ハナビシソウ属(エスコルチア属)の種は約15種があり、園芸でも様々な種と品種が親しまれています。このページでは2種類の原種と9種類の園芸品種を紹介しています。
上記の他にも、このページでは育て方や購入する際のリンクも用意しています。よければ、そちらもご活用ください。
■目次
■ハナビシソウ属(エスコルチア属)の簡易比較

学名:Eschscholzia californica
生活形:多年草(短命)・一年草
草丈:約15~60cm
開花:5月~7月
花色:桃色・橙色・黄色・白色
葉色:緑色
生育型:一時ロゼット型・叢生型
備考:花のサイズが5~10cmと大きめなため強い存在感があり、品種が多めです。
■ハナビシソウ属(エスコルチア属)の主な種と園芸品種の紹介
ハナビシソウ
ハナビシソウとは!
ハナビシソウ(学名: Eschscholzia californica)は、別名では「キンエイカ」「カリフォルニアポピー」「ゴールデンポピー(golden poppy)」とも呼ばれるケシ科ハナビシソウ属に分類される種で短命の多年草または一年草です。
ハナビシソウの原産地はアメリカ合衆国西部で、自生地は草原や沿岸砂地、人為的攪乱を受けた道端や荒れ地などに見られます。
ハナビシソウの特徴
- 形態と生活形:草丈は約15~60cm、生育型は一時ロゼット型または叢生型で、秋に種からまたは休眠株から発芽しロゼットを形成し、冬も緩やかに成長し、春になると茎を何本も勢いよく伸長させ、夏になると地上部が完全に枯れるか休眠します。
- 花の魅力:花のサイズは品種などによって差異がありますが5~10cmと大きいため華やかで、また花弁に丸みがあり花全体がカップ状の外観となるため、可愛らしい印象を感じさせます。花の色は一般的に黄色から橙色ですが、品種によっては白色や桃色もあるため、明るさや元気の良さを演出したい場合は黄色・橙色を選んだり、可愛らしいお庭作りをしたい場合は桃色を選ぶのもよいでしょう。また開花前の蕾段階では、萼が三角帽子のように花弁を覆い、萼が外れていく様子も観察出来ます。
- 葉の魅力:本種の葉は羽状に細かく分裂し、裂片が小さく細いため、繊細な外観をしています。さらに、この葉は密生しますが、光と風を通し空気を含んだ綿のような見た目をしているため、ふわふわとした柔らかな質感を生み出し、可愛らしさやメルヘンチックな雰囲気を演出したいお庭によく調和します。
- クチクラ層:本種の茎・葉は白粉を帯びており白っぽい青緑色または灰緑色をしています。これは、植物の表皮細胞の外側に分泌されるワックス状(ロウ質)の層で、太陽光を反射して温度の上昇を抑制したり、水分の蒸発を抑制したり、病害虫の侵入を抑制する働きがあります。
- 苗の増殖:本種は、種子から簡単に増やすことができます。そのため、花壇の縁どりとして利用したり、丘陵地などに植栽し景観を作ってみたりできます。
- ロックガーデン:本種は自生地が乾燥帯の草原や沿岸砂地などにあり、砂礫が多く栄養の乏しい土壌に生息しています。そのため、土壌層が浅くて乾燥しやすいロックガーデンにも最適な植物のひとつとなります。
ハナビシソウの園芸品種の紹介
●アイボリーキャッスル

学名:Eschscholzia californica ‘ivory castle’
開花時期:5月~7月
花の色:白色
葉の色:緑色
草丈:約30~40cm
備考:花の色は白色をしています。そのため、明るさや清潔感を感じさせるお庭によく調和する品種です。
●アップルブロッサム

学名:Eschscholzia californica ‘apple blossom’
開花時期:5月~7月
花の色:赤桃色・クリーム色(白色)
葉の色:緑色
草丈:約30cm
備考:花の色は赤桃色とクリーム色(白色)の複色です。そのため、女性的で可愛らしさを感じさせるお庭によく調和する品種です。
●オレンジキング

学名:Eschscholzia californica ‘orange king’
開花時期:5月~7月
花の色:橙色
葉の色:緑色
草丈:約40cm
備考:花の色は鮮やかな橙色を呈し、太陽を見てるような温かさがあり、カジュアルな雰囲気のお庭によく調和します。
●カーマインキング
学名:Eschscholzia californica ‘carmine king’
開花時期:5月~7月
花の色:桃色・白色(クリーム色)
葉の色:緑色
草丈:約40cm
備考:花の色は桃色と白色(クリーム色)の複色で、花の模様の入り方は個体差が大きく、裏面だけ桃色だったり、内側にボカシ斑が入ったりします。
●コッパースワール
学名:Eschscholzia californica ‘copper swirl’
開花時期:5月~7月
花の色:赤橙色
葉の色:緑色
草丈:約40cm
備考:花の形は半八重咲きで、花弁が波打つため、華やかさと優美さを感じさせます。花の色は赤橙色をしているため、派手で華やかな印象を感じさせるお庭によく調和します。
●レッドチーフ
学名:Eschscholzia californica ‘red chief’
開花時期:5月~7月
花の色:赤橙色
葉の色:緑色
草丈:約40cm
備考:花の色は赤橙色をしているため、派手で華やかな印象を感じさせるお庭によく調和します。
ヒメハナビシソウ
ヒメハナビシソウとは!
ヒメハナビシソウ(学名: Eschscholzia caespitosa)は、別名では「フットヒルポピー(foothill poppy)」「タフテッドポピー(tufted poppy)」「カラーレスカリフォルニアポピー(collarless California poppy)」とも呼ばれるケシ科ハナビシソウ属に分類される種で一年草です。
ヒメハナビシソウの原産地はアメリカ合衆国(カリフォルニア、オレゴン)とメキシコ(ソノラ州、バハ・カリフォルニア州)で、自生地は乾燥した草原や疎林などに見られます。
ヒメハナビシソウの特徴
- 形態と生活形:草丈は約5~30cm、生育型は一時ロゼット型または叢生型で、秋に種から発芽しロゼットを形成し、冬も緩やかに成長し、春になると茎を何本も勢いよく伸長させ、夏になると完全に枯れる一年草です。
- 近縁種との比較:本種はハナビシソウ(学名: Eschscholzia californica)と比べて、草丈が低く花が小さいです。その一方で、多数の茎が叢生して沢山の花を咲かせます。開花も早ければ3月頃から見られます。
- 花の魅力:花のサイズは一般的に2~3cmと小ぶりですが5cmに達することがあります。花弁は丸みがあり花全体がカップ状の外観となるため、可愛らしい印象を感じさせる点が魅力です。花の色は黄色をしているため、明るい雰囲気のお庭によく調和するでしょう。また開花前の蕾段階では、萼が三角帽子のように花弁を覆い、萼が外れていく様子も観察出来ます。
- 葉の魅力:本種の葉は羽状に細かく分裂し、裂片が小さく細いため、繊細な外観をしています。さらに、この葉は密生しますが、光と風を通し空気を含んだ綿のような見た目をしているため、ふわふわとした柔らかな質感を生み出し、可愛らしさやメルヘンチックな雰囲気を演出したいお庭によく調和します。
- 苗の増殖:本種は、種子から簡単に増やすことができます。そのため、花壇の縁どりとして利用したり、丘陵地などに植栽し景観を作ってみたりできます。
- ロックガーデン:本種は自生地が乾燥帯の草原などにあり、砂礫が多く栄養の乏しい土壌に生息しています。そのため、土壌層が浅くて乾燥しやすいロックガーデンにも最適な植物のひとつとなります。
ヒメハナビシソウの園芸品種の紹介




