ポピー(ケシ属)の種は約66種があり、園芸でも様々な種と品種が親しまれています。このページでは3種類の原種と、8種類の園芸品種を紹介しています。
上記の他にも、このページでは育て方や購入する際のリンクも用意しています。よければ、そちらもご活用ください。
■目次
■ポピー(ケシ属)の簡易比較

学名:Papaver rhoeas
生活形:一年草
草丈:約30~100cm
開花:4月~8月
花色:赤色・黄色・橙色・桃色・灰色・黒色・白色
葉色:緑色
生育型:一時ロゼット型
備考:花のサイズ約5~10cmで、多彩な花の色が楽しめます。葉に深い切れ込みが入り羽状深裂または二回羽状深裂し、鳥の羽根のような洗練された形状をしています。

学名:Papaver orientale
生活形:多年草
草丈:約30~100cm
開花:5月~7月
花色:赤色・黄色・橙色・桃色・灰色・黒色・白色
葉色:緑色
生育型:ロゼット型
備考:花のサイズは品種などによって差異がありますが10~15cm、最大20cmに達し強い存在感があります。多年草のため、夏に休眠し、秋に成長が始まり、春頃から茎を伸長させて花を咲かせます。
■のの主な種と園芸品種の紹介
ヒナゲシ
ヒナゲシとは!
ヒナゲシ(学名: Papaver rhoeas)は、「グビジンソウ」「コモンポピー(common poppy)」「コーンポピー(corn poppy)」「フィールドポピー(field poppy)」「フランドルポピー(Flanders poppy)」とも呼ばれるケシ科ケシ属に分類される種で一年草です。
ヒナゲシの原産地はヨーロッパ、西・中央アジア、北アフリカで、自生地は草原や人為的攪乱を受けた場所(耕作地・道端・荒れ地)などに見られます。
ヒナゲシの特徴
- 形態:草丈は約30~100cm、生育型は一時ロゼット型で、秋に種から発芽しロゼットを形成し、冬も緩やかに成長し、春になると茎を勢いよく伸長させ開花し、夏になると開花・結実後に枯れる一年草です。
近縁種との比較:本種は「麻薬および向精神薬取締法」で栽培が禁止されているケシ(学名:Papaver somniferum)と比べて、茎に目立つ毛があり、葉は切れ込みが深く、開花後の果実が倒卵形で小さい点が特徴となります。ヒナゲシ(学名: Papaver rhoeas)は栽培が可能です。- 花の魅力:花のサイズは品種などによって差異がありますが5~10cmと大きいため華やかで、また花弁に丸みがあり花全体がカップ状の外観となるため、可愛らしい印象を感じさせます。花の色は赤色・黄色・橙色・桃色・灰色・黒色・白色もあるため、明るさや元気の良さを演出したい場合は黄色・橙色を選んだり、可愛らしいお庭作りをしたい場合は桃色を選ぶこともできます。
- 葉の魅力:本種の葉は、羽状深裂し、裂片も細長いため、鳥の羽根や独特な形状をしています。そのため、雑草感がそれほど無く、洗練された印象を感じさせやすいです。
- 苗の増殖:本種は、種子から簡単に増やすことができます。そのため、花壇の縁どりとして利用したり、広範囲に植栽し景観を作ってみるのも面白いかもしれません。
- ロックガーデン:本種は自生地が乾燥帯の草原などにあり、砂礫が多く栄養の乏しい土壌に生息しています。そのため、土壌層が浅くて乾燥しやすいロックガーデンにも最適な植物のひとつとなります。
ヒナゲシの園芸品種の紹介
●バーガンディビガロー

学名:Papaver rhoeas ‘burgundy bigalow’
開花時期:4月~8月
花の色:赤紫色・白色
草丈:約80cm
備考:花の形は半八重咲きで、花弁が波打つため、華やかさと優美さを感じさせます。花の色は赤紫色と白色の複色になるため、清潔感と上品さを兼ね備えるエレガントな花姿が楽しめます。
●パンドラ
学名:Papaver rhoeas ‘pandora’
開花時期:4月~8月
花の色:赤紫色・白色
草丈:約60cm
備考:花の形は半八重咲きで、花弁が波打つため、華やかさと優美さを感じさせます。花の色は赤紫色と白色の複色で、清潔感と上品さを兼ね備えるエレガントな花姿が楽しめます。
●ピーチソルベット

学名:Papaver rhoeas ‘peach sorbet’
開花時期:4月~8月
花の色:ピーチ色
草丈:約50~70cm
備考:花の形は半八重咲きで、花弁が波打つため、華やかさと優美さを感じさせます。花の色はピーチ色をしているため、女性的で優しい雰囲気あるお庭によく調和します。
オリエンタルポピー
オリエンタルポピーとは!
オリエンタルポピー(学名: Papaver orientale)は、「オニゲシ」とも呼ばれるケシ科ケシ属に分類される種で多年草です。
オリエンタルポピーの原産地はイラン、トルコ、コーカサス地方で、自生地は山岳地帯の岩場や高原などに見られます。
オリエンタルポピーの特徴
- 形態:草丈は約30~100cm、生育型はロゼット型で、秋に種から発芽しロゼットを形成し、冬も緩やかに成長し、春になると茎を勢いよく伸長させ開花し、夏になると開花・結実後に地上部が枯れ秋まで休眠する多年草です。
近縁種との比較:本種は栽培が可能な種です。「麻薬および向精神薬取締法」で栽培が禁止されているケシ(学名:Papaver somniferum)と比べて、茎や葉に目立つ毛があり、葉は切れ込みの深い分裂葉で、開花後の果実が倒卵形・倒円錐形で小ぶりな点が特徴となります。- 花の魅力:花のサイズは品種などによって差異がありますが10~15cm、最大20cmに達するとも言われ巨大で強い存在感ある花姿が楽しめます。また花弁に丸みがあり花全体がカップ状の外観となるため、可愛らしい印象を感じさせる点も魅力です。花の色は一般的に橙色(赤橙色)で、黒色(暗紫色)のブロッチが花弁の基部に入りますが、品種によっては赤色・桃色・白色も見られます。そのため、太陽のような明るさや元気の良さを演出したい場合は橙色を選んだり、可愛らしいお庭作りをしたい場合は桃色を選ぶと良いでしょう。
- 葉の魅力:本種の葉は、羽状深裂し、裂片も細長いため、鳥の羽根や独特な形状をしています。そのため、雑草感がそれほど無く、洗練された印象を感じさせやすいです。
- 苗の増殖:本種は、種子から簡単に増やすことができます。そのため、花壇の縁どりとして利用したり、広範囲に植栽し景観を作ってみるのも面白いかもしれません。
- ロックガーデン:本種は自生地が山岳地帯の岩場や高原などにあり、砂礫が多く栄養の乏しい土壌に生息しています。そのため、土壌層が浅くて乾燥しやすいロックガーデンにも最適な植物のひとつとなります。
オリエンタルポピーの園芸品種の紹介
●コーラルリーフ
学名:Papaver orientale ‘coral reef’
開花時期:5月~7月
花の色:コーラルピンク色・黒色(雄蕊)
草丈:約50~75cm
備考:花の色は、花弁がコーラルピンク色で、雄蕊が黒色をしています。そのため、可愛らしさの中に大人っぽさも感じさせる魅惑的な品種です。
●フルーツポンチ
学名:Papaver orientale ‘fruit punch’
開花時期:5月~7月
花の色:赤色・桃色・朱色・黒色(雄蕊)
草丈:約50~75cm
備考:花の色は個体差があり、花弁は赤色・桃色・朱色をしており、雄蕊は黒色をしています。そのため、華やかさや可愛らしさを感じさせるお庭によく調和します。
アイスランドポピー

アイスランドポピーとは!
アイスランドポピー(学名: Papaver nudicaule)は、同義語でOreomecon nudicaulisとして扱われることもあり、別名で「シベリアヒナゲシ」とも呼ばれるケシ科ケシ属に分類される種で短命の多年草および一年草です。
アイスランドポピーの原産地はアジア(寒帯・亜寒帯)と北アメリカ(アラスカ・カナダ)で、自生地は斜面の岩場や草原などに見られます。
アイスランドポピーの特徴
- 形態:草丈は約30~60cm、生育型はロゼット型で、秋に種から発芽しロゼットを形成し、冬も緩やかに成長し、春になると茎を勢いよく伸長させ開花し、夏になると開花・結実後に地上部が枯れる短命の多年草または一年草です。
近縁種との比較:本種は栽培が可能な種です。「麻薬および向精神薬取締法」で栽培が禁止されているケシ(学名:Papaver somniferum)と比べて、茎に目立つ毛があり、花茎に葉がなく、根生葉に深い切れ込みの入る分裂葉な点が特徴となります。- 花の魅力:花のサイズは品種などによって差異がありますが5~10cmと大きいため華やかで、また花弁に丸みがあり花全体がカップ状の外観となるため、可愛らしい印象を感じさせます。花の色は基本的に単色ですがブロッチが入ることもあり、赤色・桃色・橙色・黄色・白色などがあるため、明るさや元気の良さを演出したい場合は黄色・橙色を選んだり、可愛らしいお庭作りをしたい場合は桃色を選ぶこともできます。
- 葉の魅力:本種の葉は、羽状深裂し、裂片も細長いため、鳥の羽根や独特な形状をしています。そのため、雑草感がそれほど無く、洗練された印象を感じさせやすいです。
- 苗の増殖:本種は、種子から簡単に増やすことができます。そのため、花壇の縁どりとして利用したり、広範囲に植栽し景観を作ってみるのも面白いかもしれません。
- ロックガーデン:本種は自生地が山岳地帯の岩場や高原などにあり、砂礫が多く栄養の乏しい土壌に生息しています。そのため、土壌層が浅くて乾燥しやすいロックガーデンにも最適な植物のひとつとなります。


