原産:ヨーロッパ
科:アブラナ(Brassicaceae)
属:イベリス(Iberis)
種:アマラ(amara)
別名:ワイルド・キャンディタフト(wild candytuft)/ロケット・キャンディタフト(rocket candytuft)/ビター・キャンディタフト(bitter candytuft)
開花時期:4月~7月
花の色:白色〇桃色●紫色●
葉色:緑色●
分類:一年草
草丈:約10~30cm
誕生花:3月15日
花言葉:「甘い誘惑」「初恋の思い出」「心をひきつける」
用途:グランドカバー
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
イベリス(アマラ)とは!?
イベリス(アマラ)は学名Iberis amara、別名では「ビター・キャンディタフト(bitter candytuft)」や「ワイルド キャンディタフト(wild candytuft)」とも呼ばれるヨーロッパ原産の一年草です。
イベリス(アマラ)の語源(由来)
- 属名のIberisは古代ギリシャ語の「ἰβηρίς(ibērís)」に由来します。
- 種小名のamaraは「苦い」を意味しており食べると苦い事に由来します。
- 英名のビター・キャンディタフト(bitter candytuft)は、口に入れると「bitter(苦い)」「candytuft(イベリス)」を意味しています。
- ↳キャンディタフトはカンディア(Candia)から持ち込まれた、房状の花(tuft)をもつ植物を意味しており、カンディア(Candia)とはクレタ島の事です。
イベリス(アマラ)の特徴(魅力)
- イベリス(アマラ)は一年草タイプです。
- ↳花が完全に終わる8月頃になると株はボロボロとなり徐々に枯れていきます。
- イベリス(アマラ)の茎は直立して上部で分枝して半球状の花を沢山咲かせます。
- ↳花色は清潔感のある白色の花の他にも上品な雰囲気ある紫色の花やロマンチックな雰囲気のある桃色の花があります。
- 花の形は小さな花が茎の頂部で半球状に密に集まります。
- ↳個々の花は不均一な花弁で構成されており外側の花弁が大きいです。
- 花には心地よい甘い香りがありますが苦い味があり
- ↳種小名や英名の由来にもなっています。
- 種から容易に育つため大量植栽出来ます。
イベリス(アマラ)の茎は直立で上部で分枝して、高さ約15(~30)cmの間で成長します。葉は茎に対して互生葉序に配置され、葉色は緑色、葉身は長さ約2(~6)cm幅は約0.5(~1.5)cmの倒披針形もしくはヘラ形をしています。花序は茎の上部に花が密に集まる総状花序で、個々の花は白色もしくは桃色か紫色があり、花冠は4個の花弁(外側の2個が長く内側の2個は短い)と、6個の雄蕊と1個の雌蕊があります。
開花時期は春から夏、花色は白色や桃色、紫色があり、個々の花は花弁4個(長い花弁2個と短い花弁2個)と内部に雄蕊6個と雌蕊1個があり、花序は総状花序に咲きます、草姿は直立して高さ約10(30)cm × 幅は約10(20)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身はヘラ形もしくは倒披針形、葉序は互生葉序につきます。
イベリス(アマラ)の栽培方法
イベリス(アマラ)を育てる際に注意する事は「ジメジメとした多湿」です。基本的には乾燥に強く肥料も殆ど必要としないため、理想的な環境では放ったらかしで育てる事も出来ますが、長雨等でジメジメした環境が続くと多湿で枯れてしまう事もあります。そのため長雨に当たらない様にしたり、土壌の排水性を高めておくなどの対策も必要になるでしょう。
イベリスの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
イベリスの珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種の紹介【2022】
イベリス(アマラ)の育て方
花壇の土づくり
イベリス(アマラ)は日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。ただし暑さの厳しい地域では、暑さや乾燥を避けるため西日の当たらない半日影で育てた方がよい事もあります。植える場所は地域に合わせて直射日光が6時間以上当たる日向もしくは、午前中のみ日が当たる半日影で育てましょう。
イベリス(アマラ)は排水性と通気性が良い砂質の砂壌土を好みます。一方で浸水したり水分が停滞するような多湿環境では根腐れを引き起こし株が弱りやすいため注意が必要でしょう。
植付けの前に土壌診断を行い、土質が悪い場合は必要に応じて通気性を高めるパーライトや軽石等を入れ、肥沃さと膨軟性を高める堆肥等の改良用土を入れて土壌を改善するといいでしょう。
鉢土づくり
イベリス(アマラ)は日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため、基本的には直射日光が6時間以上あたる日向で管理しましょう。ただし夏場などは乾燥対策等もかねて日陰に移動してください。
培養土は一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
培養土の例
- 赤玉土4割+腐葉土4割+パーライト2割+元肥
水やりの仕方
イベリス(アマラ)は乾燥にとても強く、水やりの頻度は低めです。水分が長く停滞している様な土壌では容易に根腐れを起こす事もあるため注意が必要です。
水やりは土の状態を見ながら、土の表層が乾燥してきたタイミング(指先を土にさして乾燥を確認)で行い、土壌中の古い空気と新鮮な空気が入れ替える程にたっぷり与えましょう。
肥料の与え方
イベリス(アマラ)は基本的には肥料を必要としませんが、必要に応じて春に肥料を与える事も出来ます。
肥料の与え方
- 肥料を与える時期は早春です。
- 肥料はリンの成分が多く窒素の成分が少ない、緩効性肥料を置き肥しましょう。
- 春以降の追肥は不要です。
剪定のやり方
イベリス(アマラ)の剪定は開花後に必要に応じて行います。
イベリス(アマラ)は鉢植えや花壇の縁部分から枝垂れる草姿を鑑賞する目的で育てられる事もあるため一概には言えませんが、開花後に茎が間延びしやすいため、必要に応じて株の3分の1程度を切り戻ししましょう。
夏越しする方法
イベリス(アマラ)は夏の暑さや長雨等によるジメジメとした多湿環境が苦手です。
イベリス(アマラ)夏越し対策
- 暑さ乾燥対策として日向にある場合は西日の当たらない半日影に移動すると良いでしょう。
- 地植えする場合は雨にあたりにくい場所に植えてあげるのも1つの対策です。
- 鉢植えで育てている場合は軒下等に移動して雨に当てない工夫をするといいでしょう。
- 土壌の排水性を高め水分が停滞しないようにしておく事も大切です。
冬越しする方法
Hardiness:6b~9a
イベリス(アマラ)は耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。
挿し木や株分けで増やす
イベリス(アマラ)は挿し木や株分けによって増やす事ができます。
イベリス(アマラ)の挿し木手順
- イベリス(アマラ)の挿し木時期は生育が活発で発根力が高い晩春から夏が適します。
- ↳秋から冬の時期に行うと発根しにくいため成功率が下がります。
- 挿し穂は今年成長した部分を利用します。
- ↳長さ5~10cmでカットしましょう。
- 上部の葉を残して下部の葉を取り除きます。
- 挿し穂を湿らせた培養土に挿して下さい。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりをしっかり行い管理しましょう。
播種で増やす
イベリス(アマラ)の種蒔の方法
播種時期:9月~10月
発芽適温:約20度
発芽日数:14~21日
発芽条件:
イベリス(アマラ)の種まき手順
- 種まき時期を確認
- 種まきは3月~5月または9月~10月に行います。また種を撒く前に温度計(土壌テスターなど)を使うと発芽の失敗が減ります。
- 屋内で種を撒いたり、温床装置を使ったり、マルチシートを使ったりする事で、まきどきよりも早く種を撒く事も可能です。
- 植える場所を準備する
- 根は直根性のため花壇またはプランターに直植えする方が良いでしょう。倍土はバーミキュライトとパーライトを等量で配合した用土を作るか、種まき用の培土を利用しましょう。
- 移植栽培をしたい場合は根が傷つきにくい紙製のポット(ピートポット・不織布育苗ポット・ジフィーセブン)を利用して、根が回る前に早めに目的の場所に定植した方が良いでしょう。
- 種を撒く
- 種の撒き方は花壇に撒く場合は「すじまき」か「バラまき」プランターや紙製のポットに撒く場合は「点まき」です。
- ばら撒きは、土の上に概ね均一に広がるように、種をパラパラと撒きます。種を撒いたら、ふるい等を使って上から薄く土を被せましょう。上から指で軽く培土を押して鎮圧※すると種の吸水がよくなります。
- すじまきは、土の上に直線状の溝をつくります。溝の深さは数mm程度です。種を溝の中に1cm間隔位で置いていきます。種を溝の中に入れたら、溝の両側にある土を寄せて、覆土して、上から指で軽く押して鎮圧※します。
- 点まきは、種を埋めたい箇所に種を埋めたい数(1~5)だけ穴を数mm程度あけます。穴をあけたらその中に種を入れて、薄く覆土して、上から指で軽く押して鎮圧※します。
- 発芽までの管理
- プランターなどで栽培する場合は、発芽まで軒下などの雨が当たらない風通しのよい半日影で、害虫の被害が出ないように台の上で管理した方が良いでしょう。
- 1度吸水した種が乾燥すると、発芽率が極端に落ちるため、乾燥しないように水やりをしっかりと行ってください。
- 子葉が展開したら
- 植物に合わせて日向または半日陰で管理しましょう。またナメクジ等の害虫の被害が出ないように台の上で管理した方が良いでしょう。
- 発芽して子葉を展開したら、生育が一番いい苗を残して、周りにある他の苗をハサミで根元から切り取ります。
- 移植栽培をしている場合は、子葉が展開した段階、または本葉が2~4枚でて移植出来るようになったら、花壇やプランターに定植します。移植が遅れると直根が傷つき生育不良になるおそれがあります。
- 本葉が展開したら
- 本葉が展開したら種の中にある養分では丈夫に成長出来ないため、肥料を与えます。
- 肥料は1~2週間に1度の頻度で液肥を与えるか、または緩効性肥料を置き肥しましょう。
※鎮圧とは、種を撒いた後に手・足・鎮圧ローラーなどを利用して、種の上から軽く加圧を加えて、種と土の密着度を上げる事です。鎮圧を行う事で土の中の水分が種に吸収されやすくなり、発芽率が格段に向上します。
植物の病気
イベリス(アマラ)の病気
- うどんこ病
- 灰色カビ病
イベリス(アマラ)の害虫
- アブラムシ