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科:シソ(Lamiaceae) 属:ラヴァンドラ(Lavandula) 種:インターメディア(Intermedia) 英名:ラバンディン(lavandin) 別名:ラベンダー・インターメディア/ハイブリッド・ラベンダー(Hybrid Lavender) 品種:ディリーディリー(dilly dilly) 花の色:青色●紫色● 葉色:緑色● 分類:常緑低木 草丈:約90cm 開花時期:6月~9月 誕生花:6月19日/7月2日 花言葉:「沈黙」「誘惑」「あなたを待っています」 | ||
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ラベンダー(ディリーディリー)は香りがとてもよく灰みを帯びた紫色(青色)の花が魅力的な園芸品種です。
開花時期は夏から秋、花色は青色もしくは紫色、個々の花は唇形で上唇は2裂して下唇は3裂する、花序は小花が穂状に集まり輪散花序もしくは穂状花序に花を咲かせます。樹形は基部付近でよく分枝して枝は直立しドーム状になり高さ約75cm × 幅は約90cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は線形で全円、葉序は対生葉序もしくは輪生葉序につきます。
ラベンダー(ラバンディン)は学名Lavandula × Intermedia、強く甘い香りがあり人気の高いイングリッシュ・ラベンダー(L. angustifolia)と樟脳が多く刺激的な匂いがあるスパイク・ラベンダー(L. latifolia)の交雑種で、別名「ラベンダー・インターメディア」や「ハイブリッド・ラベンダー(Hybrid Lavender)」とも呼ばれる常緑低木です。
ラベンダー(ラバンディン)の語源(由来)
- 属名のラヴァンドラ(Lavandula)は洗っているを意味するラテン語の「lavo」もしくは洗浄を意味する「lavare」からきており、古代ローマ人が入浴時の香水として利用したり洗濯等に利用したりした事に由来しています。
- 種小名のインターメディア種(Intermedia)はラテン語で「中間の/中央の」を意味しており交雑種である事に由来します。
ラベンダー(ラバンディン)の特徴(魅力)
- 花の香りは品種により「クスノキ」や「ローズマリー」の様な刺激的な香りがするものや「柑橘類」や「バラ」の様な華やかな香りがするものがあります
- 全体的に背が高く花穂が長く沢山の花をつける傾向にあります
- ↳そのため沢山の精油が採れ商業的に最も栽培されています
- 葉は緑色ですが白色の腺毛が薄ら生えているため灰緑色の外観をつくります
- ↳葉・茎・萼の腺毛には香りの元になる精油が溜まっているため
- ↳潰したり傷つけると心地よい香りが広がります
- ラベンダー(ラバンディン)の香り良い花は様々な用途で利用されます
- ↳例えばドライフラワー・アロマテラピー・ハーバルバス・ラベンダー石鹸等
- ↳樟脳が多く含有する傾向にあるため食用としては避けられる傾向にあります
- 乾燥や肥料を殆ど必要とせず環境が合えば放ったらかしで育ちます
- ↳ただし長雨や高温多湿には弱いです
開花時期は夏から秋、花色は青色や紫色、桃色や白色があり、個々の花は唇形で上唇は2裂して下唇は3裂する、花序は小花が穂状に集まり輪散花序もしくは穂状花序に花を咲かせます。樹形は基部付近でよく分枝して枝は直立しドーム状になり高さ約60(120)cm × 幅は60(90)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は線形で全円、葉序は対生葉序もしくは輪生葉序につきます。
ラベンダー(ラバンディン)の香りの印象と精油成分
ラベンダー(ラバンディン)の花(葉)には、「クスノキ」や「ローズマリー」を思わせる香りのタイプや、「柑橘類」や「バラ」を想像させる香りのタイプがあります。花の香りを特徴づける精油は季節や育てられる環境等によって含有率が変わりますが主に「リナロール(約30~40%)」や「酢酸リナリル(約20~30%)」を主成分にして「樟脳約3~10%」「シネオール」等が含まれています。
ラベンダー(ラバンディン)の香りは一般的にはクスノキや薬品を思わせる強い香りがありますが、幾つかの品種ではイングリッシュラベンダーを思わせるフルーティで甘い香りを漂わせる品種もあります。何故ならイングリッシュ・ラベンダー(L. angustifolia)とスパイク・ラベンダー(L. latifolia)のどちらの影響を濃く受けているかで変わるからです。具体的に言うと樟脳の多さ(イングリッシュラベンダーは樟脳約0~2%・最も有名なグロッソは樟脳約8%)で香りの性質がかわります。
香りの効能には、リナロールや酢酸リナリルの香りの作用により鎮静作用や抗不安作用等が期待できます。例えば香りを嗅ぐ事でイライラや興奮を抑えたり、不安や緊張から解放されリラックスする等の効果が期待できます。そのため、アロマテラピーでも人気の高い香りの1つです。一方で樟脳の多い品種では鎮静作用や抗不安作用は劣りますが、集中力や記憶力を高める効果等が期待できるため仕事や勉強を行う際に嗅ぐのがオススメです。
- リナロールは「フローラル」「柑橘系(オレンジ)」「ブルーベリー」「ローズ」等に例えられる華やかな香りがあり、風味(フレーバー)は甘くフルーティーです。一般に植物ではイングリッシュラベンダーやスズラン等に豊富に含まれており、精油は化粧品やアロマテラピー等の様々な場面にも使われています。リナロールの香りの効果にはイライラや興奮といった神経系の過活動を抑える働き(鎮静効果)や、不安や緊張を和らげる効果(抗不安効果)があるため、落ち着きたい時や集中したい時などに嗅ぐとよいでしょう。
- 酢酸リナリルの香りは「ラベンダー」「ベルガモット」「木の香り」等に例えられるスイートな香りがあり、風味(フレーバー)は柑橘系の甘みを感じさせます。一般に植物ではクラリセージやベルガモット、ラベンダー等に含まれており、精油はアロマセラピー等に利用されています。酢酸リナリルの香りの効果には、痛みを抑える鎮痛作用や、イライラや興奮といった神経系の過活動を抑える働き鎮静作用がある事からアロマセラピー等に利用されます。
- 樟脳は「クスノキ」「防虫剤(衣服)」等に例えられるスッキリと爽やかな香りがあり、風味(フレーバー)はミントの様なスっとした冷感のある味があります。一般に植物ではクスノキやローズマリー等に含まれており、精油は医薬品や防虫剤等に幅広く利用されています。樟脳の精油の効果には「抗菌作用(防腐効果)」「抗ウィルス作用」「防虫作用」等があります。
- シネオールは「ユーカリ」「樟脳」「薬」「ミント」等に例えられるスッキリと爽やかな香りがあり、風味(フレーバー)はミントの様なスっとした味があります。一般に植物ではユーカリやローズマリー、月桂樹等に含まれており、精油は食品の香料や化粧品等に利用されています。シネオールの精油の効果には、香りが集中力を高め記憶力を上げる効果があります。また落ち込んだ時には気分を高揚させる働きがあるため、アロマテラピー等にもよく利用されます。
ラベンダー(ラバンディン)の用途(使い方)
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ラベンダー(ラバンディン)は他のラベンダーと比べて、花数が多く精油が沢山採れるため商業的に最も育てられています。また一般的にも、花材として使える部分が多い事は歓迎する所でしょう。ただイングリッシュラベンダーと違いラバンディンは樟脳を多く含有する傾向にあるため、食用としてはあまり向きません。利用はドライフラワーやポプリ、ハーバルバスやラベンダー石鹸、アロマキャンドルやアロマセラピー等限られるでしょう。
ラベンダー(ラバンディン)の栽培
園芸では、香りの良い花をドライフラワーやポプリ等で楽しむ目的だったり、紫色の花と灰緑色の葉の上品な草姿を鑑賞する目的で育てられます。一般的には長雨等の多湿を苦手にしているため、管理しやすい鉢植え等で育てられる事が多いですが、花壇や植え込みに並べて植えたりして生垣として利用される事もあります。園芸品種には、最も香りが強いラベンダーの1つとして知られ香水の原料や精油等にもよく利用されている「グロッソ」や白色の長い花穂が明るく清楚な雰囲気をつくる「エーデルワイス」等があり、それぞれお庭の雰囲気に合わせて品種を選ぶと良いでしょう。※その他の種や園芸品種は下のリンクから見れます。
ラベンダー(ラバンディン)を育てる際に1番注意する事は「長雨を避ける」事です。基本的には水やりも肥料も殆ど必要とせず、環境が合えば放ったらかしで育つ事もありますが、梅雨の長雨に当たったり夏の高温多湿のせいで枯れてしまう事が多いです。何故なら雨に当たる事で病気になったり根腐れを引き起こすからです。そのため、雨に当たらない対策が重要です。例えば雨が続く場合は鉢植えを軒下等に移動したり、雨が当たらない様な日当たりのよい場所に地植えしたり、また泥はねが葉に当たり病気になる事も多いためマルチングをしておくと良いでしょう。増やし方は一般的に挿し木によって行われますが、種でも増やす事が出来ます。
ラベンダーの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。