ニワトコは属の中に約11種がありますが、一般に園芸で親しまれている種は幾つかの種とその園芸品種です。例えば、黒色の果実が果実酒やジャム等に利用され幾つかの品種に黒葉やイエローリーフがあるエルダーフラワー、真っ赤な果実と幾つかの品種で見られるイエローリーフが魅力的なセイヨウアカミニワトコ等が親しまれています。
ニワトコ属の種ごとの育て方は写真か育て方をクリックすると出てくる為よかったらそちらをご覧下さい!
このページでは主な種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を紹介しています。
ニワトコの主な種の目次
①エルダーフラワー 開花時期:4月~6月 | ②ニワトコ 開花時期:3月~5月 |
③セイヨウアカミニワトコ 開花時期:4月~5月(疎らに6~8月も開花) |
エルダーフラワーの特徴や園芸品種
原産:ヨーロッパ/西アジア/北アフリカ
学名:Sambucus nigra
草丈:約400~600cm(稀に1000cm)
分類:落葉低木/小高木
開花時期:4月~6月
花色:桃色●白色〇
葉色:緑色●黄色●黒色●
耐暑性:普通
耐寒性:強い
用途:カラーリーフ/背が高い花/香りが良い
特徴:エルダーフラワー(セイヨウニワトコ)は学名Sambucus nigra、別名では「サンブカス・二グラ」や「ブラック・エルダー(black elder)」等とも呼ばれるヨーロッパ及び西アジア、北アフリカが原産の落葉低木もしくは小高木です。
エルダーフラワー(セイヨウニワトコ)の語源(由来)
- 属名のSambucusはアジア起源の古代の弦楽器の「サンブーカ(sambuca)」に由来します。
- 種小名のnigraは「黒色」を意味しており、果実の色に由来しています。
- 和名のセイヨウニワトコの由来は「西洋(セイヨウ)」からきた「ニワトコ」を意味しています。
- ↳ニワトコ(庭常)の由来は薬用として「庭」に「常」に植えられていた事からきています。
エルダーフラワー(セイヨウニワトコ)の特徴(魅力)
- エルダーフラワーは成熟すると高さ約400~600cmの間で成長しますが
- ↳一般的には毎年剪定されるためそれよりも遥かに背が低くなります。
- エルダーフラワーの葉は複葉と呼ばれる形をしていて多数の小葉が集まる装飾的な形をしています。
- ↳葉色は品種によって緑色の他にも黒色や黄色等があります。
- ↳そのため重厚感あるお庭には黒葉を選んだり明るいお庭等にはイエローリーフを選んだり出来ます。
- エルダーフラワーの花の香りは1mの範囲に漂う強烈な甘い香りがあり
- ↳花の香りは「猫の尿」に例えられる事があります。
- エルダーフラワーの花は直径約0.8cmの小さな花が集まり直径約10(20)cmの大きな花(花序)を咲かせます。
- 花色は一般的に清潔感を感じさせる白色の花を咲かせますが
- ↳ロマンチックな雰囲気を感じさせる桃色の花もあります。
- エルダーフラワーの果実は食用のためジャムやゼリー等にして食べられます。
- ↳ただし生の果実はやや有毒のため調理(熱)して毒素をぬく必要があります。
エルダーフラワー(セイヨウニワトコ)の茎は若い茎は緑色で成熟すると樹皮の色は灰色になります。樹形は単幹もしくは株立ち状で枝はアーチ状に広がり高さは平均して約400~600cmの間で成長しますが、稀に1000cmに達する事があります。葉は茎に対して対生葉序に配置され、葉色は緑色で品種により黒色や黄色、葉身は1~2回羽状複葉して、小葉は卵形もしくは楕円形をしていて縁部分に鋸歯があります。花序は長さ約10~20cmの半球状の多出集散花序になり、個々の花は直径約0.5cmで白色の花弁が5個と黄色の雄蕊5個があります。花後の果実(核果)は直径約0.6(~0.8)cmの球形で色は成熟するにつれて緑色・赤色・黒色へと変わり光沢があります。
開花時期は春から初夏、花色は白色もしくは桃色、個々の花は花弁が5個あり、花序は多出集散花序に花を咲かせます。樹形は直立で枝はアーチ状に広がり高さは約400(600)cm × 幅は約250(600)cmまで成長します。葉色は緑色や黄色、黒色等があり、葉身は1~2回羽状複葉して小葉は楕円形もしくは卵形で 縁部分に鋸歯があり、葉序は対生葉序につきます。
エルダーフラワー(セイヨウニワトコ)の毒性(既知の危険性)
エルダーフラワー(セイヨウニワトコ)は果実の部分が調理されジャムやゼリー、フルーツワインの製造等に利用されています。しかし調理されていない果実はやや有毒であり、果実以外の部分も全草有毒のため注意が必要です。
何故ならエルダーフラワーには青酸配糖体(sambunigrin)やレクチン、アルカロイド等が含まれており、生のまま摂取した場合は「嘔吐」「吐き気」「下痢」等の中毒症状を引き起こす可能性があるからです。また大量に摂取した場合は深刻な病気を引き起こす可能性もあります。
エルダーフラワー(セイヨウニワトコ)の毒素は調理(熱)により取り除く事が出来るため、ジャム等に加工した後で食べる事ができます。
エルダーフラワー(セイヨウニワトコ)の栽培方法
園芸では、エルダーフラワーの大きくボリュームある花や装飾的な果実を楽しむ目的だったり、幾つかの品種で見られる黒葉やイエローリーフを楽しむ目的で育てられる事が多く、高さ幅共に非常に大きく成長する事からお庭の印象を決める景観植物ともなります。
園芸品種には、重厚感のある黒葉と可愛らしい桃色の花がゴシック調の雰囲気をつくるブラックレースや、鮮やかなイエローリーフが明るくポジティブな雰囲気をつくるゴールデンタワー等があるため、作りたいお庭の雰囲気に合わせて園芸品種を選ぶといいでしょう。
エルダーフラワー(セイヨウニワトコ)を育てる際に注意する事は「強い乾燥」です。何故ならエルダーフラワーは根が浅いため、乾燥を苦手にしており、やや湿り気のある土壌を好むからです。そのため有機物のしっかり入る保水性ある土壌に植えてあげる必要があり、また暑さの厳しい地域などでは日向を避けて西日の当たらない半日影等に植えてあげる方がよいでしょう。
エルダーフラワーの主な園芸品種
セイヨウニワトコ(ブラックレース)は重厚感のある黒葉と、可愛らしい桃色の花の対比が魅力的な園芸品種です。落ち着きと引き締まった印象を与える黒色の葉と可愛らしい印象を与える桃色の花の2色の組み合わせは、ゴシック調の服の様な可愛らしい印象を与え、オシャレなお庭やロマンチックなお庭等によくあうでしょう。 (´・ω・)p楽天で購入q | セイヨウニワトコ(マドンナ)は葉の縁部分に黄色の覆輪が入る事で、緑色と黄色の2色の葉色となり、明るくフレッシュな雰囲気をつくるカラーリーフとしても楽しめる園芸品種です。清潔感ある白色の花と明るい黄色の葉は、太陽の光に反射されて輝いてる様な明るい雰囲気あるお庭等におすすめです。 (´・ω・)p楽天で購入q | セイヨウニワトコ(オーレア)は葉全体が黄色(~黄緑色)をしているため花のない時期もカラーリーフとして楽しむ事が出来て、また開花時期には清潔感のある美しい白色の花も楽しめる魅力的な園芸品種です。
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セイヨウニワトコ(ゴールデンタワー)は他の一般的な種よりも横への広がりが少なく「タワー」の様な洗練された樹形をしており、また細かく裂ける葉は細長い形で、色鮮やかな黄色の葉色は花のない時期もカラーリーフとして楽しめる魅力的な園芸品種です。 (´・ω・)p楽天で購入q |
ニワトコの特徴や園芸品種
原産:日本/東アジア
学名:Sambucus sieboldiana
草丈:約400~600cm
分類:落葉低木
開花時期:3月~5月
花色:黄色●白色〇
葉色:緑色●
耐暑性:普通
耐寒性:強い
誕生花:7月25日/11月27日
花言葉:「熱心」「熱狂」「哀れみ」「私の苦しみを癒す人」
用途:
特徴:ニワトコは学名Sambucus sieboldiana、別名「ヤマダズ」や「タズノキ」や「ダイノコンゴウ」とも呼ばれる日本及び東アジア原産の落葉低木です。日本では北海道から九州まで山野の林縁等で普通に見られ、古来から栽培もされています。
ニワトコの語源(由来)
- 属名のSambucusはアジア起源の古代の弦楽器の「サンブーカ(sambuca)」に由来します。
- 種小名のsieboldianaは長崎のオランダ商館に医師として来日したシーボルトに由来しています。
- ニワトコ(庭常)の由来は薬用として「庭」に「常」に植えられていた事からきています。
ニワトコの特徴(魅力)
- ニワトコは直径約0.5cmの小さな花が集まり長さ幅ともに大きさが約3(~10)cmある円錐状の花穂をつくります。
- ニワトコの葉は複葉と呼ばれる形をしていて多数の小葉が集まる装飾的な形をしています。
- ニワトコの柔らかな若葉は天ぷら等にして食べられます。
- ↳しかし体質や摂取量により下痢や嘔吐等の中毒症状を引き起こしたという報告もあるようです。
- 基本的にニワトコ属はやや有毒であり、毒性は調理(熱)により毒性がなくなるか低くなります。
- ニワトコの果実は赤色をしており英名「Japanese red elder」の由来にもなっています。
- ↳果実は焼酎に漬けたりや果実酒として利用される事もあるようです。
- ニワトコの葉や枝からとられる生薬は利尿や水腫等の治療薬として伝統医学で利用されています。
ニワトコの茎は若い茎は緑色で成熟すると灰褐色にかわります。樹形は基部でよく分枝して株立ち状になり高さは平均して約400~600cmの間で成長します。葉は茎に対して対生葉序に配置され、葉色は緑色、葉身は長さ約8~30cmで奇数羽状複葉して、小葉は長さ約3~10cmの楕円形をしていて縁部分に鋸歯がある。花序は長さ幅ともに約3~10cmの円錐花序になり、個々の花は直径約0.5cmで白色の裂片が5個と黄色の雄蕊5個と3室の子房がある。花後の果実(核果)は直径約0.3(~0.5)cmの球形で熟すと赤色になります。
開花時期は早春から晩春、花色は白色もしくは黄色、個々の花は大きさが約0.5cmで裂片が5個あり、花序は円錐花序に花を咲かせます。樹形は株立ちで高さ約400(600)cm × 幅は約400(600)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は奇数羽状複葉して小葉は楕円形で縁部分に鋸歯があり、葉序は対生葉序につきます。
ニワトコの栽培方法
園芸では、ニワトコの大きくボリュームある花を楽しむ目的や、花後に見られる装飾的な赤色の果実を楽しむ目的でそだてられます。高さ幅ともに大きく成長するため花壇や植え込みでは十分スペースをとって育てた方がよいでしょう。
ニワトコを育てる際に注意する事は「乾燥」です。何故ならニワトコは根が浅いため乾燥を苦手にしており、やや湿り気のある土壌を好むからです。そのため有機物のしっかり入る保水性ある土壌に植えてあげる必要があり、また暑さの厳しい地域などでは日向を避けて西日の当たらない半日影等に植えてあげる方がよいでしょう。
ニワトコの主な園芸品種
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セイヨウアカミニワトコの特徴や園芸品種
原産:ヨーロッパ/アジア/北アメリカ
学名:Sambucus racemosa
草丈:約100~600cm
分類:落葉低木
開花時期:4月~5月(疎らに6~8月も開花)
花色:黄色●白色〇
葉色:緑色●黄色●
耐暑性:普通
耐寒性:強い
用途:
特徴:セイヨウアカミニワトコは学名Sambucus racemosa、別名「サンブカス・ラセモサ」や「レッドエルダーベリー(red elderberry)」とも呼ばれるヨーロッパ及びアジア、北アメリカが原産の落葉低木です。
セイヨウアカミニワトコの語源(由来)
- 属名のSambucusはアジア起源の古代の弦楽器の「サンブーカ(sambuca)」に由来します。
- 種小名のracemosaは「総状花序」を意味しており花序(花の形)に由来しています。
- セイヨウアカミニワトコの由来は「西洋(セイヨウ)」から来た「赤実(アカミ)」のニワトコを意味しています。
- ↳ニワトコ(庭常)の由来は薬用として「庭」に「常」に植えられていた事からきています。
セイヨウアカミニワトコの特徴(魅力)
- セイヨウアカミニワトコは個々の花の花弁が後ろにくるっとカールしており
- ↳泡立った様な円錐状の花穂をしています。
- 花には匂いがあり別名「臭いエルダーベリー(stinking elderberry)」の名をもちます。
- 花後の果実は調理後食べる事が出来ます。
- ↳ただし生の果実はやや有毒であり、毒性は調理(熱)により毒性がなくなるか低くなります。
- セイヨウアカミニワトコの果実は鳥が好んで食べにきます。
- セイヨウアカミニワトコの葉は複葉と呼ばれる形をしていて多数の小葉が集まる装飾的な形をしています。
- ↳幾つかの品種では葉色が黄色のためカラーリーフとして楽しむ事も出来ます。
セイヨウアカミニワトコの茎は柔らかく、茎の色は若い時は緑色で成熟すると灰褐色もしくは赤褐色にかわります。樹形は単幹もしくは株立ち状になり高さ約100~600cmの間で成長します。葉は茎に対して対生葉序に配置され、葉色は緑色、葉身は奇数羽状複葉して小葉が5~7個つき、小葉は長楕円形もしくは披針形をしていて縁部分に鋸歯があります。花序は円錐に花が集まり多出集散花序をつくり、個々の花は白色の花弁が5個(後ろに反る)と黄色の雄蕊5個がある。花後の果実(核果)は球形で熟すと赤色もしくは紫色になります。
開花時期は春から晩春、花色は白色もしくは黄色、個々の花は花弁が5個あり、花序は円錐状に花が集まり多出集散花序に花を咲かせます。樹形は直立で高さ約100(600)cm × 幅は約100(450)cmまで成長します。葉色は緑色もしくは黄色、葉身は奇数羽状複葉して小葉は披針形もしくは長楕円形で縁部分に鋸歯があり、葉序は対生葉序につきます。
セイヨウアカミニワトコの栽培方法
園芸では、セイヨウアカミニワトコの大きくボリュームある花や装飾的な赤色の果実を楽しむ目的だったり、幾つかの品種で見られるイエローリーフを楽しむ目的で育てられる事が多く、高さ幅共に非常に大きく成長する事からお庭の印象を決める景観植物ともなります。
セイヨウアカミニワトコを育てる際に注意する事は「乾燥」です。何故ならニワトコは根が浅いため乾燥を苦手にしており、やや湿り気のある土壌を好むからです。そのため有機物のしっかり入る保水性ある土壌に植えてあげる必要があり、また暑さの厳しい地域などでは日向を避けて西日の当たらない半日影等に植えてあげる方がよいでしょう。