- 原産:南アメリカ
- 科:ノウゼンハレン(Tropaeolaceae)
- 属:ノウゼンハレン/トロパエオルム(Tropaeolum)
- 種:カナリークリーパー(peregrinum)
- 英名:カナリークリーパー(canary-creeper)
- 別名:カナリアヅル/カナリーバード・フラワー(canarybird flower)/カナリー・バイン(canarybird vine)
- 開花時期:6月~11月
- 花の色:黄色●
- 葉の色:緑色●
- 分類:多年草
- 草丈:約250cm
- 誕生花:
- 花言葉:
- 用途:開花期間長い/壁面緑化
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
カナリークリーパーとは!?
カナリークリーパーは学名Tropaeolum peregrinum、別名「カナリアヅル」や「カナリーバード・フラワー(canarybird flower)」とも呼ばれる南アメリカ原産の多年草です。
カナリークリーパーの語源(由来)
- 属名のTropaeolumは古代ギリシャ語で「勝利」「トロフィー」を意味する「τρόπαιον(trópaion)」からきています。
- 種小名のperegrinumはラテン語で「海外」を意味する「peregrē」と、接尾辞の「-īnus」からきています。
- 英名のカナリークリーパー(canary-creeper)は「カナリア(canary)」と「這うもの(creeper)」の2語からきており、カナリアの鳥の色を思わせるような黄色の花と這うように成長する草姿に由来します。
カナリークリーパーの特徴(魅力)
- カナリークリーパーは、カナリアを思わせるような鮮やかな黄色の花と、ツル性に壁面を登る草姿、子供の手の平を可愛らしい外観の葉っぱが魅力の植物です。
- 草姿はツル性、茎は基本的に自立せず、まきヒゲ(葉柄)を他の植物や物体に絡ませて自らの体を固定しながら登ります。
- まきヒゲは巻き付く事が出来ない岩壁等を上手く登る事が出来ません。そのため、まきヒゲを巻き付ける支柱やネット等の資材を準備して育てましょう。
- 開花期は6月~11月、葉腋から花柄を伸ばして黄色の花を咲かせます。
- 花は直径約2~4cm、花弁は上に2個と下に3個あり、仮面のような個性的な外観をした花を咲かせます。
- 葉はふち部分が大きく裂け丸みを帯びている事から、動物の子供の手の平のような可愛らしい外観をしています。
- 葉は盾形と呼ばれる形をしており、葉柄は葉のふち部分ではなく、内側につきます。
カナリークリーパーの草姿はツル性(まきヒゲ)、茎の長さ約250cm、茎の色は緑色です。
葉序は互生葉序、葉色は緑色、葉柄はあり、葉身の長さ約2(~5)cm、葉身の形は盾形、葉のふち部分は5(~7)回掌状に浅裂(~深裂)します。※葉柄は、まきヒゲ(葉まきヒゲ)になっており、他の植物や物体に葉柄を巻き付けて植物体を固定します。
花序は腋花、花の直径は約2(~4)cm、花の形は花弁が5個、花弁2個は大きく上部にあり深い切れ込みがあり、花弁3個は小さく下部についており、長さ約1.2cmの距が後ろ側に伸び、雄蕊が8個あります。花の色は黄色です。
カナリークリーパーの園芸品種の紹介
ノウゼンハレンの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
カナリークリーパーの育て方
花壇の土づくり
日当たり
カナリークリーパーは日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。ただし夏の日差しや暑さが厳しい地域では強光や乾燥などの複合的なストレスにより葉焼け(葉の先端や縁部分等が褐色に変色して萎れや落葉を招く症状)などの生育不良を引き起こす事があります。
そのため管理する場所は環境に合わせて日向(直射日光が6時間以上)もしくは半日影(直射日光3時間~5時間)で育てましょう。
土壌の土質
カナリークリーパーは基本的に水はけの良い土壌を好み、水分が停滞するようなジメジメした土壌では生育不良を引き起こすことがあります。また有機物が多い肥沃過ぎる土壌も葉ばかりが茂り花数が減ったり寿命を短くしたりする傾向にあります。そのため、通気性がよく、適度に腐葉土等が入った土壌に植えて上げましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
カナリークリーパーは日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。ただし夏の日差しや暑さが厳しい地域では強光や乾燥などの複合的なストレスにより葉焼け(葉の先端や縁部分等が褐色に変色して萎れや落葉を招く症状)などの生育不良を引き起こす事があります。そのため管理する場所は環境に合わせて日向(直射日光が6時間以上)もしくは半日影(直射日光3時間~5時間)で育てましょう。
培養土
カナリークリーパーは一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
水やりの仕方
カナリークリーパーは浸水したり水分が停滞する様なジメジメした環境を嫌いますが、逆に土壌が乾燥して水が少なくなると花の生産が停滞して花数を減らす事になります。そのため定期的に水やりを行い、やや湿り気のある土壌に保つようにしましょう。
水やりの頻度は環境(植える場所や土質)にも左右されますが、基本的には土の表面が乾いてきたタイミングで行うといいでしょう。
肥料の与え方
カナリークリーパーは栄養が多い土壌で育てると、葉が茂り花の数が少なくなる傾向にあり、また短命になりやすいです。そのため極端に栄養の少ない土壌で育てる場合を除いて基本的に肥料は必要ありません。
基本的に植え付け時に栄養を含む堆肥を入れる事で十分ですが、鉢植えで育てる場合は栄養が足りなくなる事もあります。その場合は、植え付け時に1度だけ緩効性肥料を入れておきましょう。追肥は不要です。
剪定のやり方
カナリークリーパーの剪定は「花がら摘み」と「逸出した茎の剪定」の2つです。
花がら摘みとは!?
花がら摘みの目的は、萎れた花を摘みとる事で種の生産を防ぎ余計なエネルギーを使わせない事にあります。余計なエネルギーを使わせない事によって、株の老化(弱体)を防いだり、花の生産が止まる事を防ぎ開花期間を延長する事に繋がったり、花数を増やす事に繋がったりします。
花がら摘みのやり方は、個々の萎れた花を指もしくはハサミを使い取り除くだけです。
逸出した茎の剪定とは!?
逸出した茎とは、間違った方向に伸びた茎の事をさしており、外観を崩したり、歩行者の邪魔になったり、入るべき場所じゃない所に侵入して撤去が難しくなる可能性がある茎です。
逸出した茎の剪定は、邪魔になっている茎を、枝分かれしている根元から剪定するか、枝分かれさせたい部分の芽の上で剪定しましょう。
夏越しする方法
カナリークリーパーは、夏の過度に暑い環境や極度の乾燥を苦手にしています。そのため長く花を楽しむ為にも必要に応じて夏越し対策が必要です。
夏越し対策
- 西日の当たる環境は【強い暑さ・強い日差し・乾燥】などの複合的なストレスがかかり、茎葉が枯れたり萎れたりして株が弱りやすくなるため避けた方が良いでしょう。※ただし日光が沢山当たる程に花はたくさん咲きます。
- 鉢植えであれば西日の当たらない場所に移動します。
- 地植えであれば西日の当たらない場所に植えたり遮光ネットを利用したりしましょう。
- 乾燥を苦手にしていることから土の表面が乾燥してきたら水やりをしっかり行います。
- 特に鉢植えで育てている場合は、乾燥がより早くなるため注意が必要です
冬越しする方法
Hardiness:10b~11a
カナリークリーパーは基本的に冬の寒さと霜に耐えられないため、冬越しさせたい場合は気温が10度を下回らない屋内に入れて管理するのが一般的です。
- 鉢植えで育てている場合は、明るい間接光が当たり、気温が10度を下回らない室内もしくは温室に入れて管理しましょう。
- 地植えしている場合は株を掘り起こして鉢植えに植え直し室内か温室に入れます。
挿し木や株分けで増やす
カナリークリーパーは挿し木によって増やす事ができます。
挿し木の方法
- カナリークリーパーの挿し木時期は晩春から初夏が適します。
- 挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットしましょう。
- 挿し穂 の長さ約5~7cmにわけます。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き上部の葉を1~2個残します。
- 挿し穂用の無菌の培養土を準備します。
- 切り口を下にして培養土の中に挿し穂を挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
播種で増やす
カナリークリーパーの種蒔の方法
播種時期:3月~4月(暖地)・5月~6月(寒冷地)
発芽適温:約20日
発芽日数:約7日
発芽条件:嫌光性種子
カナリークリーパーの種まき手順
- ポットに種まき用の培養土を準備するか、直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種は嫌光性種子のため光があると発芽しません。そのため種の上に1cm程度の土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、必ず土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
植物の病気
カナリークリーパーの病気
カナリークリーパーの害虫