スイカズラは属の中に約180種がある低木もしくはツル性低木です。一般に園芸では最大10mに達する長いツルがあり甘い香りがする花を晩春から夏に咲かせるスイカズラやツル性低木で唇形の花を外向きにドーム状(散形花序)に咲かせるニオイニンドウ、生垣やトピアリーに利用されるニティダ種、一般的なスイカズラ等より侵襲性が低く育てやすいハイブリッド種のブラウニィ種等が親しまれます。
スイカズラは夏の暑さや寒さに強く丈夫で育てやすい一方で、侵襲性が高く繁茂しやすいため育てる際は雑草化しないように注意が必要です。
種毎の育て方は写真か育て方をクリックすると出てくるためそちらで確認して下さい。
このページでは種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を記載しています。
![]() 開花時期:5月~7月 | ![]() 開花時期:6月~8月 |
![]() 開花時期:4月~5月 | ![]() 開花時期:6月~9月 |
![]() 開花時期:8月~9月 | ![]() 開花時期:5月~6月 |
![]() 開花時期:5月~8月 |
原産:日本/東アジア
学名:Lonicera japonica
草丈:約4.5m~10m
分類:半常緑ツル性低木
開花時期:5月~7月
花色:黄色●桃色●白色〇
葉色:緑色●
誕生花:5月29日/6月22日/6月30日
花言葉:「愛の絆」「献身的な愛」
特徴:スイカズラは学名Lonicera japonica、別名「ニンドウ」や「キンギンカ」とも呼ばれる日本及び東アジア原産の半常緑ツル性低木です。
スイカズラの語源(由来)
- 属名のLoniceraは、ドイツの植物学者Adam Lonitzerへの献名です。
- 種小名のジャポニカ(Japonica)はラテン語で「日本の」という意味をもち自生地に由来します。
- 和名のスイカズラ(吸い葛)の由来は、花の筒部分に蜜が溜まっていて子供が花に溜まった甘い蜜を吸っていた事からきています。
- 別名のニンドウ(忍冬)は枯れる事なく冬を耐え忍ぶ姿から
- 別名のキンギンカ(金銀花)は白色と黄色の2色の花色から
スイカズラの特徴(魅力)
- スイカズラの花は果物やバニラを連想させる甘い香りがあり
- ↳香りは強く開花時は昼夜を問わず近くを通るだけでも濃厚な芳香に包まれます
- 花は咲き進むにつれて白色(銀色)から黄色(金色)へと色変わりする事から金銀花とも呼ばれます
- 花は蝶々の蜜源である事は勿論
- ↳イチモンジチョウやアサマイチモンジの食草です
- 新芽や若葉は調理(茹で)されて食用にされる事もあります
- ツルは最大1000cmまで伸びるため構造物に対して高い被覆力があります
- ↳バーゴラ等の資材を用意しておけばツルを絡ませ登る事が出来ます
スイカズラの茎は木質のツルで、分岐しながら構造物等に絡んで登り長さ450~1000cmまで成長します。葉は長さ3(~7)cm × 幅約0.7(~4)cmの卵形もしくは楕円形をしていて、表面は疎らに毛があり裏面には毛が密生しています。花は葉腋に2個ずつ並んで咲き、個々の花は細長い唇形で上唇は浅く4裂、下唇は細長くヘラ形をしていて、筒部からは雄蕊5個と雌蕊1個が長く突出しています。また花色は咲き初め白色ですが、受粉するなど成熟していくと黄色く色変わりしていく所が特徴です。また花が終わると直径約0.5~0.7cmの球形の果実(液果)がなり熟すにつれて緑色から黒色へと変化します。
開花時期は春から夏、花色は黄色や桃色、白色があり、個々の花は唇形(上唇は浅く4裂)で筒部から雄蕊5個と雌蕊1個が突出して、葉腋から2個ずつ花を咲かせます。樹形はツル性で長さ約450cm~1000cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は卵形もしくは楕円形、葉序は対生葉序につきます。
スイカズラの香りの印象と精油成分
スイカズラには、「蜜」「果物」「バニラ」「フローラル(花の香り)」を連想させる強い甘い香りがあります。スイカズラの香りの由来となる精油には「ファルネソール」「リナロール」等が含まれていて、香りの効果にはイライラや不安を落ち着かせる「鎮静作用」や「抗不安作用」があります。
ファルネソールは「杏子」や「フローラル」に例えられるフレッシュで甘い香りがあり、梨や梅を連想させる風味をもっています。植物ではスイカズラ等に精油が含まれており、一般的には香水等に利用されています。
リナロールは「フローラル」「柑橘系(オレンジ)」「ブルーベリー」「ローズ」等に例えられる華やかな香りがあり、風味(フレーバー)は甘くフルーティーです。一般に植物ではイングリッシュラベンダーやスズラン等に豊富に含まれており、精油は化粧品やアロマテラピー等の様々な場面にも使われています。リナロールの香りの効果にはイライラや興奮といった神経系の過活動を抑える働き(鎮静効果)や、不安や緊張を和らげる効果(抗不安効果)があるため、落ち着きたい時や集中したい時などに嗅ぐとよいでしょう。
スイカズラの栽培
園芸では、近くを通るだけで強烈に香る花を鑑賞する目的であったり、人工の構造物にツルや葉を絡ませて人工物と自然の境界を曖昧にするナチュラルな景観を楽しむ目的で育てられる事が多いです。ただし、スイカズラはツタ等と違い気根(付着根)がないためツルを絡みつける資材(バーゴラや金網等)を必要とします。植える時に準備しておきましょう。
育てる際は、夏の暑さや冬の寒さに強く、病害虫の被害も殆どないため、ほったらかしで育つ程に丈夫です。ただし乾燥すると葉が落ちやすくなったり、剪定しないとツルが逸出する事もあるため、ある程度管理はした方がいいかもしれません。
![]() ハニーサックル(ハリアナ)は非常に花の香りが良く、成熟するにつれて白色からクリームイエローへと色変わりしていく花色が魅力の園芸品種です。 (´・ω・)p楽天で購入q |
原産:ヨーロッパ/北アフリカ/南西アジア
学名:Lonicera periclymenum
草丈:約300cm~800cm
分類:落葉ツル性低木
開花時期:6月~8月
花色:赤色●桃色●橙色●黄色●白色〇
葉色:緑色●
誕生花:5月29日/6月22日/6月30日
花言葉:「愛の絆」「献身的な愛」
特徴:ハニーサックルは学名Lonicera periclymenum、別名「ニオイニンドウ」や「コモン・ハニーサックル(common honeysuckle)」とも呼ばれるヨーロッパおよび北アフリカ、南西アジアが原産の落葉ツル性低木です。
ハニーサックルの語源(由来)
- 属名のLoniceraは、ドイツの植物学者Adam Lonitzerへの献名です。
- 種小名のpericlymenumの由来はギリシャ神話で形が変わる能力をもっていたpericlymenumからきており、ハニーサックルの花色がかわる事に関連します。
ハニーサックルの特徴(魅力)
- ハニーサックルは園芸品種が多く様々な花色が楽しめます
- 花は茎頂部に小花が集まり王冠の様な見た目をしており
- ↳夜になると強く甘い香りが漂い日中は香りが薄くなります
- ↳花は蝶々や蛾等の長い舌をもつ昆虫の蜜源となり
- ↳また花後に出来る赤色の果実(液果)は鳥の食料源となります
- ツルは最大800cmまで伸びるため構造物に対して高い被覆力があり
- ↳バーゴラ等の資材を用意しておけばツルを絡ませ登る事が出来ます
ハニーサックルの茎は木質のツルで、分岐しながら構造物等に絡んで登り長さ300~800cmまで成長します。葉は長さ3(~9)cm × 幅約2(~6)cmの卵形もしくは楕円形をしています。花は茎の頂部に集まり頭花に咲き、個々の花は唇形で上唇は浅く4裂、下唇は細長くヘラ形をしていて、筒部からは雄蕊と雌蕊が長く突出しています。また花が終わると球形の果実(液果)がなり熟すにつれて緑色から赤色へと変化します。
開花時期は初夏から晩夏、花色は赤色や桃色、黄色や橙色、白色があり、個々の花は唇形(上唇は浅く4裂)で筒部から雄蕊と雌蕊が突出して、花序は茎の頂部に小花が集まり頭状花序に花を咲かせます。樹形はツル性で長さ約300cm~800cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は卵形もしくは楕円形、葉序は対生葉序につきます。
ハニーサックルの栽培
園芸では、近くを通るだけで香る花(夜間)を鑑賞する目的であったり、人工の構造物にツルや葉を絡ませて人工物と自然の境界を曖昧にするナチュラルな景観を楽しむ目的で育てられる事が多いです。ただし、ハニーサックルはツタ等と違い気根(付着根)がないためツルを絡みつける資材(バーゴラや金網等)を必要とします。植える時に準備しておきましょう。
育てる際は、夏の暑さや冬の寒さに強く、病害虫の被害も殆どないため、ほったらかしで育つ程に丈夫です。ただし乾燥すると葉が落ちやすくなったり、剪定しないとツルが逸出する事もあるため、ある程度管理はした方がいいかもしれません。
原産:中国
学名:Lonicera nitida
草丈:約60cm~150cm
分類:常緑低木
開花時期:4月~5月
花色:黄色●
葉色:緑色●黄色●白色〇
特徴:ロニセラ(ニティダ)は学名Lonicera nitida、別名「ボックス・ハニーサックル(box honeysuckle)」や「ウィルソンズ・ハニーサックル(Wilson’s honeysuckle)」とも呼ばれる中国原産の常緑低木です。
ロニセラ(ニティダ)の語源(由来)
- 属名のLoniceraは、ドイツの植物学者Adam Lonitzerへの献名です。
- 種小名のニティダ(nitida)はラテン語で「輝く/光沢のある」を意味しており、光沢のある葉に由来します。
ロニセラ(ニティダ)の特徴(魅力)
- 自然樹形のまま放射状に美しく広がる樹形
- ↳また剪定にも強く内部まで枝葉が密にきます
- ↳生垣やトピアリーに利用されます
- 乾燥に強く低メンテナンスで育てられます
- 日向から間接光のみの日陰まで様々な環境で育てる事ができます
- 葉は小さく太陽の光に当たると反射し光沢があります
- 品種の中には黄色や白色(の斑)の葉もありカラーリーフとしても楽しめる
- 花は腋生にクリーム色の花が咲きますが目立たず重要視されません
開花時期は春から晩春、花色は薄黄色、個々の花は筒状で、腋生に2個ずつ花を咲かせます。樹形は枝が放射状に広がり高さ約60(150)cm × 幅は約60(180cm)まで成長します。葉色は緑色、葉形は卵形もしくは楕円形で、葉序は対生葉序につきます。
ロニセラ(ニティダ)の栽培
園芸では、剪定に強く内部まで密に茂る枝葉から一般的に生垣での利用やトピアリーとして利用するために育てられます。また植木鉢の中でコンパクトに管理して玄関先等に飾って楽しまれたりもします。育てる際は、夏の暑さや冬の寒さに強く、病害虫の被害も殆どないため、ほったらかしで育つ程に丈夫です。
![]() ロニセラ(ニティダ) (´・ω・)p楽天で購入q | ![]() ロニセラ(レモンビューティ)は葉の縁部分に黄色の覆輪が入る事で、その部分が太陽の光に反射され輝きお庭の雰囲気を明るくする魅力的な園芸品種です。 (´・ω・)p楽天で購入q |
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学名:Lonicera heckrottii
草丈:約300cm~500cm
分類:落葉ツル性低木
開花時期:6月~9月
花色:赤色●桃色●橙色●黄色●白色〇
葉色:緑色●
特徴:ゴールデンフレーム・ハニーサックルは学名Lonicera × heckrottii、恐らくアメリカーナ種(Lonicera americana)とツラヌキニンドウ(Lonicera sempervirens)の雑種と考えられている落葉ツル性低木です。
ゴールデンフレーム・ハニーサックルの語源(由来)
- 属名のLoniceraは、ドイツの植物学者Adam Lonitzerへの献名です。
ゴールデンフレーム・ハニーサックルの特徴(魅力)
- ゴールデンフレーム・ハニーサックルは花色がとても濃く
- ↳個々の花の外側が赤色(~桃色)で内側が橙色(~黄色)をしています
- 花は茎頂部に小花が集まり王冠の様な見た目をしています
- ↳また甘い香りがあります
- 花後には赤色の果実(液果)が続きます
- 葉はしばしば葉の中央を貫く様に2枚の葉が合着します
- ツルは最大500cmまで伸びるため構造物に対して高い被覆力があり
- ↳バーゴラ等の資材を用意しておけばツルを絡ませ登る事が出来ます
開花時期は初夏から秋、花色は赤色や桃色、黄色や橙色、白色があり、個々の花は唇形(上唇は浅く4裂)で筒部から雄蕊と雌蕊が突出して、花序は茎の頂部に小花が集まり頭状花序に花を咲かせます。樹形はツル性で長さ約300cm~500cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は卵形もしくは楕円形でしばしば2枚の葉の中央を突き抜きして、葉序は対生葉序につきます。
ゴールデンフレーム・ハニーサックルの栽培
園芸では、華やかで甘い香りのする花を鑑賞する目的であったり、人工の構造物にツルや葉を絡ませて人工物と自然の境界を曖昧にするナチュラルな景観を楽しむ目的で育てられる事が多いです。ただし、ゴールデンフレーム・ハニーサックルはツタ等と違い気根(付着根)がないためツルを絡みつける資材(バーゴラや金網等)を必要とします。植える時に準備しておきましょう。
育てる際は、夏の暑さや冬の寒さに強く、病害虫の被害も殆どないため、ほったらかしで育つ程に丈夫です。ただし乾燥すると葉が落ちやすくなったり、剪定しないとツルが逸出する事もあるため、ある程度管理はした方がいいかもしれません。
![]() ハニーサックル(ゴールドフレーム) |
原産:ヨーロッパ
学名:Lonicera caprifolium
草丈:約400cm~800cm
分類:落葉ツル性低木
開花時期:8月~9月
花色:桃色●白色〇
葉色:緑色●
誕生花:5月29日/6月22日/6月30日
花言葉:「愛の絆」「献身的な愛」
特徴:ロニセラ(カプリフォリウム)は学名Lonicera caprifolium、別名「パーフォリエイト ハニーサックル」や「イタリア ウッドバイン」とも呼ばれるヨーロッパ原産の落葉ツル性低木です。非常に長いツルは他の植物や構造物に絡みながら最大800mまで成長し、ロマンティックな雰囲気ある桃色に染まった白色の香りの良い花をドーム状(散形花序)に咲かせます。
開花時期は夏から秋、花色は桃色と白色で長い雄蕊と雌蕊のある唇形の花を散形花序に咲かせます。草姿はツル性で高さ400(800)cm × 幅は約150(250)cmまで成長します。葉色は緑色、葉形は卵形か楕円形で対生葉序につきます。
ロニセラ(カプリフォリウム)は植付け時にフェンスやトレリス等を準備しておき、ツルを構造物に誘引して育てましょう。桃色に染まる白色の花は可愛らしさの中に気品がありロマンティックなお庭によく合うでしょう。
ロニセラ(カプリフォリウム)は夏の暑さや冬の寒さに強く育てやすい落葉ツル性低木です。
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原産:シベリア/東アジア
学名:Lonicera tatarica
草丈:約150cm~300cm
分類:落葉性低木
開花時期:5月~6月
花色:赤色●桃色●白色〇
葉色:緑色●
特徴:アルタイヒョウタンボクは学名Lonicera tatarica、シベリア及び東アジア原産の落葉性低木です。スイカズラの様な一般的なツルではなく高さ最大300cmまでの低木に育ち、香りの良い唇形の花を葉腋から穂状に咲かせます。
開花時期は晩春から初夏、花色は赤色や桃色、白色があり長い雄蕊と雌蕊のある唇形の花を穂状に咲かせます。高さ150(300)cm × 幅は約150(300)cmまで成長します。葉色は緑色、葉形は卵形か楕円形で対生葉序につきます。
アルタイヒョウタンボクは高さや幅ともに非常に大きく成長するため花壇や植込みに植える際は十分スペースをとって植えてあげましょう。夏の暑さや冬の寒さに強く育てやすい落葉性低木です。
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学名:Lonicera brownii
草丈:約240cm~360cm
分類:落葉ツル性低木
開花時期:5月~8月(6月以降は疎ら)
花色:赤色●橙色●
葉色:緑色●
特徴:ロニセラ(ブラウニィ)は一般的なスイカズラと比較して侵襲性が低いハイブリッド種で、晩春から秋(主な開花は晩春から初夏)にかけ赤色から橙色の筒状の花を通常葉腋から2個ずつ枝先端でまとまって咲かせます。
開花時期は晩春から秋(主な開花は晩春から初夏)、花色は赤色や橙色で長い筒状の花を葉腋から2個ずつ枝先端にまとまって咲かせます。草姿はツル性で高さ240cm~360cmまで成長します。葉色は緑色、葉形は卵形で対生葉序につきます。
ロニセラ(ブラウニィ)は植付け時にフェンスやトレリス等を準備しておき、ツルを構造物に誘引して育てましょう。またよく繁茂するため必要以上に伸びたツルは適時に切り戻し整理すると良いでしょう。夏の暑さや冬の寒さに強く育てやすい落葉ツル性低木です。
![]() ロニセラ(ドロップモアスカーレット)は花の内部が橙色で外部が赤色をしたスパイシーでアジアンテイストな魅力ある花を咲かせる園芸品種です。高さ240cm~360cmまで成長します。 (´・ω・)p楽天で購入q |
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