アガパンサスは属の中に約9種がありますが、一般に園芸で親しまれている種は幾つかの種とその園芸品種です。例えば、美しい紫色の花色と球状に咲く美しい花姿が魅力的なムラサキクンシランやプラエコクス種、草丈が150cmに達する事もあり花が大きく開かず下垂する様に咲く姿が優美な雰囲気をつくるイナペルタス等が親しまれています。
アガパンサス属の種ごとの育て方は写真か育て方をクリックすると出てくる為よかったらそちらをご覧下さい!
このページでは主な種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を紹介しています。
アガパンサスの主な種の目次
①ムラサキクンシラン 開花時期:5月~8月 | ②プラエコクス種 開花時期:5月~8月 |
③イナペルタス 開花時期:6月~8月 | ④その他の種や園芸品種 |
ムラサキクンシランの特徴や園芸品種
原産:南アフリカ
学名:Agapanthus africanus
草丈:約70cm
分類:常緑多年草
開花時期:5月~8月
花色:紫色●青色●白色〇
葉色:緑色●白色〇
耐暑性:強い
耐寒性:普通
誕生花:6月11日/6月19日
花言葉:恋の訪れ/誠実な愛/ラブレター/知的な装い
用途:切り花
特徴:ムラサキクンシランは学名Agapanthus africanus、別名「アガパンサス・アフリカヌス」や「アフリカンリリー(African Lily)」とも呼ばれる南アフリカ原産の常緑多年草です。
ムラサキクンシランの語源(由来)
- 属名のAgapanthusは古代ギリシャ語で「愛」「愛情」を意味する「ἀγάπη(agápē)」と「花」を意味する「ἄνθος(ánthos)」の2語の造語です。
- 種小名のafricanusはラテン語で「africanus」を意味しており、自生地に由来しています。
- ムラサキクンシランの由来は花色が「紫色」をしている所と、花の形が「クンシラン」に似ている所からきています。
ムラサキクンシランの特徴(魅力)
- ムラサキクンシランは茎の頂部に約20~30個の筒状の花が集まり約15cmの大きな花を咲かせます。
- 花は一般的に紫色をしており花被片の中央に濃い紫色の縦筋が入ります。
- 豪華な花は切り花としての人気も高く花瓶の中で1週間程度の日持ちがあります。
- 地面下には地下茎があり短い塊茎から葉をだします。
- 葉は緑色で光沢があり革質です。
- 葉の長さは平均して35cmありロゼット状に優雅に広がり地面を被覆します。
- ムラサキクンシランは寒さを苦手にしているため冬の管理には注意が必要です。
ムラサキクンシランは地面下に地下茎をもち短い塊茎から葉をだします。葉は地際からロゼット状に直立もしくはアーチ状に広がり、葉色は緑色で光沢があり革質、葉の大きさは平均長さ約35cm幅約1.5cmあり、葉身は剣形をしています。花は花茎が高さ70cmまで伸び、花序は20(~30)個の花が散形花序につき、個々の花は直径約2.5~5cmの漏斗形で花被片が6個と雄蕊が6個と雌蕊があります。花後に出来る果実は蒴果で3室あり、黒色の種子を生成します。
開花時期は晩春から夏、花色は青色や紫色、白色があり、個々の小花は直径約2.5(~5)の漏斗形で花被片が6個あり、花序は頂部に小花が集まり直径約15cm迄の散形花序に花を咲かせます。草姿はロゼット状で地面下に地下茎をもち高さ約70cm × 幅は約40cmまで成長します。葉色は緑色で品種により白色の班が入り、葉身は剣形です。
ムラサキクンシランの栽培方法
園芸では、茎の頂部で花が半球状に多数集まり咲くボリュームある花姿を鑑賞する目的だったり、直径15cmにもなる豪華な花を切り花として屋内で鑑賞する目的だったり、また光沢のある美しい葉をグランドカバーとして利用する目的等で利用されます。
園芸品種には、心を落ち着かせる様な濃い青色の花が魅力の「サマーラブ」や白色と紫色の二色の花色が上品でエレガントな雰囲気をつくる「ツイスター」等があります。それぞれお庭の雰囲気に合わせて品種を選ぶと良いでしょう。
ムラサキクンシランの主な園芸品種
アガパンサス(ツイスター)は、空の色を連想させる様な白色と青色の2色の花と、茎の頂部で球状に花が集まり咲く豪華な花姿が魅力的な園芸品種です。青色と白色の2色の花色は、クリアで清々しい空の色を連想させるため、爽やかで落ち着いた雰囲気のお庭をつくる時や、清楚で気品のあるお庭をつくりたい時等におすすめの品種です。
アガパンサス(サマーラブ)は、深い海を連想させる様な縦筋の入る濃い青色の花と、茎の頂部で球状に花が集まり咲く豪華な花姿が魅力的な園芸品種です。濃い青色の花色は、静かで落ち着いた海の色を連想させるため、上品で洗練されているお庭や、また対比する赤色や黄色等の複数の花を組み合わせてカラフルなお庭をつくる時等におすすめの品種です。
アガパンサス(ファイヤーワークス)は、白色の花の筒部が濃い青色で2色の花色をしており、花が茎の頂部に密集して球状に集まり豪華な花を咲かせる魅力的な園芸品種です。青色と白色の2色の花色は、クリアで清々しい空の色を連想させるため、爽やかで落ち着いた雰囲気のお庭をつくる時や、清楚で気品のあるお庭をつくりたい時等におすすめの品種です。
アガパンサス(プラエコクス)の特徴や園芸品種
原産:南アフリカ
学名:Agapanthus praecox
草丈:約30~100cm
分類:多年草
開花時期:5月~8月
花色:紫色●青色●白色〇
葉色:緑色●黄色●白色〇
耐暑性:強い
耐寒性:普通
誕生花:6月11日/6月19日
花言葉:恋の訪れ/誠実な愛/ラブレター/知的な装い
用途:切り花
特徴:アガパンサス(プラエコクス)は学名Agapanthus praecox、別名「コモンアガパンサス(common agapanthus)」等とも呼ばれる南アフリカ原産の多年草です。
アガパンサス(プラエコクス)の語源(由来)
- 属名のAgapanthusは古代ギリシャ語で「愛」「愛情」を意味する「ἀγάπη(agápē)」と「花」を意味する「ἄνθος(ánthos)」の2語の造語です。
- 種小名のpraecoxはラテン語で「早熟」を意味しており早咲きな事に由来しています。
アガパンサス(プラエコクス)の特徴(魅力)
- アガパンサス(プラエコクス)は高さが100cmまで伸びる花茎をもちます。
- 花は放射状に百合の様な小花が集まり球状の形で咲きます。
- ↳花の蕾は開くと下向きになる事もありますが比較的に球状を維持します。
- 球状の豪華な花は切り花としての人気も高く花瓶の中で1週間程度の日持ちがあります。
- 地面下には地下茎があり短い塊茎から葉をだします。
- ↳根は非常に強くコンクリートを破壊する事もあるようです。
- 葉は緑色で光沢があり革質です。
- 葉の長さは平均して50(最大70)cmありロゼット状に優雅に広がり地面を被覆します。
- アガパンサス(プラエコクス)はムラサキクンシランと比べると寒さに強く地植えで育てやすい所が魅力です。
アガパンサス(プラエコクス)は地面下に地下茎をもち短い塊茎から葉をだします。葉は個々の株に6(~20)個あり、地際からロゼット状に直立もしくはアーチ状に広がり、葉色は緑色で光沢があり革質、葉の大きさは平均長さ約20(~70)cm幅約3(~5)cmあり、葉身は剣形をしています。花は花茎が高さ30(~100)cmまで伸び、花序は散形花序につき、個々の花は直径約5cmの漏斗形で花被片が6個と雄蕊が6個と雌蕊があります。花後に出来る果実は蒴果で3室あり、黒色の種子を生成します。
開花時期は晩春から夏、花色は青色や紫色、白色があり、個々の小花は直径約5の漏斗形で花被片が6個あり、花序は頂部に小花が集まり散形花序に花を咲かせます。草姿はロゼット状で地面下に地下茎をもち高さ約30(100)cm × 幅は約30(60)cmまで成長します。葉色は緑色で品種により白色の班が入り、葉身は剣形です。
アガパンサス(プラエコクス)の切り花の楽しみ方
- アガパンサス(プラエコクス)の収穫は朝の涼しい時間帯におこないましょう。
- 収穫の前に水を入れたバケツを準備しておきます。
- アガパンサス(プラエコクス)は収穫すると蕾が開きにくい傾向があるため、蕾がある程度開いたものを選ぶといいでしょう。
- ↳蕾のままでも十分美しく切り花として楽しめます。
- 収穫したアガパンサス(プラエコクス)はバケツに漬けて水切りを行います。
- ↳水切りとは茎(切り口)を水に漬けたまま切り口をハサミやナイフで斜めにカットして、吸水面を広げ水揚げしやすくする方法です。
- 水揚げが終わったら花瓶に生けて楽しみましょう。
- ↳日持ちは7日程度です。
- 管理は必要に応じて数日(約3日)ごとに水を換え再度水切りを行う事もできます。
アガパンサス(プラエコクス)の栽培方法
園芸では、茎の頂部で花が半球状に多数集まり咲くボリュームある花姿を鑑賞する目的だったり、球状に咲く豪華な花を切り花として屋内で鑑賞する目的だったり、また光沢のある美しい葉をグランドカバーとして利用する目的等で利用されます。
園芸品種には、 白色の花が上品で清潔感を感じさせる「ゲティホワイト」や白色と紫色の二色の花色がエレガントな雰囲気をつくる「フローラプレノ」等があり、それぞれお庭の雰囲気に合わせて品種を選ぶと良いでしょう。
アガパンサス(プラエコクス)の主な園芸品種
アガパンサス(ゲティホワイト)は非常に沢山の白色の花が球状に集まり、茎の頂部でボリューミーな花を咲かせる魅力的な園芸品種です。真っ白な美しい花は、神聖な物(天使等)やウェディング等を連想させます。そのため清潔感を感じさせる様な上品なお庭や、光を感じさせる様な明るいお庭等におすすめの品種です。
アガパンサス(イナペルタス)の特徴や園芸品種
原産:南アフリカ
学名:Agapanthus inapertus
草丈:約80cm~150cm
分類:多年草
開花時期:6月~8月
花色:紫色●青色●白色〇
葉色:緑色●
耐暑性:強い
耐寒性:普通
誕生花:6月11日/6月19日
花言葉:恋の訪れ/誠実な愛/ラブレター/知的な装い
用途:切り花
特徴:アガパンサス(イナペルタス)は学名Agapanthus inapertus、別名「ドラケンスバーク・アガパンサス(Drakensberg agapanthus)」や「ドゥルーピング・アガパンサス(drooping agapanthus)」等とも呼ばれる南アフリカ原産の多年草です。
アガパンサス(イナペルタス)の語源(由来)
- 属名のAgapanthusは古代ギリシャ語で「愛」「愛情」を意味する「ἀγάπη(agápē)」と「花」を意味する「ἄνθος(ánthos)」の2語の造語です。
- 種小名のinapertusはラテン語で「閉じた」を意味しており大きく開く事のない筒状の花に由来します。
- 英名のdrooping agapanthusはdrooping(垂れ下がる)agapanthus(アガパンサス)を意味しており、筒状の花が下垂する様に咲く花姿に由来します。
アガパンサス(イナペルタス)の特徴(魅力)
- アガパンサス(イナペルタス)は長い筒状の花が茎の頂部に多数集まり垂れ下がる様に咲く個性的な花姿が特徴です。
- 花色は一般的に濃い青色をしていますが園芸品種の中には紫色や白色もあります。
- 花茎は最大150cmまで伸びる事があります。
- 葉は細く長さが最大50cmまでになりロゼット状に優雅に広がります。
- アガパンサス(イナペルタス)は冬になると地上部が枯れる落葉性(宿根草)です。
開花時期は初夏から夏、花色は青色や紫色、白色があり、個々の小花は漏斗形で花被片が6個あり、花序は頂部に小花が集まり散形花序に花を咲かせます。草姿はロゼット状で地面下に地下茎をもち高さ約80(150)cm × 幅は約60(90)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は剣形です。
アガパンサス(イナペルタス)の栽培方法
園芸では、茎の頂部で花が半球状に多数集まり咲くボリュームある花姿を鑑賞する目的だったり、球状に咲く豪華な花を切り花として屋内で鑑賞する目的だったり、また光沢のある美しい葉をグランドカバーとして利用する目的等で利用されます。
アガパンサス(イナペルタス)の主な園芸品種
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その他の種や園芸品種
アガパンサス(クィーンマム)は背が高く最大120cm迄の高さになり、花茎の頂部に白色と青色の爽やかな小花が幾つも集まり球状の花を咲かせる園芸品種です。比較的に耐寒性が強く、葉は常緑のため1年を通して魅力があり地際から真っ直ぐと伸びる葉は途中で外側へと反り優雅に広がります。花はユリの様な上品な小花が幾つも集まる事で半球状の形になり気品と豪華さを兼ね備えます。
アガパンサス(ノーザンスター)は、深い海を連想させる様な縦筋の入る濃い青色の花と、茎の頂部で花が非常に密につき開花後も球状を保つ美しい花姿が魅力的な園芸品種です。濃い青色の花色は、静かで落ち着いた海の色を連想させるため、上品で洗練されているお庭や、また対比する赤色や黄色等の複数の花を組み合わせてカラフルなお庭をつくる時等におすすめの品種です。
アガパンサス(シルバームーン)は、葉に縦筋の白色の縞班が入るため花のない時期もカラーリーフとして楽しまれており、また茎の頂部に紫色の花が集まり球状に咲く花が気品のある雰囲気をつくる魅力的な園芸品種です。