モナルダは属の中に約20種がありますが、一般に園芸で親しまれている種は幾つかの種とその園芸品種です。例えば、小花が密につき花色も豊富でベルガモットの様な華やかな香りがあるタイマツバナ、乾燥に強く非常に上部で自生地では薬用ハーブとしても利用されているヤグルマハッカ、花が節を囲うように段々とつきレモンの様な香りがあるレモンベルガモット等が親しまれています。
モナルダ属の種ごとの育て方は写真か育て方をクリックすると出てくる為よかったらそちらをご覧下さい!
このページでは主な種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を紹介しています。
モナルダの主な種の目次
モナルダ(タイマツバナ)の特徴や園芸品種
- 原産:北アメリカ
- 学名:Monarda didyma
- 草丈:約60~120cm
- 分類:多年草
- 開花時期:6月~9月
- 花色:赤色●桃色●紫色●白色〇
- 葉色:緑色●
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:強い
- 誕生花:7月18日/8月14日
- 花言葉:燃えるような恋/感受性豊か/安らぎ
- 用途:背が高い花/香りが良い/切り花
モナルダ(タイマツバナ)とは!?
モナルダ(タイマツバナ)は学名Monarda didyma、単にモナルダと呼ばれる場合は一般的にこの種をさしている事が多く、別名「モナルダ・ディディマ」や「クリムゾン・ビーバーム(crimson beebalm)」とも呼ばれる北アメリカ原産の多年草です。
モナルダ(タイマツバナ)の語源(由来)
- 属名のMonardaは、スペイン人の医師で植物学者のニコラス・モナルデス(Nicholas Monardes)への献名です。
- 種小名のdidymaは、古代ギリシャ語で「双子」を意味するδίδυμος(dídumos)からきており、ペアになった雄蕊に由来するとも言われています。
- 和名タイマツバナの由来は、炎を連想させるような花色とタイマツを連想させる花の形からきています。
- 英名のビーバーム(beebalm)の由来は、蜜蜂が豊富な蜜のある花(モナルダ)に引き寄せられる事からきています。
モナルダ(タイマツバナ)の特徴(魅力)
- モナルダ(タイマツバナ)は殆ど分枝する事なく垂直に伸びる洗練された草姿や、初夏から秋にかけて茎の頂部に咲くボリューミーな花、強い香りがする花や葉が魅力の植物です。
- モナルダ(タイマツバナ)は地面下に根茎があり、徐々に広がる事で群生をつくります。
- 茎は殆ど分枝することなく直立に最大120cmまで伸びるため花壇の中で立体感を出したり背景等に利用するのにおすすめです。
- 花は筒状(唇形花)の小花が茎の上部で多数集まり、上向きに咲き「松明」を連想させる様な個性的な花姿をつくります。
- 開花期(6月~9月)になると花蜜を求めて蜜蜂が花の周りを元気に飛び回り、唇形の花の中に頭を突っ込む蜜蜂の可愛らしい姿を観察する事が出来ます。
- モナルダ(タイマツバナ)の英名のbeebalm(蜜蜂+香油)も花が蜜蜂を引き寄せる様子からついています。
- 花や葉には「ベルガモット」や「オレガノ」に似た強い香りがあります。
- 特に葉は潰すと柑橘系(ベルガモット)の強い香りが漂います。
- 花や葉の香りは乾燥しても失われず、逆に強くなる傾向にあるためポプリの素材として人気です。
- モナルダ(タイマツバナ)に含まれる主な精油にはチモール・p-シメン・テルピネン・ミルセン等があります。
- モナルダ(タイマツバナ)のハーブティーはアールグレイの風味があり、生もしくは乾燥させた葉をお湯で蒸らし飲まれます。
- 精油の中にはチモールが多く含有しており、チモールには「抗菌・抗真菌作用」「鎮痙作用」「抗炎症作用」「去痰作用」等があります。
- 抗菌・抗真菌作用がある事から、タイマツバナのお茶でうがいすると口内のバクテリアが退治され口の中の健康が保たれたりします。
- 微量ですが青酸を含有するとも言われているため、モナルダ(タイマツバナ)の多量の摂取は避けた方がよいでしょう。
- 精油の中にはチモールが多く含有しており、チモールには「抗菌・抗真菌作用」「鎮痙作用」「抗炎症作用」「去痰作用」等があります。
- モナルダ(タイマツバナ)は丈夫で基本的に放ったらかしでも育ちます。
- ただしやや湿り気のある土壌を好み、乾燥を苦手にしているため育てる際は注意が必要です。
モナルダ(タイマツバナ)は草丈が約60(~120)cm、地下茎が地面下でゆっくり広がり群生をつくり、茎はあまり分枝せず直立します。茎の色は緑色もしくは赤みを帯び、断面は四角です。葉序は対生葉序、葉色は緑色、葉身の大きさは長さ7(~18)cm、幅は約3(~8)cm、葉身の形は卵形、ふち部分に鋸歯があります。花序は輪状集散花序、輪状集散花序は非常に多数(30以上)の花が上向きに開花して、花序の下には赤みを帯びる目立つ苞葉があります。花は唇形花、唇形花は長さ約3(~4)cm、唇形花の色は赤色・桃色・紫色・白色があり、雄蕊2個、雌蕊1個があります。
モナルダ(タイマツバナ)の切り花の楽しみ方
- モナルダ(タイマツバナ)の収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 水揚げは水切りもしくは湯揚げを行いましょう。
- 水揚げ後は花瓶に生けて飾ります。
- 管理場所は出来るだけ低温環境(糖の消費や蒸散が抑えられる)に置くと日持ちがよくなります。
- 管理は必要に応じて数日ごとに水切りを行い、水換えも同時に行いましょう。
- 日持ちは管理の方法でも左右されますが5~7日程度です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
湯揚げ法
湯揚げ法とは、切り花の切り口をお湯の中と冷水につけて、吸水を改善する水揚げ方法です。※水切りなどをしても、水揚げが上手くいかない場合等に行われます。
湯揚げは、導管内にある空気を熱で膨張させて外に押し出す効果があり、また熱のショックで一気に吸水する効果があります。またお湯で熱するため、切り口部分の雑菌が死滅して、微生物の影響が抑えられます。
湯揚げの方法
- お湯(約60~100度)と冷水を準備します。
- 切り花の花や葉が湯気で弱らないように、新聞紙で切り花を覆います。ただし、切り口の部分はお湯につけるため、茎の下部は新聞紙から出しておきましょう。
- 切り口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
- お湯(約60~100度)の中に切り口を付けて、切り口から空気が出てこなくなるのをまちます。お湯につける時間はおおよそ20~60秒です。
- お湯から切り花を出して、そのまま冷水の中に2時間程度浸けて水揚げします。
- 水揚げが終わったら必要に応じて水切りを行い花瓶に生けて楽しみます。
モナルダ(タイマツバナ)の園芸品種の紹介
- ピンクフロスティング(monarda didyma ‘pink frosting’)は一般的なモナルダ(タイマツバナ)よりも背が低く高さが40~60cm程度しかないため鉢植えなどでも育てやすく、また基部でよく枝分かれするためふさふさとした草姿を作り多数の花を咲かせます。他にも耐病性が高く病気に強いため夏にうどんこ病等で株が弱りにくい所なども魅力の園芸品種です。花は薄桃色の小花が頂部に密に集まりボリューミーに咲きます。薄桃色の花色は、ベビーグッズの様な柔らかで心が癒される様な優しい雰囲気をつくるため、ふんわりした可愛らしいお庭や、ロマンチックなお庭などにオススメです。
- ヤコブクライン(Monarda didyma ‘Jacob Cline’)は優れた耐病性があるため、夏にうどんこ病等で株が弱りにくく、また鮮やかな赤色の花が密に付くため、ふさふさしたボリュームある外観をつくる魅力的な園芸品種です。色鮮やかな赤色の花色は、遠くからでも目を引き付ける効果があり、また気分を高揚させるなどの効果もあります。そのため、パーティ会場を思わせるような華やかで明るいお庭等によく合うでしょう。草姿は直立で高さ120cmまで成長して、地下茎により広がり群生をつくります。比較的に背が高く成長する事から花壇の中央や後方に植えて、背景や立体感を作るのに利用しやすく、また茎が長いため切り花として利用しやすい所も魅力です。
- ファイアーボール(Monarda didyma ‘fireball’)は一般的なモナルダ(タイマツバナ)よりも背が低く、高さが45cm程度しかなく、また直立する茎は横へ広がる傾向が強いため鉢植えなどでも育てやすい園芸品種です。花は鮮やかな赤色もしくは赤みの強い濃い桃色をしています。色鮮やかな赤色の花色は、遠くからでも目を引き付ける効果があり、また気分を高揚させるなどの効果もあります。そのため、パーティ会場を思わせるような華やかで明るいお庭等によく合うでしょう。草姿は直立して横へ広がる傾向があり高さ約45cmまで成長します。比較的に背が低くコンパクトな草姿をしているため鉢植えで育てやすく、また幾つかの苗を列状に並べて縁どり等に利用するのもよいでしょう。
- ラズベリーワイン(Monarda didyma ‘raspberry wine’)は遠くからでも強く目をひく濃い桃色の花色と、頂部で小花が密集して咲くボリューミーな花姿が魅力の園芸品種です。鮮やかな桃色の花は、華やかなガールズパーティや甘いピーチやお菓子等を連想させます。そのため元気が出る様な可愛いお庭や、様々な色(青色・黄色等)を組合せながらつくるカラフルなお庭等におすすめです。草姿は直立で高さ90~120cmまで成長して、地下茎により広がり群生をつくります。比較的に背が高く成長する事から花壇の中央や後方に植えて、背景や立体感を作るのに利用しやすく、また茎が長いため切り花として利用しやすい所も魅力です。
- ピンクレース(monarda didyma ‘pink lace’)は一般的なモナルダ(タイマツバナ)よりも背が低く、高さが40cm程度しかないため鉢植えなどでも育てやすい園芸品種です。花は桃色で、色鮮やかな桃色の花色は、華やかなガールズパーティや甘いピーチやお菓子等を連想させます。そのため元気が出る様な可愛いお庭や、様々な色(青色・黄色等)を組合せながらつくるカラフルなお庭等におすすめです。草姿は直立して高さ約40cmまで成長します。比較的に背が低くコンパクトな草姿をしているため鉢植えで育てやすく、また幾つかの苗を列状に並べて縁どり等に利用するのもよいでしょう。
- ピンクスプリーム(monarda didyma ‘pink supreme’)は一般的なモナルダ(タイマツバナ)よりも背が低く横へと広がる傾向があり、高さが40~60cm程度しかないため鉢植えなどでも育てやすい園芸品種です。花は桃色で、色鮮やかな桃色の花色は、華やかなガールズパーティや甘いピーチやお菓子等を連想させます。そのため元気が出る様な可愛いお庭や、様々な色(青色・黄色等)を組合せながらつくるカラフルなお庭等におすすめです。草姿は直立して高さ約40~60cmまで成長します。
- パープルレース(monarda didyma ‘purple lace’)はピンクレースとの交配から生まれた品種です。一般的なモナルダ(タイマツバナ)よりも背が低く、高さが最大40cmまでしかないため鉢植えなどでも育てやすく、また基部でよく枝分かれするためふさふさとした草姿を作り多数の花を咲かせます。花は明るい赤紫色もしくは濃い桃色の小花が頂部に密に集まりボリューミーに咲きます。
- パープル ルースター(monarda didyma ‘purple rooster’)は優れた耐病性があるため、夏にうどんこ病等で株が弱りにくく、また鮮やかな紫色の花が優雅な雰囲気を漂わせる魅力的な園芸品種です。草姿は直立で高さ90cmまで成長するため花壇の中央や後方に植えて背景や立体感を作るのに利用しやすく、また茎が長いため切り花として利用しやすい所も魅力です。紫色の気品ある花色は「高貴」な色として認知されており、また神秘的でミステリアスな印象も与えます。そのためワンランク上の印象を与えるエレガントなお庭や、幻想的な雰囲気が漂う優雅なお庭などにおすすめです。
- バブルガムブラスト(monarda ‘Bubblegum Blast’)は基部でよく枝分かれして、ふさふさとした草姿を作り、多数の薄桃色の花を咲かせます。薄桃色の花は「女性らしさ」「恋愛」「優しさ」等を象徴する色です。そのため恋心をくすぐる様なロマンチックなお庭や、繊細で心が癒されるような優しい雰囲気のお庭などによくあいます。草姿は直立して横へ広がる傾向があり高さ約40~60cmまで成長します。比較的に背が低くコンパクトな草姿をしているため鉢植えで育てやすく、また幾つかの苗を列状に並べて縁どり等に利用するのもよいでしょう。
- バルミー パープル(Monarda didyma ‘balmy purple’)はコンパクトな草姿と、うどんこ病に強い性質をもつバルミー・シリーズの中の1品種です。花は鮮やかな紫色をしており、コンパクトな草姿に対して花が大きく魅力的です。草姿は直立して高さ約30cmまで成長します。背が低くコンパクトな草姿をしているため鉢植えで育てやすく、また幾つかの苗を列状に並べて縁どり等に利用するのもおすすめです。
- バルミー ピンク(monarda didyma ‘balmy pink’)はコンパクトな草姿と、うどんこ病に強い性質をもつバルミー・シリーズの中の1品種です。花は柔らかな桃色をしており、コンパクトな草姿に対して花が大きく魅力的です。草姿は直立して高さ約30cmまで成長します。背が低くコンパクトな草姿をしているため鉢植えで育てやすく、また幾つかの苗を列状に並べて縁どり等に利用するのもおすすめです。
- バルミー ライラック(monarda didyma ‘balmy lilac’)はコンパクトな草姿と、うどんこ病に強い性質をもつバルミー・シリーズの中の1品種です。花は鮮やかな紫色をしており、コンパクトな草姿に対して花が大きく魅力的です。草姿は直立して高さ約30cmまで成長します。背が低くコンパクトな草姿をしているため鉢植えで育てやすく、また幾つかの苗を列状に並べて縁どり等に利用するのもおすすめです。
- バルミー ローズ(monarda didyma ‘balmy rose’)はコンパクトな草姿と、うどんこ病に強い性質をもつバルミー・シリーズの中の1品種です。花は濃い桃色をしており、コンパクトな草姿に対して花が大きく魅力的です。草姿は直立して高さ約30cmまで成長します。背が低くコンパクトな草姿をしているため鉢植えで育てやすく、また幾つかの苗を列状に並べて縁どり等に利用するのもおすすめです。
- ビーハッピー(Monarda didyma ‘bee happy’)は、その名前からも分かる通り蜜蜂や蝶々などの昆虫を惹き付ける高い魅力があり、うどんこ病に対して高い耐性があるビーユー・シリーズの中の1品種です。花は鮮やかな赤色もしくは濃い桃色をしており、遠くからでも強く目をひきつける魅力があります。草姿は直立して高さ約30~45cmまで成長します。背が低くコンパクトな草姿をしているため鉢植えで育てやすく、また幾つかの苗を列状に並べて縁どり等に利用するのもおすすめです。
- ビーブライト(Monarda didyma ‘bee bright’)は、その名前からも分かる通り蜜蜂や蝶々などの昆虫を惹き付ける高い魅力があり、うどんこ病に対して高い耐性があるビーユー・シリーズの中の1品種です。明るく清潔感を感じさせる白色の花は、上品な雰囲気のお庭などによくあいます。草姿は直立して高さ約30~45cmまで成長します。背が低くコンパクトな草姿をしているため鉢植えで育てやすく、また幾つかの苗を列状に並べて縁どり等に利用するのもおすすめです。
- スノーホワイト(monarda ‘snow white’)は優れた耐病性があるため、夏にうどんこ病等で株が弱りにくく、白色の花が清潔感や明るい印象を与える魅力的な園芸品種です。草姿は直立で高さ90~120cmまで成長して、地下茎により広がり群生をつくります。比較的に背が高く成長する事から花壇の中央や後方に植えて、背景や立体感を作るのに利用しやすく、また茎が長いため切り花として利用しやすい所も魅力です。
- ブルームーン(monarda ‘blue moon’)は一般的なモナルダ(タイマツバナ)よりも背が低く高さが40~60cm程度しかありません。そのため鉢植えなどでも育てやすく、また基部でよく枝分かれするためふさふさとした草姿を作り多数の花を咲かせます。他にも耐病性が高く病気に強いため夏にうどんこ病等で株が弱りにくく、花は直径約7.5cmと大きく華やかで、紫色の花色が気品を感じさせる所などが魅力です。
- パノラマレッドシェード(monarda didyma ‘panorama red shades’)は種子から育てられ、遠くからでも強く目をひく色鮮やかな赤色の花色が魅力の園芸品種です。色鮮やかな赤色の花色は、エネルギーに満ちた太陽や、愛情や情熱を感じさせる真っ赤なハートを思い浮かばせてくれます。そのため、愛着を感じさせたりチャーミングな魅力を感じさせたりするお庭や、また様々な色(青色・黄色等)を組合せて作るカラフルなお庭等によくあうでしょう。草姿は直立で高さ120cmまで成長して、地下茎により広がり群生をつくります。比較的に背が高く成長する事から花壇の中央や後方に植えて、背景や立体感を作るのに利用しやすく、また茎が長いため切り花として利用しやすい所も魅力です。
ヤグルマハッカ(ビーバーム)の特徴や園芸品種
- 原産:北アメリカ
- 学名:Monarda fistulosa
- 草丈:約60~90cm
- 分類:多年草
- 開花時期:6月~8月
- 花色:紫色●白色〇
- 葉色:緑色●
- 耐暑性:普通
- 耐寒性:強い
- 誕生花:7月18日/8月14日
- 花言葉:燃えるような恋/感受性豊か/安らぎ
- 用途:背が高い花/香りが良い/切り花
ヤグルマハッカ(ビーバーム)とは!?
ヤグルマハッカ(ビーバーム)は学名Monarda fistulosa、単にビーバームと呼ばれる場合はモナルダ属全体もしくはヤグルマハッカ種(Monarda fistulosa)をさしている事が多く、別名「モナルダ・フィスツローサ」や「ワイルド・ベルガモット」とも呼ばれる北アメリカ原産の多年草です。
ヤグルマハッカ(ビーバーム)の語源(由来)
- 属名のMonardaは、スペイン人の医師で植物学者のニコラス・モナルデス(Nicholas Monardes)への献名です。
- 種小名のfistulosaは「管状」を意味しており、長い筒状の花に由来しています。
- 英名のビーバーム(beebalm)の由来は、蜜蜂が豊富な蜜のある花(モナルダ)に引き寄せられる事からきています。
ヤグルマハッカ(ビーバーム)の特徴(魅力)
- ヤグルマハッカ(ビーバーム)は夏に開花する花を鑑賞する目的で育てられたり、養蜂家が蜜源として利用したり、薬用植物として利用したりする目的で育てる植物です。
- ヤグルマハッカ(ビーバーム)は地面下に根茎があり、徐々に広がる事で群生をつくります。
- 茎は直立して最大90cmまで伸びるため花壇の中で立体感を出したり背景等に利用するのにおすすめです。
- 花は筒状(唇形花)の小花が茎の上部で20~50個集まり直径約5~10cmの花を咲かせます。
- 開花期(6月~9月)になると花蜜を求めて蜜蜂が花の周りを元気に飛び回り、唇形の花の中に頭を突っ込む蜜蜂の可愛らしい姿を観察する事が出来ます。
- ヤグルマハッカ(ビーバーム)の英名のbeebalm(蜜蜂+香油)も花が蜜蜂を引き寄せる様子からついています。
- 花や葉には毛状突起があり、手で触ったりして壊すと「ミント」や「オレガノ」に似た強い香りが漂います。
- 花や葉に含まれる主な精油にはチモール・ゲラニオール・カルバクロール等があります。
- チモールは「薬」や「タイム」等に例えられる爽やかな香りがします。
- ゲラニオールは「柑橘類」や「レモン」等に例えられる爽やかで甘い香りがします。
- カルバクロールは「木の香り」「樟脳」等に例えられる香りがします。
- 香りは乾燥しても失われず、逆に強くなる傾向にあるためポプリの素材として人気です。
- ヤグルマハッカ(ビーバーム)はハーブティーとして楽しまれており、乾燥させた花や葉を急須の中に大さじ1入れ、15分程度蒸らし、蜂蜜を入れて飲まれます。
- 精油の中にはチモールが多く含有しており、チモールには「抗菌・抗真菌作用」「鎮痙作用」「抗炎症作用」「去痰作用」等の効果があります。
- お茶でうがいすると抗菌・抗真菌作用がある事から口内のバクテリアが退治され口の中の健康が保たれたりします。
- 精油の中にはチモールが多く含有しており、チモールには「抗菌・抗真菌作用」「鎮痙作用」「抗炎症作用」「去痰作用」等の効果があります。
- ヤグルマハッカ(ビーバーム)は丈夫で基本的に放ったらかしでも育ちます。
- ただしやや湿り気のある土壌を好み、乾燥を苦手にしているため育てる際は注意が必要です。
ヤグルマハッカ(ビーバーム)は草丈が約60(~90)cm、地下茎で広がり群生をつくり、茎は直立して上部で分枝します。茎の色は緑色もしくは赤みを帯び、断面は四角です。葉序は対生葉序、葉色は緑色、葉身の長さ5(~10)cm、葉身の形は卵形もしくは披針形、ふち部分に鋸歯があります。花序は頂生、頂生は茎の頂部に約20(~50)個の花が集まり、花は上向きに開花します。花序の下には襟巻きの様な苞葉があります。花は唇形花、唇形花は長さ約2.5(~4)cm、唇形花の色は紫色・白色があり、雄蕊2個、雌蕊1個があります。
ヤグルマハッカ(ビーバーム)の切り花の楽しみ方
- ヤグルマハッカ(ビーバーム)の収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 水揚げは水切りもしくは湯揚げを行いましょう。
- 水揚げ後は花瓶に生けて飾ります。
- 管理場所は出来るだけ低温環境(糖の消費や蒸散が抑えられる)に置くと日持ちがよくなります。
- 管理は必要に応じて数日ごとに水切りを行い、水換えも同時に行いましょう。
- 日持ちは管理の方法でも左右されますが5~7日程度です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
湯揚げ法
湯揚げ法とは、切り花の切り口をお湯の中と冷水につけて、吸水を改善する水揚げ方法です。※水切りなどをしても、水揚げが上手くいかない場合等に行われます。
湯揚げは、導管内にある空気を熱で膨張させて外に押し出す効果があり、また熱のショックで一気に吸水する効果があります。またお湯で熱するため、切り口部分の雑菌が死滅して、微生物の影響が抑えられます。
湯揚げの方法
- お湯(約60~100度)と冷水を準備します。
- 切り花の花や葉が湯気で弱らないように、新聞紙で切り花を覆います。ただし、切り口の部分はお湯につけるため、茎の下部は新聞紙から出しておきましょう。
- 切り口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
- お湯(約60~100度)の中に切り口を付けて、切り口から空気が出てこなくなるのをまちます。お湯につける時間はおおよそ20~60秒です。
- お湯から切り花を出して、そのまま冷水の中に2時間程度浸けて水揚げします。
- 水揚げが終わったら必要に応じて水切りを行い花瓶に生けて楽しみます。
ヤグルマハッカ(ビーバーム)の園芸品種の紹介
レモンベルガモットの特徴や園芸品種
- 原産:北アメリカ
- 学名:Monarda citriodora
- 草丈:約60~90cm
- 分類:一年草
- 開花時期:5月~8月
- 花色:桃色●紫色●
- 葉色:緑色●
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:-
- 誕生花:
- 花言葉:
- 用途:背が高い花/香りが良い/切り花
レモンベルガモットとは!?
レモンベルガモットは学名Monarda citriodora、別名「レモン・ビーバーム(lemon beebalm)」や「モナルダ・キトリオドラ」とも呼ばれる北アメリカ原産の一年草です。
レモンベルガモットの語源(由来)
- 属名のMonardaは、スペイン人の医師で植物学者のニコラス・モナルデス(Nicholas Monardes)への献名です。
- citriodoraは、ラテン語で「レモン」を意味する「citrus」と「香り」を意味する「odor」の2語の造語で、レモンの香りがする葉と花に由来します。
レモンベルガモットの特徴(魅力)
- レモンベルガモットは羽飾りの様に咲く個性的な花を鑑賞する目的で育てられたり、レモンやオレガノに似た香りのする葉を収穫して料理などに使う目的で育てられる一年草です。
- 花は節ごとに小花が輪状に多数集まり段々と開花します。
- 花はシソ科でよく見られる唇形花です。
- 花(花序)の下には紫色もしくは桃色の目立つ苞葉があり、襟巻きの様な個性的な外観をつくっています。
- 花や葉には毛状突起があり、手で触ったりして壊すと「レモン」や「オレガノ」に似た強い香りが漂います。
- 花や葉に含まれる主な精油にはチモール・シネオール・フェランドレン等があります。
- チモールは「薬」や「タイム」等に例えられる爽やかな香りがあり、精油の効能には「抗菌・抗真菌作用」「鎮痙作用」「抗炎症作用」「去痰作用」等があります。
- シネオールは「ユーカリ」や「樟脳」等に例えられるスッキリとした爽やかな香りがあり、精油の効能には集中力を高め記憶力を上げる効果があるとされています。
- フェランドレンは「メントール」や「柑橘類」等に例えられる心地よいかおりがあります。
- 花や葉に含まれる主な精油にはチモール・シネオール・フェランドレン等があります。
- レモンベルガモットの花や葉は、香り付けのために肉料理や魚料理に入れられたり、お湯で蒸らしてハーブティーにして飲まれたりします。
レモンベルガモットは草丈が約60(~90)cm、茎は基部から数本出て、直立して分枝します。茎の色は緑色で密生する様に白色の毛が生えます。葉序は対生葉序、葉色は緑色、葉身の長さ2(~6)cm、葉身の形は披針形、ふち部分に鋸歯があります。花序は輪状集散花序、花序の下には赤みを帯びる苞葉が襟巻きのようにあり、花は唇形花、唇形花は長さ約1.5(~3)cm、唇形花の色は紫色もしくは桃色、雄蕊2個、雌蕊1個があります。
レモンベルガモットの切り花の楽しみ方
- レモンベルガモットの収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 水揚げは水切りもしくは湯揚げを行いましょう。
- 水揚げ後は花瓶に生けて飾ります。
- 管理場所は出来るだけ低温環境(糖の消費や蒸散が抑えられる)に置くと日持ちがよくなります。
- 管理は必要に応じて数日ごとに水切りを行い、水換えも同時に行いましょう。
- 日持ちは管理の方法でも左右されますが5~7日程度です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
湯揚げ法
湯揚げ法とは、切り花の切り口をお湯の中と冷水につけて、吸水を改善する水揚げ方法です。※水切りなどをしても、水揚げが上手くいかない場合等に行われます。
湯揚げは、導管内にある空気を熱で膨張させて外に押し出す効果があり、また熱のショックで一気に吸水する効果があります。またお湯で熱するため、切り口部分の雑菌が死滅して、微生物の影響が抑えられます。
湯揚げの方法
- お湯(約60~100度)と冷水を準備します。
- 切り花の花や葉が湯気で弱らないように、新聞紙で切り花を覆います。ただし、切り口の部分はお湯につけるため、茎の下部は新聞紙から出しておきましょう。
- 切り口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
- お湯(約60~100度)の中に切り口を付けて、切り口から空気が出てこなくなるのをまちます。お湯につける時間はおおよそ20~60秒です。
- お湯から切り花を出して、そのまま冷水の中に2時間程度浸けて水揚げします。
- 水揚げが終わったら必要に応じて水切りを行い花瓶に生けて楽しみます。
レモンベルガモットの園芸品種の紹介
ホースミントの特徴や園芸品種
- 原産:北アメリカ
- 学名:Monarda punctata
- 草丈:約30~90cm
- 分類:一年草/多年草(短命)
- 開花時期:7月~9月
- 花色:桃色●黄色●紫色●白色〇
- 葉色:緑色●
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:強い
- 用途:背が高い花/香りが良い/切り花
ホースミントとは!?
ホースミントは学名Monarda punctata、別名「スポッテット・ビーバーム(spotted beebalm)」や「モナルダ(プンクタータ)」とも呼ばれる北アメリカ原産の短命の多年草もしくは一年草です。
ホースミントの語源(由来)
- 属名のMonardaは、スペイン人の医師で植物学者のニコラス・モナルデス(Nicholas Monardes)への献名です。
- 種小名のpunctataは、ラテン語で「斑点のある」を意味しており花にあるスポットに由来します。
ホースミントの特徴(魅力)
- ホースミントは花(唇形花)に紫色の斑点があり、種小名のpunctata(斑点のある)の由来にもなっています。
- ホースミントの花はふつう小花(唇形花)よりも苞葉が長く、苞葉は白色もしくは桃色をしており、花よりも目立ち襟巻きの様な個性的な外観をつくっています。
- 花は節ごとに小花が輪状に多数集まり段々と開花します。
- 花(唇形花)は白色もしくは黄色で、目立つ紫色の斑点があります。
- 花は花蜂の蜜源となるため開花期になると花の周りを元気に飛び回る花蜂や昆虫の姿が観察出来ます。
- 花や葉には毛状突起があり、手で触ったりして壊すと「タイム」や「オレガノ」に似た強い香りが漂います。
- 花や葉に含まれる主な精油はチモールで、p-シメンなども含まれます。
- チモールは「薬」や「タイム」等に例えられる爽やかな香りがあり、精油の効能には「抗菌・抗真菌作用」「鎮痙作用」「抗炎症作用」「去痰作用」等があります。
- p-シメンは「木の香り」や「柑橘系」等に例えられる心地よい芳香があります。
- 花や葉に含まれる主な精油はチモールで、p-シメンなども含まれます。
- ホースミントの花や葉は、乾燥させてお湯で蒸らしハーブティーとして飲まれる事もあります。
ホースミントは草丈が約30(~90)cm、茎は殆ど分枝することなく直立します葉序は対生葉序、葉色は緑色、葉身の形は披針形、ふち部分に鋸歯があります。花序は輪状集散花序、花序の下には桃色もしくは白色の苞葉が襟巻きのように何枚もあり、苞葉はふつう花よりも長いです。花は唇形花、唇形花の色は白色もしくは黄色で紫色の斑点があり、雄蕊2個、雌蕊1個があります。
ホースミントの切り花の楽しみ方
- ホースミントの収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 水揚げは水切りもしくは湯揚げを行いましょう。
- 水揚げ後は花瓶に生けて飾ります。
- 管理場所は出来るだけ低温環境(糖の消費や蒸散が抑えられる)に置くと日持ちがよくなります。
- 管理は必要に応じて数日ごとに水切りを行い、水換えも同時に行いましょう。
- 日持ちは管理の方法でも左右されますが5~7日程度です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
湯揚げ法
湯揚げ法とは、切り花の切り口をお湯の中と冷水につけて、吸水を改善する水揚げ方法です。※水切りなどをしても、水揚げが上手くいかない場合等に行われます。
湯揚げは、導管内にある空気を熱で膨張させて外に押し出す効果があり、また熱のショックで一気に吸水する効果があります。またお湯で熱するため、切り口部分の雑菌が死滅して、微生物の影響が抑えられます。
湯揚げの方法
- お湯(約60~100度)と冷水を準備します。
- 切り花の花や葉が湯気で弱らないように、新聞紙で切り花を覆います。ただし、切り口の部分はお湯につけるため、茎の下部は新聞紙から出しておきましょう。
- 切り口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
- お湯(約60~100度)の中に切り口を付けて、切り口から空気が出てこなくなるのをまちます。お湯につける時間はおおよそ20~60秒です。
- お湯から切り花を出して、そのまま冷水の中に2時間程度浸けて水揚げします。
- 水揚げが終わったら必要に応じて水切りを行い花瓶に生けて楽しみます。
ホースミントの園芸品種の紹介