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原産:日本 科:アジサイ(Hydrangeaceae) 属:アジサイ/ハイドランジア(Hydrangea) 種:アジサイ(macrophylla) 別名:ホンオジサイ/ガクアジサイ/八仙花/ビックリーフ・ハイドランジア(bigleaf hydrangea)/フレンチ・ハイドランジア(French hydrangea) 開花時期:5月~8月(四季咲き品種6月~10月/早咲き2月~4月) 花の色:青色●紫色●赤色●桃色●白色〇 葉色:緑色● 分類:落葉低木 草丈:約120~300cm 誕生花:6月3日/6月4日/6月29日 花言葉:「冷淡」「無情」「高慢」「移り気」「辛抱強さ」 | ||
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
アジサイは学名Hydrangea macrophylla、別名「ホンオジサイ」や「八仙花」とも呼ばれる日本原産の落葉低木です。
アジサイの語源(由来)
- 属名のハイドランジア(Hydrangea)は、古代ギリシア語で「水」を意味する「ὕδωρ(húdōr)」と、「容器」を意味する「ἀγγεῖον(angeîon)」の2語からきていて、カップ状の種の鞘の形に由来しています。
- 種小名のマクロフィラ(macrophylla)は古代ギリシア語で「大きい」を意味する「μακρός (makrós)」と、古代ギリシア語で「葉」を意味する「φύλλον(phúllon)」の2語の造語で、あじさいの大きな葉に由来します。
- アジサイは、元々「アヅサイ」と呼ばれていましたが転訛(訛り)して現在のあじさい(紫陽花)になったといわれています。
- ↳アヅサイは、小さなものが集まる様子を意味する「あづ」と、紫色の花をあらわしている「さあい(真藍)」の2語からきていて、あじさいの紫色の花に由来しています。
アジサイの特徴(魅力)
- アジサイは小花が半球状に集まり咲く豪華でボリュームある花姿が魅力です
- 一般に花と見られている大きな花弁状のものは萼で装飾花とも呼ばれます
- ↳中央にある本物の花は両性花とも呼ばれ小さく目立ちません
- 花は土壌のPHがかわる事で花色が青色や桃色に変化する事があります
- 花序の中央に両性花が集まり周囲に装飾花があるものを「ガクアジサイ」と呼び
- ↳花序が装飾花のみで構成されているものを「ホンアジサイ(テマリ型)」と呼ぶ事があります
- アジサイは園芸品種が非常に豊富にあり
- ↳お庭の雰囲気に合わせて花色選びが出来たり
- ↳個々の花も八重咲きする華やかな品種や花弁(萼)が尖り洗練された品種や花弁が丸みを帯びる可愛いらしい品種等があります
- アジサイは旧枝咲きのため梅雨の時期に1回咲くのが一般的ですが
- ↳最近では新旧両枝に花が咲く品種(エンドレスサマー等)もあり初夏から中秋まで開花が楽しめます
- 豪華な花は切り花としても魅力があり
↳また乾燥した花姿も味わい深くドライフラワーとしても楽しまれます - 夏の強い日差しや乾燥を苦手にしていますが
- ↳環境が合った場所に植えてあげれば基本的に放ったらかしで育ちます
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アジサイの茎は若い時は緑色ですが成熟すると木質化して樹皮は褐色もしくは灰色褐色になります。樹形は直立で、基部でよく分枝してブッシュ状に茂り高さ約120~300cmの間で成長します。葉は緑色、葉の大きさは長さ約10(~15)cm幅は約5(~10)cmあり、楕円形もしくは卵形で縁部分に鋸歯があり、茎に対生に配置されます。花は茎の頂部に小花が球状に集まり直径約5~25cmの散房花序になり、装飾花が花序の周囲に並び中央に両性花があるガクアジサイ型、装飾花のみがあるテマリ型、中央に装飾花と両性花の二つがある半ガクアジサイ型の3タイプがあり、装飾花は直径3~6cmと大きく目立ち萼片が4~5個あり、両性花は非常に小さいため目立たず花弁4~5個と雄蕊10個と雌蕊3~4個があります。
開花時期は一般的に5月~8月ですが、早咲きタイプは2月~4月、四季咲きタイプは6月~10月、花色は青色や紫色、赤色や桃色、白色や複色があり、個々の花は萼片が4~5個のみ、もしくは萼片の中央に4~5個の花弁が付き、花序は茎頂部で小花が集まり散房花序に花を咲かせます。樹形はブッシュ状で高さは約120(300)cm × 幅は約120(300)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は楕円形もしくは卵形で葉縁に鋸歯があり、葉序は対生葉序につきます。
アジサイの花色の変化
アジサイは育てる土のPHが変わる事で花色が変わる事が知られています。例えば、土壌のPHが酸性だと花色は青色になり、土壌のPHがアルカリ性だと花色は桃色というようにです。
アジサイの花の色が変わる理由は、花の色素(アントシアニン)にアルミニウムイオンが結合するためで、アルミニウムイオンの結合により桃色から青色へと花色が変わります。では、何故土壌が酸性になると青色へと変わるかと言うと、土が酸性に傾く事でアルミニウムが溶け出し根からアルミニウムイオンが吸収される様になるからです。
アジサイを好みの花色にする方法
桃色(~赤色)のアジサイ
桃色(~赤色)のアジサイを咲かせるには、アジサイにアルミニウムを吸収させない事が大切です。そのため、アルミニウムを含まない用土を使ったり、土壌を酸性に傾けない等の対策を行います。例えば鉢植えで育てる場合は、アルミニウムを含まない用土(パーライト・調整済みピートモス)を利用して中性からアルカリ性の培養土で育てたり、また地植えで育てる場合はアルミニウムが溶解して根から吸収されないように土壌を中性からアルカリ性に傾けます。土壌のPHをアルカリ性に傾ける方法は、市販の苦土石灰を撒く事でアルカリ性にする事が出来ます。
青色(~紫色)のアジサイ
青色(~紫色)のアジサイを咲かせるには、アジサイにアルミニウムを吸収させる事が大切です。そのため、アルミニウムを含む用土を使ったり、土壌を酸性に傾ける対策を行います。例えば鉢植えで育てる場合は、アルミニウムを含む用土(赤玉土)と酸性に傾ける用土(無調整ピートモス)を利用して酸性の培養土で育てたり、また地植えで育てる場合はアルミニウムが溶解して根から吸収されるように土壌を酸性に傾けます。土壌のPHを酸性に傾ける方法は、市販の無調整ピートモスを撒く事で酸性にする事が出来ます。
アジサイの用途(切り花やドライフラワー)
アジサイの水揚げ手順
アジサイの切り花は豪華で華やかさがあり非常に魅力的です。やや水揚げが悪い所もありますが適切な処理を行い花瓶に生けると概ね10日程は日持ちします。
- アジサイの収穫は朝の涼しい時間帯におこないましょう。
- 収穫の前に水(ぬるま湯)を入れたバケツを準備しておきます。
- アジサイの収穫は花が完全に開いてるものを選びます。
- 収穫したアジサイはバケツの中で不要な葉(花に水が上がらなくなる)を取り除きます。
- 葉を取り除いたら切り口から上に5cm程度の場所でナイフを入れて切り口の方に斜めにカットを入れます。
- ↳切り口が斜めになる事で吸水部分が広がり水揚げしやすくなる。
- カットしたら茎の中にある白色の綿をナイフの先等を利用してこそぎ落とします。
- さらに切り口の反対側の表皮をナイフで軽く剥くと更に水上がりが良くなります。
- 延命剤(クリザール等)を入れた花瓶の水の中にアジサイを生けて楽しみましょう。
- ↳適切な管理で日持ちは7~10日程度です。
- 管理は必要に応じて数日(約1~3日)ごとに水切り(綿取り)・燃焼・深水を組み合わせ水揚げと水換えを行います。
アジサイのドライフラワーの手順
アジサイのドライフラワーは、ドライ・イン・ウォーター法もしくはハンギング法で乾燥させてつくる事が出来ます。
ドライ・イン・ウォーター法
- 剪定ハサミ・ナイフ・花瓶を準備する
- アジサイのドライフラワーをつくる場合は収穫時期を見極め事が大切です
- 収穫時期は梅雨明けの7月頃以降がいいでしょう
- ↳また開花したばかりの色鮮やかな花よりも少し時間が経ち色褪せてきた花を収穫します
- 花瓶に少し水を入れて収穫したアジサイをつけ徐々に乾燥させていきましょう。
ハンギング法
- 剪定ハサミ・紐(輪ゴム)を準備する
- アジサイのドライフラワーをつくる場合は収穫時期を見極め事が大切です
- 収穫時期は梅雨明けの7月頃以降がいいでしょう
- ↳また開花したばかりの色鮮やかな花よりも少し時間が経ち色褪せてきた花を使った方が成功率が上がります
- 収穫した茎の下部を輪ゴムやリボンの様な物で固定します
- 直射日光の当たらない涼しく乾燥した場所で逆さに吊り下げ自然乾燥させましょう
アジサイの栽培
園芸では、アジサイのダイナミックで豪華な花を鑑賞する目的で庭木として育てられたり、植え込みや花壇に並べて植えて生垣として育てられたり、またスタンダード仕立てにしてトピアリーとして楽しまれたり、植木鉢の中でコンパクトに管理して玄関先等に飾って楽しまれたり、また底の浅い鉢を利用して盆栽にされたりもします。
アジサイを育てる際に注意する事は「日当り」と「乾燥」です。環境が合えば放ったらかしで育てる事も出来ますが、夏の強い日差しによって葉やけを引き起こしたり、乾燥で生育が衰えたり花が上手く咲かない事もあります。そのため、植える場所や土質等には気をつける必要があるでしょう。増やし方は冬から早春に充実した枝で行う挿し木と初夏から夏にかけて半熟枝で行う挿し木によって増やすことが出来ます。