- 原産:ユーラシア大陸
- 科:スイカズラ(Caprifoliaceae)
- 属:スイカズラ/ロニセラ(Lonicera)
- 種:アルタイヒョウタンボク(tatarica)
- 別名:タタリアン・ハニーサックル(Tatarian honeysuckle)
- 開花時期:4月~6月
- 花の色:桃色●白色〇
- 葉の色:緑色●
- 香り:花
- 分類:落葉ツル性低木
- 草丈:200~300cm
- 用途:香りが良い
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
アルタイヒョウタンボクとは!?
アルタイヒョウタンボクは学名Lonicera tatarica、別名「タタリアン・ハニーサックル(Tatarian honeysuckle)」とも呼ばれるユーラシア大陸が原産の落葉低木です。
アルタイヒョウタンボクの語源(由来)
- 属名のLoniceraは、ドイツの植物学者Adam Lonitzerへの献名です。
- 種小名のtataricaは「タタール人」を意味します。
アルタイヒョウタンボクの特徴(魅力)
- アルタイヒョウタンボクは葉腋から2個ペアで咲く桃色の可愛らしい花と、ブッシュ状に茂り優雅に広がる樹形が魅力の植物です。
- 樹形はブッシュ状、枝分かれがよく優雅に横へと広がる傾向があります。
- 茎は中空で内部が空洞になっています。
- 花は腋性で葉腋から花柄を出し、花柄の先端に2個の花がペアで咲きます。
- 花は桃色の蕾から、薄い桃色もしくは白色の花が咲きます。
- 花はスイカズラ特有の甘い香りがあります。
アルタイヒョウタンボクの樹高は200~300cm、樹形はブッシュ状(Bushy)で枝分かれがよくふさふさとしています。茎は中空(茎の中が空洞)、茎の色は緑色もしくは赤みを帯び、成熟すると木質化して灰褐色になり樹皮は縦に裂けます。
葉序は対生葉序、葉色は緑色、葉柄はあり、葉身の大きさは長さ約2.5(~6)cm、葉身の形は楕円形もしくは卵形をしています。
花序は腋性、腋性は葉腋から花柄を1個だし花を2個並べて咲かせます。花冠は長さ約2(~3)cm、形は唇形花で上唇が浅く4裂して下唇は細長いヘラ形をしており、花色は桃色もしくは白色、雄蕊は5個、雌蕊は1個です。
果実は液果(果皮のうち特に中果皮が水分を多く含む細胞になり液質もしくは多肉質な果実)です。液果は球形、大きさは直径約1cm、色は赤色もしくは橙色です。
アルタイヒョウタンボクの園芸品種の紹介
スイカズラ(ロニセラ)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
スイカズラ(ハニーサックル)の珍しい種類、主な種と園芸品種の紹介【2021】
アルタイヒョウタンボクの育て方
花壇の土づくり
日当たり
アルタイヒョウタンボクは日光のよく当たる場所で最も生産性が高まり沢山の花を咲かせます。そのため直射日光が6時間以上あたる日向から、3時間から5時間の半日影で育てましょう。
土壌の土質
アルタイヒョウタンボクは通気性と保水性のバランスがよく肥沃な壌土を好みます。基本的には幅広い土壌で育てる事が出来ますが、粘土質な土壌は生育不良を引き起こす可能性があるため避けた方がよいでしょう。植え付け前にしっかり土壌診断を行い、通気性と保水性のバランスがよく肥沃な壌土に改善してから植え付けを行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
アルタイヒョウタンボクは日光のよく当たる場所で最も生産性が高まり沢山の花を咲かせます。そのため直射日光が6時間以上あたる日向から、3時間から5時間の半日影で育てましょう。
培養土
アルタイヒョウタンボクの培養土を自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
赤玉土+鹿沼土+腐葉土=4:2:4
赤玉土(中粒)+バーク堆肥=5:5
水やりの仕方
地植え
アルタイヒョウタンボクは乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。ただし土の中に指を入れて湿り気がない場合、葉や茎が萎れている場合は直ちに水やりを行いましょう。
鉢植え
アルタイヒョウタンボクを鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。ただし水やりを行い過ぎてジメジメとした環境が続くと根腐れしてしまうため、土が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
アルタイヒョウタンボクは、ある程度、有機物を含んだ肥沃な土壌であれば多くの肥料を必要としません。基本的には地植えで育てる場合は、肥料は不要です。ただし栄養の乏しい土壌で育てる場合、鉢植えで育てる場合などは栄養が足りなくなる事があるため毎年晩冬もしくは早春に肥料(寒肥)を与えましょう。
寒肥の与え方
- 寒肥は晩冬から早春に与える肥料です。
- 肥料は肥効が長く続く緩効性肥料や有機肥料(配合肥料等)を選び、成分は水平型肥料(肥料成分がバランスよく入る)を選びましょう。
- 寒肥は株元から少し離れた場所に穴を掘り肥料を入れるか置き肥しましょう。
- 緩効性肥料の場合は株元から少し離れた場所に置き肥しましょう。
- 有機肥料の場合は匂い等で虫がよってくる可能性があるため、穴を掘り肥料を与えた方が良いでしょう。
剪定のやり方
アルタイヒョウタンボクの剪定は樹形を整える目的等で花後に剪定されます。
庭木として剪定する方法
- 庭木として剪定する時期は花後です。
- 株全体を観察して枯れた茎・損傷した茎(折れてる茎等)・病気の茎を探して、これを根元から間引き剪定して取り除きます。
- 何故ならこれらの茎は日当りや風通しを阻害したり、健康に成長している茎に悪影響を及ぼしやすいからです。
- 枝が混み合うと風通しや日当たりが悪くなり害虫や病気が発生しやすくなるため、株全体のバランスを必ず見ながら不要枝を間引き剪定もしくは切り戻し剪定します。
- 不要枝とは、他の枝と比べて著しく伸びた徒長枝や、他の枝とは逆方向に伸びる逆さ枝、枝が絡み合ったり交差して樹形を乱す絡み枝等です。
- 株全体のバランスを見ながら、徒長枝は枝の途中(芽・節がある場所の少し上)で切り戻す剪定したり、逆さ枝や絡み枝等は根元から間引き剪定する等しましょう。
- 不要枝とは、他の枝と比べて著しく伸びた徒長枝や、他の枝とは逆方向に伸びる逆さ枝、枝が絡み合ったり交差して樹形を乱す絡み枝等です。
夏越しする方法
アルタイヒョウタンボクは夏の暑さに強く基本的には夏越し対策不要です。
冬越しする方法
Hardiness:3b~8a
アルタイヒョウタンボクは耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。
挿し木や株分けで増やす
アルタイヒョウタンボクは挿し木によって増やす事ができます。
挿し木の方法
- アルタイヒョウタンボクの挿し木時期は晩春から初夏が適します。
- 挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットしましょう。
- 挿し穂 の長さ約10cmにわけます。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き上部の葉を残します。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 挿し穂用の無菌の培養土を準備します。
- 切り口を下にして培養土の中に挿し穂を挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
播種で増やす
アルタイヒョウタンボクの種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
アルタイヒョウタンボクの病気
- うどんこ病
アルタイヒョウタンボクの害虫
- カイガラムシ