- 原産:北アメリカ
- 科:ノウゼンカズラ(Bignoniaceae)
- 属:ツリガネカズラ/ビグノニア(Bignonia)
- 種:ツリガネカズラ(capreolata)
- 別名:ビグノニア/カレーバイン/カレーカズラ/クロスバイン(crossvine)
- 開花時期:4月~5月
- 花の色:赤色●橙色●黄色●
- 葉の色:緑色●
- 分類:半常緑ツル性木本
- 登攀方法:巻き付き茎・吸盤
- 草丈:約900cm~1500cm
- 誕生花:
- 花言葉:濃厚な愛/私を見て/華のある人生
- 用途:壁面緑化
目次 | ||
| ||
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ツリガネカズラとは!?
ツリガネカズラは学名Bignonia capreolata、別名では「ビグノニア」や「カレーカズラ」や「クロスバイン(crossvine)」とも呼ばれる北アメリカが原産の半常緑ツル性低木です。
ツリガネカズラの語源(由来)
- 属名のBignoniaは政治家でもあり修道院長でもあるJean-Paul Bignon(1662-1743)への献名です。
- 種小名のcapreolataは「まきヒゲ」を意味しており、まきヒゲや巻き付き茎を利用して登る成長習慣に由来します。
- 和名のツリガネカズラの由来は、釣鐘状(ツリガネ)になる花の形と、ツル植物の総称である蔓(カズラ)からきています。
- 別名のカレーバインやカレーカズラは花の匂いがカレーを連想させる所からきています。
ツリガネカズラの特徴(魅力)
- ツリガネカズラは、花の形が「釣鐘」や「ラッパ」を思わせる個性的な外観をしており、赤橙色と黄色の2色の花色がトロピカルな印象を与える植物です。また花には「モカ」や「カレー」を思わせる香りがあるため日本では別名「カレーカズラ」等とも呼ばれています。
- 園芸ではツル性の茎が他の植物や構造物に絡みながら成長する習慣(決まりのように繰り返す癖)があるため壁面緑化などに利用されます。
- 樹形はツル性、茎は基本的に自立せず、まきヒゲ(吸盤)もしくは巻き付き茎を他の植物や物体に絡ませるか接着して自らの体を固定します。
- まきヒゲ(吸盤)は物体に接着するため、巻き付く資材が無くても壁面を登る事が出来ますが、トレリスやワイヤー等の資材を準備しておく方が安定して登る事が出来ます。
- 花は葉腋から1~5個出て束生するため、非常にボリューミーな印象を与えます。
- 花は筒状で上部が広がるためラッパの様な個性的な外観をしており、赤色(赤橙色)と黄色の二色の花色が開放的でトロピカルな雰囲気をつくります。
- 花は独特な匂いがあり、匂いは「モカ」や「カレー」などに例えられます。
- 葉は小葉が2個とまきヒゲ(吸盤)が1本あります。
- まきヒゲは先端付近で幾つかに枝分かれしており、まきヒゲの先端にある吸盤は、他の植物や物体に接触すると粘着液を出してくっつきます。
- ツリガネカズラは挿し木で簡単に増やすことが出来ます。
ツリガネカズラの樹高は約900(~1500)cm、樹形はツル性(巻き付き茎・吸盤)、茎の色は緑色、成熟すると灰色から灰褐色になります。
※吸盤は、まきヒゲの先端にある丸い付着物(吸盤)です。先端にある吸盤は他の植物や物体に接触すると粘着液をだしてくっつき植物体を固定します。
※巻き付き茎は茎頂が物体に接触すると、茎の先端が旋回するように動き、他の植物や物体に茎を巻き付けて体を固定します。
葉序は対生葉序、葉色は緑色、葉柄はあり、葉身は複葉、複葉は2個の小葉とまきヒゲからなり、小葉は長さ約4(~18)cm、小葉の形は狭楕円形もしくは披針形、まきヒゲは葉軸の先端から出ており、まきヒゲの先端は枝分かれて吸盤があります。
花序は腋性、腋性は葉腋から1個または2~5個の花が束生します。花冠は漏斗形、漏斗形は長さ約4(~5)cm、5個の花弁が合着する合弁花で、筒部は下部は細く上部が広がり、先端は5裂します。花の色は外側が赤橙色・橙色、内側が黄色・黄橙色です。雄蕊は4個、雌蕊は1個(2個の心皮が合着する複合雌しべ)あります。
果実は蒴果(複数の心皮からなり果皮が裂開して種子を放出する)、蒴果は長さ約10(~20)cm、形は扁平な楕円形、色は緑色から成熟すると淡褐色になります。
ツリガネカズラの園芸品種の紹介
ツリガネカズラの育て方
花壇の土づくり
日当たり
ツリガネカズラは日光のよく当たる場所で最も生産性が高まり沢山の花を咲かせます。そのため直射日光が6時間以上あたる日向が理想です。また直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。
土壌の土質
ツリガネカズラは、基本的には幅広い土壌で育てる事が出来ます。通気性と保水性のバランスがよく適度に肥沃な壌土、もしくは通気性や排水性が高めの砂壌土に土壌改良を行い植え付けを行うと良いでしょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
ツリガネカズラは日光のよく当たる場所で最も生産性が高まり沢山の花を咲かせます。そのため直射日光が6時間以上あたる日向から、3時間から5時間の半日影で育てましょう。
培養土
ツリガネカズラの培養土を自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
赤玉土+鹿沼土+腐葉土=4:2:4
赤玉土(中粒)+バーク堆肥=5:5
水やりの仕方
地植え
ツリガネカズラは乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。ただし土の中に指を入れて湿り気がない場合、葉や茎が萎れている場合は直ちに水やりを行いましょう。
鉢植え
ツリガネカズラを鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。ただし水やりを行い過ぎてジメジメとした環境が続くと根腐れしてしまうため、土が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
ツリガネカズラは、ある程度、有機物を含んだ肥沃な土壌であれば多くの肥料を必要としません。必要に応じて毎年晩冬から早春に1回、肥料(寒肥)と土質を改善する堆肥を与えるだけで追肥は不要です。
寒肥と堆肥の与え方
- 寒肥は晩冬から早春に与える肥料です。
- 肥料の種類は、肥沃な土を好むため有機肥料(配合肥料)が理想ですが、緩効性肥料でも問題ありません、成分は水平型肥料(肥料成分がバランスよく入る)を選びましょう。
- 寒肥は株元から少し離れた場所に穴を掘り肥料を入れるか置き肥しましょう。
- 有機肥料の場合は匂い等で虫がよってくる可能性があるため、株から少し離した場所に穴を掘り肥料を与えた方が良いでしょう。
- 緩効性肥料の場合は株の近くの土の上に置く、置き肥で問題ありません。
- 堆肥とは有機物が微生物により分解された肥料もしくは土壌改良材です。生態サイクルのない庭の花壇や鉢植えは、風雨や微生物の働き等により、土壌が年々劣化していき土が硬くなったり水はけが悪くなったりします。堆肥には【化学性・物理性・生物性】を高める効果があり、劣化した土を肥沃(植物の生育がよく生産性が高い土)な土に変える働きがあります。
- 堆肥は寒肥を与える時期(初冬から早春の間)に、寒肥と一緒に与えると良いでしょう。株から少し離れた場所に堆肥(腐葉土もしくは牛糞堆肥等)を盛ってマルチングするか、穴を掘って堆肥を埋めましょう。
剪定のやり方
ツリガネカズラは剪定せずに育てる事も出来ます。ただし剪定せずに育てた場合、ツルが奔放に伸びて本来あるべき場所から逸出してしまったり、外観を崩してしまったり、またツルが成熟して古くなると木のようになり葉の生産性が落ちる事があります。そのため必要に応じて剪定が行われます。
ツリガネカズラは茎が基本的に自立しないため、吸盤が接着するための資材、または茎が巻き付くための資材を準備してあげる必要があります。資材があれば自らで茎を固定して成長するため基本的に誘引は不要です。
ツル誘引の目的と方法
ツリガネカズラは自らの茎を他の植物や物体に螺旋状に巻き付けて体を固定したり、吸盤を岩壁や他の植物に接着して体を固定します。そのため、必要な応じて園芸資材を準備してあげましょう。
園芸資材は、トレリスやフェンス等がおすすめです。ツルを這わせる資材を準備しておけば、自らの力で茎を固定して成長するため誘引は不要です。
資材:トレリス/アーチ/バーゴラ/ガゼボ/オベリスク/壁面ワイヤー/フェンス/パネル(登ハンマット)/岩壁
ツリガネカズラの剪定方法
- ツリガネカズラの剪定は晩冬から早春に行いましょう。
- 晩冬から早春は、株が休眠しているため剪定によるストレスが少なく済みます。また春からの強い成長が期待出来るため剪定からの回復が早くなります。
- 株全体を観察して枯れた枝・損傷した枝(折れてる枝等)・病気の枝を探して、これを枝分かれしてる場所、もしくは被害を受けていない枝の途中の節(芽)の上で、剪定して取り除きましょう。
- 何故ならこれらの茎は日当りや風通しを阻害したり、エネルギーが分散されて健康に成長している枝の成長に悪影響を及ぼしたりしやすいからです。
- 株全体を観察して不要と思われる枝を剪定しましょう。
- 間違った方向に伸びた枝は、外観を崩したり、歩行者のじゃまになったり、入るべき場所じゃない所に侵入して撤去が難しくなる可能性があります。そのため根元から剪定するか枝分かれさせたい部分の芽の上で剪定しましょう。
- 絡み合い茎が混雑している部分は、日当たりや風通しが悪くなるため、生育が悪くなったり、生育が悪くなった場所から病気にかかりやすくなったり、また害虫が湧きやすくなる原因ともなります。そのため、必要に応じて枝の多い部分は間引き剪定して枝の数を減らしましょう。
- 生産性の落ちた古い枝は、太くゴツゴツとしており、葉も少なく外観を悪くする原因にもなります。古い茎を切る事でエネルギーが生産性の高い新しい芽や若い茎に向かうため、株全体のバランスを見ながら必要に応じて剪定しましょう。剪定は古い茎の根元から間引き剪定するか、もしくは枝分かれさせたい部分の芽で剪定します。
剪定をプロに任せる
剪定を自分で行う事が不安な場合は、剪定のプロに任せて綺麗に仕上げて貰う事も出来ます。また剪定する時間がとれない、他にも庭の作業を依頼したい時などもプロに作業を任せてしまう事が可能です。
- 剪定作業を自分で行う時に不安がある時
- 剪定は重労働になるため体力が最後までもつか不安がある。
- 大きな木を剪定する時は高所作業になるため怪我をするリスクがあり不安がある。
- 間違った剪定を行う事で、数年後に不格好な樹形になったり、スカスカした生垣になるかもしれない不安がある。※必要な枝と不要な枝の見極めが素人には難しい場合があり、太い枝や古い枝などを残すと不格好な樹形になることもある。
- 剪定を行う時間がとれず放ったらかしになっている
- 生垣の管理が疎かになると枝が暴れるため見た目が悪くなったり、枝が歩行者の邪魔になり怪我をさせるリスクがある。
- 木がどんどん成長していくと管理が難しくなったり、鑑賞したい花が上の方に咲いてしまったり、電線の近くだと枝が電線にかかる可能性がある。
- 剪定の他にも作業を依頼したい
- 庭の草が育って薮のようになっている、芝が伸びてボウボウになっている、庭石を並べたり外壁工事を頼みたい、庭にある不要物を撤去して欲しい等の相談も、剪定依頼をする時に一緒に行うことが可能です。
\剪定の依頼は下記のバーナーから【PR】/
夏越しする方法
ツリガネカズラは夏の暑さに強いため、基本的に対策は不要です。
冬越しする方法
Hardiness:6b~9a
ツリガネカズラは耐寒性が高く冬の寒さに強いため基本的に冬越し対策はいりません。
挿し木や株分けで増やす
ツリガネカズラは挿し木によって増やす事ができます。
挿し木の方法
- ツリガネカズラの挿し木時期は初夏から夏が適します。
- 挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットしましょう。
- 挿し穂 の長さ約10~15cmにわけます。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き上部の葉を残します。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 挿し穂用の無菌の培養土を準備します。
- 切り口を下にして培養土の中に挿し穂を挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
播種で増やす
ツリガネカズラの種蒔の方法
播種時期:3~5月
発芽適温:約20~25度
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
ツリガネカズラの病気
ツリガネカズラの害虫