アザミは属の中に約481種がありますが、一般に園芸で親しまれている種は幾つかの種とその園芸品種です。例えば、最も園芸品種が多くて開花期間が長いノアザミや、茎の頂部に数個の花がまとまり咲くリブラレ、茎が殆どなくロゼット葉に乗るように花が咲くアコーレ等が親しまれています。
アザミ属の種ごとの育て方は写真か育て方をクリックすると出てくる為よかったらそちらをご覧下さい!
このページでは主な種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を紹介しています。
ノアザミの特徴や園芸品種
原産:日本
学名:Cirsium japonicum
草丈:約50~100cm
分類:多年草
開花時期:5月~8月
花色:赤色●桃色●紫色●白色〇
葉色:緑色●黄
耐暑性:強い
耐寒性:強い
誕生花:6月19日
花言葉:独立/権利/触れないで/素直になれない恋
用途:切り花
特徴:ノアザミは学名Cirsium japonicum、別名「コアザミ」や「ドイツアザミ(品種群)」とも呼ばれる日本原産の多年草です。日本では本州・四国・九州に分布しており、日当たりの良い山野や野原、道端等に自生しています。
ノアザミの語源(由来)
- 属名のCirsiumは古代ギリシャ語で「アザミの1種」を意味する「κίρσιον」に由来します。
- 種小名のjaponicumは「日本の」を意味しており自生地に由来します。
- ノアザミの由来は「野(ノ)」に生える「アザミ」です。
- ↳アザミの由来は諸説ありますが一説には花を摘む際に棘に刺さり「あざむかれた」という気持ちになった事からついたと言われています。
ノアザミの特徴(魅力)
- ノアザミは花を基部で支える総苞の総苞片が合着しているため総苞がツルツルした見た目をしています。
- ↳総苞には蜜腺があり粘液を出すため粘着質です。
- ↳蟻に盗蜜させない目的があると言われています。
- 花は雄蕊や雌蕊が突出するためふわふわとした柔らかな見た目をしています。
- 雄蕊は集葯雄蕊と言われるもので5個の雄蕊が合着して筒状になっていて
- ↳集葯雄蕊に虫が接触すると先端に白色の花粉が湧き出てきます。
- 雄蕊が花粉を出して縮むと次に雌蕊があらわれます。
- 花は筒状花が集まる頭花で蜜が豊富にあるため蝶々や蜜蜂等の蜜源植物に最適です。
- ↳また日本固有種のためビオトープに植える植物としてもおすすめです。
- 花は切り花としても魅力的で7~10日程度の日持ちがあります。
- 開花期間は一般的に5月~8月ですが稀に10月まで咲く事もあります。
- 葉は縁部分が深くカットされた装飾的な形をしています。
- ↳縁部の鋸歯の先には鋭い棘があるため扱う際には注意が必要です。
ノアザミの茎は緑色で白色の毛が密生もしくは少なく生えており、茎は直立して上部で分枝する草姿を作り、高さ約50(~100)cmの間で成長します。葉は根生葉と茎葉があり、根生葉は花期にも残り、茎葉は互生葉序に配置され、葉色は緑色、葉身は羽状中裂(~深裂)して縁部分にある鋸歯の先には鋭い棘があります。花序は筒状花のみが集まる直径約4(~5)cmある頭花で、花序の基部を包む総苞は2(~4)cmの球状で総苞片は反り返らず6(~7)列に付き粘液を出すため粘る、個々の花(筒状花)は裂片が5個と雄蕊が5個(集葯雄蕊)で虫等が接触すると花粉が湧き出て、後に雌蕊(花柱)があらわれます。花後の果実は痩果でたんぽぽの様な冠毛があります。
開花時期は晩春から晩夏、花色は紫色や桃色、赤色や白色があり、花序は筒状花が集まる頭花です。草姿は直立高さ約50(~100)cm × 幅約30(45)cmに成長します。葉色は緑色、葉身は羽状中裂(~深裂)して縁部分に鋸歯と鋭い棘があり、葉序は根生葉と互生葉序があります。
ノアザミの切り花の楽しみ方
- 切り花の収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 収穫は花が開いているものを選びます。
- 茎に付いた葉は水揚げを悪くするため必要な分を除いて全て取り外しましょう。
- 水揚げは水切りを行います。
- 花瓶に水を入れて花を生けましょう。
- 管理は必要に応じて数日ごとに水切りと水換えも同時に行いましょう。
- 日持ちは管理の方法でも左右されますが約7~10日です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
ノアザミの栽培方法
園芸では、綿毛の様にふわふわした花を鑑賞する目的で育てられたり、また蝶々や蜜蜂が飛び交うようなお庭(ビオトープ・バタフライガーデン等)をつくる目的で育てられる事が多いです。茎は垂直に伸びて、比較的に背が高くなるため花壇の中央や後方等に植えて高さと立体感を出したり、また切り花として利用する目的で植えられたりします。
ノアザミを育てる際に注意する事は「強い乾燥」や「花がら摘み」です。何故ならノアザミは乾燥をやや苦手にしており、また花後に株が衰え枯れてしまう事があるからです。
ノアザミの主な園芸品種
フジアザミの特徴や園芸品種
原産:日本
学名:Cirsium purpuratum
草丈:約20~100cm
分類:多年草
開花時期:8月~10月
花色:桃色●紫色●
葉色:緑色●
耐暑性:普通
耐寒性:強い
誕生花:
花言葉:
用途:
特徴:フジアザミは学名Cirsium purpuratum、別名「キルシウム・パープラタム」とも呼ばれる日本原産の多年草です。日本では富士山や富士山周辺の山地等に自生しています。
フジアザミの語源(由来)
- 属名のCirsiumは古代ギリシャ語で「アザミの1種」を意味する「κίρσιον」に由来します。
- 種小名のpurpuratumは「紫色の」を意味しており花の色に由来します。
- フジアザミの由来は富士山周辺に多く自生する事からきています。
フジアザミの特徴(魅力)
- フジアザミの花は直径約5~10cmあり日本のアザミの中では最大の大きさがあります。
- 花はお辞儀をする様に下向きに咲きます。
- 花を支える総苞片は鋭く尖り水平もしくは強く反り返っています。
- フジアザミの根は太く杭の様に下に長く伸びます。
- ↳そのため砂防として利用されたりしたいます。
- 葉は縁部分が深くカットされた装飾的な形をしています。
- ↳縁部の鋸歯の先には鋭い棘があるため扱う際には注意が必要です。
フジアザミの根は太く杭の様に長く伸びます。茎は緑色で白色の毛が密生して生えており、直立して高さ約20(~100)cmの間で成長します。葉は根生葉と茎葉があり、根生葉は大きく花期にも残り、茎葉は小さく互生葉序に配置され、葉色は緑色、葉身の大きさは下部の葉では長さ30(~70)cmに達して、葉身の形は羽状中裂して縁部分には鋸歯と鋭い棘があります。花序は筒状花のみが集まる直径約5(~10)cmある頭花で下向きに開花、花序の基部を包む総苞は紫色をしていて総苞片は鋭く尖り花序と水平もしくは反り返ります。花後の果実は痩果でたんぽぽの様な冠毛があります。
開花時期は晩春から晩夏、花色は紫色もしくは桃色、花序は筒状花が集まる直径5~10cmの頭花です。草姿は直立高さ約50(~100)cm × 幅約30(45)cmに成長します。葉色は緑色、葉身は羽状中裂して縁部分に鋸歯と鋭い棘があり、葉序は根生葉と互生葉序があります。
フジアザミの主な園芸品種
キルシウム(アコーレ)の特徴や園芸品種
原産:日本
学名:Cirsium acaule
草丈:約10~15cm
分類:多年草
開花時期:6月~9月
花色:桃色●紫色●
葉色:緑色●
耐暑性:強い
耐寒性:強い
誕生花:
花言葉:
用途:
特徴:キルシウム(アコーレ)は学名Cirsium acaule、別名では「ドワーフアザミ(dwarf thistle)」や「ステムレスアザミ(stemless thistle)」とも呼ばれるヨーロッパを原産とする多年草です。
キルシウム(アコーレ)の語源(由来)
- 属名のCirsiumは古代ギリシャ語で「アザミの1種」を意味する「κίρσιον」に由来します。
- 種小名のacauleはラテン語で「茎がない」「茎が短い」を意味しており茎が殆どない事に由来します。
- 英名のドワーフアザミやステムレスアザミは茎が短く背が低い事に由来します。
キルシウム(アコーレ)の特徴(魅力)
- キルシウム(アコーレ)の茎は非常に短く殆どありません。
- 花はロゼット状に中央から外側に広がる葉の上に乗るように開花します。
- 花を基部で支える総苞は総苞片が合着してアンティーチョークの様な見た目をしています。
- 葉は中央から外側へと広がる様にロゼット状に広がります。
- 葉の長さは10から15cmで縁部分が深くカットされた装飾的な形をしています。
- ↳縁部の鋸歯の先には鋭い棘があるため扱う際には注意が必要です。
開花時期は晩春から晩夏、花色は紫色や桃色、、花序は筒状花が集まり長さ約3~4cmの頭花に咲きます。草姿はロゼット状で高さ約10(~15)cm × 幅約15(30)cmに成長します。葉色は緑色、葉身は羽状中裂(~深裂)して縁部分に鋸歯と鋭い棘があり、葉序は根生葉と互生葉序があります。
キルシウム(アコーレ)の主な園芸品種
キルシウム(リブラレ)の特徴や園芸品種
原産:ヨーロッパ
学名:Cirsium rivulare
草丈:約50cm~150cm
分類:多年草
開花時期:5月~8月
花色:赤色●桃色●紫色●
葉色:緑色●
耐暑性:強い
耐寒性:強い
誕生花:
花言葉:
用途:背が高い花/切り花
特徴:キルシウム(リブラレ)は学名Cirsium rivulare、別名「プラム・シスル(plume thistle)」や「ブルック・シスル(brook thistle)」とも呼ばれるヨーロッパ原産の多年草です。
キルシウム(リブラレ)の語源(由来)
- 属名のCirsiumは古代ギリシャ語で「アザミの1種」を意味する「κίρσιον」に由来します。
- 種小名のリブラレ(rivulare)はラテン語で「小川を愛する」を意味します。
キルシウム(リブラレ)の特徴(魅力)
- キルシウム(リブラレ)の花は茎頂部で1~4個の花(頭花)をまとまり咲かせるためボリューミーです。
- 花を支える総苞片は先端部分だけ少し反り返ります。
- 花は筒状花が集まる頭花で蜜が豊富にあるため蝶々や蜜蜂等の蜜源植物に最適です。
- 花は切り花としても魅力的で7~10日程度の日持ちがあります。
- 葉は根生葉と茎葉があります。
- ↳茎葉は茎の様に細いため目立たず茎と花だけの様な美しいシルエットを作ります。
- 葉は縁部分が深くカットされた装飾的な形をしています。
- ↳縁部の鋸歯の先には鋭い棘があるため扱う際には注意が必要です。
開花時期は晩春から晩夏、花色は紫色や桃色、赤色があり、花序は筒状花が集まる直径約3cmの頭花です。草姿は直立高さ約50(~150)cm × 幅約30(60)cmに成長します。葉色は緑色、葉身は羽状中裂(~深裂)して縁部分に鋸歯と鋭い棘があり、葉序は根生葉と互生葉序があります。
キルシウム(リブラレ)の切り花の楽しみ方
- キルシウム(リブラレ)の収穫は朝の涼しい時間帯におこないましょう。
- 収穫の前に水を入れたバケツを準備しておきます。
- キルシウム(リブラレ)の収穫は花が開いてるものを選びます。
- 収穫したキルシウム(リブラレ)はバケツの中で不要な葉を取り除きます。
- 葉を取り除いたら水に漬けて水切りを行いましょう。
- 水切りしたら花瓶に生けて楽しみます。
- ↳日持ちは7~10日程度です。
- 管理は必要に応じて数日(約1~3日)ごとに水切りと水換えを行います。
水切り
水切りとは茎の根元を水の中に浸けた状態で、茎の根元から上に約1~5cmの部分でハサミを使い斜めにカットして、吸水面を広げ水揚げしやすくする方法です。水の中で切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。※導管に気泡が入ると水揚げが悪くなり萎れやすくなります。
キルシウム(リブラレ)の栽培方法
園芸では、綿毛の様にふわふわした花を鑑賞する目的で育てられたり、また蝶々や蜜蜂が飛び交うようなお庭(ビオトープ・バタフライガーデン等)をつくる目的で育てられる事が多いです。茎は垂直に伸びて、比較的に背が高くなるため花壇の中央や後方等に植えて高さと立体感を出したり、また切り花として利用する目的で植えられたりします。
キルシウム(リブラレ)の主な園芸品種
ノハラアザミの特徴や園芸品種
原産:日本
学名:Cirsium oligophyllum
草丈:約50~100cm
分類:多年草
開花時期:8月~10月
花色:桃色●紫色●白色〇
葉色:緑色●
耐暑性:強い
耐寒性:強い
誕生花:9月21日
花言葉:心の成長/独立/自立
用途:背が高い花/切り花
特徴:ノハラアザミは学名Cirsium oligophyllum、別名「キルシウム・オリゴフィラム」とも呼ばれる日本原産の多年草です。日本では本州及び四国、九州に分布しており、日当たりの良い山野や野原、道端等に自生しています。
ノハラアザミの語源(由来)
- 属名のCirsiumは古代ギリシャ語で「アザミの1種」を意味する「κίρσιον」に由来します。
- 種小名のjaponicumは「日本の」を意味しており自生地に由来します。
- ノハラアザミの由来は「野原(ノハラ)」に生える「アザミ」です。
- ↳アザミの由来は諸説ありますが一説には花を摘む際に棘に刺さり「あざむかれた」という気持ちになった事からついたと言われています。
ノハラアザミの特徴(魅力)
- ノハラアザミは花を基部で支える総苞の総苞片が反り刺々しい見た目をしています。
- 総苞にはクモの巣状の白色の毛が生え粘りません。
- 花は雄蕊や雌蕊が突出するためふわふわとした柔らかな見た目をしています。
- 雄蕊は集葯雄蕊と言われるもので5個の雄蕊が合着して筒状になっていて
- ↳集葯雄蕊に虫が接触すると先端に白色の花粉が湧き出てきます。
- 雄蕊が花粉を出して縮むと次に雌蕊があらわれます。
- 花は筒状花が集まる頭花で蜜が豊富にあるため蝶々や蜜蜂等の蜜源植物に最適です。
- ↳また日本固有種のためビオトープに植える植物としてもおすすめです。
- 花は切り花としても魅力的で7~10日程度の日持ちがあります。
- 開花期間は一般的に5月~8月ですが稀に10月まで咲く事もあります。
- 葉は縁部分が深くカットされた装飾的な形をしています。
- ↳縁部の鋸歯の先には鋭い棘があるため扱う際には注意が必要です。
ノハラアザミの茎は緑色で白色の毛が生えており、茎は直立して上部で分枝する草姿を作り、高さ約50(~100)cmの間で成長します。葉は根生葉と茎葉があり、根生葉は花期にも残り、茎葉は互生葉序に配置され、葉色は緑色、葉身の長さは25(~40)cmあり、葉身の形は羽状中裂(~深裂)して縁部分にある鋸歯の先には鋭い棘があります。花序は筒状花のみが集まる直径約2(~3)cmある頭花で茎の頂部に2(~3)個つき、花序の基部を包む総苞は1(~2)cmの下部が膨らむ球状で、ノアザミと違いノハラアザミは総苞片が上向きに反り鋭い棘があり白色の毛がクモの巣状に生え粘りません。個々の花(筒状花)は裂片が5個と雄蕊が5個(集葯雄蕊)と雌蕊(二叉)が1個あります。花後の果実は痩果でたんぽぽの様な冠毛があります。
開花時期は晩夏から秋、花色は紫色や桃色、白色があり、花序は筒状花が集まる頭花です。草姿は直立高さ約50(~100)cm × 幅約30(45)cmに成長します。葉色は緑色、葉身は羽状中裂(~深裂)して縁部分に鋸歯と鋭い棘があり、葉序は根生葉と互生葉序があります。
ノハラアザミの切り花の楽しみ方
- ノハラアザミの収穫は朝の涼しい時間帯におこないましょう。
- 収穫の前に水を入れたバケツを準備しておきます。
- ノハラアザミの収穫は花が開いてるものを選びます。
- 収穫したノハラアザミはバケツの中で不要な葉を取り除きます。
- 葉を取り除いたら水に漬けて水切りを行いましょう。
- 水切りしたら花瓶に生けて楽しみます。
- ↳日持ちは7~10日程度です。
- 管理は必要に応じて数日(約1~3日)ごとに水切りと水換えを行います。
水切り
水切りとは茎の根元を水の中に浸けた状態で、茎の根元から上に約1~5cmの部分でハサミを使い斜めにカットして、吸水面を広げ水揚げしやすくする方法です。水の中で切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。※導管に気泡が入ると水揚げが悪くなり萎れやすくなります。
ノハラアザミの栽培方法
園芸では、綿毛の様にふわふわした花を鑑賞する目的で育てられたり、また蝶々や蜜蜂が飛び交うようなお庭(ビオトープ・バタフライガーデン等)をつくる目的で育てられる事が多いです。茎は垂直に伸びて、比較的に背が高くなるため花壇の中央や後方等に植えて高さと立体感を出したり、また切り花として利用する目的で植えられたりします。