- 原産:ヨーロッパ
- 科:キンポウゲ(Ranunculaceae)
- 属:クレマチス(Clematis)
- 種:ビチセラ(viticella)
- 別名:イタリアンレーザーフラワー(Italian leather flower)/パープルクレマチス(purple clematis)/バージンズバウア(Virgin’s bower)
- 品種:エトワールバイオレット(Clematis viticella ‘etoile violette’)
- 開花時期:5月~6月(10月まで散発的に開花する事があります)
- 花の色:赤色●紫色●
- 葉の色:緑色●
- 分類:落葉ツル性木本
- 分類①:ビチセラ系
- 分類②:遅咲き大輪系
- 登攀方法:まきヒゲ
- 草丈:約300~500cm
- 誕生花:5月3日/5月9日/7月1日/7月2日/9月12日
- 花言葉:精神的な美しさ/美しい心/旅人の喜び/策略
- 用途:開花期間長い/壁面緑化/切り花
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
クレマチス(エトワールバイオレット)とは!?
クレマチス(エトワールバイオレット)は、ベルベット生地の上質な質感を感じさせるような花姿をしており、赤みを帯びた紫色の花色が高級感や上品な印象を与える魅力的な園芸品種です。花は直径約10cm、萼片は4~6個、萼片の色は濃い紫色、雄蕊は黄色です。樹形はツル性、高さは約300~500cmに成長します。
クレマチス(ビチセラ)とは!?
クレマチス(ビチセラ)は学名Clematis viticella、別名では「イタリアンレーザーフラワー(Italian leather flower)」や「パープルクレマチス(purple clematis)」等とも呼ばれるヨーロッパが原産の落葉ツル性木本です。
クレマチス(ビチセラ)の語源(由来)
- 属名のClematisは古代ギリシア語で「ツル」「枝」を意味する「κληματῐ́ς(klematis)」を意味しており、成長習慣に由来します。
- 種小名のviticellaは、ラテン語で「蔓」や「ブドウの木」を意味する「Vitis」から来ています。
クレマチス(ビチセラ)の特徴(魅力)
- クレマチス(ビチセラ)は、多くのクレマチスの園芸品種の祖先として知られており、花形や花色が豊富にあります。また多くのクレマチスと同様に他の植物や物体に絡みながら成長する習慣(決まりのように繰り返す癖)があります。
- 園芸では、上品な印象を与える花を鑑賞する目的や、ツルをトレリスなどに絡ませて壁面緑化などとして利用する目的で育てられます。
- 樹形はツル性、茎は基本的に自立せず、他の植物や物体に接触すると葉柄を巻き付けて茎を固定します。
- そのため、トレリスやオベリスク等の資材を準備して育てる必要があります。
- 開花は晩春から初夏頃に最も沢山の花が咲き、秋まで散発的に花が開花する事があります。
- 花は直径約4~10cm、花弁状の萼片が4個あり、萼片は鐘形もしくは花弁のように平開します。
- 葉は小葉が幾つも集まり羽状に広がる形からレースの編み物の様な繊細な印象を与えます。
- 葉柄はまきヒゲ(葉まきヒゲ)としての機能があり、他の植物や物体に葉柄を巻き付けて茎を支える働きがあります。
クレマチス(ビチセラ系)の樹形はツル性、茎の長さは約300(~500)cm、茎の色は緑色もしくは赤みを帯びます。
葉序は対生葉序、葉色は緑色、葉柄はあり、葉身は羽状複葉、羽状複葉は小葉が3(~5)個、小葉は楕円形もしくは卵形、ふち部分は全縁もしくは浅裂(~深裂)します。※葉柄は、まきヒゲ(葉まきヒゲ)になっており、他の植物や物体に葉柄を巻き付けて植物体を固定します。
花序は腋花、花は直径4(~10)cm、花の形は鐘形もしくは平開して、萼片の数は4個、萼片の色は青色から紫色、雄蕊は多数。
クレマチスの切り花の楽しみ方
- 切り花の収穫は花が十分水分を含んでいる朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 収穫のタイミングは花が半分以上開いたタイミングで行うと日持ちが長くなります。
- 茎に付いた葉は水揚げを悪くするため必要な分を除いて全て取り外しましょう。
- クレマチスは水揚げを少し苦手にしています。そのため根元叩きを行った後に湯揚げを行い、深水した状態で冷暗所に1時間ほど置いて水揚げをします。
- 花瓶に水と延命剤を入れて花を生けましょう。
- 管理は必要に応じて数日ごとに切り戻しと根元叩きを行い、水換えも同時に行いましょう。
- 日持ちは管理の方法でも左右されますが約5~14日です。
根元割り法・根元叩き法
根元割り法・根元叩き法とは、硬い茎や枝の根元に縦にハサミを入れて割る、または金槌などで硬い茎や枝の根元を叩いて潰して、水揚げする方法です。
根元割り・根元叩きをする事で、吸水する場所の面積が増えて、吸水力が高まり水揚げしやすくなります。
根元割り
- 切り花の根元をハサミを使って斜めにカットします。
- カットした切り口に対して垂直に、ハサミを入れて、十時に切れ込みをいれます。
根元叩き
切り花の切り口を、金槌で叩いて潰します。
湯揚げ法
湯揚げ法とは、切り花の切り口をお湯の中と冷水につけて、吸水を改善する水揚げ方法です。※水切りなどをしても、水揚げが上手くいかない場合等に行われます。
湯揚げは、導管内にある空気を熱で膨張させて外に押し出す効果があり、また熱のショックで一気に吸水する効果があります。またお湯で熱するため、切り口部分の雑菌が死滅して、微生物の影響が抑えられます。
湯揚げの方法
- お湯(約60~100度)と冷水を準備します。
- 切り花の花や葉が湯気で弱らないように、新聞紙で切り花を覆います。ただし、切り口の部分はお湯につけるため、茎の下部は新聞紙から出しておきましょう。
- 切り口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
- お湯(約60~100度)の中に切り口を付けて、切り口から空気が出てこなくなるのをまちます。お湯につける時間はおおよそ20~60秒です。
- お湯から切り花を出して、そのまま冷水の中に2時間程度浸けて水揚げします。
- 水揚げが終わったら必要に応じて水切りを行い花瓶に生けて楽しみます。
深水法
深水法とは、深い水の中に切り花を漬けて水揚げする方法です。※水切りなどをしても、水揚げが上手くいかない場合等に行われます。
深水は、深い水の中に切り花をつけるため、水圧が高まり、水上がりがとてもよくなります。また茎や葉からも水分を吸水するため、萎れが素早く改善します。
深水は水の吸い上げが弱い花材(バラ・ダリア・ラナンキュラス等)でよく行われます。また茎や葉が繊細な植物で深水をすると傷むため、基本的に茎葉が丈夫な花材で行います。
深水のやり方
- バケツの中に切り花が半分程度浸かる程度の水をいれておきます。
- 切り花を新聞紙で包みながら、花や葉が潰れない程度で、しっかり立つように固定して、茎の下部数cmを新聞紙から出しておきます。
- 切り花の切り口を水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
- バケツの中に切り花が半分以上浸かる様にして入れておき、水揚げのため一から数時間程度放置します。
- 水揚げが終わったら花瓶の中に生けて楽しみます。
クレマチス(ビチセラ系)の園芸品種の紹介
- エミリア プラター(Clematis viticella ‘emilia plater’)は、透明感を感じさせるような薄い青色(薄い紫色)の花色が特徴の園芸品種です。花は直径約10cm、萼片は4~6個、萼片の色は薄い青色もしくは薄い紫色、雄蕊は黄色です。樹形はツル性、高さは約200~300cmに成長します。
- プリンスチャールズ(Clematis viticella ‘Princess Charles’)は、繊細な印象や心が癒される様な雰囲気をつくる薄い青色(薄い紫色)の花色が魅力の園芸品種です。花は直径約10cm、萼片は4~6個、萼片の色は薄い青色もしくは薄い紫色、雄蕊は黄色です。樹形はツル性、高さは約200~300cmに成長します。
- エトワールバイオレット(Clematis viticella ‘etoile violette’)は、ベルベット生地の上質な質感を感じさせるような花姿をしており、赤みを帯びた紫色の花色が高級感や上品な印象を与える魅力的な園芸品種です。花は直径約10cm、萼片は4~6個、萼片の色は濃い紫色、雄蕊は黄色です。樹形はツル性、高さは約300~500cmに成長します。
- パープレア プレナエレガンス(Clematis viticella ‘purpurea plena elegans’)は、花弁が内側に膨らむためモコモコとした可愛らしい外観をしており、また八重咲きするため豪華な印象を与える花姿をつくります。花色は赤紫色、赤紫色は奥ゆかしく艶やかな印象を与えたり、また神秘的で非現実的な印象を与えたりします。そのため優雅な雰囲気漂うエレガントなお庭や、現実世界から離れたような幻想的な雰囲気があるお庭などによくあうでしょう。樹形はツル性、高さ約200~400cmに成長します。
- ベノーサ ビオラセア(Clematis viticella ‘venosa violacea’)は、花の直径が10cmと大きいため華やかで存在感のある花姿をしており、また濃い紫色の覆輪が入る紫色と白色の二色の花色は、着物を思わせるような上品な印象や洗練された雰囲気をつくります。樹形はツル性、高さ約200~400cmに成長します。
- ブルーエンジェル(Clematis viticella ‘blue angel’)は、萼片が不規則に波打つため華やかな印象の花姿をつくります。また薄い紫色の花色がシックで繊細な印象を与えるため、リラックス出来るような落ち着いたお庭や、繊細な雰囲気のあるエレガントなお庭などによく合う園芸品種です。花は直径10cm、萼片は4個~6個、萼片の色は薄い紫色をしています。樹形はツル性、高200~400cmに成長します。
- ダークアイズ(Clematis viticella ‘dark eyes’)は、上質な質感を感じさせるビロードの織物のような美しい花姿と、重厚的でモダンな印象を与える濃い紫色の花色が魅力的な園芸品種です。花は直径約8cm、萼片はふつう4個、萼片の色は濃い紫色もしくは黒色をしています。樹形はツル性、高さ約150~250cmに成長します。
- ポリシュ スピリット(Clematis viticella ‘polish spirit’)は、上質な質感を感じさせるビロードの織物のような美しい花姿と、神秘的な印象や高貴な雰囲気をつくる紫色の花色が魅力的な園芸品種です。花は直径約9cm、萼片は4~6個、萼片の色は鮮やかな紫色をしています。樹形はツル性、高さ約200~400cmに成長します。
- マダム ジュリアコレボン(Clematis viticella ‘madame julia correvon’)は、赤ワインを思わせるような上品な赤色、黄色の雄蕊の対比が美しい園芸品種です。花は直径約12cm、萼片は4個~6個、萼片の色は赤色、雄蕊は黄色をしています。樹形はツル性、高さ約200~300cmに成長します。
- ブラックプリンス(Clematis viticella ‘black prince’)は、殆ど黒色に見える濃い紫色の花色が特徴で、萼片の裏側は白色を帯びた花色をしています。黒色の花色は、モダンでスタイリッシュな印象を与えるため、お洒落なお庭や洗練されたモダンなお庭などによく合います。花は直径約6~8cm、萼片は4個、萼片の色は黒色から濃い紫色(裏側は白色)をしています。樹形はツル性、高さ約200~300cmに成長します。
- ベティーコーニング(Clematis viticella ‘betty corning’)は、呼び鈴のベルを思わせるような俯いて咲く可愛らしい花姿と、薄い紫色(薄い青色)の繊細な花色が魅力的な園芸品種です。花は鐘形、大きさは直径約5cm、萼片は4個、萼片の色は薄い紫色もしくは薄い青色をしています。樹形はツル性、高さ約100~200cmに成長します。
- アイアムレディj(clematis viticella ‘i am lady j’)は、呼び鈴のベルを思わせる俯いて咲く花姿と、萼片が後ろ側へくるんと巻く花の形が、可愛らしい外観をつくる園芸品種です。花は直径約7cm、花の形は鐘形、萼片は4個、花色は白色に紫色の覆輪がはいります。樹形はツル性、高さ約300~350cmに成長します。
- アイアムレディq(clematis viticella ‘i am lady q’)は、呼び鈴のベルを思わせる俯いて咲く花姿と、萼片が後ろ側へくるんと巻く花の形が、可愛らしい外観をつくる園芸品種です。花は直径約7cm、花の形は鐘形、萼片は4個、花色は白色に桃色の覆輪がはいります。樹形はツル性、高さ約300~350cmに成長します。
- プリンスジョージ(clematis viticella ‘prince george’)は、萼片が不規則に波打つため優雅な印象の花姿をつくり、また真っ白な花色が明るく輝くような印象や清潔感を感じさせる園芸品種です。花は直径約10cm、萼片は4個~6個、萼片の色は白色です。樹形はツル性、高さ約200~300cmに成長します。
- ペルニール(clematis viticella pernille)は、萼片の幅が広いためポチャとした可愛らしい外観をしており、上品な着物を連想させるような紫色と白色の二色の花色が魅力の園芸品種です。花は直径約9cm、萼片は4個~8個、萼片の色は白色に紫色の覆輪がはいります。樹形はツル性、高さ約250cmに成長します。
- コメレイ(clematis viticella ‘Kommerei’)は、花の大きさが直径約10~12cmと大きいため存在感のある花姿をしており、色鮮やかな桃色の花色が可愛らしい印象や明るくポップな雰囲気をつくる魅力的な園芸品種です。花は直径約10~12cm、萼片は4個~6個、萼片の色は鮮やかな桃色です。樹形はツル性、高さ約200~350cmに成長します。
- アバンギャルド(clematis viticella avant garde)は、中央の雄蕊が花弁化して盛り上がるため、チアが持つポンポンのような可愛らしい外観の花姿をつくります。花の大きさは直径約5cmと小ぶりで、外側に赤色(濃い桃色)の萼片が4個~6個あり、中央には雄蕊が花弁化した細い花弁が多数集まり、花弁は薄い桃色をしています。樹形はツル性、高さ約200~300cmに成長します。
- マリアコルネリア(clematis viticella ‘maria cornelia’)は、瑞々しく爽やかな印象を与える花色が特徴で、花色は薄ら緑色に染まる花色から真っ白な花色へと変化します。花は直径約8cm、萼片は普通4個(~6個)、萼片の色は薄い緑色から白色へと変化します。樹形はツル性、高さ約200~300cmに成長します。
- サニーサンド(clematis viticella ‘sunny side’)は、中央に集まる濃い紫色の雄蕊と、花弁状に広がる白色の萼片が上品な印象を与える花姿をつくり、また白色の萼片に薄ら入る桃色の筋状の絞りが可愛いらしさも感じさせる園芸品種です。樹形はツル性、高さは約200cmに成長します。
- ホーゲルビーホワイト(clematis viticella hagelby white)は、呼び鈴のベルを思わせるような俯いて咲く可愛らしい花姿と、明るく輝くような印象や清潔感を感じさせる白色の花色が魅力的な園芸品種です。花は鐘形、大きさは直径約5cm、萼片は4個、萼片の色は白色をしています。樹形はツル性、高さ約200~300cmに成長します。
- ホーゲルビーピンク(clematis viticella hagelby pink)は、呼び鈴のベルを思わせるような俯いて咲く可愛らしい花姿と、可愛らしい印象やロマンチックな雰囲気をつくる桃色の花色が魅力的な園芸品種です。花は鐘形、大きさは直径約5cm、萼片は4個、萼片の色は桃色をしています。樹形はツル性、高さ約200~300cmに成長します。
- ダンシングスター(clematis viticella ‘dancing star’)は、上質な質感を感じさせるビロードの織物のような美しい花姿と、高貴な印象やミステリアスな雰囲気をつくる鮮やかな紫色の花色が魅力的な園芸品種です。花は直径約10~12cm、萼片は4~6個、萼片の色は紫色です。樹形はツル性、高さ約150~250cmに成長します。
- リトルネル(clematis viticella ‘little nell’)は、花の萼片のふち部分に薄ら紫色もしくは薄い桃色の覆輪が入るため、繊細な印象を与え、落ち着いた雰囲気をつくる園芸品種です。樹形はツル性、高さ約200~300cmに成長します。
- ダッチ・スカイ(clematis viticella ‘dutch sky’)は、空の色を連想させるような薄ら青色に染まる爽やかな花色が魅力の園芸品種です。花は直径約10cm、萼片の数は4個~6個、萼片の色は白色に薄い青色の筋状の班がはいります。樹形はツル性、高さ約200~250cmに成長します。
- アルバ・ラグジュリアンス(clematis viticella ‘alba luxurians’)は、中央に集まる濃い紫色の雄蕊と、花弁状に広がる白色の萼片が、ラグジュアリーでお洒落な印象を与える園芸品種です。花は直径約8cm、萼片は普通4個(~6個)、萼片の色は白色に緑色の爪班が入り、雄蕊は暗紫色をしています。樹形はツル性、高さ約200~400cmに成長します。
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クレマチスの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
クレマチスの珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種の紹介【2021】
クレマチス(エトワールバイオレット)の育て方
花壇の土づくり
日当たり
クレマチス(エトワールバイオレット)は日光のよく当たる場所で最も生産性が高まり沢山の花を咲かせます。そのため直射日光が6時間以上あたる日向で育てる事が理想です。また3時間から5時間の半日影までで育てられます。
土壌の土質
クレマチス(エトワールバイオレット)は通気性と保水性のバランスがよく肥沃な壌土を好みます。基本的には幅広い土壌で育てる事が出来ますが、粘土質な土壌は生育不良を引き起こす可能性があるため避けた方がよいでしょう。植え付け前にしっかり土壌診断を行い、通気性と保水性のバランスがよく肥沃な壌土に改善してから植え付けを行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
植付け時
植付け時は一節以上を土の中に入れて深植えする事で、土の中の節から新しいツルと根が出やすくなります。
鉢土づくり
日当り
クレマチス(エトワールバイオレット)は日光のよく当たる場所で最も生産性が高まり沢山の花を咲かせます。そのため直射日光が6時間以上あたる日向で育てる事が理想です。また3時間から5時間の半日影までで育てられます。
培養土
クレマチス(エトワールバイオレット)の培養土を自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
赤玉土+鹿沼土+腐葉土=4:2:4
赤玉土(中粒)+バーク堆肥=5:5
水やりの仕方
地植え
クレマチス(エトワールバイオレット)を地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。ただし土の中に指を入れて湿り気がない場合、葉や茎が萎れている場合は直ちに水やりを行いましょう。
鉢植え
クレマチス(エトワールバイオレット)を鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。ただし水やりを行い過ぎてジメジメとした環境が続くと根腐れしてしまうため、土が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
クレマチス(エトワールバイオレット)は基本的に肥沃な土壌を好むことから、晩冬から早春は堆肥を入れます。また春からの芽出しをよくするために堆肥と一緒に寒肥を与えましょう。生育期間中(春から秋)も定期的に追肥を与える事で成長がよくなります。
寒肥と堆肥の与え方
- 寒肥は晩冬から早春に与える肥料です。
- 肥料の種類は、肥沃な土を好むため有機肥料(配合肥料)が理想ですが、緩効性肥料でも問題ありません、成分は水平型肥料(肥料成分がバランスよく入る)を選びましょう。
- 寒肥は株元から少し離れた場所に穴を掘り肥料を入れるか置き肥しましょう。
- 有機肥料の場合は匂い等で虫がよってくる可能性があるため、株から少し離した場所に穴を掘り肥料を与えた方が良いでしょう。
- 緩効性肥料の場合は株の近くの土の上に置く、置き肥で問題ありません。
- 堆肥とは有機物が微生物により分解された肥料もしくは土壌改良材です。生態サイクルのない庭の花壇や鉢植えは、風雨や微生物の働き等により、土壌が年々劣化していき土が硬くなったり水はけが悪くなったりします。堆肥には【化学性・物理性・生物性】を高める効果があり、劣化した土を肥沃(植物の生育がよく生産性が高い土)な土に変える働きがあります。
- 堆肥は寒肥を与える時期(初冬から早春の間)に、寒肥と一緒に与えると良いでしょう。株から少し離れた場所に堆肥(腐葉土もしくは牛糞堆肥等)を盛ってマルチングするか、穴を掘って堆肥を埋めましょう。
追肥の与え方
- 追肥は春から秋の生育期間中に与えます。
- 追肥は肥料の効きが早い速効性肥料(化成肥料)もしくは、緩やかに長く効く緩効性肥料を選びましょう。
- 化成肥料や緩効性肥料などの固形肥料を与える場合は、規定された量を定期的に施します。
- 液体肥料で与える場合は、規定された分量で希釈して約7~14日に1回のペースで水やりの際に一緒に液肥を与えるとよいでしょう。
剪定のやり方
クレマチス(エトワールバイオレット)を剪定する目的は、葉がスカスカになったり花が減ったりしている生産性の低い古い茎を剪定して、花や葉を沢山つける新しい茎の成長を促したり、不要な茎(枯れた茎など)を取り除いて日当たりや風通しを改善して健康な茎の成長を促したり、間延びした茎を剪定して形を制御する目的で剪定が行われます。
クレマチス(エトワールバイオレット)は茎が基本的に自立しないため巻き付くための園芸資材を準備してあげる必要があります。自らで葉柄を巻き付けて成長するため基本的に誘引は不要ですが、希望の場所に這わせたい場合は葉柄を取り外して誘引する事も出来ます。ただし茎は折れやすいため丁寧に扱ってあげましょう。
剪定方法
- クレマチス(ビチセラ系)の剪定時期は晩冬から早春です。または必要に応じて花後に行います。
- 基本的に新枝に花が咲くため、休眠中の晩冬から早春に古い茎を剪定して、春からの新しい茎の成長を促します。
- ツルを長く伸ばしたい場合は花後に軽い剪定を行います。
- 剪定のやり方(必須)
- 株全体を観察して枯れ枝や損傷した枝を健康な芽の上で剪定するか根元から剪定して取り除きます。
- 春からの成長が始まる前に不要な枝を剪定する事で、日当たりを改善したり、エネルギーの分散を減らし新しい健康な芽の成長を促します。
- 株全体を観察して枯れ枝や損傷した枝を健康な芽の上で剪定するか根元から剪定して取り除きます。
- 剪定のやり方①
- 株をコンパクトに保って、株を覆い尽くすように咲き誇る花を見たい場合は、強剪定をおこないましょう。強剪定は、地面から約15cm~50cmの間を目安にして、低い位置にある太い新芽のある場所の上で切り戻し剪定を行いましょう。
- 剪定のやり方②
- 壁面のカバーを維持したい場合は、花後に軽い剪定を行います。開花が一段落したら、花の下の強い側枝の上で剪定するか、もしくは花から1~2節下の節の上で剪定するか、もしくはツルの長さの半分程度を目安に剪定しましょう。
- また晩冬に、株全体のバランスを見ながら、生産性が落ちた最も古い茎を枝分かれしている部分の根元で剪定するか、枝分かれさせたい場所の芽の上で剪定しましょう。
- 壁面のカバーを維持したい場合は、花後に軽い剪定を行います。開花が一段落したら、花の下の強い側枝の上で剪定するか、もしくは花から1~2節下の節の上で剪定するか、もしくはツルの長さの半分程度を目安に剪定しましょう。
ツル誘引の目的と方法
クレマチス(ビチセラ系)の茎は基本的に自立する事が出来ません。葉柄がまきヒゲの働きとなり、他の植物や物体に葉柄を巻き付けて体を固定します。そのため、茎を巻き付けやすい園芸資材を準備してあげる必要があります。
園芸資材は、トレリスやフェンス等がおすすめです。ツルを這わせる資材を準備しておけば、自らの力で茎を固定して成長するため誘引は不要です。
夏越しする方法
クレマチス(エトワールバイオレット)は夏の暑さに強いため、基本的に夏越し対策は不要です。ただし花が咲き終わった後も花がらを残しておくと、種作りのためにエネルギーが使われて株が弱る事もあるため、花がらはしっかりとっておきましょう。
冬越しする方法
Hardiness:4b~9a
クレマチス(エトワールバイオレット)は耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。
挿し木や株分けで増やす
クレマチス(ビチセラ系)は挿し木や取り木によって増やす事ができます。
挿し木の方法
- クレマチス(ビチセラ系)の挿し木時期は晩春から初夏が適します。
- 挿し穂の茎は今年成長した健康な部分をカットしましょう。
- 挿し穂 の長さ約10cmにわけます。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き上部の葉を残します。
- 挿し穂用の無菌の培養土を準備します。
- 切り口を下にして培養土の中に挿し穂を挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
取り木(圧条法)
取り木(圧条法)とは茎が柔軟で曲げやすい植物で行われる技法です。茎の1部を土に触れさせる、または茎全体を土に被せ発根させます。
- クレマチスの取り木(圧条法)を行う時期は4月から7月が適します。
- 春に新しく出てきた茎を曲げて2節程度を土中に埋めクリップ等で固定しておきます。
- 茎の先端部は土から出して支柱に括り垂直に誘引しておきましょう。
- 土中に埋めた茎がしっかり発根したら親株から切り離して、植え直します。
播種で増やす
クレマチス(ビチセラ系)の種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
クレマチス(ビチセラ系)の病気
- うどん粉病
- サビ病
- 白絹病
- 立枯病
クレマチス(ビチセラ系)の害虫
- アブラムシ
- ヨトウムシ
- ナメクジ
- コガネムシ