原産:ソシエテ諸島
科:アカネ(rubiaceae)
属:クチナシ(Gardenia)
種:タイテンシス(taitensis)
英名:ティアレ・タヒチ(tiare flower)
別名:ガーデニア・タイテンシス/タヒチアン・ガーデニア(Tahitian gardenia)
開花時期:4月~7月
花の色:白色〇
葉色:緑色●
香る部位:花
分類:常緑低木
樹高:約50~600cm
誕生花:6月7日/6月28日
花言葉:「沈黙」「清潔」「洗練」「喜びを運ぶ」「とても幸せです」
用途:香りが良い/切り花
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ティアレ・タヒチとは!?
ティアレ・タヒチは学名Gardenia taitensis、別名「タヒチアン・ガーデニア(Tahitian gardenia)」や「ガーデニア・タイテンシス」とも呼ばれる常緑低木です。ティアレ・タヒチはメラネシア及び西ポリネシアを原産としており、タヒチは原産でもなく帰化もしていません。
ティアレ・タヒチの語源(由来)
- 属名のガーデニア(Gardenia)の由来はスコットランドの植物学者兼医者のDr. Alexander Gardenへの献名です。
- 種小名のtaitensisは、1824年にJules Dumont d’Urvilleにより収集されたタヒチの標本を元に名付けられています。
- ティアレ・タヒチは由来はタヒチ語で「花」を意味するティアレとタヒチの二語からなります。ただしタヒチ自体は原産地ではないため、誤解されているとしばしば指摘される事があります。
ティアレ・タヒチの特徴(魅力)
- ティアレ・タヒチは他の香りの花も圧倒する程の強い香りがあります。
- ↳香りはココナッツやジャスミンの香りに例えられ開花期は数メートル離れても香りが感じられます。
- ティアレ・タヒチは切り花にすれば屋内でも香りが楽しめます。
- ↳ただし切り花としての寿命は短く日持ち2~3日程度です。
- 花はハワイでは「レイ」タヒチでは「ヘイ」と呼ばれる花のネックレスに利用されます。
- オイルに浸され「モノイオイル」が作られます。
- 株は成熟すると6mの高さまで成長する事があります。
開花時期は春から夏、花色は白色、個々の花は花先が5~8裂する花を咲かせます。樹高は約50~600cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は倒卵形もしくは楕円形、葉序は対生葉序につきます。
ティアレ・タヒチの切り花の楽しみ方
- ティアレ・タヒチの収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 収穫は花が4分の3以上開いてるものを選びます。
- 収穫したティアレ・タヒチはバケツの中で不要な葉を取り除きます。
- 葉を取り除いたら茎の根元をハサミで十字に切り根元割りを行いましょう。
- 根元割りしたら花瓶に生けて楽しみます。
- 花瓶の中での日持ちは2~3日程度です。
根元割り法・根元叩き法
根元割り法・根元叩き法とは、硬い茎や枝の根元に縦にハサミを入れて割る、または金槌などで硬い茎や枝の根元を叩いて潰して、水揚げする方法です。
根元割り・根元叩きをする事で、吸水する場所の面積が増えて、吸水力が高まり水揚げしやすくなります。
根元割り
- 切り花の根元をハサミを使って斜めにカットします。
- カットした切り口に対して垂直に、ハサミを入れて、十時に切れ込みをいれます。
根元叩き
切り花の切り口を、金槌で叩いて潰します。
ティアレ・タヒチの栽培方法
ティアレ・タヒチを育てる際は、肥沃な土壌と湿り気を好むため植える前に堆肥を入れて土質をしっかり改善しておきましょう。また冬の寒さに弱いため、霜の降りる地域での屋外での越冬は基本的に難しいです。そのため管理のしやすい鉢植えで育て、冬の間は屋内に入れるのも1つの方法でしょう。増やし方は一般的に挿し木で増やしますが、果実(種)をつける品種であれば種によって増やす事もできます。
クチナシの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
クチナシの珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種の紹介【2021】
ティアレ・タヒチの育て方
花壇の土づくり
ティアレ・タヒチは直射日光が午前中のみ日が当たる半日影で育てる事が理想ですが、明るい日陰で育てる事も出来ます。ただし、日向で育てると強い日差しで葉焼けを引き起こす事があるため避けた方が良いでしょう。
- 日向とは、直射日光が6時間以上当たる場所です。
- 半日影とは、直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。また基本的には午前中のみ日が当たり午後から日陰になる場所になります。
- 明るい日陰とは、間接光だけが当たる日陰または直射日光が2時間程度までの場所です。
土壌のPH
ティアレ・タヒチは土壌のPH5.0~6.0の間を好みます。PHが高すぎるアルカリ性の土壌ではティアレ・タヒチが必要とする栄養がとれず葉が黄変(クロロシス)する等の生育不良になる可能性があります。そのため植付け前にPHを診断して、PHが高い場合はピートモスを入れたり、PHが低すぎる場合は苦土石灰を入れる等してPHの改善を行いましょう。
土壌の土質
ティアレ・タヒチは通気性と排水性が良く、適度に肥沃な土壌であれば問題なく育てる事が出来ます。
植付けの前に土壌診断を行いましょう。
①土を掘る時に硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
②土を濡らして握った時にバラバラと崩れる場合は保水性がない可能性があります。逆に土の塊が出来ても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。
③肥沃な土の場合は土の色が黒っぽくなるため、土の色が薄い場合は土壌の肥沃さが足りない場合があります。
土壌診断後、必要に応じて通気性を高めるパーライトや川砂を入れたり、保水性や保肥力を高める田土や黒土を混ぜたり、肥沃さが足りない場合は牛ふん堆肥や腐葉土等の堆肥を混ぜこみ土壌改善を行いましょう。
鉢土づくり
日当り
ティアレ・タヒチは直射日光が午前中のみ日が当たる半日影で育てる事が理想ですが、明るい日陰で育てる事も出来ます。ただし、日向で育てると強い日差しで葉焼けを引き起こす事があるため避けた方が良いでしょう。
培養土
培養土は酸性土壌を好むためPH5.0~6.0の土を選びましょう。自作する場合は酸性用土を使いながら通気性が良く適度に肥沃な培養土を作ります。
- 鹿沼土(小粒・中粒)+腐葉土+黒土=5:3:2
- 赤玉土(小粒・中粒)+鹿沼土(小粒・中粒)+ピートモス(無調整)=3:3:4
水やりの仕方
地植え
ティアレ・タヒチは乾燥に比較的に耐える事が出来るため、地植えしている場合は降水のみでも育てられます。 ただし水が十分に与えられないと成長が止まったり蕾が綺麗に開かず落ちる事があります。そのため必要に応じて、土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
鉢植え
ティアレ・タヒチはやや湿り気のある土壌を好みます。水やりの頻度は環境(植える場所や土質)にも左右されますが、基本的には土の表面が乾いてきたタイミングで行うといいでしょう。
肥料の与え方
ティアレ・タヒチに与える肥料は元肥(寒肥)とお礼肥の2回です。また肥沃な土壌を好むため、必要に応じて土壌を改善する堆肥を入れます。
元肥(寒肥)
ティアレ・タヒチの寒肥は休眠中の冬から早春に与えます。
寒肥はティアレ・タヒチと同様に酸性土壌を好むツツジやサツキの肥料を選ぶと良いでしょう。
寒肥の施し方は株元から少し離した場所に何ヶ所か穴を掘り、その中に肥料を施します。
また、土質は風雨等でどうしても年々劣化するため、土質を改善する牛ふん堆肥や腐葉土等も穴の中に入れたり、株の近くにマルチングする等して入れてあげるといいでしょう。
お礼肥
ティアレ・タヒチのお礼肥は花が終わる初夏から夏に与えます。翌年の開花の為にも、花の開花で消耗したエネルギーを肥料でしっかり補いましょう。
ティアレ・タヒチのお礼肥は多くの場合は速効性の高い配合肥料(ぼかし肥料)等が利用されます。
お礼肥の施し方は、株元から少し離した場所に置き肥するか、5cm程度穴を掘って、その中に肥料を埋めます。
おすすめの肥料
剪定のやり方
ティアレ・タヒチは基本的に剪定を殆ど必要としません。剪定する場合は翌年の花芽に影響を与えるため剪定時期に気をつけながら「間引き剪定」を行いましょう。
間引き剪定
ティアレ・タヒチの間引き剪定は、開花が終わったら直ぐに行いましょう。何故なら夏以降に行うと翌年に開花する花芽に影響を与えるからです。
間引き剪定のやり方は、枯れた茎や古い茎、樹形を乱す不要な茎を根元付近で強く剪定して取り除くだけです。
間引き剪定の目的は不要な茎を取り除く事で、主要な茎もしくは新しく成長する芽にエネルギーを優先的に送ったり、光の通りや風通しをよくしたりする事で健康な成長を促す所にあります。
夏越しする方法
ティアレ・タヒチは夏の暑さに耐えますが、強い日差しや乾燥を苦手にしているため、必要に応じて夏越し対策を行いましょう。
夏越し対策
- 鉢植えで育てている場合は、暑さと乾燥対策として、西日の当たらない半日影に移動するといいでしょう。
- 地植えで育てている場合は、株を弱らせない為に、必要に応じて遮光ネットを張るのも1つの対策です。
- 乾燥対策として地植えした株でも土の表面が乾燥してきたらしっかり水やりを行います。
- ↳鉢植えで育てている場合は、より乾燥が早いため注意が必要です。
冬越しする方法
Hardiness:10a~11b
ティアレ・タヒチは霜に耐えられないため、冬越しさせたい場合は屋内もしくは温室に入れて管理します。
ティアレ・タヒチの冬越し対策
- 鉢植えで育てている場合は、明るい屋内もしくは温室に入れて管理しましょう。
- 地植えしている場合は、株を掘り起こし鉢植えにして温室などで管理するか、不織布等をかけて霜から株を守ります。
挿し木や株分けで増やす
ティアレ・タヒチは挿し木によって増やす事ができます。
挿し木
ティアレ・タヒチの最も適した挿し木時期は6月から9月です。新しく成長した茎をとり上部にある葉を残し下部の葉は取り除きましょう。その時に植物ホルモンが集中している節の少し下で、切り口を斜めにすると成功率が上がります。切り口に発根ホルモンを付け湿らせた培地に挿して下さい。
播種で増やす
ティアレ・タヒチの種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
ティアレ・タヒチの病気
- 斑点病
- サビ病
- すす病
- 灰色カビ病
- がんしゅ病
ティアレ・タヒチの害虫
- アブラムシ
- カイガラムシ
- ロウムシ
- オオスカシバ