- 原産:北アメリカ
- 科:シソ(Lamiaceae)
- 属:モナルダ/ヤグルマハッカ(Monarda)
- 種:キトリオドラ(citriodora)
- 英名:レモンベルガモット(Lemon bergamot)
- 別名:モナルダ・キトリオドラ/レモン・ビーバーム(lemon beebalm)/レモンミント(lemon mint)/レモン・ホースミント(Lemon horsemint)
- 開花時期:5月~8月
- 花の色:桃色●紫色●
- 葉の色:緑色●
- 香り:花・葉
分類:一年草
草丈:60~90cm
草姿:直立
誕生花:
花言葉: - 用途:背が高い花/香りが良い/切り花
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
レモンベルガモットとは!?
レモンベルガモットは学名Monarda citriodora、別名「レモン・ビーバーム(lemon beebalm)」や「モナルダ・キトリオドラ」とも呼ばれる北アメリカ原産の一年草です。
レモンベルガモットの語源(由来)
- 属名のMonardaは、スペイン人の医師で植物学者のニコラス・モナルデス(Nicholas Monardes)への献名です。
- 種小名のcitriodoraは、ラテン語で「レモン」を意味する「citrus」と「香り」を意味する「odor」の2語の造語で、レモンの香りがする葉と花に由来します。
レモンベルガモットの特徴(魅力)
- レモンベルガモットは羽飾りの様に咲く個性的な花を鑑賞する目的で育てられたり、レモンやオレガノに似た香りのする葉を収穫して料理などに使う目的で育てられる一年草です。
- 花は節ごとに小花が輪状に多数集まり段々と開花します。
- 花はシソ科でよく見られる唇形花です。
- 花(花序)の下には紫色もしくは桃色の目立つ苞葉があり、襟巻きの様な個性的な外観をつくっています。
- 花や葉には毛状突起があり、手で触ったりして壊すと「レモン」や「オレガノ」に似た強い香りが漂います。
- 花や葉に含まれる主な精油にはチモール・シネオール・フェランドレン等があります。
- チモールは「薬」や「タイム」等に例えられる爽やかな香りがあり、精油の効能には「抗菌・抗真菌作用」「鎮痙作用」「抗炎症作用」「去痰作用」等があります。
- シネオールは「ユーカリ」や「樟脳」等に例えられるスッキリとした爽やかな香りがあり、精油の効能には集中力を高め記憶力を上げる効果があるとされています。
- フェランドレンは「メントール」や「柑橘類」等に例えられる心地よいかおりがあります。
- 花や葉に含まれる主な精油にはチモール・シネオール・フェランドレン等があります。
- レモンベルガモットの花や葉は、香り付けのために肉料理や魚料理に入れられたり、お湯で蒸らしてハーブティーにして飲まれたりします。
レモンベルガモットは草丈が約60(~90)cm、茎は基部から数本出て、直立して分枝します。茎の色は緑色で密生する様に白色の毛が生えます。葉序は対生葉序、葉色は緑色、葉身の長さ2(~6)cm、葉身の形は披針形、ふち部分に鋸歯があります。花序は輪状集散花序、花序の下には赤みを帯びる苞葉が襟巻きのようにあり、花は唇形花、唇形花は長さ約1.5(~3)cm、唇形花の色は紫色もしくは桃色、雄蕊2個、雌蕊1個があります。
レモンベルガモットの切り花の楽しみ方
- レモンベルガモットの収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 水揚げは水切りもしくは湯揚げを行いましょう。
- 水揚げ後は花瓶に生けて飾ります。
- 管理場所は出来るだけ低温環境(糖の消費や蒸散が抑えられる)に置くと日持ちがよくなります。
- 管理は必要に応じて数日ごとに水切りを行い、水換えも同時に行いましょう。
- 日持ちは管理の方法でも左右されますが5~7日程度です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
湯揚げ法
湯揚げ法とは、切り花の切り口をお湯の中と冷水につけて、吸水を改善する水揚げ方法です。※水切りなどをしても、水揚げが上手くいかない場合等に行われます。
湯揚げは、導管内にある空気を熱で膨張させて外に押し出す効果があり、また熱のショックで一気に吸水する効果があります。またお湯で熱するため、切り口部分の雑菌が死滅して、微生物の影響が抑えられます。
湯揚げの方法
- お湯(約60~100度)と冷水を準備します。
- 切り花の花や葉が湯気で弱らないように、新聞紙で切り花を覆います。ただし、切り口の部分はお湯につけるため、茎の下部は新聞紙から出しておきましょう。
- 切り口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
- お湯(約60~100度)の中に切り口を付けて、切り口から空気が出てこなくなるのをまちます。お湯につける時間はおおよそ20~60秒です。
- お湯から切り花を出して、そのまま冷水の中に2時間程度浸けて水揚げします。
- 水揚げが終わったら必要に応じて水切りを行い花瓶に生けて楽しみます。
レモンベルガモットの園芸品種の紹介
モナルダの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
モナルダの珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種の紹介【2022】
レモンベルガモットの育て方
花壇の土づくり
日当たり
レモンベルガモットは日光のよく当たる場所で最も生産性が高まり沢山の花を咲かせます。そのため直射日光が6時間以上あたる日向で育てる事が理想です。また直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。ただし日当たりの悪い環境で育てると茎が徒長したり花数が減ったりします。
作土層
レモンベルガモットがしっかり根を張り健康な成長するには、十分な深さの作土層(表層にある柔らかな土)が必要です。深さ約30cmまでスコップを使い穴を掘り、根張りを邪魔したり保水性や栄養の保持を悪くする石やゴミ等を取り除いておきましょう。
土壌の土質
レモンベルガモットは土質を選ばず育てる事が可能で、通気性がよければ幅広い土壌で育てる事が出来ます。ただし最もよく成長して、沢山の花を咲かせるのは通気性がよく有機物がしっかり入る肥沃な土壌のため、植え付け前にしっかり土壌診断を行い改善してから植え付けを行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 土を適度に濡らして手にとり握って土塊を作り通気性・保水性を診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
レモンベルガモットは日光のよく当たる場所で最も生産性が高まり沢山の花を咲かせます。そのため直射日光が6時間以上あたる日向で育てる事が理想です。また直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。ただし日当たりの悪い環境で育てると茎が徒長したり花数が減ったりします。
培養土
レモンベルガモットは一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
水やりの仕方
レモンベルガモットは湿り気のある土壌を好みます。乾燥にも比較的に耐えますが、生育は鈍くなるので注意が必要です。
水やりの頻度は環境(植える場所や土質)にも左右されますが、基本的には土の表面が乾いてきたタイミングで行うといいでしょう。乾燥を防ぐために腐葉土等でマルチングするのもおすすめです。
肥料の与え方
レモンベルガモットはある程度、有機物を含んだ肥沃な土壌であれば多くの肥料を必要としません。必要に応じて植え付け時に元肥を入れましょう。
剪定のやり方
レモンベルガモットは剪定せずに育てる事も出来ます。ただし花がら摘みを行わないとこぼれ種で雑草化する事もあるため、必要に応じて花が終わったら切り戻しましょう。
夏越しする方法
レモンベルガモットは夏の暑さに強い一方で、乾燥を苦手にしています。そのため、地植えしてる場合でも土の表面が乾燥してきたら水やりをしっかり行いましょう。特に鉢植えで育てている場合は、乾燥がより早くなるため注意が必要です。
冬越しする方法
Hardiness:
挿し木や株分けで増やす
播種で増やす
レモンベルガモットの種蒔の方法
播種時期:2月~4月
発芽適温:約20度
発芽日数:約14日~21日
光条件:
- 種を撒く前に、ポットに種まき用の培養土を準備します。
- もしくは直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上に薄く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
植物の病気
レモンベルガモットの病気
- うどんこ病
- 灰色カビ病
レモンベルガモットの害虫
- アブラムシ
- ヨトウムシ