アブチロンは属の中に約216種がありますが、一般に園芸で親しまれている種は幾つかの種とその園芸品種です。例えば、開花期間が長く吊り下がるような花姿と花色が「ランタン」や「提灯」を思わせるアブチロン(ウキツリボク)、血管を思わせるような花色が独特な雰囲気をつくるショウジョウカ等が親しまれています。
アブチロン属の種ごとの育て方は写真か育て方をクリックすると出てくる為よかったらそちらをご覧下さい!
このページでは主な種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を紹介しています。
アブチロンの主な種の目次
アブチロン(ウキツリボク)の特徴や園芸品種
- 原産:ブラジル
- 学名:abutilon megapotamicum
- 草丈:約200~500cm
- 分類:常緑低木
- 開花時期:4月~11月(理想的な環境では周年)
- 花色:赤色●橙色●黄色●
- 葉色:緑色●黄色●白色〇
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:普通
- 誕生花:1月9日/9月8日
- 花言葉:推測/憶測/尊敬/真実は一つ
- 用途:開花期間長い/カラーリーフ
アブチロン(ウキツリボク)とは!?
アブチロン(ウキツリボク)は学名abutilon megapotamicum、別名では「チロリアンランプ」や「トレーリング・アブチロン(trailing abutilon)」等とも呼ばれるブラジルが原産の常緑低木です。
アブチロン(ウキツリボク)の語源(由来)
- 属名のabutilonは「アオイ科」の植物を意味するアラビア語に由来します。
- 種小名のmegapotamicumは古代ギリシア語で「偉大な」を意味する「μέγᾰς(megas)」と、古代ギリシア語で「川」や「運河」を意味する「ποτᾰμός(potamos)」の2語からきています。
アブチロン(ウキツリボク)の特徴(魅力)
- アブチロン(ウキツリボク)は、開花期間がとても長く、ぷっくりと膨らむ提灯のような花が垂れ下がる個性的な花姿や、湾曲しながら優雅に広がる樹形が魅力的な植物です。
- 園芸では、春から秋にかけて長く開花する花を鑑賞する目的だったり、優雅に広がる樹形を楽しむ目的で利用される事が多く、枝がしなやかなため、ツル植物のように誘引して育てられたり、剪定しながらコンパクトな低木として育てられたりします。
- 樹形はブッシュ状で下部からよく枝分かれします。
- 枝は細くしなやかなため弧状に曲がりながら横に広がる傾向があります。
- 花は腋花、葉腋から長い花柄を下垂させて袋状の可愛らしい花を咲かせます。
- 花は袋状の赤色の萼と、黄色の花弁と、長く突出する雄蕊と雌蕊で構成されています。
- 赤色と黄色の2色の花色は、対比が非常によく目立つため装飾性が高く、またその外観から花は「ランタン」や「提灯」等に例えられます。
- アブチロン(ウキツリボク)は軽い霜に耐える事が出来るため暖地等では屋外で越冬する事が出来ます。
- ただし強い霜の降りる地域では枯れてしまうため、寒い地域で育てる際は冬の管理に注意が必要です。
アブチロン(ウキツリボク)の樹高は約100(~200)cm、幅は約150(~350)cm、樹形は枝分かれがよくブッシュ状に茂り、枝は湾曲して弧を描きながら横に大きく広がる傾向があります。※茎は地面に接触すると不定根を出し定着します。
葉序は互生葉序、葉色は緑色、葉柄はあり、葉身の大きさは長さ約5(~11)cm、葉身の形は心形もしくは卵形(披針形)、葉のふち部分に鋸歯があり、しばしば3(~5回)浅裂します。
花序は腋花、葉腋から長い花柄を下垂させて花を下向きに咲かせます。萼は袋状で目立つ稜(物の角、多面体においては隣り合う二つの面が交わり出来る直線)が5個あり、萼の色は赤色、花は花弁が5個、花弁の色は黄色、雄蕊と雌蕊は長く中央から下に突出します。
アブチロン(ウキツリボク)の園芸品種の紹介
- 班入りアブチロン(abutilon megapotamicum ‘variegatum’)は、葉に不規則に黄色の班(散班)が入るため、明るい印象を与えるカラーリーフになり、また赤色の花と黄色の葉色の対比も美しい魅力的な園芸品種です。
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ショウジョウカの特徴や園芸品種
- 原産:ブラジル/アルゼンチン/パラグアイ/ウルグアイ
- 学名:abutilon pictum
- 草丈:約200~500cm
- 分類:常緑低木
- 開花時期:4月~11月(理想的な環境では周年)
- 花色:赤色●橙色●黄色●
- 葉色:緑色●黄色●
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:普通
- 誕生花:1月9日/9月8日
- 花言葉:推測/憶測/尊敬/真実は一つ
- 用途:開花期間長い/カラーリーフ
ショウジョウカとは!?
ショウジョウカは学名abutilon pictum、別名では「アブチロン・ピクタム」や「レッドベイン・アブチロン(redvein abutilon)」等とも呼ばれるブラジルおよびアルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイが原産の常緑低木です。
ショウジョウカの語源(由来)
- 属名のabutilonは「アオイ科」の植物を意味するアラビア語に由来します。
- 種小名のpictumはラテン語で「装飾された」や「着色された」などを意味します。
ショウジョウカの特徴(魅力)
- ショウジョウカは、ふつう花脈に赤色の班(網班)が入るため血管を思わせるような独特な花色をしており、開花期間がとても長く環境が合えば一年を通して花が見られる魅力的な植物です。
- 樹形はブッシュ状、直立して成長する傾向にあります。
- 花は腋花、葉腋から長い花柄を下垂させて、下向きに花を開花させます。
- 花色は花脈に沿って赤色の班が入るため、血管を思わせるような独特な外観となります。
- 葉は、ふち部分が浅く避けるため「楓の葉」や「掌」を思わせるような装飾的な外観をつくります。
- 葉の色はふつう緑色ですが、明るく爽やかな印象を与える黄色の葉色等があるため、品種を選んでカラーリーフとして楽しむ事も出来ます。
- 花はエディブルフラワーとして食用にされる事もあります。
- 花は咲いてる時間が長いほど、甘い蜜を生成し続けるため、甘さが増していくと言われています。
- ショウジョウカは軽い霜に耐える事が出来るため暖地等では屋外で越冬する事が出来ます。
- ただし強い霜の降りる地域では枯れてしまうため、寒い地域で育てる際は冬の管理に注意が必要です。
ショウジョウカの樹高は約200(~500)cm、幅は約150(~200)cm、樹形はブッシュ状、茎は直立もしくは斜上します。
葉序は互生葉序、葉色は緑色、葉柄はあり、葉身の大きさは長さ約5(~15)cm、幅は約5(~8)cm、葉身は3(~5)回に掌状浅裂(~中裂)して、ふち部分に鋸歯があります。
花序は腋花、葉腋から長い花柄を下垂させて花を下向きに咲かせます。花柄は長さ約7(~10)cm、花は花弁が5個、花弁の長さ約2(~4)cm、花色はふつう黄色に赤色の網班が入り、雄蕊の数は多数、雄蕊の色は黄色です。