ジニア(ヒャクニチソウ)は属の中に約22種がありますが、一般に園芸で親しまれている種は幾つかの種とその園芸品種です。例えば、非常に園芸品種が豊富にあり個性的な花形と豊富な花色があり直立する草姿から切り花としても利用されるヒャクニチソウ、ヒャクニチソウとホソバヒャクニチソウの雑種で優れた耐病性・耐熱性・耐乾性があり育てやすく花数の多さや開花の持続性等の様々な点で高い評価をうけるヒャクニチソウ(プロフュージョン)等が親しまれています。
ジニア(ヒャクニチソウ)属の種ごとの育て方は写真か育て方をクリックすると出てくる為よかったらそちらをご覧下さい!
このページでは主な種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を紹介しています。
ジニア(ヒャクニチソウ)の主な種の目次
![]() 開花時期:5月~11月(6月~9月に最も開花) | ![]() 開花時期:5月~11月 |
![]() 開花時期:5月~11月 | ④その他の種や園芸品種 |
ヒャクニチソウの特徴や園芸品種
原産:メキシコ
学名:Zinnia elegans
草丈:約15~90cm
分類:一年草
開花時期:5月~11月(6月~9月に最も開花)
花色:赤色●桃色●橙色●黄色●紫色●緑色●白色〇
葉色:緑色●
耐暑性:強い
耐寒性:-
誕生花:5月4日/7月17日/7月26日/8月6日/10月3日
花言葉:絆/幸福/高貴な心/友への思い/遠くの友を思う
用途:開花期間長い/切り花
ヒャクニチソウとは!?
ヒャクニチソウは学名Zinnia elegans、 別名では「ジニア・エレガンス」や「コモン・ジニア(common zinnia)」等とも呼ばれるメキシコ原産の一年草です
ヒャクニチソウの語源(由来)
- 属名のZinniaはドイツの解剖学者で植物学者のJohann Gottfried Zinnへの献名です。
- 種小名のelegansはラテン語で「上品」「エレガント」を意味しています。
- ヒャクニチソウの由来は開花期間の長さからきています。
ヒャクニチソウの特徴(魅力)



- ヒャクニチソウは花の形が非常に個性的で3タイプあります。
- ↳ビーハイブ(蜂の巣箱)咲きは中央の筒状花が円柱状に突き出ており蜜蜂や蝶々に人気がありよく遊びに来ます。
- ↳ダリア咲きは丸みを帯びたポンポンの様な可愛らしい花の形をしており花弁がやや広めです。
- ↳カクタス咲きは個々の花弁が外側にカールして筒状になり八重咲きする花形です。
- 花は色鮮やかな花色からパステルカラーまで様々あるためお庭の雰囲気に合わせて品種選びが出来る所も魅力です。
- 花は開花期間が非常に長く夏の暑さに負けず持続的に開花します。
- ジニアの切り花は水揚げがやや悪いものの日持ち約7~10日程度あります。
- 草姿は直立して高さ15cm程度の矮性な品種から90cmに達する高性な品種まであります。
- ↳矮性な品種は花壇に並べられて縁取りに利用されたり寄せ植えに利用されたりします。
- ↳高性な品種は花壇に植えて立体感をつくったり収穫されて切り花にされたりします。
- ヒャクニチソウは種から簡単に育てる事が出来るため大量植栽しやすい所も魅力です。
- 成長が早く殆ど手をかけずに育てられる事から放ったらかしガーデンや初心者にもおすすめの植物です。
ヒャクニチソウの茎の色は緑色もしくは赤みを帯び、白色の毛が生えます。草姿は直立で高さ約15(~90)cmの間で成長します。葉は茎に対して対生葉序につき、葉色は緑色、葉の大きさは長さ約4(~10)cm、幅約3(~6)cm、葉身は卵形もしくは披針形か楕円形をしています。花序は直径が約3(~15)cmまである頭状花序です。個々の花(頭花)は舌状花と筒状花の構成比により一重咲き・半八重咲き・八重咲きの3タイプがあり、また花の形によりカクタス咲き・ダリア咲き・ビーハイブ(beehives)咲きの3タイプに分けられる事があります。花後の果実は痩果です。
ヒャクニチソウの切り花の楽しみ方

- ヒャクニチソウの収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 収穫に適したヒャクニチソウは開花し始めたタイミングです。
- ↳ただし茎が柔らかいと萎れやすいため茎を指で摘んで軽く横に振ってみてください、ふにゃふにゃだったら収穫にまだ向きません。
- 収穫したら花の水揚げを悪くしたり蒸散による萎れの原因となる葉を出来るだけ取り除きましょう。
- ヒャクニチソウは水揚げが悪い部類にはいります。
- ↳水揚げは水に漬けて水切りを行い、その後で深水を行いましょう。
- ↳管理の方法でも左右されますが日持ちは7~10日程度です。
- 管理は出来るだけ低温環境(糖の消費や蒸散が抑えられる)で数日(約1~3日)ごとに水切りと水換えを行い、水揚げが悪いと感じる場合は必要に応じて深水をしましょう。
- ↳またジニアは茎の毛が原因で雑菌(バクテリア)が増殖しやすいため、雑菌の抑制のため花瓶の水に漂白剤(1滴)もしくは延命剤(抗菌剤)等を入れる事をおすすめします。
水切り
水切りとは茎の根元を水の中に浸けた状態で、茎の根元から上に約1~5cmの部分でハサミを使い斜めにカットして、吸水面を広げる水揚げ方法です。水切りを行う目的は「細菌」「空気」「その他」が原因で茎が詰まり水揚げが悪くなってる部分を、水の中で切り戻して正常な状態に戻し水揚げを改善する事です。水切りは水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。
深水
深水とは深い水に切り花を浸ける事で、水圧を高めて水揚げしやすくしたり、葉や茎からも吸水させて水揚げする方法です。深水は水の吸い上げが弱い花材(バラ・ラナンキュラス等)や葉が丈夫な花材に向いています。
【深水のやり方】
①新聞紙とバケツ(水入り)と切り花を準備します。
②花材を新聞紙でクレープの様に包みます。
③↳茎の下部数cmを新聞紙から出して、萎れた花がしっかり立つように新聞紙で包みましょう。
④茎の下部を水切りして水揚げしやすくしておきます。
⑤水の入るバケツの中に花材を半分以上浸かる様にして1~数時間放置します。
⑥水揚げが終わったら再度花瓶に生けて楽しみます。
おすすめの延命剤
おすすめの延命剤
- 花に十分な栄養を与え、花を大きく咲かせ、蕾をしっかり開かせます。
- 水のみと比べて切り花の日持ちが大幅に長くなります。
- pHを下げて雑菌の増殖を抑制して、水揚げを促進します。
- 萎凋や変色を抑制します。
- 花瓶の中の水のぬめりを抑え水を清潔に保ちます。
- 全ての切り花に利用できます。
ヒャクニチソウの栽培方法
園芸では、色鮮やかで個性的な花を鑑賞する目的や、花を収穫して切り花として利用する目的で育てられます。草丈は最大90cmになる高性な品種から15cm程度の矮性な品種があるため、育てる品種に合わせて花壇の中央や後方等に植えて高さと立体感を出したり、花壇の前方や中央部に並べて縁どりとして楽しんだりすると良いでしょう。またヒャクニチソウは豊富な花色があるため、赤色や黄色等の色鮮やかな複数の花を組み合わせてカラフルなお庭をつくるのもいいかもしれません。
ヒャクニチソウを育てる際に注意する事は「長雨による多湿」です。何故ならヒャクニチソウは長雨に当たったり多湿環境になると、真菌性の病気や細菌性の病気にかかり株が弱りやすいからです。そのため、出来るだけ長雨の影響が少ない場所に植えたり、土壌の排水性を高めておく等の対策が必要でしょう。
ヒャクニチソウの主な園芸品種
ホソバヒャクニチソウの特徴や園芸品種

原産:メキシコ/北アメリカ
学名:Zinnia angustifolia
草丈:約30~50cm
分類:一年草
開花時期:5月~11月
花色:赤色●桃色●橙色●黄色●紫色●白色〇
葉色:緑色●
耐暑性:強い
耐寒性:-
誕生花:10月27日
花言葉:友への愛/友を思う/幸運
用途:開花期間長い
ホソバヒャクニチソウとは!?
ホソバヒャクニチソウは学名Zinnia angustifolia、 別名では「ジニア・アングスティフォリア」や「ナローリーフ・ジニア(narrowleaf zinnia)」等とも呼ばれるメキシコおよび北アメリカ原産の一年草もしくは多年草です
ホソバヒャクニチソウの語源(由来)
- 属名のZinniaはドイツの解剖学者で植物学者のJohann Gottfried Zinnへの献名です。
- 種小名のangustifoliaは「狭い」「小さい」を意味する「angustus」と、「葉」を意味する「folium」の2語からなり、ヒャクニチソウの狭い葉に由来します。
- ホソバヒャクニチソウの由来はヒャクニチソウと比べて葉が細い所からきています。
ホソバヒャクニチソウの特徴(魅力)
- ホソバヒャクニチソウはその名前からも分かる通り一般的にヒャクニチソウと比べて葉が細い所が特徴です。
- ホソバヒャクニチソウは分枝がよく地面を覆うように成長するためクリーピング・ジニア(creeping zinnia)とも呼ばれています。
- ↳そのため花壇に並べられて縁取りに利用されたり寄せ植えに利用されたりします。
- 花は直径約2.5cmと小さく中央にある筒状花が球状に盛り上がる所が特徴です。
- 茎や葉は白色の短い毛で覆われているためしばしば灰緑色の外観をしています。
- 花は開花期間が非常に長く夏の暑さに負けず持続的に開花します。
- ホソバヒャクニチソウとヒャクニチソウの交配によりうまれたプロフュージョンは非常に高い人気があります。
- 肥料や水遣りも殆ど不要なため放ったらかしでも育てられます。
ホソバヒャクニチソウの茎は硬く、色は緑色もしくは赤みを帯びており、白色の毛が生えます。草姿は直立で分枝がよく高さ約15(~50)cmの間で成長します。葉は茎に対して対生葉序につき、葉色は緑色で白色の毛が生え、葉の大きさは長さ約2(~7)cm、葉身は線形もしくは披針形をしています。花序は直径が約2.5cmの頭状花序です。
ホソバヒャクニチソウの栽培方法
ホソバヒャクニチソウを育てる際に注意する事は「長雨による多湿」です。何故ならホソバヒャクニチソウは長雨に当たったり多湿環境になると、真菌性の病気や細菌性の病気にかかり株が弱りやすいからです。そのため、出来るだけ長雨の影響が少ない場所に植えたり、土壌の排水性を高めておく等の対策が必要でしょう。
ホソバヒャクニチソウの主な園芸品種
ヒャクニチソウ(プロフュージョン)の特徴や園芸品種

ファイヤー イエロー コーラルピンク オレンジ ホワイト
学名:Zinnia ‘profusion’
草丈:約30~45cm
分類:多年草
開花時期:5月~11月
花色:赤色●桃色●橙色●黄色●白色〇
葉色:緑色●
耐暑性:強い
耐寒性:-
用途:開花期間長い/切り花
ヒャクニチソウ(プロフュージョン)とは!?
ヒャクニチソウ(プロフュージョン)は、サカタのタネによりホソバヒャクニチソウとヒャクニチソウが交配されうまれた雑種の園芸品種です。ヒャクニチソウ(プロフュージョン)はオールアメリカンセレクション(AAS)とフローロセレクト(FS)の2つの世界的な花の審査会で金賞を獲得しており海外で非常に高い評価を受けています。
開花時期は晩春から晩秋、花色は赤色や桃色、橙色や黄色、白色があり、花は舌状花と筒状花が組み合わさる直径約5cmの頭状花序です。草姿は直立もしくは這うように広がり高さ約30(~45)cm × 幅約45(~60)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は披針形、葉序は対生葉序につきます。
ヒャクニチソウ(プロフュージョン)の特徴と魅力
- ヒャクニチソウ(プロフュージョン)はホソバヒャクニチソウと同様に茎の分枝がよくコンパクトで地面を覆うような草姿を作ります。
- ↳そのため花壇に並べられて縁取りに利用したり寄せ植えに利用したりするのにおすすめです。
- ヒャクニチソウ(プロフュージョン)はホソバヒャクニチソウと比較して花の直径が5(~6)cmと大きい所が魅力です。
- ↳また花数の多さや開花の持続性等も評価されています。
- ヒャクニチソウ(プロフュージョン)はホソバヒャクニチソウと同様に花がら摘みが殆ど必要ありません。
- ↳ただし花がら摘みをした方が次の花は咲きやすくなります。
- ヒャクニチソウ(プロフュージョン)はうどんこ病に苦しみがちのヒャクニチソウと比べて優れた耐病性があるため株が弱りにくく育てやすいです。
- ヒャクニチソウ(プロフュージョン)は耐熱性と耐乾性が高いため夏の管理もとても楽です。
- ヒャクニチソウ(プロフュージョン)は均一性の高さも評価されており、気候や日光等に左右されず美しい花色や草姿を保ちます。