原産:ヨーロッパ/西アジア/北アフリカ
科:レンプクソウ(Adoxaceae)
属:ニワトコ(Sambucus)
種:セイヨウニワトコ(nigra)
英名:エルダーフラワー(elderflower)
別名:サンブカス・二グラ/エルダー(elder)/エルダーベリー(elderberry)/ブラック・エルダー(black elder)/ヨーロピアン・エルダー(European elder)(エルダーベリー)
品種:ゴールデンタワー(Sambucus nigra ‘golden tower’)
開花時期:4月~6月
花の色:白色〇
葉色:黄色●
香り:花
分類:落葉低木
草丈:約300cm
誕生花:
花言葉:
用途:カラーリーフ/背が高い花/香りが良い
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
セイヨウニワトコ(ゴールデンタワー)とは!?
セイヨウニワトコ(ゴールデンタワー)は他の一般的な種よりも横への広がりが少なく「タワー」の様な洗練された樹形をしており、また細かく裂ける葉は細長い形で、色鮮やかな黄色の葉色は花のない時期もカラーリーフとして楽しめる魅力的な園芸品種です。
開花時期は春から初夏、花色は白色、個々の花は花弁が5個あり、花序は多出集散花序に花を咲かせます。樹形は直立で枝はアーチ状に広がり高さは約300cm × 幅は約100cmまで成長します。葉色は黄色(~黄緑色)、葉身は1~2回羽状複葉して小葉は楕円形もしくは卵形で 縁部分に鋸歯があり、葉序は対生葉序につきます。
エルダーフラワー(セイヨウニワトコ)とは!?
エルダーフラワー(セイヨウニワトコ)は学名Sambucus nigra、別名では「サンブカス・二グラ」や「ブラック・エルダー(black elder)」等とも呼ばれるヨーロッパ及び西アジア、北アフリカが原産の落葉低木もしくは小高木です。
エルダーフラワー(セイヨウニワトコ)の語源(由来)
- 属名のSambucusはアジア起源の古代の弦楽器の「サンブーカ(sambuca)」に由来します。
- 種小名のnigraは「黒色」を意味しており、果実の色に由来しています。
- 和名のセイヨウニワトコの由来は「西洋(セイヨウ)」からきた「ニワトコ」を意味しています。
- ↳ニワトコ(庭常)の由来は薬用として「庭」に「常」に植えられていた事からきています。
エルダーフラワー(セイヨウニワトコ)の特徴(魅力)
- エルダーフラワーは成熟すると高さ約400~600cmの間で成長しますが
- ↳一般的には毎年剪定されるためそれよりも遥かに背が低くなります。
- エルダーフラワーの葉は複葉と呼ばれる形をしていて多数の小葉が集まる装飾的な形をしています。
- ↳葉色は品種によって緑色の他にも黒色や黄色等があります。
- ↳そのため重厚感あるお庭には黒葉を選んだり明るいお庭等にはイエローリーフを選んだり出来ます。
- エルダーフラワーの花の香りは1mの範囲に漂う強烈な甘い香りがあり
- ↳花の香りは「猫の尿」に例えられる事があります。
- エルダーフラワーの花は直径約0.8cmの小さな花が集まり直径約10(20)cmの大きな花(花序)を咲かせます。
- 花色は一般的に清潔感を感じさせる白色の花を咲かせますが
- ↳ロマンチックな雰囲気を感じさせる桃色の花もあります。
- エルダーフラワーの果実は食用のためジャムやゼリー等にして食べられます。
- ↳ただし生の果実はやや有毒のため調理(熱)して毒素をぬく必要があります。
エルダーフラワー(セイヨウニワトコ)の茎は若い茎は緑色で成熟すると樹皮の色は灰色になります。樹形は単幹もしくは株立ち状で枝はアーチ状に広がり高さは平均して約400~600cmの間で成長しますが、稀に1000cmに達する事があります。葉は茎に対して対生葉序に配置され、葉色は緑色で品種により黒色や黄色、葉身は1~2回羽状複葉して、小葉は卵形もしくは楕円形をしていて縁部分に鋸歯があります。花序は長さ約10~20cmの半球状の多出集散花序になり、個々の花は直径約0.5cmで白色の花弁が5個と黄色の雄蕊5個があります。花後の果実(核果)は直径約0.6(~0.8)cmの球形で色は成熟するにつれて緑色・赤色・黒色へと変わり光沢があります。
エルダーフラワー(セイヨウニワトコ)の毒性(既知の危険性)
エルダーフラワー(セイヨウニワトコ)は果実の部分が調理されジャムやゼリー、フルーツワインの製造等に利用されています。しかし調理されていない果実はやや有毒であり、果実以外の部分も全草有毒のため注意が必要です。
何故ならエルダーフラワーには青酸配糖体(sambunigrin)やレクチン、アルカロイド等が含まれており、生のまま摂取した場合は「嘔吐」「吐き気」「下痢」等の中毒症状を引き起こす可能性があるからです。また大量に摂取した場合は深刻な病気を引き起こす可能性もあります。
エルダーフラワー(セイヨウニワトコ)の毒素は調理(熱)により取り除く事が出来るため、ジャム等に加工した後で食べる事ができます。
エルダーフラワー(セイヨウニワトコ)の栽培方法
園芸では、エルダーフラワーの大きくボリュームある花や装飾的な果実を楽しむ目的だったり、幾つかの品種で見られる黒葉やイエローリーフを楽しむ目的で育てられる事が多く、高さ幅共に非常に大きく成長する事からお庭の印象を決める景観植物ともなります。
園芸品種には、重厚感のある黒葉と可愛らしい桃色の花がゴシック調の雰囲気をつくるブラックレースや、鮮やかなイエローリーフが明るくポジティブな雰囲気をつくるゴールデンタワー等があるため、作りたいお庭の雰囲気に合わせて園芸品種を選ぶといいでしょう。
エルダーフラワー(セイヨウニワトコ)を育てる際に注意する事は「強い乾燥」です。何故ならエルダーフラワーは根が浅いため、乾燥を苦手にしており、やや湿り気のある土壌を好むからです。そのため有機物のしっかり入る保水性ある土壌に植えてあげる必要があり、また暑さの厳しい地域などでは日向を避けて西日の当たらない半日影等に植えてあげる方がよいでしょう。
ニワトコの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ニワトコの珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種の紹介【2021】
セイヨウニワトコ(ゴールデンタワー)の育て方
花壇の土づくり
セイヨウニワトコ(ゴールデンタワー)はややや湿り気のある土壌を好み乾燥を嫌うため、育てる場所は午前中のみ日が当たり午後から日陰になる様な半日影が理想です。必要に応じて水やりをしっかり行う場合は直射日光が6時間以上当たる日向でも育てれます。
セイヨウニワトコ(ゴールデンタワー)は幅広い土壌で育つ事が出来ますが、基本的には有機物が豊富に入る肥沃な土壌で、通気性のよい土を好みます。
植付けの前に土壌診断を行い、必要に応じて水捌けをよくするパーライトや川砂、肥沃さや膨軟性をあげる黒土や腐葉土等を入れて土壌を改善するといいでしょう。
鉢土づくり
セイヨウニワトコ(ゴールデンタワー)は直射日光が3時間から5時間当たる半日影もしくは、直射日光が6時間以上当たる日向で管理しましょう。
培養土は通気性と保水性のバランスが良く肥沃な培養土を好みます。自作する場合は通気性が良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
培養土の例
- 赤玉土6割+バーク堆肥4割+元肥(適量)
水やりの仕方
セイヨウニワトコ(ゴールデンタワー)は根が浅い所にあり、乾燥を苦手にしています。そのため、やや湿り気のある土壌を好みます。
水やりの頻度は環境(植える場所や土質)にも左右されますが、基本的には土の表面が乾いてきたタイミングで行うといいでしょう。
肥料の与え方
セイヨウニワトコ(ゴールデンタワー)は有機物がしっかり入る肥沃な土壌であれば肥料がなくても育ちますが、肥料を与える事で沢山の花や果実をつける様になります。
肥料の与え方
- 肥料を与える時期は早春から春です。
- 土質を改善する堆肥を入れて、N10・P10・K10の有機肥料もしくは緩効性肥料を与えましょう。
- 春以降の追肥は不要です。
剪定のやり方
セイヨウニワトコ(ゴールデンタワー)は剪定しなくても育てられますが、花や果実を沢山つけたい場合は剪定が行われます。
何故なら、1年目は地面から直立に幹を長く伸ばし幾つかの花と果実をつける成長をして、2年目に幹から沢山の枝を伸ばして最も沢山の花と果実をつけるようになり、3年目以降は成長の勢いが衰え花や果実の生産が少なくなるからです。
セイヨウニワトコ(ゴールデンタワー)の剪定手順①
- セイヨウニワトコの剪定時期は晩冬から早春の休眠期間に行います。
- 剪定は全ての茎(幹・枝)を地際から強く切り戻します。
- ↳3年スパンの剪定よりも収量が20%減ると言われています。
セイヨウニワトコ(ゴールデンタワー)の剪定手順②
- セイヨウニワトコの剪定時期は晩冬から早春に行います。
- 剪定はまず枯れたり弱々しく生産が見込めないと思われる不要な茎を根元から取り除きます。
- 次に3年以上経過した茎(幹)を根元から間引きしましょう。
- 1~2年目の茎は残しておきます。
夏越しする方法
セイヨウニワトコ(ゴールデンタワー)は夏の暑さに耐えますが、乾燥を苦手にしています。
セイヨウニワトコ(ゴールデンタワー)の夏越し対策
- 夏の暑さの厳しい地域では、乾燥対策として西日の当たらない半日影で育てた方がいいでしょう。
- 地面が乾燥するのを防ぐために腐葉土等で株元をマルチングするのも対策になります。
- 地植えしたものでも土の表面が乾燥してきたらしっかり水やりを行います。
- ↳鉢植えで育てている場合は、より乾燥が早いため注意が必要です。
冬越しする方法
Hardiness:5b~8a
セイヨウニワトコ(オーレア)は耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。翌年の成長に備えて堆肥や有機質肥料を与えておくと良いでしょう。
挿し木や株分けで増やす
セイヨウニワトコ(オーレア)は挿し木によって増やす事ができます。
挿し木
セイヨウニワトコ(オーレア)の挿し木は冬から早春にかけて充実した枝で行う冬の挿し木と、初夏から夏にかけて半熟枝で行う夏の挿し木がありますが、今年開花しなかった半熟枝で行う挿し木が発根が早く最も容易に行えます。挿し穂の長さは約10~20cm、その時に植物ホルモンが集中している節の少し下で、切り口を斜めにすると成功率が上がります。切り口に発根ホルモンを付けたら湿らせた培地に挿して、土壌が完全に乾燥しない様に管理しましょう。
播種で増やす
エルダーフラワー(セイヨウニワトコ)の種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
エルダーフラワー(セイヨウニワトコ)の病気
エルダーフラワー(セイヨウニワトコ)の害虫