マツヨイグサは属の中に約73種があり多くがメキシコ及び中央アメリカ、北アメリカを原産とする多年草もしくは二年草です。一般に園芸では桃色の花が美しく地下茎で広がりグランドカバーとしても利用出来るヒルザキツキミソウ、夜から朝にかけて直径約8cmの大きな黄色の花を咲かせるオオマツヨイグサ、開花期間の長いユウゲショウ等が親しまれます。
マツヨイグサは丈夫で育てやすい一方で、逸出しやすく痩せ地でも容易に繁殖して在来生物の環境を脅かす可能性があるため、育てる際は注意が必要です。
種毎の育て方は写真か育て方をクリックすると出てくるためそちらで確認して下さい。
このページでは種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を記載しています。
![]() 開花時期:6月~9月 | ![]() 開花時期:6月~9月 |
![]() 開花時期:5月~7月 | ![]() 開花時期:5月~10月 |
![]() ⑤ガウラ 開花時期:5月~11月 |
原産:北アメリカ
学名:Oenothera biennis
草丈:約100~150cm
分類:二年草
開花時期:6月~9月
花色:黄色●
葉色:緑色●
耐暑性:強い
耐寒性:強い
誕生花:6月21日
花言葉:「移り気」「浴後の美」「無言の恋」「ほのかな恋」
特徴:メマツヨイグサは学名Oenothera biennis、別名「雌待宵草」とも呼ばれる北アメリカ原産の二年草です。日本でも明治時代に輸入され観賞用に栽培されていたものが帰化しており、全国の空き地やあぜ道等の様々な場所で見かける事があります。メマツヨイグサは1年目は地面に葉を広げロゼットで過ごし、二年目に直立する茎を最大1.5m伸ばし直径約2~4cmの小さな黄色の花を穂状に咲かせ、花が終わり種を付けた後は枯れる二年草です。また花は他の多くのマツヨイグサの仲間と同様に夕方から夜に咲き翌日の朝になると萎れ始めます。
メマツヨイグサはオオマツヨイグサと非常に似るため比較される事がありますが、オオマツヨイグサは花の直径が約8cmと大きく茎に赤色の斑点が入る事があります。メマツヨイグサは2~4cm程度の小輪で、しばしば茎は赤みを帯び下から上に向かって白色の毛が生えます。またマツヨイグサと違いメマツヨイグサは花が萎んでも赤色になりません。
開花時期は初夏から初秋、花色は黄色、直径約2~4cmの花弁が4枚の小花を穂状花序に咲かせます。草姿はロゼット状で茎は直立して高さ約100(150)cm × 幅は約60(90)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は倒披針形もしくは楕円形、葉序は根出葉もしくは互生葉序につきます。
メマツヨイグサは春から初夏にかけて種を撒くことで増やす事が出来ます。育てる際は過湿に気を付ければ夏の暑さ冬の寒さに強く丈夫で育てやすい植物です。
![]() メマツヨイグサ |
学名:Oenothera glazioviana
草丈:約100~150cm
分類:二年草
開花時期:6月~9月
花色:黄色●
葉色:緑色●
耐暑性:強い
耐寒性:強い
誕生花:6月18日
花言葉:「ほのかな恋」「秘めた情熱」
特徴:オオマツヨイグサは学名Oenothera glazioviana、正確な起源は不明とされていますが、恐らく北アメリカからヨーロッパに渡り品種改良された雑種と考えられており、日本でも輸入され観賞用に栽培されていたものが荒地や痩せ地等でも容易に育つ事から逸出して帰化しています。オオマツヨイグサは1年目は地面に葉を広げロゼットで過ごし、二年目に直立する茎を最大1.5m伸ばし直径約8cmにもなる大きな黄色の花を穂状に咲かせ、花が終わり種を付けた後は枯れる二年草です。また花は夜に開花する習性がありますが、萼の基部にあるフィトクロムにより日没を感じとる事で夜に待ってましたとばかりに開花して翌日の午前中には多くの花が萎みます。
オオマツヨイグサはメマツヨイグサと非常に似るため比較される事がありますが、オオマツヨイグサは花の直径が約8cmと大きく茎に赤色の斑点が入る事があります。メマツヨイグサは2~4cm程度の小輪です。
開花時期は初夏から初秋、花色は黄色、直径約7~8cmの花弁が4枚の小花を穂状花序に咲かせます。草姿はロゼット状で茎は直立して高さ約100(150)cm × 幅は約30(60)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は倒披針形もしくは披針形、葉序は根出葉もしくは互生葉序につきます。
オオマツヨイグサは春から初夏にかけて種を撒くことで増やす事が出来ます。育てる際は過湿に気を付ければ夏の暑さ冬の寒さに強く丈夫で育てやすい植物です。
![]() オオマツヨイグサ |
原産:北アメリカ
学名:Oenothera speciosa
草丈:約20~50cm
分類:多年草
開花時期:5月~7月
花色:桃色●白色〇
葉色:緑色●
耐暑性:強い
耐寒性:強い
誕生花:9月2日
花言葉:「自由な心」「無言の愛」「奥深い愛情」「固く結ばれた愛」
特徴:ヒルザキツキミソウは学名Oenothera speciosa、別名「オエノセラ・スペシオサ」とも呼ばれる北アメリカ原産の多年草です。和名の由来は夜に開花するツキミソウと違い昼に開花する事に由来しており、学名の「speciosa」は派手を意味します。日本でも輸入され観賞用に栽培されていたものが荒地や痩せ地等でも容易に育つ事から逸出して帰化しています。
ヒルザキツキミソウは痩せた土壌でも容易に育ち、また地面下を地下茎で広がり、 直立する茎は比較的に背が低い事から園芸ではグランドカバーとしてよく利用されます。白色から淡い桃色の花はピュアでロマンティックな雰囲気があり、個々の花は寿命が通常1日~3日程度と短いため儚さを感じさせるでしょう。
開花時期は初夏から初秋、花色は黄色、直径約4~8cmの花弁が4枚の小花を総状花序に咲かせます。草姿は直立して地下茎により広がり高さ約20(50)cm × 幅は約30(50)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は倒披針形もしくは楕円形、葉序は互生葉序につきます。
ヒルザキツキミソウは春から初夏にかけて挿し木や株分けを行う事で一般的に増やされますが、播種によっても増やす事が可能です。育てる際は過湿に気を付ければ夏の暑さ冬の寒さに強く丈夫で育てやすい植物です。
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原産:メキシコ/北アメリカ
学名:Oenothera rosea
草丈:約30~45cm
分類:多年草
開花時期:5月~10月
花色:桃色●
葉色:緑色●
耐暑性:強い
耐寒性:強い
誕生花:7月22日
花言葉:「臆病」
特徴:ユウゲショウは学名Oenothera rosea、別名「アカバナユウゲショウ」や「ローズイブニングプリムローズ(rose evening primrose)」とも呼ばれるメキシコ及び北アメリカ(南部)を原産とする多年草です。日本でも明治時代に輸入され観賞用に栽培されていたものが帰化しており、全国の空き地やあぜ道等の様々な場所で見かける事があります。草姿はロゼット状で地面に葉を広げ、直立もしくは斜上する茎を何本も束生に出します。茎や葉は白色の短い毛で覆われて化粧している様であり、花は昼から夜にかけて開花する特徴があります。
開花時期は晩春から中秋、花色は桃色で花脈は濃い桃色、直径約1~1.5cmの花弁が4枚の花を咲かせます。草姿はロゼット状で茎は直立もしくは斜上して高さ約30(45)cm × 幅は約30(45)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は倒披針形もしくは披針形、葉序は根出葉もしくは互生葉序につきます。
ユウゲショウは株分けや種まきによって増やす事が出来ます。育てる際は過湿に気を付ければ夏の暑さ冬の寒さに強く丈夫で育てやすい植物です。やや侵襲的で逸出しやすいため花がらはしっかり摘み、種が広がらないように気をつけてください。
![]() ユウゲショウ |
原産:北アメリカ
学名:gaura lindheimeri
草丈:約30cm~150cm
開花時期:5月~11月
花色:桃色●赤色●白色〇
葉色:緑色●赤色●紫色●黄色●白色〇
分類:多年草
耐寒性:強い
耐暑性:強い
誕生花:6月9日
花言葉:「清楚」「負けず嫌い」「我慢できない」「行きずりの恋」
特徴:ガウラは学名oenothera lindheimeri(syn. gaura lindheimeri)、以前はガウラ属にありましたが2000年代初頭の研究により現在はマツヨイグサ属にあります。混乱を避ける為に同義語としてガウラ(gaura lindheimeri)も利用されており、また一般的に流通する際も以前から親しみのある「ガウラ」の名前で呼ばれています。また別名では「ハクチョウソウ(白蝶草)」や「リンドハイマー・ビーブロッサム(Lindheimer’s beeblossom)」等とも呼ばれ北アメリカを原産とする多年草です。和名「ハクチョウソウ(白蝶草)」の由来は花の形と風で揺れる姿が白い蝶々にみえる所からきています。また学名のガウラ(gaura)はギリシャ語で「素晴らしい」を意味する「gauros」に由来しており、種小名のリンドハイメリ(lindheimeri)は、この植物を発見したドイツ生まれの植物学者フェルディナンド・リンドハイマー(Ferdinand Lindheimer)への献名です。
ガウラの特徴(魅力)
- 蝶々を連想させる様な可憐な花姿
- 細い茎は風に吹かれると揺られ蝶々が飛び回る様な姿に見える
- 華奢に伸びる花の茎は葉が少ないため風通しがよくなる
- ↳また日光を通すため暗くならず明るい雰囲気をつくります
- 晩春頃から晩秋頃まで長く開花し続ける所
- 幾つかの品種では赤色(~紫色)の葉をカラーリーフとして利用出来る
ガウラは多年草(宿根草)です。温暖な地域では常緑な場合もありますが、基本的には冬に地上部の葉や茎は枯れてしまい、春になると株元から前年より沢山の新しい芽を出し戻ってきます。茎は細く地面から何本も伸び、また下部でよく分枝する事でドーム状に広がる草姿が作られます。
葉は細長く(1~9cm・幅0.1~1.3cm)、下部程大きくなり花序では葉の存在が殆どなく目立ちません。また幾つかの品種では赤色や紫色をした葉や、白色や黄色の班が入る葉もあり、カラーリーフとして楽しむ事も出来ます。
花は初夏から霜が降りるまで伸び続ける花の茎に、下から順々に白色の花を咲かせます。そのため、高性な品種では晩秋頃には高さが150cmに達する事もあるようです。また一般的には桃色の蕾から白色の花を咲かせますが、品種によっては桃色や赤色の花を咲かせる場合もあります。基本的には個々の3日程度の花持ちと短命です。
園芸では、一般的に蝶々の様な可憐な花を鑑賞する目的で育てられる事が多いですが、幾つかの品種ではカラーリーフを目的として育てられます。高性な品種では高さ幅ともに大きく育つため花壇の中央等に植えて高さと立体感を出すといいでしょう。また矮性品種では花壇の縁どりとして利用したり、鉢植えの中でコンパクトに育て玄関周り等に飾り楽しむといいでしょう。園芸品種には白色の花弁に桃色の覆輪が入り可愛らしい雰囲気をつくる「ピコティー」や、茎や葉が赤みを帯びてカラーリーフとしても楽しめる「ガウディ」等があり、それぞれお庭の雰囲気に合わせて品種を選ぶと良いでしょう。
開花時期は晩春から晩秋、花色は白色や桃色、赤色があり、個々の花は直径約4cmで4個の花弁(4数花)があり、花序は小花が穂状に集まり長さ10~80cmの穂状花序もしくは総状花序に花を咲かせます。草姿は直立でドーム状に広がり高さ約30(150)cm × 幅は約30(120)cmまで成長します。葉色は緑色で品種により赤色や紫色、黄色や白色があり、葉身は披針形で縁に粗く鋸葉があり、葉序は互生葉序につきます。
ガウラは一般的に挿し木や種によって増やされます。春に株分けでも増やす事が出来ますが、直根で難しく回復も遅いため避けた方が無難です。育てる際は基本的には夏の暑さや冬の寒さにも強く丈夫で育てやすい多年草です。
![]() ガウラ(ガンビット・バリエガータローズ)は甘いメロンを連想させるようなパステル調の柔らかな葉色(緑色・薄黄色)と、ベリーのソースを連想させる様な赤色の若葉が、カラーリーフとしての魅力もある園芸品種です。高さが150cmに達する事もある一般的なガウラと比べると高さが40cm程度までと非常に背が低いため鉢植えでも育てやすく、晩春から晩秋にかけての長く薄桃色の可愛らしい花も楽しめます。 | ![]() ガウラ(サマーエモーション)は高さが150cmに達する事もある一般的なガウラと比べると高さが40cm程度までと非常に背が低く鉢植えでも育てやすく、また白色の花の縁部分に入るピンクの覆輪がキュートでポップな雰囲気をつくる魅力的な園芸品種です。 (´・ω・)p楽天で購入q | ![]() ガウラ(フェアリーズソング)は高さが150cmに達する事もある一般的なガウラと比べると高さが40cm程度までと非常に背が低く鉢植えでも育てやすく、また甘いキャンディを連想させるような桃色の花と赤い茎が魅力の園芸品種です。 (´・ω・)p楽天で購入q |
![]() ガウラ(ピコティー)は白色の花弁の縁に桃色の覆輪が入り、まるで化粧をしたかのような可愛らしい花を咲かせる魅力的な園芸品種です。高さ約80cmまで成長します。 | ![]() ガウラ(ガウディ)は一般的なガウラと比べると高さが30cm程度までと非常に背が低く鉢植えでも育てやい所が魅力で、また葉色は濃い緑色で、若葉では赤色に染まりカラーリーフとしても楽しめます。 | ![]() ガウラ(クールブリーズ)は、一般的に蕾が赤みを帯びるガウラと違い、緑色の萼から真っ白な花を咲かせる園芸品種です。緑色と白色のみの優しい色合いは、ナチュラルで明るい雰囲気のお庭等によく合うでしょう。高さ約100cmまで成長します。 |
![]() ガウラ(チェリーブランデー)は、非常に濃い緑色の葉と薄ら桃色に染まる可憐な花が魅力的な園芸品種です。高さ約60cm × 幅は約60cmまで成長します。 | ![]() ガウラ(シスキューピンク)は、風が吹くと揺れる様な細く長い茎に咲く薄桃色の可憐な花が魅力の園芸品種です。高さ約60cm × 幅は約45cmまで成長します。 | ![]() ガウラ(ソーホワイト)は、一般的な種と比べると高さが45cmまでと非常に背が低くコンパクトな草姿をしており、赤みを帯びない蕾と真っ白な花が明るく清楚な雰囲気をつくる魅力的な園芸品種です。高さ約45cm × 幅は約30cmまで成長します。 (´・ω・)p楽天で購入q |
![]() ガウラ(リリポップピンク)は基部付近での枝分かれがとてもよくふんわりとしたボリュームある草姿をつくり、また高さ30cm程度と背が低いため鉢植えでも育てやすく、柔らかな桃色の花を咲かせる魅力的な園芸品種です。高さ約30cm × 幅は約30cmまで成長します。 (´・ω・)p楽天で購入q | ![]() ガウラ(スパークルホワイト)は桃色の蕾から白色の可憐な花を咲かせる園芸品種です。高さ約60cm × 幅は約60cmまで成長します。 | ![]() チカタバリエガータは純白の花と覆輪のある葉が特徴です。草丈は約80cmまで成長する。 (´・ω・)p楽天で購入q |
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![]() オエノセラ・マクロカルパは学名Oenothera macrocarpa、北アメリカ南部及びメキシコ原産の多年草です。開花時期は初夏から初秋、直径約7~10cmの黄色の花を茎頂に午後遅くから翌日まで咲かせます。高さ約30cm × 幅は約45cmまで成長します。 | ![]() キダチマツヨイグサは学名oenothera fruticosa、別名「オエノセラ・フルティコーサ」とも呼ばれる北アメリカ原産の多年草です。開花時期は初夏から晩夏、直径約2~5cmの黄色の小花を総状花序に咲かせます。高さは約50cm × 幅は約60cmまで成長します。 |