ツタバウンランは属の中に約10種がありますが、一般に園芸で親しまれている種は幾つかの種とその園芸品種です。例えば、小道の脇や岩壁などの隙間などに自生しておりアイビーの葉を小さくしたような上品な葉が魅力的なツタバウンラン、匍匐するように広がる草姿と丸くて可愛らしい葉が魅力的なシンバラリア (アエクイトリロバ)等が親しまれています。
ツタバウンラン属の種ごとの育て方は写真か育て方をクリックすると出てくる為よかったらそちらをご覧下さい!
このページでは主な種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を紹介しています。
ツタバウンランの主な種の目次
ツタバウンランの特徴や園芸品種
- 原産:南ヨーロッパ
- 学名:Cymbalaria muralis
- 草丈:約5~15cm(長さ60cm)
- 分類:多年草
- 開花時期:5月~9月
- 花色:黄色●紫色●白色〇
- 葉色:緑色●
- 耐暑性:普通
- 耐寒性:強い
- 花言葉:遠い夢
- 用途:グランドカバー/壁面緑化/日陰植物
ツタバウンランとは!?
ツタバウンランは学名Cymbalaria muralis、別名では「ツタガラクサ」や「ウンランカズラ」とも呼ばれる南ヨーロッパが原産の多年草です。
ツタバウンランの語源(由来)
- 属名のCymbalariaは、楽器の「シンバル(Cymbal)」からきており、丸みを帯びた葉の形がシンバルに似ている所からきています。
- 種小名のmuralisは、ラテン語で「壁」を意味しており、恐らく壁などによく自生している事に由来します。
ツタバウンランの特徴(魅力)
- ツタバウンランは、ふつう匍匐性に地面を張って成長しますが、「割れ目」や「隙間」などを利用して登る習慣もあるため岩壁や樹木などにへばりつくようにした自生する姿もよく見られる植物です。
- 草姿は匍匐性、茎は地面を這うようにして伸びながら節から不定根を出して地面に定着して無制限に広がります。そのためグランドカバーとして利用される事もあります。
- また茎はツル性に、岩壁の隙間などを利用して上に向かい成長する事があります。恐らく節から出る不定根を隙間などに入れて体(茎)を固定しながら登っています。
- ツタバウンランの花は初め太陽(光)に向かって伸びる性質がありますが、受粉後は太陽(光)から離れるように地面に向かう性質がある事で知られています。
- この現象は花茎に「正の光屈性(光に向かう)」と「負の光屈性(光から離れる)」がある事からきており、受粉後は花茎が負の光屈性になり曲がる事で、花が暗い方に向かい、花(種)を暗い岩壁の隙間に押し込み、発芽率を高めると考えられています。
- 花は小さな「金魚草の花」に例えられる事もあり、花中央の喉部が金魚草のように膨らんでいます。また花には距と呼ばれる、角状の突起があり、後ろ側に伸びています。
- 花の中央の喉部にある黄色の班は、蜜蜂などの昆虫が花蜜や花粉を探す際の目印になる花蜜標識(ネクターガイド)となっています。
- 葉はふち部分が3~7回浅く裂けており、アイビーの葉を小さくした様な上品な外観をしています。
- 葉は食用として食べられる事もあり、南ヨーロッパ等ではサラダに入れたり、お湯に1分程度潜らせて食べられたりします。
- 味はクレソンに似た刺激的な風味と苦味があり、人によって味の好みが分かれます。
- 食用で南ヨーロッパでは古くから食べられてきた植物ですが、僅かに毒性があると言われているため、大量に摂取するのは避けた方がよいでしょう。
- ツタバウンランは侵略的植物として見られており、多くの国に広がり帰化しており、雑草として見られる事が多い植物です。そのため可愛らしい外観をしていますが駆除される事も多いです。
ツタバウンランの草丈は約5(~15)cm、茎の長さ約60cm、草姿は匍匐性(茎が地面を這うように伸びる性質)、茎の色は赤色または赤茶色です。
葉序は互生葉序、葉色は緑色、葉柄はあり、葉身は長さ約1(~3)cm、幅は約1(~4.5)cm、葉身の形は先端が丸みを帯びる腎形、葉のふち部分は3~7回浅裂します。
花序は腋花、花冠の長さ約0.7(~1)cm、直径約0.7(~1)cm、花冠の形は唇形花、上唇は2裂、下唇は3裂、喉部に2つの膨らみと後ろに伸びる距があります。花色は薄い紫色、上唇に紫色の筋状の班が入り、中央部の膨らみは白色で頂部に黄色の班が入ります。
果実は蒴果(複数の心皮からなり果皮が裂開して種子を放出する)、蒴果は球形、大きさは直径約0.4cm、色は褐色です。
シンバラリア (アエクイトリロバ)の特徴や園芸品種
- 原産:ヨーロッパ
- 学名:Cymbalaria aequitriloba
- 草丈:約5~15cm
- 分類:多年草
- 開花時期:4月~7月
- 花色:紫色●白色〇
- 葉色:緑色●
- 耐暑性:普通
- 耐寒性:強い
- 用途:グランドカバー/日陰植物
シンバラリア (アエクイトリロバ)とは!?
シンバラリア (アエクイトリロバ)は、学名Cymbalaria aequitriloba、ヨーロッパが原産の常緑多年草です
シンバラリア (アエクイトリロバ)の語源(由来)
- 属名のCymbalariaは、楽器の「シンバル(Cymbal)」からきており、丸みを帯びた葉の形がシンバルに似ている所からきています。
- 種小名のaequitrilobaはラテン語で「同等」を意味する「aequi」と、「3」を意味する「tri」と、「浅裂」を意味する「loba」の3語からなり、葉の形に由来します。
シンバラリア (アエクイトリロバ)の特徴(魅力)
- シンバラリア (アエクイトリロバ)は、匍匐性に地面を張って成長するため地被植物として利用される事があり、丸みを帯びた可愛らしい外観の葉が魅力の植物です。
- 花は小さな「金魚草の花」に例えられる事もあり、花中央の喉部が金魚草のように膨らんでいます。また花には距と呼ばれる、角状の突起があり、後ろ側に伸びています。
- 花の色は薄い紫色ですが、花中央の喉部のみ白色です。
- 葉は丸くふち部分が浅く3裂しており、 可愛らしい外観をしています。
シンバラリア (アエクイトリロバ)の草丈は約5(~15)cm、草姿は匍匐性(茎が地面を這うように伸びる性質)、茎の色は緑色もしくは赤みを帯びます。
葉序は互生葉序、葉色は緑色、葉柄はあり、葉身は長さ約1(~3)cm、幅は約1(~3)cm、葉身の形は先端が丸みを帯びる腎形、葉のふち部分は3浅裂します。
花序は腋花、花冠の形は唇形花、上唇は2裂、下唇は3裂、喉部に2つの膨らみと後ろに伸びる距があります。花色は薄い紫色、中央部の膨らみは白色になります。