アマランサス(ヒユ)は属の中に約92種があり、園芸でも様々な種と品種が親しまれています。このページでは3種類の原種と、幾つかの園芸品種等を紹介しています。
上記の他にも、このページでは育て方へのリンクや購入方法のリンクなども用意しているため、そちらもよければご活用下さい。
■目次
■アマランサス(ヒユ)の主な種と園芸品種の紹介
ハゲイトウ
ハゲイトウとは!
ハゲイトウの学名は Amaranthus tricolor 、別名では「アマランサス・トリコロール」「エディブル・アマランサス(edible amaranth)」「チャイニーズ・アマランサス(Chinese amaranth)」「チャイニーズ・スピニッチ(Chinese spinach)」等とも呼ばれる一年草です
ハゲイトウの原産地は熱帯アジアにあり、自生地は人の手が入った荒れ地や耕作地などにあります。
ハゲイトウの特徴
- 近縁種との比較:ハゲイトウは他の近縁のアマランサスの種と比べて幾つかの個性的な特徴をもってます。例えば、葉の色が夏頃までは緑色ですが夏の終わり頃からは緑色・紫色・黄色・赤色・桃色の複色に変化する所、葉の中に複数の色が帯状に並ぶためカラフルな見た目をしている所、多くのアフリカとアジアでは茎・葉を食用として利用している所などにあります。
- 花の特徴:花序は穂状花序が腋生または頂生する。アジアなどでは食用として利用される事もありますが、鑑賞価値はほとんどないため、栽培品種では葉を鑑賞する目的で花房を小さくされているものも多く、花はあまり見られない。
- 葉の特徴:葉の色は夏頃までは緑色をしていますが、夏の終わり頃になると緑色の他に紫色・黄色・赤色・桃色の色が加わります。そのため、秋頃の株は茎の上部だけ葉の色がカラフルになる。葉の色の変化は個体差がありますが、一般的に葉の基部から帯状に複数の色が重なるためカラフルな見た目になります。
- 草姿:直立型になり主軸がハッキリとして直立しており、また分枝がほとんどない。
- カラーリーフ:葉の色は紫色・黄色・赤色・桃色とバリエーションが非常に豊富にあり、基本的に色がハッキリとしています。そのため、色をテーマにするカラフルなお庭などによくあいます。
- 花壇の背景:ハゲイトウは品種により草丈が120cmまでになり、直立して高さを出すことが出来ます。そのため、花壇の背後に植えると立体感のある美しい背景を作り出したり、また花壇の中に植える事で高低差や奥行きを感じさせる立体的な植栽を楽しむことが出来ます。
- 寄せ植え:ハゲイトウの株は行儀よく直立するため、複数の植物とも組み合わせがしやすいです。そのため、花壇・植木鉢の中で形態の異なる様々な植物を組み合わせて美しくデザインしながら楽しむこともできます。
- 苗の増殖:種子から簡単に苗を増やせるため、広い面積の花壇や庭を埋めるのに役立ちます。
- 食用:アジアやアフリカでは茎・葉を炒めたり蒸したりして調理野菜として利用されます。
ハゲイトウの園芸品種の紹介
クオドリカラー
学名:Amaranthus tricolor cv.
葉の色:緑色・黄色・赤色
草丈:約100cm
備考:夏から秋にかけて葉の色が複色になり、緑色・赤色・黄色の範囲で複色になる。そのため、カラフルで元気の良い見た目のカラーリーフとして楽しめます。
モルテン ファイヤー
学名:Amaranthus tricolor ‘molten fire’
葉の色:濃い緑色(黒色)・赤色(赤ピンク色)
草丈:約120cm
備考:葉の色は黒色・赤色の2色からなり、夏頃になると茎の上部に赤色の葉があられます。そのため、夜に燃え上がる炎のような葉姿が楽しめる品種です。また若い葉は食用として利用されています。
スギモリケイトウ
スギモリケイトウとは!
スギモリケイトウの学名は Amaranthus cruentus 、別名では「アマランサス・クルエンタス」「ブラッド・アマランサス(blood amaranth)」「レッドアマランサス(red amaranth)」等とも呼ばれる一年草です。
スギモリケイトウの原産地はメキシコから中央アメリカにあり、自生地は人の手が入った荒れ地や耕作地や道端などにあります。
スギモリケイトウの特徴
- 近縁種との比較:スギモリケイトウは他の近縁のアマランサスの種と比べて幾つかの個性的な特徴をもってます。例えば、花序は穂状花序が総状に集まり円錐形のボリューム良い花姿になる所、花の色が赤色・赤紫色をしていて華やかで装飾性が高い所、葉の色が品種により赤色・紫色をしている所、アメリカでは葉・種が食用として利用されている所などにあります。
- 花の特徴:花序は穂状総状花序で、花軸の節ごとに穂状花序が総状に配置されている複合花序になる。穂状花序の向きは直立・斜上してやや湾曲して垂れる事があります。ただしヒモゲイトウのようには垂れず、花の色は赤色・赤紫色をしている。
- 花の装飾性:花穂は円錐状に集まり非常にボリュームが良いため豪華な花房になり、また赤色・赤紫色の花が派手さや女性的な上品さを感じさます。
- 草姿:直立型で主軸がハッキリとしていて茎は直立している。
- フラワーアレンジメント:花は乾燥後も色褪せと型崩れがほとんどなく美しい外観を保ち続けます。そのため、切り花として楽しまれたり、ドライフラワーにしてスワッグやリース等のアレンジメントの素材として利用される事が多いです。
- 花壇の背景:ハゲイトウは個体差や品種により草丈が200cmまでになり、直立して高さを出すことが出来ます。そのため、花壇の背後に植えると立体感のある美しい背景を作り出したり、また花壇の中に植える事で高低差や奥行きを感じさせる立体的な植栽を楽しむことが出来ます。
- カラーリーフ:葉の色は緑色の他、品種を選べば赤色・赤紫色の葉色も楽しめます。そのため、開花期以外もカラーリーフとして高級感やラグジュアリーな印象を感じさせたり、魅惑的な印象を感じさせたりして、お庭を彩ることが出来ます。
- 苗の増殖:種子から簡単に苗を増やせるため、広い面積の花壇や庭を埋めるのに役立ちます。
- 食用:北アメリカや中央アメリカでは種子や葉が食用に利用されています。種子は穀物として利用されており、お粥にして食べられたり、小麦粉のように挽いて利用されたりします。また葉はほうれん草のように調理されて食べられることが多いです。
スギモリケイトウの園芸品種の紹介
ホットビスケット
学名:Amaranthus cruentus ‘hot biscuits’
花の色:薄い橙色
葉の色:緑色
草丈:約100~150cm
備考:花の色がビスケットを想像させるような色合いをしており、可愛らしさを感じさせる品種です。
ベルベットカーテン
学名:Amaranthus cruentus ‘velvet curtains’
花の色:赤色・赤紫色
葉の色:赤色・赤紫色
草丈:約100~150cm
備考:葉の色が赤色・赤紫色をしているため開花期以外も高級感やラグジュアリーな雰囲気を感じさせるカラーリーフとして楽しめる。また赤紫色の花も大きく豪華で、お庭を華やかに彩ります。
ヒモゲイトウ
ヒモゲイトウとは!
ヒモゲイトウの学名は Amaranthus caudatus 、別名では「アマランサス・カウダツス」「チャイニーズ・スピニッチ(Chinese spinach)」「フォックステイル・アマランサス(foxtail amaranth)」「ペンダント・アマランサス(pendant amaranth)」「ラブライズ・ブリーディング(love-lies-bleeding)」等とも呼ばれる一年草です。
ヒモゲイトウの原産地はアルゼンチン・ボリビア・エクアドル・ペルーにあり、自生地は人の手が入った荒れ地や耕作地や道端などにあります。
ヒモゲイトウの特徴
- 近縁種との比較:ヒモゲイトウは他の近縁のアマランサスの種と比べて幾つかの個性的な特徴をもってます。例えば、花序の形状は紐状で地面に向かい垂れ下がる所、花軸に配置される複数の穂状花序が垂れ下がり咲くためボリューム感のある花姿が楽しめる所、茎は直立して花序の付近で湾曲して下向きに変わる所、南米などの一部の地域では葉・種が食用として利用されている所などにあります。
- 花の特徴:花序は穂状総状花序で、穂状花序が総状に配置されている複合花序になる。穂状花序は長さが90cmに達する事があり、地面に向かい垂れ下がり、花の色は鮮やかな赤色をしている。
- 花の装飾性:花穂は地面に向かい長く垂れ下がるため、自由で優雅な印象を感じさせる花姿となり、また鮮やかな赤色の花が派手で華やかな印象を感じさます。日本ではあまり見られないエキゾチックな花姿が、お庭の中にトロピカルな雰囲気をつくりだします。
- 草姿:直立型で主軸がハッキリとしていて茎は直立しており、花序の手前付近で茎は湾曲して花穂を垂れ下がらせます。※茎は倒伏しやすい傾向があるため、栽培時は支柱などを利用して倒れないようにした方がよいでしょう。
- 苗の増殖:種子から簡単に苗を増やせるため、広い面積の花壇や庭を埋めるのに役立ちます。
- その他の用途:南米やインド等では葉や種を食用として利用されています。また動物飼料として種・茎・葉が利用されます。
ヒモゲイトウの園芸品種の紹介