネンは「木の香り」「柑橘類」「スパイス」等に例えられる爽やかでシャープな香りがあり、ウッディで柑橘類を感じさせる風味(フレーバー)をもっています。一般に植物ではマジョラムやカルダモン等に含まれており、香水等の原料に利用されています。
- カレンは「柑橘類」「ウッディ(木の香り)」等に例えられる甘く刺激的な香りがあり、 一般に植物ではマツやローズマリー等に含まれています。
- ミルセンは「コショウ」「バルサミコ酢」等に例えられる甘酸っぱく爽やかな香りがあり、フルーティでミントを思わせる様な風味(フレーバー)をもっています。植物では月桂樹やホップ等に含まれており、精油は香水等に利用されています。
モナルダ(タイマツバナ)の栽培
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園芸では、華やかで美しい花を鑑賞する目的であったり、香りの良い花や葉をポプリ等にして利用する目的で育てられます。モナルダは比較的に背が高くなるため、花壇の中央等に植えて高さと立体感を出したり、また矮性品種であれば鉢植えの中でコンパクトに育てて玄関先に飾ったりするといいでしょう。
モナルダ(タイマツバナ)を育てる際に注意する事は「土質」や「日当たり」くらいです。基本的には放ったらかしでも育つ程に丈夫ですが、環境が合わないと上手く育たない場合もあります。例えば、モナルダは自生地では湿った場所に生息しているため、当然湿り気のある土壌を好みます。乾燥にも比較的に耐える事が出来ますが、成長が悪くなるため植える前に土質を改善する必要があるでしょう。またモナルダは日当たりが良い場所で最もよく成長して、沢山の花を咲かせます。そのため、植える場所は日向が理想ですが、暑さの厳しい環境では土が乾燥しやすくなる等して生育が衰える可能性があります。そのため、環境や水やりの頻度等を考慮しながら植える場所を決めた方がいいでしょう。