- 原産:日本
- 科:キジカクシ(Asparagaceae)
- 属:ギボウシ/ホスタ(Hosta)
- 種:オオバギボウシ(Hosta sieboldiana)
- 同義語(synonym):Hosta montana
- 別名:ハヤザキオオバギボウシ/ウノハナギボウシ/ウツリギボウシ/アツバギボウシ/シーボルト・プランテン リリィ(Siebold’s plantain lily)
- 品種:フランシス ウィリアムス(Hosta sieboldiana ‘frances williams’)
- 開花時期:6月~8月
- 花の色:紫色●白色〇
- 葉の色:緑色●青色●
- 分類:多年草
- 被覆方法:ロゼット状
- 草丈:約80cm
- 誕生花:7月9日
- 花言葉:静寂/沈静/落ち着き/変わらない思い
- 用途:カラーリーフ/日陰植物/エレガントなお庭
目次 | ||
| ||
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ギボウシ(フランシス ウィリアムス)とは!?
ギボウシ(フランシス ウィリアムス)は、葉が非常に巨大で長さが30cmにも達するため存在感のある草姿をつくり、また丸みをハートの形をしているため可愛らしい印象も与えます。葉の色は青緑色で、縁部分に緑色の班が入ります。青緑色の葉色は、エメラルドや南国の海等を連想させるため、開放的でトロピカルな雰囲気があるお庭などによく合うでしょう。
花序は総状花序、花の色は白色または薄い紫色、葉の形は心形、葉の長さ約30cm、葉の色は青緑色で縁部分に緑色の班(覆輪)が入ります。草姿はロゼット状、株は高さ約80cm、幅は約150cmに成長します。
オオバギボウシとは!?
オオバギボウシは学名Hosta sieboldiana、別名では「ハヤザキオオバギボウシ」や「ウノハナギボウシ」とも呼ばれる日本を原産とする多年草です。日本では北海道・本州・四国・九州に広く分布しており、山地や林縁、草原等の湿り気のある場所に自生しています。
オオバギボウシの語源(由来)
- 属名のHostaは、オーストラリアの医師で植物学者のN.T.Hostへの献名です。
- 種小名のsieboldianaは、長崎のオランダ商館に医師として来日したシーボルトへの献名です。
- オオバギボウシの由来は、他の原種と比べて葉が大きくなる所からきています。
- ギボウシの由来は、花の蕾が擬宝珠似ている所からギボウシ(擬宝珠)と呼ばれています。
オオバギボウシの特徴(魅力)
- オオバギボウシは、その名前からも分かる通り葉が非常に大きく存在感があります。また新芽は食味が良いため「ウルイ」として、天ぷらやお浸し等で食べられたりする植物です。
- 園芸では、様々な葉色があるためカラーリーフとして楽しまれたり、規則正しく放射状に大きな葉が広がるため、地面を覆う地被植物として利用されたりしており、優雅に広がる草姿をつくるためエレガントなお庭によく合います。
- 草姿はロゼット状、葉は中央から外側へと優雅に広がり噴水を思わせる様な華やかな外観をつくります。
- 地面下に短い根茎があり、根元で株を幾つもつくり、叢生して群生をつくります。
- オオバギボウシは、一個一個の葉が巨大で長さが40cmに達する事もあるため、遠くからでもよく目立ち、強い存在感があります。
- 葉は葉脈と葉脈間で凹凸があるため皺がよったような外観をしています。
- 葉はふつう緑色ですが、明るく爽やかな印象を与える黄色の葉色や、輝くような印象や洗練された雰囲気をつくる白色の葉色があるため、品種を選んでカラーリーフとして楽しむ事も出来ます。
- 花はユリのような外観をしているため上品な雰囲気があり、また花茎に沿って何個も花がつくため豪華な印象も与えます。
- 花は一日花のため、朝に蕾から開花した花は、夕方には萎れてしまいます。ただし穂状に何個も花が咲くため、長い期間楽しめます。
- オオバギボウシの新芽は食味がとても良く、トウギボウシやタチギボウシ等と同様に柔らかな新芽が「ウルイ」と呼ばれ、食用にされており、商業的にも栽培されてスーパー等で販売されることもあります。
- 味は淡白でクセが少ないためどんな料理にもあい、シャキシャキとした食感と独特なヌメリが楽しめます。
- オオバギボウシは「地被植物」「花壇の縁どり」等で親しまれます。
- グランドカバー(地被植物)とは、草丈があまり高くならず地表面を覆う植物の総称で、一般的に雑草を抑制する目的、景観を美しくする目的等で植え付けが行われます。
- オオバギボウシのグランドカバー(地被植物)は、基部から出る葉が放射状に広がり、ドーム状に盛り上がりながら地面を覆うところが魅力です。ただし匍匐性に広がる茎等と比べると、一株で広範に広がるわけではないため、広い場所をカバーする場合は複数の株を用意する必要があり、歩道などの歩く場所には向きません。
- オオバギボウシは落葉性のため、冬の間は地上部が枯れて地面が剥き出しになります。
- 花壇の縁どりとは花壇の手前(ふち部分)の境界線をさしており、普通はレンガなどの装飾物または背の低い植物などが並べられます。
- オオバギボウシは品種によって成熟時の株の大きさが違うため、植え付け間隔は一概ではありません。一般的には約30~120cmの間隔で植え付けが行われますが、コンパクトな品種では更に幅を狭め、大型の品種では更に間隔をあけます。
- グランドカバー(地被植物)とは、草丈があまり高くならず地表面を覆う植物の総称で、一般的に雑草を抑制する目的、景観を美しくする目的等で植え付けが行われます。
- オオバギボウシは耐陰性がある事から日陰植物(シェードガーデン)等に利用される事もあります。
- 日向から日陰まで幅広い環境で育てる事が出来ますが、西日の当たらない半日影で育てることが理想です。
オオバギボウシの草丈は約50(~100)cm、草姿はロゼット状、根元で株を幾つもつくり叢生して群生をつくります。
葉序は根生葉(基部に付いた葉)、葉柄は長く、葉身は長さ約30(~40)cm、幅は約10(~15)cm、葉身の形は心形(葉の基部が凹み先端が尖る)または広卵形か卵形、葉の葉脈間は凹凸があり、葉裏面では葉脈が隆起します。
花序は総状花序、総状花序は1個の花軸に沿って多数の花柄を付けて花柄の先端に花を水平または下向きに咲かせます。花冠は漏斗状、漏斗状は6個の花弁が合着する合弁花で、筒部の下部は細く上部は広がり、裂片は6個で形は三角形をしています。花冠は長さ約4(~6)cm、幅は約2(~4)cm、花の色は白色または薄い紫色か桃色、雄蕊の数は6個です。
果実は蒴果(複数の心皮からなり果皮が裂開して種子を放出する)です。
オオバギボウシ(ウルイ)の収穫時期や食べ方の紹介
- 食用部分:新芽(若芽)
- 収穫時期:4月~5月
- 食べ方:天ぷら・お浸し・酢の物・酢味噌和え・塩ゆで・浅漬け・卵とじ等
オオバギボウシの食べ方
オオバギボウシは、株が冬を越した後、春に土から出てくる柔らかな新芽(若芽)を収穫して、ウルイとして食べる事が出来ます。味はクセがなく淡白でシャキシャキとした食感と独特なヌメリがあり食べやすく、どんな料理にも合います。ただし食味はギボウシによって異なるため、食用とする場合は、食味のよい種(オオバギボウシ・トウギボウシ・タチギボウシ等)の専用の品種等を栽培して使う方が良いでしょう。
- ウルイの天ぷらは、衣(天ぷら粉と水)をつけて油で揚げるだけです。シャキシャキとした食感とクセのない味が楽しめます。
- クックパッド: 春野菜の天ぷらと新ごぼうのかき揚げ by ほまんく
- ウルイの塩ゆでは、塩の入ったお湯の中にウルイをくぐらせた後に、冷水で冷やし、好みの大きさにカットした後、皿に盛り付け、マヨネーズやドレッシング等をかけて食べます。
- クックパッド:うるいの茹で方 by 八百屋やまはる
- ウルイのお浸しは、ウルイをお湯で軽く茹でた後に小皿に盛り、出汁に浸して食べる方法です。
- クックパッド: *うるいのお浸し* by yamabuki1
オオバギボウシの園芸品種の紹介
- フランシス ウィリアムス(Hosta sieboldiana ‘frances williams’)は、葉が非常に巨大で長さが30cmにも達するため存在感のある草姿をつくり、また丸みをハートの形をしているため可愛らしい印象も与えます。葉の色は青緑色で、縁部分に緑色の班が入ります。青緑色の葉色は、エメラルドや南国の海等を連想させるため、開放的でトロピカルな雰囲気があるお庭などによく合うでしょう。花序は総状花序、花の色は白色または薄い紫色、葉の形は心形、葉の長さ約30cm、葉の色は青緑色で縁部分に緑色の班(覆輪)が入ります。草姿はロゼット状、株は高さ約80cm、幅は約150cmに成長します。
- エレガンス(Hosta sieboldiana ‘Elegans’)は、葉の長さ幅ともに30cmほどの大きさになり、非常に巨大なため存在感が強く豪華な雰囲気をつくり、また葉の葉脈間と葉脈に凹凸が生まれるため個性的な外観となる園芸品種です。花序は総状花序、花の色は白色または薄い紫色、葉の形は心形、葉の長さ約30cm、葉の色は青緑色または緑色です。草姿はロゼット状、株は高さ約60cm、幅は約120cmに成長します。
- グレート エクスペクテーションズ(Hosta ‘great expectations’)は、エレガンスの突然変異種、葉に厚みがあり、皺の多い個性的な外観をしており、青緑色と黄色(黄緑色)の二色の葉色がトロピカルな印象を与える魅力的な園芸品種です。花序は総状花序、花の色は白色、葉の形は心形または卵形、葉の色は青緑色で中心部に黄色(黄緑色)の班(中班)が入ります。草姿はロゼット状、株は高さ約50~60cm、幅は約100cmに成長します。
- テンリュウ(Hosta sieboldiana ‘Tenryu’)は、食味がとても良く収量が多い事から、食用のギボウシ(ウルイ)の中でも最も人気の高い代表的な品種です。葉は肉厚で、淡白な味わいがあり、食感がシャキシャキとしています。そのため、キッチンガーデン等で栽培される事が多いです。花は総状花序、花の色は白色または薄い紫色、葉の形は心形または卵形です。草姿はロゼット状、株は高さ約80cm、幅は約150cmに成長します。
- ノーザンエクスポージャー(Hosta sieboldiana ‘Northern Exposure’)は、非常に大きく存在感のある巨大な葉と、葉の縁部分にクリーム色の班(覆輪)が入る、青緑色の落ち着いた葉色が魅力的な園芸品種です。花序は総状花序、花の色は白色、葉の形は広卵形または心形、葉の大きさは長さ約35cm、葉の色は青緑色で縁部分にクリーム色(黄色)の班(覆輪)が入ります。草姿はロゼット状、株は高さ約90cm、幅は約150cmに成長します。
- 金星(Hosta sieboldiana ‘kinboshi’)は、葉の縁部分に色鮮やかな黄色の班が入るため、明るく開放的な印象を与えるカラーリーフとしても楽しめる魅力的な園芸品種です。花序は総状花序、花の色は白色、葉の色は青緑色で縁部分に黄色の班(覆輪)が入ります。草姿はロゼット状、株は高さ約50~70cm、幅は約70~100cmに成長します。
楽天で購入 | |||
ギボウシの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ギボウシ(フランシス ウィリアムス)の育て方
花壇の土づくり
日当り
ギボウシ(フランシス ウィリアムス)は、日光がよく当たる日向から、明るい日影まで幅広い環境で育てられます。ただし夏の日差しや暑さが厳しい地域では強光や乾燥などの複合的なストレスにより葉焼け(葉の先端や縁部分等が褐色に変色して萎れや落葉を招く症状)などの生育不良を引き起こす事があり、また日陰で育てると葉色が悪くなる事があります。そのため直射日光が3~5時間程度当たる半日影で育てるのが理想です。
土壌の土質
ギボウシ(フランシス ウィリアムス)は、通気性と保水性のバランスがよく、しっかり堆肥が入る肥沃な土壌を好みます。水分が停滞するようなジメジメした土壌では、根腐れや腐敗などを引き起こし、生育不良になる事があるため注意が必要です。土壌診断を行い、通気性や保水性が悪かったら、土壌改善を行ってから植え付けを行いましょう。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
ギボウシ(フランシス ウィリアムス)は、日光がよく当たる日向から、明るい日影まで幅広い環境で育てられます。ただし夏の日差しや暑さが厳しい地域では強光や乾燥などの複合的なストレスにより葉焼け(葉の先端や縁部分等が褐色に変色して萎れや落葉を招く症状)などの生育不良を引き起こす事があり、また日陰で育てると葉色が悪くなる事があります。そのため直射日光が3~5時間程度当たる半日影で育てるのが理想です。
培養土
ギボウシ(フランシス ウィリアムス)は一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良く、肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
楽天で人気の高い培養土を購入する
- super grade Ⅱの培養土はサラサラとした粒状の用土のみで構成されており堆肥が使用されていない所が特徴です。
- 堆肥が使われていないため、昆虫や微生物湧きにくく、お部屋でも使いやすいです。
- 堆肥が原因で夏場に蒸れる事がないため、多湿で植物が弱りにくくなります。
- 培養土は擬似団粒構造を形成しており優れた保水性・排水性・通気性・保肥力があります。
- 培養土の中には保水剤(CMC)が配合されているため水持ちがよく管理が楽になります。
- 培養土に含まれる赤玉土は焼きが入り硬質なため、劣化しにくく繰り返して何度でも使えます。
- 赤玉土には肥料も含有しているため植物の成長が良くなります。
- 肥料は3種類配合されており植物の成長段階に応じて非常に長く放出されます。
- 堆肥は入っていませんが、質の良い腐植酸が配合されているため、地力の高い肥沃な培養土となっています。
水やりの仕方
地植え
ギボウシ(フランシス ウィリアムス)は乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。雨が長く降らない場合、指を入れて土壌の表面(2~5cm)が乾燥している場合、葉や茎が萎れている場合などは、必要に応じて水やりを行いましょう。
鉢植え
ギボウシ(フランシス ウィリアムス)を鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。ただし水やりを行い過ぎてジメジメとした環境が続くと根腐れしてしまうため、土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
水やりのチェックを簡単にするオススメの道具
- 水やりチェッカー(サスティ)とは、視覚的に分かりやすく色の変化で水やりのタイミングを教えてくれる水分計です。
- 白色(水やり必要)・青色(水やり不要)
- 水やりチェッカー(サスティ)は世界で初めて家庭用水分計で「PF値」が採用されています。PF値は、殆どの植物の生育に阻害がない有効水分域の中のPF2.0付近で色が変わるように設計されているため、水やりの失敗を減らします。
- PF2.0は、どんな土や多肉・観葉植物・草花にも対応しますが、乾燥に強い多肉植物では色変わり後に若干の猶予があり、乾燥に弱い草花では色変わり後は直ぐに水やりをした方が良いかもしれません。
- PF値とは、土壌の水分が毛管力によって引き付けられている強さの程度を表している数値で、これを使う事で土壌の湿り具合や植物への水やりのタイミングが分かるようになります。殆どの植物にとって利用しやすいPF値は1.7~2.3の間にあります。常にPF値が1.7より下の値にあると、多湿を嫌う多肉などは湿潤すぎて根腐れを引き起こしやすくなったり、PF値が2.3より上にあると乾燥が苦手な草花などは水枯れを引き起こしやすくなります。
- 水やり三年と言われるプロでも難しい水やり作業が、水やりチェッカー(サスティ)を使うだけで安心して行えるようになります。
- 水やりチェッカー(サスティ)は水やりが難しい植物(ラン・多肉)にも対応しています。
- 中芯は6ヶ月~9ヶ月経つと水やりをしても青色に変化しなくなるため、変化がなくなったら中芯の交換が必要になります。
肥料の与え方
ギボウシ(フランシス ウィリアムス)を肥沃な土壌で育てている場合は、肥料がなくても育てられます。ただし、肥料を与える事で、株はより大きくなり、葉も青々と健康に成長するため、必要に応じて定期的に堆肥や肥料を入れて上げましょう。
肥料は春に堆肥と有機肥料(油カスなど)を入れて、秋にも肥効が早く出る発酵済の有機肥料(発酵油カスなど)を入れます。また植物の状態を見ながら、必要に応じて生育期間中も液肥を与える事も成長を促すのに効果があります。
また鉢植えの場合は根が回りやすいため1~2年に1回の頻度で植え替えと必要に応じて株分けも行った方がよいでしょう。地植えの場合は、株が密集して蒸れやすくなり腐敗する事もあるため、3~5年に1回の頻度で、大株になっている場合は株分けをしましょう。
肥料と堆肥の与え方
- 春(3月~5月)の肥料と堆肥
- 肥料は肥効が長く土壌改良効果も期待できる有機肥料(配合肥料や油カス等)、または肥効が長く肥料成分が多く入っている緩効性肥料を選びましょう。
- 有機肥料を与える場合は、土に剥き出しにすると分解が遅くなったり、虫が寄ってくる事もあるため、基本は土の中に埋めます。株元から少し離れた場所(枝先の下に新しい根があり肥料の吸収効率が最も良い)に穴を掘り肥料を埋めましょう。※地面にそのまま置き肥する場合もあります。
- 緩効性肥料の場合は、株元から少し離れた場所に置き肥します。置き肥とは地面に埋めずにそのまま地面の上に置く肥料です。
- 堆肥とは有機物が微生物により分解された肥料もしくは土壌改良材です。生態サイクルのない庭の花壇や鉢植えは、風雨や微生物の働き等により、土壌が年々劣化していき土が硬くなったり水はけが悪くなったりします。堆肥には【化学性・物理性・生物性】を高める効果があり、劣化した土を肥沃(植物の生育がよく生産性が高い土)な土に変える働きがあります。
- 地植えの場合は初冬から早春に株から少し離れた場所に堆肥(腐葉土もしくは牛糞堆肥等)を盛ってマルチングするか、穴を掘って堆肥を入れましょう。
- 数年ごとに植え替えを行うため、その時に土壌改良して植え直しても問題ありません。
- 鉢植えの場合は、植え替えを行います。鉢から株を取り出して、風雨で劣化した古い土を軽く落とし、長い根や腐った根も軽く切り詰めます。株が大きい場合は株分けもしましょう。土は新しい物を使うか、古い土を再利用する場合は2~5割ほど新しい土を混ぜます。鉢の中に新しい土と株を植え直したら完成です。
- 地植えの場合は初冬から早春に株から少し離れた場所に堆肥(腐葉土もしくは牛糞堆肥等)を盛ってマルチングするか、穴を掘って堆肥を入れましょう。
- 肥料は肥効が長く土壌改良効果も期待できる有機肥料(配合肥料や油カス等)、または肥効が長く肥料成分が多く入っている緩効性肥料を選びましょう。
- 秋の肥料
- 肥料は肥効が早く出て土壌改良効果も期待できる発酵済の有機肥料(ボカシ肥料や発酵油カス等)、または肥効が早く出て肥料成分が多く入っている化成肥料を選びましょう。
- 有機肥料を与える場合は、土に剥き出しにすると虫が寄ってくる事もあるため、基本は土の中に埋めます。株元から少し離れた場所(枝先の下に新しい根があり肥料の吸収効率が最も良い)に穴を掘り肥料を埋めましょう。※地面にそのまま置き肥する場合もあります。
- 化成肥料の場合は、株元から少し離れた場所に置き肥します。置き肥とは地面に埋めずにそのまま地面の上に置く肥料です。
- 肥料は肥効が早く出て土壌改良効果も期待できる発酵済の有機肥料(ボカシ肥料や発酵油カス等)、または肥効が早く出て肥料成分が多く入っている化成肥料を選びましょう。
- 生育期間中(真夏と冬を除く)の肥料
- 基本的に春と秋に肥料を与えておけば、生育期間中の追肥がなくても育てられますが、追肥として液肥を与える事でギボウシの成長によい効果があります。
- 液肥は通常の希釈率より濃度を半分程度に抑えて、2週間に一度の頻度で行う事が出来ます。葉からも栄養を取り込めるため、葉面散布も出来ますが、葉焼けする原因にもなるため、暑い日や日差しが強い日は、葉にかけずに株の付近に与えましょう。
剪定のやり方
ギボウシ(フランシス ウィリアムス)は剪定をせずに育てる事も出来ますが、健康な成長を促すために剪定する事も出来ます。
花を取り除く
花は鑑賞するか鑑賞しないかによって「開花前」または「開花後」に花茎の下から剪定して取り除きます。花が魅力的ではない品種の場合は、健康な葉の成長を促すために開花前に花茎の下から剪定して取り除きます。花が魅力的な品種の場合は開花後に花が萎れたら花茎の下から剪定して取り除きます。
花を取り除く事で「エネルギーの分散が抑えられる」ため、健康な葉の成長を促す事が出来ます。
葉を取り除く
葉は枯れたり病気になると、これらの葉が日当たりを悪くしたり病気を拡大させるなど、健康な葉の成長に悪影響を与えてしまいます。そのため、枯れたり病気になった葉は1年を通してその都度、取り除きましょう。
また冬になると地上部の葉は枯れてしまいます。枯れた葉を残しておくと、春から成長する新芽に光が当たらず、成長が遅れる可能性があります。そのため、枯れた葉は晩秋もしくは早春に取り除きましょう。
夏越しする方法
ギボウシ(フランシス ウィリアムス)は、夏の暑さに耐えますが強い日差しで葉焼けを引き起こしたり葉が枯れたり、また乾燥によっても同様の症状が出て株が弱る事があります。そのため必要に応じた夏越し対策が必要です。
ギボウシ(フランシス ウィリアムス)の夏越し対策
- 西日の当たる環境は【強い暑さ・強い日差し・乾燥】などの複合的なストレスがかかり、葉焼け(葉の先端や縁部分等が褐色に変色して萎れや落葉を招く症状)を引き起こしたり枯れたり萎れたりして株が弱る事があります。
- 鉢植えであれば西日の当たらない場所に移動します。
- 地植えであれば西日の当たらない場所に植えたり遮光ネットを利用したりしましょう。
- 乾燥が長く続くと株が弱る事があります。
- 特に鉢植えで育てている場合は、乾燥がより早くなるため、定期的に水やりを行いましょう。
播種で増やす
オオバギボウシの種蒔の方法
播種時期:2月~5月
発芽適温:約15度~20度
発芽日数:約
発芽条件:
種子は乾燥すると発芽率が落ちるため、種の採取後は袋の中に湿らせたバーミキュライトと種を入れて、2月から3月頃まで、冷蔵庫(約4度)に保管しておきます。
- 2月から3月になったら種まき用の培養土と種を撒くポットを準備します。
- もしくは直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上に薄く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。