ヘリクリサムは属の中に約564種があり、園芸でも様々な種と品種が親しまれています。このページではムギワラギク属を含む4種類の原種と、いくつかの園芸品種等を紹介しています。
上記の他にも、このページでは育て方や購入する際のリンクも用意しています。よければ、そちらもご活用ください。
■目次
■ヘリクリサム(ムギワラギク)属の簡易比較

学名:Helichrysum italicum
生活形:低木
草丈:約40~60cm
開花:7月~9月
花色:黄色
葉色:白緑色・白色
草姿:分枝型
備考:茎や葉にビロード状の白色の毛が密に生えるため全体的に白緑色または白色の外観を呈しており、開花期になると鮮やかな黄色の花が茎頂に集まり花姿をみせます。そのため、園芸では茎・葉をシルバーリーフとして楽しんだり、花を鑑賞したり、収穫してドライフラワーとして楽しむ目的で栽培されます。また葉や花にはカレーやメープルシロップに例えられる芳香があり、料理の香り付けとして用いられることもあります。

学名:Xerochrysum bracteatum
同義語:Helichrysum bracteatum
生活形:多年草/一年草
草丈:約20~80cm
開花:6月~9月※種まきした時期で変わる
花色:赤色・桃色・橙色・黄色・紫色・白色
葉色:緑色
草姿:直立型・分枝型
備考:麦わら帽子に例えられるユニークな花の形が魅力の植物です。ただし、主に鑑賞される部分は花を保護している総苞片(苞)で、これが花弁状になり独特な花姿を形成しています。園芸では、この花を鑑賞する目的で栽培されており、特に総苞は乾燥しても型崩れや色褪せがほとんどない事から、収穫してドライフラワーとしても楽しまれます。
学名:Helichrysum amorginum
生活形:多年草
草丈:約20~40cm
開花:4月~6月
花色:赤色・桃色・黄色・橙色・白色
葉色:緑色・白緑色・白色
草姿:分枝型
備考:茎や葉にビロード状の白色の毛が密に生えるため全体的に白緑色または白色の外観を呈しており、開花期になると総苞が花弁状になる独特な花姿が楽しめる品種です。そのため、園芸では茎・葉をシルバーリーフとして楽しんだり、花を鑑賞したり、収穫してドライフラワーとして楽しむ目的で栽培されます。

学名:Helichrysum arenarium
生活形:多年草
草丈:約30~50cm
開花:7月~9月
花色:黄色・白色
葉色:緑色・白緑色
草姿:叢生型
備考:整然と直立に茎が何本も並ぶ行儀の良い草姿と、茎や葉が白色の毛で密に生えて株全体が白色の外観を呈している所、開花期になると鮮やかな黄色の花が茎頂に集まり半球状の花姿をみせる所などにあります。そのため、園芸では茎・葉をシルバーリーフとして楽しんだり、花を鑑賞したり、収穫してドライフラワーとして楽しむ目的で栽培されます。また近縁のカレープラントと比べて耐寒性が高いため、冬越しが容易で育てやすい点も魅力です。
■ヘリクリサム(ムギワラギク)属の主な種と園芸品種の紹介
カレープラント

カレープラントとは!
カレープラント(学名: Helichrysum italicum)は、別名では「ヘリクリサム・イタリカム」「イモーテル(immortelle)」「イタリアン・ストローフラワー(Italian strawflower)」とも呼ばれるキク科ヘリクリサム属の低木です。
カレープラントの原産地は地中海沿岸にあり、自生地は岩の多い丘陵地や海岸沿いの砂地などにあります。
カレープラントの特徴
- カレープラントの魅力:この植物は、茎や葉にビロード状の白色の毛が密に生えるため全体的に白緑色または白色の外観を呈しており、開花期になると鮮やかな黄色の花が茎頂に集まり花姿をみせます。そのため、園芸では茎・葉をシルバーリーフとして楽しんだり、花を鑑賞したり、収穫してドライフラワーとして楽しむ目的で栽培されます。また葉や花にはカレーやメープルシロップに例えられる芳香があり、料理の香り付けとして用いられることもあります。
- 樹形:樹高は約40~60cm、生育型は分枝型で、分枝は株の基部でよくしますが茎の途中での枝分かれは少なく、茎の向きは直立茎または横臥茎になり、一般的に茎は直立した後に倒れて横に広がります。そのため、株の外観は丸みのあるドーム状になる傾向があります。
- 花の特徴:花序は頭状散房花序で、頭花が茎頂に集まり半球状の外観を呈します。頭花を構成している花は、舌状花を欠き、黄色の筒状花のみで構成されており、黄色の花色は乾燥後も長く保たれる点が特徴です。
- 花壇の縁取り:株は分枝が多くこんもりと広がるため、少し大きめの花壇の縁どりとして利用しやすい植物です。
- シルバーリーフ:茎や葉には白色のビロード毛が密生しているため、白色または白緑色の外観を呈しています。また白色の毛は光の反射で輝いているようにも見えるため、シルバーの宝飾品のようにも見え、ラグジュアリーな印象を添えるシルバーリーフとして楽しめます。
- 香りの特徴:カレープラントの花や葉には特有の芳香を生みだす精油が含まれており、この芳香を生みだす主要な成分には、α-ピネンやγ-クルクメンや酢酸ネリルなどが挙げられます。そのため、花や葉を触るとカレーやメープルシロップに例えられる独特な香りが広がり人々を楽しませます。園芸では、この香りを楽しむ目的で、花や葉を収穫してポプリやサシェにされたり、お庭のガーデンファニチャーの傍に植栽して休憩しながら香りが楽しめるようにしたり、またよく通る小道の傍に植栽され花や葉に体が触れる時に香りが広がるように工夫して植栽されたりしています。
- フラワーアレンジメント:カレープラントの花は収穫後に乾燥しても色褪せと型崩れほとんどなく、美しい外観を長く保ちます。この特性から、切り花として楽しまれるだけでなく、ドライフラワーに加工されて、スワッグやリース等のアレンジメントの素材として利用されたりもします。アレンジメントの中にカレープラントを加えることで、明るい雰囲気を与えるだけでなく、カレーを想像させるような芳香も楽しむことができます。
- 食用:魚料理や卵料理などの香り付けとして茎を細かく刻んで調味料として用いられる事があります。
カレープラントの園芸品種の紹介
ムギワラギク

ムギワラギクとは!
ムギワラギク(学名: Xerochrysum bracteatum)は、または同義語で Helichrysum bracteatum になり、別名では「テイオウカイザイク」「ゴールデンエバーラスティング(golden everlasting)」「ストローフラワー(strawflower)」とも呼ばれるキク科ムギワラギク属の多年草または一年草です。
ムギワラギクの原産地はオーストラリアにあり、自生地は乾燥した潅木地帯や草原、露頭などにあります。
ムギワラギクの特徴
- ムギワラギクの魅力:麦わら帽子に例えられるユニークな花の形が魅力の植物です。ただし、主に鑑賞される部分は花を保護している総苞片(苞)で、これが花弁状になり独特な花姿を形成しています。園芸では、この花を鑑賞する目的で栽培されており、特に総苞は乾燥しても型崩れや色褪せがほとんどない事から、収穫してドライフラワーとしても楽しまれます。
- 草姿:草丈は約20~80cm、生育型は直立型または分枝型で、分枝型では株の基部で分枝をよくしますが茎の途中での枝分かれは少ないです。また茎の向きは直立茎となるため、基本的に株は暴れずに行儀良い見た目となります。
- 花の特徴:花序は頭状花序で、頭花を構成している花は、舌状花を欠き、黄色の筒状花のみで構成されています。ただし、一般的に鑑賞されている部分は花を保護している総苞片であり、これが花弁状に広がって八重咲きの花のような外観を呈し、総苞片は赤色・桃色・橙色・黄色・紫色・白色に色づいています。
- フラワーアレンジメント:ムギワラギクの花は収穫後に乾燥しても色褪せと型崩れほとんどなく、美しい外観を長く保ちます。この特性から、切り花として楽しまれるだけでなく、ドライフラワーに加工されて、スワッグやリース等のアレンジメントの素材として利用されたりもします。アレンジメントの中にカレープラントを加えることで、明るいカラフルな雰囲気を添えることができます。
ムギワラギクの園芸品種の紹介
ヘリクリサム・アモルギナム
ヘリクリサム・アモルギナムとは!
ヘリクリサム・アモルギナム(学名: Helichrysum amorginum)は、別名では「エバーラスティング・フラワー(Everlasting Flower)」とも呼ばれるキク科ヘリクリサム属の低木です。
ヘリクリサム・アモルギナムの原産地はギリシャにあり、自生地は岩の多い丘陵地や海岸沿いの崖地などにあります。
ヘリクリサム・アモルギナムの特徴
- ヘリクリサム・アモルギナムの魅力:この植物は、茎や葉にビロード状の白色の毛が密に生えるため全体的に白緑色または白色の外観を呈しており、開花期になると総苞が花弁状になる独特な花姿が楽しめる品種です。そのため、園芸では茎・葉をシルバーリーフとして楽しんだり、花を鑑賞したり、収穫してドライフラワーとして楽しむ目的で栽培されます。
- 樹形:樹高は約20~40cm、生育型は分枝型で、分枝は株の基部でよくしますが茎の途中での枝分かれは少なく、茎の向きは直立茎または横臥茎になり、一般的に茎は直立した後に倒れて横に広がります。
- 花の特徴:花序は頭状花序で、頭花を構成している花は、舌状花を欠き、黄色の筒状花のみで構成されています。ただし、一般的に鑑賞されている部分は花を保護している総苞片であり、これが花弁状に広がって八重咲きの花のような外観を呈し、総苞片は赤色・桃色・黄色・橙色・白色に色づいています。
- シルバーリーフ:茎や葉には白色のビロード毛が密生しているため、白色または白緑色の外観を呈しています。また白色の毛は光の反射で輝いているようにも見えるため、シルバーの宝飾品のようにも見え、ラグジュアリーな印象を添えるシルバーリーフとして楽しめます。
- フラワーアレンジメント:ヘリクリサム・アモルギナムの花は収穫後に乾燥しても色褪せと型崩れほとんどなく、美しい外観を長く保ちます。この特性から、切り花として楽しまれるだけでなく、ドライフラワーに加工されて、スワッグやリース等のアレンジメントの素材として利用されたりもします。
ヘリクリサム・アモルギナムの園芸品種の紹介
エンバーグロウ
育て方・楽天で購入
学名:Helichrysum amorginum ‘ember glow’
花の色:赤橙色・黄色
葉の色:白緑色
草丈:約30~40cm
備考:花(総苞片)の色は初めは赤橙色で、開花が進むと内側が黄色になり、赤橙色と黄色のカラフルな花色が楽しめます。また葉の色も白緑色をしてるため、開花期以外もシルバーリーフが楽しめる品種です。
ヘリクリサム・アリーナリウム

ヘリクリサム・アリーナリウムとは!
ヘリクリサム・アリーナリウム(学名: Helichrysum arenarium)は、別名では「エバーラスティングフラワー」「ドワーフエバーラスト(dwarf everlast)」「イモータル(immortelle)」とも呼ばれるキク科ヘリクリサム属の多年草です。
ヘリクリサム・アリーナリウムの原産地はヨーロッパおよびアジアにあり、自生地は山岳地帯の草原や荒れ地などにあります。
ヘリクリサム・アリーナリウムの特徴
- ヘリクリサム・アリーナリウムの魅力:この植物は、整然と直立に茎が何本も並ぶ行儀の良い草姿と、茎や葉が白色の毛で密に生えて株全体が白色の外観を呈している所、開花期になると鮮やかな黄色の花が茎頂に集まり半球状の花姿をみせる所などにあります。そのため、園芸では茎・葉をシルバーリーフとして楽しんだり、花を鑑賞したり、収穫してドライフラワーとして楽しむ目的で栽培されます。また近縁のカレープラントと比べて耐寒性が高いため、冬越しが容易で育てやすい点も魅力です。
- 樹形:樹高は約40~60cm、生育型は分枝型で、分枝は株の基部でよくしますが茎の途中での枝分かれは少なく、茎の向きは直立茎または横臥茎になり、一般的に茎は直立した後に倒れて横に広がります。そのため、株の外観は丸みのあるドーム状になる傾向があります。
- 草姿:草丈は約30~50cm、生育型は叢生型で、地面下にある根茎から複数の茎が伸びて群生をつくります。茎の向きは直立茎で、基本的に殆ど分枝をしないため、株の外観は一般的に複数の茎が真っ直ぐと整然と伸びる行儀良い草姿を形成します。
- 花の特徴:花序は頭状散房花序で、頭花が茎頂に集まり半球状の外観を呈します。頭花を構成している花は、舌状花を欠き、黄色の筒状花のみで構成されており、黄色の花色は乾燥後も長く保たれる点が特徴です。
- 花壇の縁取り:株は分枝が多くこんもりと広がるため、少し大きめの花壇の縁どりとして利用しやすい植物です。
- シルバーリーフ:茎や葉には白色の毛が密生しているため、白色または白緑色の外観を呈しています。
- フラワーアレンジメント:ヘリクリサム・アリーナリウムの花は収穫後に乾燥しても色褪せと型崩れほとんどなく、美しい外観を長く保ちます。この特性から、切り花として楽しまれるだけでなく、ドライフラワーに加工されて、スワッグやリース等のアレンジメントの素材として利用されたりもします。アレンジメントの中にカレープラントを加えることで、明るい雰囲気を与えるだけでなく、カレーを想像させるような芳香も楽しむことができます。