クローバー(トリフォリウム)は属の中に約245種がありヨーロッパ及びアジア、北アフリカを原産とする多年草もしくは一年草か二年草です。一般に園芸では、様々な葉色がありグランドカバーとして広く利用されるシロツメクサ、直立する茎に真っ赤な花を咲かせ緑肥や草食動物の飼料としても使われる一年草のストロベリーキャンドル、また同様に緑肥や草食動物の飼料として使われ淡い桃色の花を咲かせる多年草のムラサキツメクサ等が親しまれます。
クローバー(トリフォリウム)は成長が早く丈夫なため種によっては侵襲的になり雑草化する場合があります。夏の暑さにやや弱く株が弱る事があるものの夏越しは容易で、また冬の寒さにもとても強いため育てやすい多年草です。
種毎の育て方は写真か育て方をクリックすると出てくるためそちらで確認して下さい。
このページでは種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を記載しています。
①シロツメクサ 開花時期:4月~6月 | ②ムラサキツメクサ 開花時期:5月~7月 |
③ストロベリーキャンドル 開花時期:4月~7月 | ④ルーベンス 開花時期:4月~7月 |
⑤オクロレウコン 開花時期:5月~7月 | ⑥バニーズ 開花時期:4月~6月 |
⑦コメツブツメクサ 開花時期:4月~6月 | ⑧クスダマツメクサ 開花時期:4月~6月 |
原産:アジア/ヨーロッパ
学名:trifolium repens
草丈:約5~15cm
分類:多年草
開花時期:4月~6月
花色:白色〇
葉色:緑色●赤色●桃色●紫色●黒色●灰色●白色〇
耐暑性:普通
耐寒性:強い
誕生花:5月9日/5月27日/6月17日
花言葉:「幸運」「約束」「復讐」「私を思って」
特徴:クローバー(シロツメクサ)は学名trifolium repens、一般的にクローバーというとこの種(T. repens)をさしていることが多く、別名「シロツメクサ(白詰草)」や「シロクローバー(white clover)」等とも呼ばれるアジア及びヨーロッパが原産の常緑多年草です。和名「シロツメクサ」の由来は、幕末の時代、オランダから長崎へと荷物(ガラス)が輸入される際に衝撃から荷物を守るため乾燥させたシロツメクサを緩衝材として敷き詰めていた事からきています。また属名のトリフォリウム(trifolium)はラテン語で「3」を意味するトレス(tres)と「葉」を意味するフォリウム(folium)の二語からなり、3つの葉の形に由来しています。種小名のレペンス(repens)はラテン語で「匍匐する/這う」を意味しており地面を匍匐する様に広がる草姿に由来します。
クローバー(シロツメクサ)の特徴(魅力)は、稀に見られる四葉のクローバーが幸せの象徴になっており贈り物にされたり宝物として大切に保管される所、旺盛に地面を広がり被覆してしまう高いグランドカバー能力、緑色の他にも赤色や紫色等の葉色がありカラーリーフとして足元を彩る所、踏圧に強く普段から歩く場所に植えて置いても問題ない所(むしろ葉柄が短くなり草丈が揃うかも…)、クローバーの花は丸くコロンとして可愛らしく蜜蜂や蝶々が沢山遊びにくる所、クローバーの葉は害虫にとってはバンカープランツになり益虫にとっては天敵から隠れる場所となり農薬を減らせる所等があり、またクローバーと共生する根粒菌が空気中の窒素を固定するため抄き込むと土が肥沃になる等の利点もあります。
一方で、クローバーは成長が早く丈夫な性質からガンガン広がって行くため、1部の園芸家等からは雑草として嫌われる事があります。何故なら芝生や他のグランドカバーの中に入り込むと取り除くのが大変だからです。
クローバー(シロツメクサ)の葉は通常3枚1組ですが、稀に4枚1組の場合もあり、これは「幸せの象徴」として押し花にして大切に保管されたり贈り物にされる習慣があります。またギネス記録では58個の葉がついたクローバーが記録されています。
クローバー(シロツメクサ)の茎は地面上を匍匐する様に這い、節からは不定根をだして制限なく広がっていきます。葉は楕円形で中央の葉柄を囲む様に並び、葉の基部にある白色の班が、全体を通して見ると輪紋状の美しい班となり現れます。
クローバー(シロツメクサ)の若葉は食用として利用出来ます。葉は生のまま食べる事はあまりおすすめしませんが、新鮮な葉を塩を軽く入れたお湯で5分から10分茹でておひたしとして食べたり、油で揚げて天ぷらにして塩をかけ食べたりされます。
また人間だけではなく、草食動物の飼料としても利用されています。クローバーは根粒菌との共生により窒素(栄養)を得るため窒素肥料を必要とせず、また葉には動物が必要とする沢山のタンパク質が含まれています。そのため牧草地では草食動物の飼料として重宝されています。
園芸では、赤色や紫色の美しい葉とコロンとした可愛らしい花を鑑賞する目的で育てられる事が多く、地面を広範に被覆するグランドカバーとして花壇の縁取りに利用されたり、普段歩く小道を彩るカラーリーフとして利用されたりしています。また寄せ植えの素材として利用される事もありますが、旺盛に成長するため一緒に植えた植物を圧倒する事もあるため注意が必要でしょう。
開花時期は春から初夏、花色は白色、個々の花は蝶形花で、花序は頂部で小花が球形に集まり総状花序に花を咲かせます。草姿は這性で節から出る不定根で際限なく広がり高さ約5(15)cm × 幅は約30(45)cmまで成長します。葉色は緑色や赤色、桃色や紫色、白色や黒色、灰色等があり、葉身は円形もしくは楕円形で小葉が集まり3出複葉して、葉序は互生葉序につきます。
クローバー(シロツメクサ)は株分けや種まきによって簡単に増やす事が出来ます。夏の暑さ冬の寒さに強く、手入れを殆どしなくても育てられる丈夫な多年草です。
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原産:西アジア/ヨーロッパ/北アフリカ
学名:trifolium pratense
草丈:約15~50cm
分類:多年草
開花時期:
花色:桃色●白色〇
葉色:緑色●白色〇
耐暑性:普通
耐寒性:強い
誕生花:4月18日
花言葉:「勤勉」「実直」「豊かな愛」「善良で陽気」
特徴:ムラサキツメクサは学名trifolium pratense、別名「アカツメクサ」や「レッドクローバー」とも呼ばれる西アジア及びヨーロッパ、北アフリカを原産とする多年草です。一般的なクローバー(シロツメクサ)と比較するとムラサキツメクサは茎が匍匐することなく直立して地面下にある地下茎によって広がります。また葉も細長く花色は桃色(赤紫色)です。
ムラサキツメクサもシロツメクサと同様にタンパク質を豊富に含んだ草食動物の優れた飼料作物として利用されたり、マメ科と共生する根粒菌(根に瘤が出来る)に空気中の窒素を植物が利用出来るアンモニアに変えてもらい、窒素が固定された所でムラサキツメクサを刈り土と混ぜ込むことで緑肥として利用されます。また園芸でも晩春から夏に咲く淡い桃色の花を鑑賞する目的で育てられます。
開花時期は春から初夏、花色は桃色もしくは白色、マメ科特有の蝶形花の小花を頂部で球形に総状花序に咲かせます。草姿は直立で地下茎により広がり高さ約15(50)cm × 幅は約10(30)cmまで成長します。葉色は緑色に白色の班が入り、小葉は細長く3出複葉して、花の直下のみ対生葉序で残りは互生葉序につきます。
ムラサキツメクサを緑肥として利用する場合は、早春に種を撒いた後に数ヶ月成長させ、開花直前に土壌にすき込みます。緑肥として利用しない場合も土壌を肥沃にする効果があり、また雑草を抑制(ムラサキツメクサが雑草化する場合もある)します。晩春から夏にかけては桃色の球形の可愛らしい花が見られロマンティックな雰囲気を作り、また蜜蜂等の重要な蜜源植物にもなります。
ムラサキツメクサは株分けや種まきによって簡単に増やす事が出来ます。夏の暑さ冬の寒さに強く、手入れを殆どしなくても育てられる丈夫な多年草です。
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原産:西アジア/ヨーロッパ
学名:trifolium incarnatum
草丈:約20~50cm
分類:一年草(多年草)
開花時期:4月~7月
花色:赤色●
葉色:緑色●
耐暑性:弱い
耐寒性:強い
誕生花:12月19日
花言葉:「善良」「人知れぬ恋」「煌めく恋」「素朴な可愛らしさ」「私を思い出して」
特徴:ストロベリーキャンドルは学名trifolium incarnatum、別名「ベニバナツメクサ」や「クリムソンクローバー」とも呼ばれる西アジア及びヨーロッパを原産とする一年草(多年草)です。一般的なクローバー(シロツメクサ)と比較するとストロベリーキャンドルはロゼットを形成して直立する茎を何本も伸ばし色鮮やかな赤色の円錐形の花を咲かせます。
ストロベリーキャンドルもシロツメクサと同様にタンパク質を豊富に含んだ草食動物の優れた飼料作物として利用されたり、マメ科と共生する根粒菌(根に瘤が出来る)に空気中の窒素を植物が利用出来るアンモニアに変えてもらい、窒素が固定された所でムラサキツメクサを刈り土と混ぜ込むことで緑肥として利用されます。また園芸でも晩春から夏に咲く色鮮やかな赤色の花を鑑賞する目的で育てられます。
開花時期は春から初夏、花色は赤色、マメ科特有の蝶形花の小花を頂部で円錐形に総状花序に咲かせます。草姿は直立で高さ約20(50)cm × 幅は約20(50)cmまで成長します。葉色は緑色、3出複葉して葉序は互生葉序につきます。
ストロベリーキャンドルは春から初夏にかけ真っ赤な花を沢山咲かせポップで明るいお庭の雰囲気を作ります。また花は蜜蜂等の重要な蜜源植物にもなり、花後は切り倒して根や茎葉を土にすき込む事で土壌が肥沃になり緑肥として働きます。
ストロベリーキャンドルは多年草ですが、日本では花後に株が弱り、また夏の暑さに弱いため秋に種を撒き花後、種が出来たら夏に枯れる一年草として扱われます。
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原産:ヨーロッパ
学名:trifolium rubens
草丈:約60cm
分類:多年草
開花時期:6月~8月
花色:桃色●白色〇
葉色:緑色●
耐暑性:普通
耐寒性:強い
特徴:トリフォニウム(ルーベンス)は学名trifolium rubens、別名「レッドフェザー クローバー(Red feather clover)」とも呼ばれるヨーロッパを原産とする多年草です。一般的なクローバー(シロツメクサ)と比較するとトリフォニウム(ルーベンス)は直立に茎が伸びて横への広がりが少ないコンパクトの草姿をしており、個々の葉は細長く3出複葉します。花は初夏から晩夏に咲き、蕾の時は白銀色の毛で覆われてフンワリとした見た目を作り、下から徐々に桃色の小花が咲く事でピュアで優しい雰囲気の花姿を見せます。
開花時期は初夏から晩夏、花色は桃色もしくは白色、マメ科特有の蝶形花の小花を頂部で球形に総状花序に咲かせます。草姿は直立で高さ約60cm × 幅は約40cmまで成長します。葉色は緑色、小葉は細長く3出複葉して葉序は互生葉序につきます。
トリフォニウム(ルーベンス)は地際から何本も枝を伸ばして群生する様にふさふさと生い茂り高さが60cm近くまで成長するため花壇では中央付近に植えて高さのアクセントとして使うと良いでしょう。初夏から晩夏に咲く淡く優しい雰囲気のある桃色の花はピュアで可愛らしいお庭によく合います。
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原産:ヨーロッパ
学名:trifolium ochroleucon
草丈:約60cm
分類:多年草
開花時期:5月~7月
花色:黄色●白色〇
葉色:緑色●
耐暑性:普通
耐寒性:強い
特徴:トリフォリウム(オクロレウコン)は学名trifolium ochroleucon、別名「硫黄クローバー(sulphur clover)」とも呼ばれるヨーロッパを原産とする多年草です。一般的なクローバーと比較して大きな花序を持つのが特徴で、クリームの小花が集まり球状に咲く花は直径約2~4cmの大きさになります。茎は直立して一般的なクローバーより細長い葉を3出複葉につけます。
開花時期は晩春から夏、花色は白色もしくは黄色、マメ科特有の蝶形花の小花を頂部で球形に総状花序に咲かせます。草姿は直立で高さ約60cm × 幅は約40cmまで成長します。葉色は緑色、小葉は細長く3出複葉して、葉序は互生葉序につきます。
トリフォリウム(オクロレウコン)は種まきによって増やす事が出来ます。夏の暑さにやや弱いものの冬の寒さに強く丈夫で育てやすい多年草です。
トリフォリウム(オクロレウコン) |
原産:西アジア/ヨーロッパ
学名:trifolium arvense
草丈:約10~40cm
分類:一・二年草
開花時期:4月~6月
花色:桃色●橙色●
葉色:緑色●
耐暑性:普通
耐寒性:強い
特徴:トリフォニウム(バニーズ)は学名trifolium arvense、別名「シャジクソウ」や「トリフォニウム・アルベンセ」や「ラビットフットクローバー」とも呼ばれる西アジア及び北ヨーロッパ原産の一・二年草です。猫じゃらしを思わせる様なセピア色の花は長く伸びる萼に密に長い毛が生える事で作られており、小花は長い毛(萼)に隠れて見えにくくなっています。直立もしくは匍匐する茎はよく分枝して春から初夏にかけノスタルジックな雰囲気が漂うセピア色のふわふわとした花を株を覆うように沢山咲かせます。またトリフォニウム(バニーズ)も一般的なクローバーと同様に、根粒菌(根に瘤が出来る)と共生して空気中の窒素を植物が利用出来るアンモニアに変えてもらう事が出来るため、花後に刈り土と混ぜ込むことで緑肥としても利用出来ます。
開花時期は春から初夏、花色は色褪せた桃色か橙色、マメ科特有の蝶形花の小花は毛が密に付いた長い萼に隠れており穂状に咲かせます。草姿は直立もしくは這性で分枝が良く高さ約10(40)cm × 幅は約10(40)cmまで成長します。葉色は緑色、小葉は倒披針形で3出複葉して葉序は互生葉序につきます。
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原産:ヨーロッパ
学名:trifolium dubium
草丈:約10~30cm
分類:一年草
開花時期:4月~6月
花色:黄色●
葉色:緑色●
耐暑性:普通
耐寒性:強い
花言葉:「お米を食べましょう」「小さな恋人」
特徴:コメツブツメクサは学名trifolium dubium、別名「コゴメツメクサ」や「キバナツメクサ」とも呼ばれるヨーロッパ原産の一年草です。一般的なクローバー(シロツメクサ)と比較するとコメツブツメクサは花や葉が小さく園芸的には鑑賞価値はやや劣ると考えられており、茎は非常に分枝がよく這う様に広がり時に直立して伸びて高さ約30cmまで成長します。また園芸的にはあまり魅力がなく雑草として扱われる事もあるコメツブツメクサですが、他のクローバーと同様にタンパク質を豊富に含んでおり草食動物の優れた飼料作物として利用されます。
開花時期は春から初夏、花色は黄色、マメ科特有の蝶形花の小花を頂部で球形に総状花序に咲かせます。草姿は這性もしくは直立して茎は分枝がよく高さ約10(30)cm × 幅は約30(50)cmまで成長します。葉色は緑色、小葉は倒卵形で3出複葉して葉序は互生葉序につきます。
コメツブツメクサは通常種によって増えていきます。夏の暑さに耐えますが花後に種をつけると株が徐々に弱り枯れていく一年草です。
原産:西アジア/ヨーロッパ
学名:trifolium campestre
草丈:約10~30cm
分類:一年草
開花時期:4月~6月
花色:黄色●
葉色:緑色●
耐暑性:普通
耐寒性:強い
花言葉:「小さな恋人」
特徴:クスダマツメクサは学名trifolium campestre、別名「ホップツメクサ」や「トリフォリウム・カンペストレ」とも呼ばれる西アジア及びヨーロッパ原産の一年草です。コメツブツメクサに非常に似ていますが、比較するとコメツブツメクサは花序の小花の数が5~15個と少ないですが、クスダマツメクサは花序の小花の数が20~40個と多く花も大きくなり装飾的です。またポンポンとした丸く可愛らしい花姿が「くす玉」や「ホップ」の花に似る事から和名の由来になっています。茎は非常に分枝がよく這う様に広がり時に直立して伸びて高さ約30cmまで成長します。園芸的にはあまり魅力がなく雑草として扱われる事もあるクスダマツメクサですが、他のクローバーと同様にタンパク質を豊富に含んでおり草食動物の優れた飼料作物として利用されます。
開花時期は春から初夏、花色は黄色、マメ科特有の蝶形花の小花を頂部で球形に総状花序に咲かせます。草姿は這性もしくは直立して茎は分枝がよく高さ約10(30)cm × 幅は約30(50)cmまで成長します。葉色は緑色、小葉は倒卵形で3出複葉して葉序は互生葉序につきます。
クスダマツメクサは通常種によって増えていきます。夏の暑さに耐えますが花後に種をつけると株が徐々に弱り枯れていく一年草です。
クスダマツメクサ |