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原産:日本 科:アジサイ(Hydrangeaceae) 属:アジサイ/ハイドランジア(Hydrangea) 種:ヤマアジサイ(serrata) 別名:サワアジサイ/マウンテン・ハイドランジア(mountain hydrangea)/ティー・オブ・ヘブン(tea of heaven) 品種:タイニータフスタッフ(tiny tuff stuff) 開花時期:5月~7月 花の色:青色●桃色●白色〇 葉色:緑色● 分類:落葉低木 草丈:約60cm 誕生花:6月2日 花言葉:「乙女の愛」 | ||
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ヤマアジサイ(タイニータフスタッフ)はタイニーの名前からも分かる通り非常に背が低くコンパクトな樹形をしていて、青色や桃色に美しく色付く装飾花と両性花をもっているガクアジサイ型の園芸品種です。
開花時期は晩春から夏、花色は青色もしくは桃色か白色、個々の花は花弁の様に見える装飾花と非常に小さな両性花があり、花序は茎頂部で小花が集まり散房花序に花を咲かせます。樹形はブッシュ状で高さは約60cm × 幅は約60cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は楕円形もしくは卵形で縁部分に鋸歯があり、葉序は対生葉序につきます。
ヤマアジサイは学名Hydrangea serrata、別名「サワアジサイ」や「マウンテン・ハイドランジア(mountain hydrangea)」等とも呼ばれる日本原産の落葉低木です。日本では、本州(関東より西)・四国・九州に分布していて山中の林床や沢等に自生しています。
ヤマアジサイの語源(由来)
- 属名のハイドランジア(Hydrangea)は、古代ギリシア語で「水」を意味する「ὕδωρ(húdōr)」と、「容器」を意味する「ἀγγεῖον(angeîon)」の2語からきていて、カップ状の種の鞘の形に由来しています。
- 種小名のserrataは「鋸歯」を意味していて、葉の縁がギザギザとしている事に由来しています。
- ヤマアジサイの名前の由来は山中に自生している所からきています。
- サワアジサイの名前の由来は山中の沢でよく見られることからきています。
- 英名ティー・オブ・ヘブン(tea of heaven)は1部地域で葉がお茶として飲まれていた事からついています。
ヤマアジサイの特徴(魅力)
- アジサイと比べてヤマアジサイは樹高・葉・花が小さい傾向にあります
- ↳そのため寄せ植えや盆栽にして楽しまれる事も多いです
- 一般的に両性花の周りに装飾花が並ぶガクアジサイ型の花が多いですが
- ↳装飾花だけのテマリ型の品種もあります
- ヤマアジサイは園芸品種が非常に豊富にあり
- ↳お庭の雰囲気に合わせて花色選びが出来たり
- ↳葉に班が入る品種等もありカラーリーフとして楽しめたりします
- 豪華な花は切り花としても魅力があります
- ヤマアジサイの葉には天然甘味料のフィロズルチンが含まれているため
- ↳甘みの強い系統の1部品種(アマチャ)がお茶にして飲まれる事もありますが
- ↳嘔吐や悪心等の中毒症状を引き起こしやすいため、どうしても飲む場合はかなり薄めて飲んだ方がいいでしょう
- 夏の強い日差しや乾燥を苦手にしていますが
- ↳環境が合った場所に植えてあげれば基本的に放ったらかしで育ちます
ヤマアジサイの茎は若い時は緑色ですが成熟すると木質化して樹皮は褐色もしくは灰色褐色になります。樹形は直立で、株立ち状に基部から茎が出てまた基部付近で緩く枝分かれしてブッシュ状に茂り高さ約60~120cmの間で成長します。葉は緑色、葉の大きさは長さ約6(~13)cmあり、楕円形もしくは卵形で縁部分に鋸歯があり、茎に対生に配置されます。花は茎の頂部に小花が球状に集まり直径約7~18cmの散房花序になり、個々の花は不燃性の装飾花と結実する両性花の2種類があり、装飾花は大きく直径約1.5~3cmあり萼が3~4個つき、両性花は非常に小さく花弁5個と雄蕊・雌蕊がつきます。
ヤマアジサイの花色の変化
ヤマアジサイは育てる土のPHが変わる事で花色が変わる事が知られています。例えば、土壌のPHが酸性だと花色は青色になり、土壌のPHがアルカリ性だと花色は桃色というようにです。
ヤマアジサイの花の色が変わる理由は、花の色素(アントシアニン)にアルミニウムイオンが結合するためで、アルミニウムイオンの結合により桃色から青色へと花色が変わります。では、何故土壌が酸性になると青色へと変わるかと言うと、土が酸性に傾く事でアルミニウムが溶け出し根からアルミニウムイオンが吸収される様になるからです。
ヤマアジサイを好みの花色にする方法
桃色(~赤色)のヤマアジサイ
桃色(~赤色)のヤマアジサイを咲かせるには、ヤマアジサイにアルミニウムを吸収させない事が大切です。そのため、アルミニウムを含まない用土を使ったり、土壌を酸性に傾けない等の対策を行います。例えば鉢植えで育てる場合は、アルミニウムを含まない用土(パーライト・調整済みピートモス)を利用して中性からアルカリ性の培養土で育てたり、また地植えで育てる場合はアルミニウムが溶解して根から吸収されないように土壌を中性からアルカリ性に傾けます。土壌のPHをアルカリ性に傾ける方法は、市販の苦土石灰を撒く事でアルカリ性にする事が出来ます。
青色(~紫色)のヤマアジサイ
青色(~紫色)のヤマアジサイを咲かせるには、ヤマアジサイにアルミニウムを吸収させる事が大切です。そのため、アルミニウムを含む用土を使ったり、土壌を酸性に傾ける対策を行います。例えば鉢植えで育てる場合は、アルミニウムを含む用土(赤玉土)と酸性に傾ける用土(無調整ピートモス)を利用して酸性の培養土で育てたり、また地植えで育てる場合はアルミニウムが溶解して根から吸収されるように土壌を酸性に傾けます。土壌のPHを酸性に傾ける方法は、市販の無調整ピートモスを撒く事で酸性にする事が出来ます。
ヤマアジサイの栽培
園芸では、ヤマアジサイの華やかなな花を鑑賞する目的で庭木として育てられたり、植え込みや花壇に並べて植えて生垣として育てられたり、また植木鉢の中でコンパクトに管理して玄関先等に飾って楽しまれたり、寄せ植えや盆栽として楽しまれたりします。
ヤマアジサイを育てる際に注意する事は「日当り」と「乾燥」です。環境が合えば放ったらかしで育てる事も出来ますが、夏の強い日差しによって葉やけを引き起こしたり、乾燥で生育が衰えたり花が上手く咲かない事もあります。そのため、植える場所や土質等には気をつける必要があるでしょう。増やし方は冬から早春に充実した枝で行う挿し木と初夏から夏にかけて半熟枝で行う挿し木によって増やすことが出来ます。