原産:メキシコ
科:キツネノマゴ(Acanthaceae)
属:キツネノマゴ(Justicia)
種:コエビソウ(brandegeeana)
同義語(syn.):Beloperone guttata
別名:ベロペロネ/メキシカン・シュリンプ・プラント(Mexican shrimp plant)/シュリンプ・プラント(shrimp plant)
開花時期:5月~10月(理想的環境では周年)
花の色:赤色●桃色●橙色●黄色●緑色●白色〇
葉色:緑色●
分類:常緑低木
草丈:約30~150cm
誕生花:3月13日/3月19日/11月18日
花言葉:可憐な人/ひょうきん/思いがけない出会い/女性の美しさの極致
用途:開花期間長い/背が高い花
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
コエビソウとは!?
コエビソウは学名Justicia brandegeeana(Beloperone guttata)、別名「ベロペロネ」や「メキシカン・シュリンプ・プラント(Mexican shrimp plant)」とも呼ばれるメキシコ原産の常緑低木です。
コエビソウの語源(由来)
- 属名のJusticiaは18世紀のスコットランドの園芸家James Justiceへの献名です。
- 種小名のbrandegeeanaはアメリカの植物学者Townshend Stith Brandegeeへの献名です。
- コエビソウの由来は赤色や黄色の苞が重なり咲く花の形が「エビ」を連想させる所からきており、また低木にも関わらず「草(ソウ)」と入るのは冬になると地上部が枯れて春に新芽(宿根)が出たり、冬に枯れてしまう場合も播種後一年目から花が咲くため一年草の様に楽しめる所からきています。
- ベロペロネの由来は旧属名で同義語としても扱われるBeloperoneからきています。
コエビソウの特徴(魅力)
- コエビソウは開花期間が非常に長く理想的環境であれば周年開花します。
- コエビソウはその名前からも分かる通り「エビ」を思わせる様な個性的な花姿をしている所が特徴です。
- 花は赤色や黄色の目立つ苞と白色の花で構成されています。
- ↳苞は長期間に渡り形が崩れず色も褪せないため長く鑑賞出来ます。
- ↳ただし実際の白色の花は短期間で落ちてしまいます。
- コエビソウの色鮮やかな赤色(赤橙色)や黄色の花は明るくポップな雰囲気をつくるためカラフルなお庭やトロピカルな雰囲気のお庭等によく合うでしょう。
- コエビソウは幾つかの茎が地面から直立もしくは緩やかに弧状に広がり高さ幅ともに150cm程度まで成長します。
- ↳そのため低い生垣に利用される事もあります。
- ↳細い茎を支柱に巻き付けてスタンダート仕立てで楽しまれたりもします。
コエビソウの茎は緑色で成熟前は白色の毛があります。茎は地面から直立して緩かに弧を描いて広がり高さ約30(150)cmと幅約30(~90)cmまで成長します。葉は対生葉序、葉色は緑色で白色の毛が生え、葉身は長さ約3(~7.5)cmの楕円形もしくは卵形です。花序は長さ約5~15cmの穂状花序で苞と白色の唇形の花で構成されています。苞の色は通常は赤色で、品種により黄色や桃色等もあり、苞の長さ約2.5cm、花を保護する様に幾重にも重なります。花は各苞に1個付いており、花色は白色で下唇の内側には紫色(~赤色)の斑点が多数あり、花形は2唇形で下唇は3裂しています。花後の果実は蒴果です。
コエビソウの栽培方法
園芸では、春から霜が降りるまで持続的に開花する花を鑑賞する目的で育てられる事が多く、比較的に背が高くなる事から花壇の中央や後方等に植えて高さと立体感を出したり、また植え込みに並べて植えられて生垣として利用されたり、管理のしやすい鉢植えに植えて様々な場所で楽しまれたりします。色鮮やかな赤色や黄色の花は、ポップでエネルギーに満ちた印象や、南国の暖かな印象を与えるため、親しみやすさを感じさせる様なカジュアルなお庭や、様々な色(青色・黄色等)を組合せながらつくるカラフルなお庭等によく合うでしょう。
コエビソウを育てる際に注意する事は「冬の寒さ」です。なぜならコエビソウは強い霜に当たると枯れてしまうからです。暖地であれば地植えでも越冬する事が可能ですが、強い霜の当たる地域では屋内や温室に入れるなどの対策をする必要があるでしょう。
キツネノマゴの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
キツネノマゴの珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種の紹介【2022】
コエビソウの育て方
花壇の土づくり
日当たり
コエビソウは日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。ただし夏の強い日差しで葉やけ等を引き起こす事もあるため、環境に合わせて直射日光が6時間以上当たる日向、もしくは西日の当たらない半日影で育てると良いでしょう。
土壌の土質
コエビソウは通気性と保水性のバランスがよく、有機物が豊富に入る肥沃な土壌で最もよく育ちます。
植付けの前に土壌診断を行い、土壌改善を行いましょう。
土壌を掘る時に土が硬かったり濡らした土を握った時に塊が崩れない等する場合は、粘土に近い土壌のため必要に応じて通気性を高めるパーライトや川砂を入れます。
逆に濡らした土を握った時に土がバラバラと崩れる場合は砂土に近いため、田土や黒土を混ぜます。
花壇の土が肥沃な土壌の場合は黒っぽい腐植の色をしています。それ以外の土色では肥沃さが足りない場合があります。その場合は牛ふん堆肥や腐葉土等の堆肥を混ぜこみましょう。
鉢土づくり
日当り
コエビソウは日当り好むため、直射日光が6時間以上当たる日向もしくは、午前中のみ日が当たり午後から日陰になるような半日影で育てましょう。
培養土
コエビソウは一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
水やりの仕方
地植え
コエビソウは乾燥に強い植物のため、地植えしている場合は降水のみでも育てられます。 ただし水が十分に与えられないと成長が止まったり花がしっかり咲かない事があります。そのため必要に応じて、土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
鉢植え
コエビソウを鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
コエビソウは花をしっかり咲かせるために、植付け時に元肥を施し、また生育期間中も持続的に追肥を施す事が大切です。
元肥
元肥は植え付け時に与える肥料の事です。元肥は肥効が長い緩効性肥料を選びましょう。成分は水平型肥料(肥料成分がバランスよく入る)もしくは山型肥料(リン酸が多い)を選びます。
元肥の与え方は花壇の場合も鉢植えの場合も、基本的に土壌に均一に混ぜこむ全面施肥です。
追肥
コエビソウの追肥は、春から秋の生育期間中持続的に行います。基本的には液肥で与えるといいでしょう。液肥で与える場合は10~14日に一度のペースで水やりの際に与えます。
また必要に応じて化成肥料や緩効性肥料を利用すると、省力化に繋がり追肥作業が楽になります。化成肥料や緩効性肥料は山型肥料(リン酸多め)を選び、株から少し離した場所に規定量を置肥しましょう。
おすすめの肥料
剪定のやり方
コエビソウの剪定は「花がら摘み」「切り戻し」「間引き」の3つに分かれます。
花がら摘み
開花期間中は一般的に花がら摘みが必要です。何故なら枯れた花を残すと見た目が悪いばかりか、種を作り初めて株が弱ったり新しい花がつくられにくくなったりするからです。枯れた花を摘む事は、新しい花の開花を促す事に繋がります。
切り戻し
コエビソウの切り戻しは早春と、必要に応じて生育期間中に行います。
①早春の切り戻しは地際から約30cmの所にある節の上から一律に切り戻しましょう。
②生育期間中は必要に応じて間延びした茎を切り戻します。切り戻す長さは3分1程度を目安にして切り戻ししましょう。
切り戻し作業を行わないと、生産性の低い古い茎が残り花数が減ったり、ひょろひょろとした茎が1本だけ伸びて見た目がわるくなったり、茎が間延びして倒れやすくなったりと、全体的に見た目が悪くなる傾向にあります。逆に切り戻しを行う事で、株が若返り、枝数が増えてふさふさとした樹形になり、沢山の花を咲かせる様になります。
間引き剪定
コエビソウの間引き剪定は、冬越しが終わる早春頃に行いましょう。
間引き剪定のやり方は、枯れた茎(古い茎)を根元付近で強く切り戻し取り除くだけです。
間引き剪定の目的は不要な茎を取り除く事で、主要な茎もしくは新しく成長する芽にエネルギーを優先的に送ったり、光の通りや風通しをよくしたりする事で健康な成長を促す所にあります。
夏越しする方法
コエビソウは夏の暑さに耐えますが、強い日差しで葉やけを引き起こしたり、強い乾燥で生育が鈍くなる事があります。そのため必要に応じた夏越し対策が必要です。
コエビソウの夏越し対策
- 鉢植えで育てている場合は、葉やけと乾燥の対策として、西日の当たらない半日影や間接光のみがあたる明るい日陰に移動するといいでしょう。
- 乾燥対策として地植えした株でも土の表面が乾燥してきたらしっかり水やりを行いましょう。
- ↳鉢植えで育てている場合は、より乾燥が早くなるため注意が必要です。
冬越しする方法
Hardiness:8b~11a
コエビソウは強い霜の降りない地域であれば屋外での越冬も可能ですが、強い霜の降りる地域では枯れる事もあるため管理に注意が必要です。
コエビソウの冬越し対策
- 鉢植えで育てている場合は、日当りのよい室内もしくは温室に入れて管理しましょう。
- 地植えしている場合は株元に腐葉土を盛り、必要に応じて不織布やビニールで植物の周囲を囲ってあげましょう。
挿し木や株分けで増やす
コエビソウは挿し木や取り木で増やす事が出来ます。
挿し木手順
- コエビソウの挿し木時期は生育が活発で発根力が高い晩春から夏が適します。
- 挿し穂は今年成長した茎から長さ約7~10cmを目安にしてとりましょう。
- 挿し穂の上部の葉を残して下部の葉を取り除きます。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 切り口に発根ホルモンを付けます。
- 挿し穂を湿らせた培養土に挿して下さい。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりをしっかり行い管理しましょう。
播種で増やす
コエビソウの種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
コエビソウの病気
コエビソウの害虫