
- 原産:南アフリカ
- 科:ツツジ(Ericaceae)
- 属:エリカ(Erica)
- 種:グラキリス(Erica gracilis)
- 別名:ピンクベルヘザー(Pink bell heather)
- 開花時期:12月~5月
- 花の色:赤色●桃色●白色〇
- 葉の色:緑色●
- 香り:
- 分類:常緑低木
- 被覆方法:
- 草丈:約30~60cm
- 用途:
- 購入方法:エリカ・グラキリスを楽天で購入
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
エリカ・グラキリスとは!?
エリカ・グラキリスの学名はErica gracilis、別名では「ピンクベルヘザー(Pink bell heather)」等とも呼ばれる南アフリカが原産の常緑低木です。
エリカ・グラキリスの語源(由来)
- 属名のEricaはラテン語で「箒」を意味しており、また古代ギリシアの「ἐρείκη」から採用されたと考えられています。
- 種小名のgracilisはラテン語で「細い」を意味しています。
エリカ・グラキリスの特徴(魅力)
- エリカ・グラキリスの特徴は、樹形がブッシュ状で茎の分枝が多くふさふさとした見た目をしている所や、 花が枝先に数個付き、株を覆うように沢山の花を咲かせるため華やかな花姿が楽しめる所、花の形が壷のような形状をしていて、ぷっくりと膨らんでいるため可愛らしい見た目をしてる所、花の色が濃い桃色または赤色をしていて可愛らしい印象を感じさせる所などにあります。
- 園芸では、冬の花壇を彩る植物として、桃色の可愛らしい花を鑑賞する目的で育てられます。
- 樹形はブッシュ状、茎は枝分かれが多くてフサフサとした外観をしています。
- 葉は枝を囲うように輪生に付き、葉の形は針形をしています。
- 開花期間は12月から5月頃です。
- 花序は枝先に数個の花を束生に咲かせます。非常に多花性で株を覆うように沢山の花を咲かせるため、開花期は華やかな花姿が楽しめます。
- 花の形は筒部が膨らむため鈴や風船を想像させるような可愛らしい外観をしています。花の色は濃い桃色または赤色か白色をしているため、可愛いらしさや華やかさを感じさせることができます。
エリカ・グラキリスの園芸品種の紹介
ビューティークイーン(Erica gracilis ‘beauty queen’)の特徴は、多花性で茎を覆うように沢山の花が咲く所や、花の色が濃い桃色をしていてロマンチックな雰囲気を感じさせる所などにあります。 |
エリカの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
エリカ・グラキリスの育て方
花壇の土づくり
日当り
エリカ・グラキリスは、日向から半日影までで育てる事が出来ます。基本的には日向を好みますが、夏の暑さが厳しい地域では西日の当たらない半日陰や明るい日陰で管理した方が良いでしょう。
- 日向とは、直射日光が6時間以上当たる場所です。
- 半日影とは、直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。また基本的には午前中のみ日が当たり午後から日陰になる場所になります。
- 明るい日陰とは、間接光だけが当たる日陰または直射日光が2時間程度までの場所です。
土壌の土質
エリカ・グラキリスは、通気性と排水性がとても良い土壌を好み、肥沃さはあまり求められません。逆に肥沃すぎる土壌は、夏に蒸れてしまう原因にもなるため、高温多湿が苦手な植物では避けた方が良いでしょう。
また基本的にPH5.5~6.5に近い酸性土壌でよく育ちます。アルカリ性の土壌では生育不良を引き起こす原因にもなるため注意が必要です。
そのため、植え付けの前に土壌診断を行い、土壌診断の結果に従って、土壌改良材を入れて通気性・排水性・PHを改善しましょう。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土やバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
- PHを測る専用の道具を用意して診断します。※詳しくはPHを診断からご覧下さい。
- 酸性土壌を改善して土壌を中性またはアルカリ性にしたい場合は、苦土石灰を利用します。PHを1上げるのに必要な苦土石灰の量は1平方メートルあたり150g程度です。土壌に苦土石灰を撒いた後は、石灰が塊にならないようによく混和します。
- アルカリ性土壌を改善して酸性に傾けたい場合は無調整ピートモス(PH4程度)を利用しましょう。ピートモスを腐葉土のかわり等に利用して、よく混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
エリカ・グラキリスは、日向から半日影までで育てる事が出来ます。基本的には日向を好みますが、夏の暑さが厳しい地域では西日の当たらない半日陰や明るい日陰で管理した方が良いでしょう。
培養土
エリカ・グラキリスは通気性や排水性が高くやや酸性の培養土を好みます。自作する場合はPHを下げるためピートモスや鹿沼土を利用したり、また通気性や排水性を高める用土を利用してあげると良いでしょう。
培養土の配合例
- 赤玉土(小粒・中粒)+ピートモス=6:4
- 鹿沼土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
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- super grade Ⅱの培養土はサラサラとした粒状の用土のみで構成されており堆肥が使用されていない所が特徴です。
- 堆肥が使われていないため、昆虫や微生物湧きにくく、お部屋でも使いやすいです。
- 堆肥が原因で夏場に蒸れる事がないため、多湿で植物が弱りにくくなります。
- 培養土は擬似団粒構造を形成しており優れた保水性・排水性・通気性・保肥力があります。
- 培養土の中には保水剤(CMC)が配合されているため水持ちがよく管理が楽になります。
- 培養土に含まれる赤玉土は焼きが入り硬質なため、劣化しにくく繰り返して何度でも使えます。
- 赤玉土には肥料も含有しているため植物の成長が良くなります。
- 肥料は3種類配合されており植物の成長段階に応じて非常に長く放出されます。
- 堆肥は入っていませんが、質の良い腐植酸が配合されているため、地力の高い肥沃な培養土となっています。
水やりの仕方
水やり
エリカ・グラキリスの水やり方法は一般的な植物と同様です。
ただし水分の多い過湿状態が続くと根腐れをおこす事もあるため、水やりのタイミングは注意してください。
水やりの頻度と与え方
水やりの頻度は環境にも左右されますが、基本的には土の表面から2cm程が乾いてきたら水やりを行うといいでしょう。乾燥の確認は指を入れる、または土の色の変化などを見ることで行えます。
剪定のやり方
エリカ・グラキリスは定期的な剪定はいりません。必要に応じてを開花後に剪定を行います。
剪定のやり方
- 剪定の時期
- 開花後に行います。
- 剪定方法
- 花がらを剪定して取り除き樹形を整えます。株全体の三分の一から半分程度を目安にして剪定して、形を整えるといいでしょう。
- 枯れた茎または病気の茎を根元から剪定するか、健康な茎の部分まで切り戻し剪定します。
夏越しする方法
エリカ・グラキリスは、夏の暑さに比較的に強い南アフリカが原産のエリカです。ただし多湿は苦手にしているため、風通しや長雨によるジメジメなどには注意が必要になります。
夏越しで重要なポイント
- 西日の当たらない半日影、または直射日光が二時間程度の明るい日陰で管理します。
- 鉢植えであれば西日の当たらない場所に移動します。
- 地植えであれば西日の当たらない場所に植えたり遮光ネットを利用したりしましょう。
- 土壌が何時までも濡れていてジメジメした状態が続くと、茎・葉・根が腐敗して枯れる事があります。
- 土壌の通気性・排水性をよくしておきましょう。
- 軒下等の長雨に当たらない環境で育てることもひとつの対策になります。
- 乾燥が続くと葉が萎れたり落ちたりする事があります。
- 土壌の状態を見ながら定期的に水やりを行いましょう。
- 半日影などの乾燥しにくい環境で管理するのもひとつの対策になります。
冬越しする方法
Hardiness:8~11
エリカ・グラキリスは軽い霜であれば耐えられるため、暖地や平地であれば地植えでも冬越し出来る事があります。ただし基本的に霜や凍結に弱いため、冬越し対策を行った方が良いでしょう。
冬越し対策
- 屋外で育てている場合は、霜が降りる前に霜対策として不織布などを被せます。
- また霜が降りる前に株を掘り起こして鉢植えに植え直した後に、軒下に移動したり、温室に移動するなどして管理する事も可能です。
- 鉢植えで育てている場合は、霜の当たらない軒下に移動したり、凍結が心配な場合は屋内や温室に移動したりするとよいでしょう。