ローズマリーは以前はマンネンロウ(ロズマリヌス)属にありましたが、2017年からはサルビア属に移動しており、種としての扱いになっています。ローズマリーは花色が紫色・青色・桃色・白色があり、また樹形も立性タイプ・匍匐性タイプ・半匍匐性タイプの3タイプがあります。そのため好みや用途に合わせて品種が選べる所が魅力です。
ローズマリー属の種ごとの育て方は写真か育て方をクリックすると出てくる為よかったらそちらをご覧下さい!
このページでは主な種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を紹介しています。
ローズマリーの主な種の目次
ローズマリーの特徴や園芸品種
- 原産:地中海沿岸
- 学名:Salvia rosmarinus(syn. Rosmarinus officinalis)
- 草丈:約30~200cm
- 分類:常緑低木
- 開花時期:3月~11月(温暖な気候で周年)
- 花色:桃色●紫色●青色●白色〇
- 葉色:緑色●白色〇
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:強い
- 誕生花:1月21日/5月9日
- 花言葉:貞節/親切/思い出/私を忘れないで/静かな力強さ
- 用途:開花期間長い/カラーリーフ/グランドカバー/生垣/香りが良い
ローズマリーとは!?
ローズマリーは学名Salvia rosmarinus(syn. Rosmarinus officinalis)、別名では「サルビア・ローズマリヌス」や「マンネンロウ」とも呼ばれる地中海沿岸 が原産の常緑低木です。ローズマリー(Salvia rosmarinus)は、2017年以前はローズマリー属(Rosmarinus)にありましたが、現在は2017年に研究発表された論文が広く認められたためサルビア(salvia)属に変更されています。但し園芸等では昔から親しまれていたローズマリーの方が認知されているため、現在も同義語(syn.)として以前のRosmarinus officinalisが、多く使われています。
ローズマリーの語源(由来)
- 属名のSalviaは、ラテン語で「薬効」「安全」を意味する「salvus」に由来しており、サルビアの幾つかの種に薬効がある事からきています。
- 属名(種小名)のRosmarinusは「rōs(露)」と「marīnus(海)」の2語からきており、海岸近くで育ったからとも言われています。
ローズマリーの特徴(魅力)
- ローズマリーは、葉に「針葉樹」や「薬品」などを連想させるスッキリとした爽やかな香りがある所と、また温暖な気候では一年を通して花が開花する所、青紫色の花が上品な印象を与える所等が魅力の植物です。
- 園芸では爽やかな香りのある葉を収穫してポプリや料理などで使用する目的だったり、青紫色の花を鑑賞する目的で育てられる事が多く、庭木や生垣にされます。
- ローズマリーの樹形は「立性」「匍匐性」「半匍匐性」の3タイプがあります。
- 立性は茎が真っ直ぐ上に伸びる性質があるため、洗練された印象の樹形をつくります。
- 匍匐性は茎が地面を這うように、または壁を下垂するように伸びる性質があるため、地被植物となったり、鉢植えや岩壁などを優雅に下垂する樹形がつくられます。
- 半匍匐性は立性と匍匐性の両方の性質があり、ブッシュ状に盛り上がる樹形をつくります。
- ローズマリーの開花期間は、晩冬から春・秋が最も開花しますが、一年を通して開花する能力があります。
- 花は枝の葉腋から総状花序を出し、総状花序には約4~16個の小さな花がつきます。
- 花はシソ科でよく見られる唇形花をしており、唇形花は上唇と下唇に分かれ、上唇は2裂、下唇は3裂します。
- 青紫色の花は落ち着いた印象や上品な印象を与えるため、エレガントな雰囲気のあるお庭などによくあいます。
- 花は蜜蜂の蜜源となるため、開花期になると花の周りを元気に飛び回る蜜蜂の姿や、花の中に頭を突っ込む蜜蜂の可愛らしい姿を観察する事が出来ます。
- 葉は細長く洗練された形をしているため、雑多な印象にならず、上品な雰囲気をつくります。
- 葉裏は白色の腺毛が密生するため白色をしています。
- ローズマリーの茎や葉などには腺毛があり、腺毛には液体(精油)が多く含まれ、液体(精油)を分泌する事で強い香りを漂わせます。
- また茎や葉を触り腺毛を壊すと、精油が放出されるためあたりに強い香りが漂い、また指にも香りのよい精油がつくため、嗅ぐと「薬品」や「針葉樹」を思わせるような匂いがします。
- ローズマリーに含まれる主な精油にはシネオール・樟脳・α-ピネン・リモネン等があります。
- シネオールは「ユーカリ」や「レモン」等に例えられるスッキリとした爽やかな香りがあり、精油は食品の香料や化粧品等に使用されます。シネオールが含まれる主な植物はユーカリや月桂樹などで、精油の効能には集中力を高め記憶力を上げる効果があるとされています。
- 樟脳は「針葉樹」や「薬品」等に例えられるスッキリとした爽やかな香りがあります。精油は医薬品や防虫剤等に幅広く利用されており、精油の効果には抗菌作用・抗ウィルス作用・防虫作用等があります。
- α-ピネンの香りは「針葉樹(松・檜など)」「薬品」等に例えられる爽やかな香りがあり、精油は香水等に利用されています。α-ピネンが含まれる主な植物はユーカリやローマンカモミール等で、精油の効果には「抗炎症作用」「抗菌作用」「鎮静作用」等があります。
- リモネンは「柑橘類」や「果物」等に例えられる甘い香りがあり、オレンジの様な風味を感じさせます。精油は食品(ガム・飲料等)の香料や洗剤、医薬品等に幅広く利用されており、リモネンの精油の効果には「肥満の改善」や「血行促進作用」「抗ウィルス作用」「抗がん作用」等があります。またリモネンの香りはイライラや興奮といった神経系の過活動を抑える働き(鎮静効果)や、不安や緊張を和らげる効果(抗不安効果)があるため、精油はアロマテラピーとしても利用されます。
- ローズマリーの枝葉は魚や肉の臭み消しや香り付けとして料理で利用される事があります。
- 例えば、肉や魚を焼く時に食材に乗せるだけでも香り付けとして効果があります。またオリーブ油にローズマリーの葉を漬け込み、香りを付けた後にオリーブ油で肉や魚を焼いたりします。またローズマリーの葉と他のハーブを合わせてマリネして肉の下味付け等に利用されたりします。
- ローズマリーの生垣は、自然な樹形をいかしたインフォーマルな生垣として使われる事が多く、剪定してきっちり形が整えられたフォーマルヘッジとはことなります。
- ローズマリーは香りの良い枝葉や上品な紫色の花を楽しみながら生垣を作れる所が魅力です。
- ローズマリーには3タイプの成長習慣(決まりのように繰り返す癖)がありますが、最も生垣に向くとされているのは立性のローズマリーで、また立性・匍匐性の両方の性質をもつローズマリーも生垣として利用出来ます。
- ローズマリーの生垣の植え付け間隔は約60~120cm、品種などでも変わるため成熟時の横幅を目安にしながら植え付けましょう。
ローズマリーの樹高は30(~200)cm、樹形は「立性」「匍匐性」「半匍匐性」の3タイプがあります。若い枝は白緑色で腺毛が生えており、樹皮は褐色から灰褐色、古くなると縦に裂けます。
葉序は対生葉序、葉色は緑色もしくは白緑色、葉身の大きさは長さ約2(~5)cm、幅は約0.2(~0.5)cm、葉身の形は線形をしています。葉には白色の腺毛が生えており、特に下面に密生するため白色になります。
花序は複総状花序、複総状花序は葉腋から約4(~16)個つく総状花序を出します。花冠の色は紫色(青紫色)、花冠の形は唇形花、唇形花は2唇形(上唇は先端が2裂・下唇は先端が3裂)、雄蕊は2個、雌蕊が1個あります。
ローズマリーの園芸品種の紹介
- トスカーナブルー(Salvia rosmarinus ‘tuscan blue’)は、茎が真っ直ぐと伸びる立性の成長習慣(決まりのように繰り返す癖)があるため、洗練された印象の樹形をつくります。また青色(青紫色)の花は非常に落ち着いた雰囲気をつくるため、、心を落ち着かせリラックス出来る様なお庭を作りたい時や、勉強や仕事などの集中できる空間(青色は時間の流れが早く感じる)のお庭を作りたい時などにおすすめです。樹形はブッシュ状、高さは約100(~180)cm × 幅は80(~150)cmまで成長します。
- フォックステール(Salvia rosmarinus ‘foxtail’)は、その名前からもわかる通り「狐の尻尾」を連想させるようなくねくねとした枝葉の形が特徴の園芸品種です。樹形は半匍匐性、高さ約50(~100)cm、幅は約50(~100)cmに成長します。
- カプリ(Salvia rosmarinus ‘capri’)は、茎が殆ど立ち上がることなく匍匐するように広がる成長する習慣(決まりのように繰り返す癖)がある園芸品種です。花は落ち着いた印象を与える青紫色で、樹形は匍匐性、高さ約15cm、幅は約60cmに成長します。そのため地被植物として利用したり、また壁や鉢植えの側面を枝垂れさせるように育てると良いかもしれません。
- プロストラータス(Salvia rosmarinus ‘prostratus’)は、別名では「Creeping Rosemary」とも呼ばれており、その名前からもわかる通り背が高くならず、匍匐して広がる成長する習慣(決まりのように繰り返す癖)がある品種グループです。樹形は基本的に匍匐性のため、植え込みに植えると地被植物として利用出来たり、また花壇の縁どりや鉢植えで育てると枝葉が下垂する優雅な樹形を鑑賞できたりします。
- ダンシング ウォーター(Salvia rosmarinus ‘dancing Waters’)は、ダンスを踊るように上下に茎が伸び半匍匐性の樹形をつくる園芸品種です。花は青紫色をしており、落ち着いた印象を与えます。樹形は半匍匐性、高さ約30~50cmに成長します。
- マリンブルーは、茎が真っ直ぐ上に伸びる立性の成長習慣(決まりのように繰り返す癖)があるため、洗練された樹形をつくります。また海の色を連想させるような青色の花が、落ち着いた雰囲気をつくる魅力的な園芸品種です。
- マジョルカ・ピンク(Salvia rosmarinus ‘Majorca pink’)は、殆ど横への広がりがなく茎が真っ直ぐ伸び立性の成長習慣(決まりのように繰り返す癖)があり、可愛らしい印象を与える桃色の花を咲かせる園芸品種です。樹形はブッシュ状、高さ約50(~100)cm、幅は約30(~60)cmに成長します。
- レックスは、茎が真っ直ぐ伸び立性の成長習慣(決まりのように繰り返す癖)があり、紫色の上品な花を咲かせる園芸品種です。高さは約100~150cmに成長します。
- サンタバーバラ(Salvia rosmarinus ‘santa barbara’)は、茎が殆ど立ち上がることなく匍匐して広がる性質があるため地被植物などによく利用されており、また葉に非常によい芳香があるため料理用途などにもよく使われる園芸品種です。
- バーベキュー(Salvia rosmarinus ‘barbeque’)は、その名前からもわかる通りバーベキューの料理で使うのに最適と言われている園芸品種です。枝葉は香りがよく、肉や魚のグリル料理などに入れられてローズマリーの風味を付けるのに利用されます。樹形は直立性、高さ約50(~100)cm、幅は約50(~100)cmに成長します。
- ベネンデンブルー(Salvia rosmarinus ‘benenden blue’)は、葉の香りがとてもよいため料理の用途に適したローズマリーの1つとして数えられており、また直立に茎が伸びるため洗練された印象の樹形をつくる園芸品種です。高さは約50(~100)cm、幅は約50(~100)cmに成長します。
- ロゼウス(Salvia rosmarinus ‘roseus’)は、その名前からもわかる通り、ローズマリーでは珍しい「バラ色」もしくは「桃色」の花を咲かせる園芸品種です。樹形は直立して、高さ約50(~100)cm、幅は約50(~100)cmに成長します。
- スパイス・アイランド(Salvia rosmarinus ‘spice island’)は、非常に香りと風味が強いため、食用のローズマリーとしても栽培される園芸品種です。また茎が真っ直ぐ上に伸びる性質がある事から、洗練された印象を与える樹形をつくります。生垣などにもよく利用されます。高さは60~120cmに成長します。
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