スズランは属の中に約3種がありアジア及びヨーロッパを原産とする多年草です。一般に園芸では花が大きく香りが良いドイツスズラン、日本に自生しているスズランの在来変種(C.majalis var. keiskei)、淡い桃色の花を咲かせるスズランの変種(Convallaria.majalis var. rosea)等が親しまれます。
スズラン属の種ごとの育て方は写真か育て方をクリックすると出てくる為よかったらそちらをご覧下さい!
このページでは主な種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を紹介しています。
スズランの主な種の目次
①スズラン 開花時期:4月~5月 |
スズランの特徴や園芸品種
原産:アジア/ヨーロッパ
学名:Convallaria majalis
草丈:約15~30cm
分類:多年草
開花時期:4月~5月
花色:桃色●白色〇
葉色:緑色●黄色●
耐暑性:普通
耐寒性:強い
誕生花:5月1日/5月2日/5月28日
花言葉:純粋/純潔/繊細/幸福が再来
用途:香りが良い/日陰植物/切り花
スズランとは!?
スズランは学名Convallaria majalis、別名「きみかげそう(君影草)」や「たにまのひめゆり(谷間の姫百合)」とも呼ばれるアジアおよびヨーロッパ原産の多年草です。
スズランの語源(由来)
- 属名のConvallariaはラテン語で「一緒に」を意味する「con」と、「谷」を意味する「vallis」の2語からきており、自生地に由来します。
- 種小名のmajalisは「5月の」を意味しており、開花時期に由来します。
- 和名のスズランの由来は、花の形が「鈴」を連想させる所からきています。
スズランの特徴(魅力)
- スズランの花は「鈴」や「涙のしずく」等に例えられる可愛らしい花の形をしています。
- スズランはエデンの園を追放された後のイブの涙からうまれたとも言われています。
- スズランの花は鐘形で吊り下がる様に花茎に連なり可憐な雰囲気をつくります。
- スズランの花は「バラ」と「ジャスミン」と並べられ三大フローラルと呼ばれています。
- スズランの香りは甘く繊細な香りで瑞々しい「若草」や優しい「ジャスミン」の香り等に例えられます。
- 楚々とした雰囲気のある可憐な花は切り花として人気が高いです。
- またフラワーアレンジメントにも利用されます。
- スズランの花は「恋」と「幸運」をもたらすと考えられておりウェディングブーケの花として人気があります。
- キャサリン妃やモナコのグレース王女等が結婚式のブーケに利用しています。
- スズランは理想的環境(日陰・湿り気のある土壌)であれば放ったらかしで育てられます。
- 理想的環境では地面下の根茎が広がって群生をつくります。
- スズランは全草が有毒なため間違えても食べられません。
スズランは地面下に根茎があり、根茎から芽を出す事でしばしば群生をつくります。葉は1つの株から2枚出ますがどちらも根生葉で花茎を包む様に抱茎します。葉色は緑色、葉身の大きさは長さ約15~20cmあり、葉身は楕円形をしています。花茎は高さ約15~30cmで、花序は総状花序に約5~15個の小花をつけ、個々の花は白色(~薄桃色)で花被片が6個ある直径約0.5~1cmの鐘形をしており、ぶら下がるように下向きに開花します。花後にできる果実は赤色の液果で、大きさは直径約0.7cmあり果実の形は球形です。
スズランの香りの印象と精油成分
スズランの花の香りは繊細で甘く、春の「若草」や「ジャスミン」を思わせる様なフローラルな香りがあります。スズランの精油は従来の抽出方法で摂るのが難しく、採れても少量だけです。そのためスズランの香水では、スズランの精油ではなく「シトロネラール」等の合成香料が一般的に使われています。ちなみにスズランから抽出され識別された香り成分には「ベンジルアルコール」「青葉アルコール」「シトロネロール」「ゲラニオール」等があります。
スズランの切り花の楽しみ方
- スズランの収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 収穫したら水に漬けて水切りを行います。
- 水切りしたら花瓶に生けて、出来るだけ低温環境(糖の消費や蒸散が抑えられる)で直射日光の当たらない場所で楽しみましょう。
- 管理は数日(約1~3日)ごとに水切りと水換えを行います。
- ↳管理場所や管理の方法でも左右されますが日持ちは3~5日程度です。
スズランの既知の危険性
スズランは人間や動物が摂取すると非常に有毒な約38種の強心配糖体(コンバラトキシン・コンバラリン・コンバラマリン等)を全草(茎・葉・花等)に含んでいます。
スズランを少量でも間違えて摂取した場合は、症状として嘔吐や頭痛、目眩や血圧低下、心臓麻痺等を引き起こす可能性があります。また大量に摂取した場合は、呼吸停止や心不全を引き起し死亡する事もあります。その為、スズランは絶対に食べられません。またスズランを挿した花瓶の水も有毒なため絶対に飲むことは出来ません。
スズランの栽培方法
園芸では、楚々とした可憐な雰囲気の花を鑑賞する目的や、その花を収穫して切り花として利用する目的で育てられます。スズランは耐陰性が強い事から、日陰(シェードガーデン)や木の下等に植えられて楽しまれたり、管理のしやすい鉢植えに植えて様々な場所で楽しまれたりします。
スズランは直射日光があまり当たらない日陰のやや湿り気のある土壌(場所)で育てれば、基本的には放ったらかしで育てる事が出来ます。逆に「強い日差し」や「乾燥」を苦手にしているため、植える場所には注意が必要でしょう。
スズランの主な園芸品種
ドイツスズラン(convallaria majalis L)は日本に自生するスズランよりも花や葉が大きく、香りが強いのが特徴で、園芸で育てられるスズランは殆どがヨーロッパ原産のドイツスズランになります。
スズラン(Convallaria majalis var. keiskei)は日本の本州中部以北・東北・北海道に自生するスズランの日本在来変種です。一般的に栽培されているドイツスズランと比べると小型で香りが薄めです。
スズラン ロゼア種(Convallaria majalis var. rosea)は5個~10個の淡い桃色の花を咲かせるスズランの変種です。