フジ(ウィステリア)は属の中に約9種がありますが、一般に園芸で親しまれている種は幾つかの種とその園芸品種です。例えば、花序の長さが100cmに達する事もあり優雅に枝垂れる花穂が幻想的な雰囲気をつくるフジ、花に心地よい甘い香りがあり花穂の長さが30cmまでと短めなシナフジ、葉に柔らかな毛が生えておりシルキー・ウイステリアとも呼ばれるヤマフジ等が親しまれています。
フジ(ウィステリア)属の種ごとの育て方は写真か育て方をクリックすると出てくる為よかったらそちらをご覧下さい!
このページでは主な種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を紹介しています。
フジ(ウィステリア)の主な種の目次
フジの特徴や園芸品種
- 原産:日本
- 学名:Wisteria floribunda
- 草丈:約2000~3000cm
- 分類:落葉ツル性木本
- 開花時期:3月~5月
- 花色:赤色●桃色●紫色●青色●白色〇
- 葉色:緑色●黄色●
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:強い
- 花言葉:歓迎/優しさ/忠実な/恋に酔う/決して離れない
- 誕生花:4月5日/4月29日/5月31日
- 用途:壁面緑化
フジとは!?
フジは学名Wisteria floribunda、別名では「ノダフジ」や「ジャパニーズ ウイステリア(Japanese wisteria)」等とも呼ばれる日本が原産の落葉ツル性木本です。日本では本州・四国・九州に分布しており、低山地や平地の林縁や崖、林の中などに自生しています。
フジの語源(由来)
- 属名のWisteriaはアメリカの植物学者のThomas Nuttallが、アメリカの医者であるCaspar Wistar(1761-1818)に敬意を示しつけられた献名です。
- 種小名のfloribundaはラテン語で「開花」「豊富」などを意味する「floribundus」からきています。
- フジの由来は一説には「フヂ」から来ていると言われており、フヂは風が吹く度に花が「吹き散る」所からきています。
フジの特徴(魅力)
- フジは、近縁のシナフジ(Wisteria sinensis)と比べて、花穂が著しく長く100cmに達する事もあるため非常に豪華な花姿をしており、またツルはシナフジとは逆に、時計回りに旋回しながら他の植物や構造物に巻き付く性質があります。
- フジは、茎がツル性で藤棚や壁面等に誘引される事が多い植物です。上手く誘引された株は、シャンデリアのように垂れ下がる豪華な花を視界いっぱいに咲かせるため、非現実的な雰囲気を漂わせる幻想的な空間をつくりだします。
- 樹形はツル性、若い茎は基本的に自力せず倒れやすい傾向にあり、巻き付き茎を他の植物や物体に絡ませて自らの体を固定します。
- 巻き付き茎とは、茎自体が他の植物や物体に巻きついて登る習慣がある茎の事です。巻き付き茎は茎頂が物体に接触すると、茎の先端が時計回りに旋回するように動き、他の植物や物体に茎を巻き付けて体を固定して登る事が出来ます。
- 巻き付き茎は巻き付く事が出来ない岩壁等は登る事が出来ません。そのため、ツルを巻き付けるトレリスやバーゴラ等の資材を準備して育てましょう。
- 巻き付き茎とは、茎自体が他の植物や物体に巻きついて登る習慣がある茎の事です。巻き付き茎は茎頂が物体に接触すると、茎の先端が時計回りに旋回するように動き、他の植物や物体に茎を巻き付けて体を固定して登る事が出来ます。
- 開花期は3月~5月、花序は長さは約100cm、逆さまに吊り下がりながらボリュームある花姿をつくります。※花序の長さの記録では牛島のフジは明治時代に長さ300cmの花穂をつけており、園芸品種の中のノダナガフジは花序の長さが200cmに達する事があります。
- 花の形はマメ科でよく見られる蝶形花をしており、花弁は一番大きな旗弁が1個・中央に突き出る翼弁が2個・翼弁の内側に竜骨弁が2個あります。
- 花の色はふつう、旗弁は薄い紫色または白色で花芯部分が黄色をしており、翼弁と竜骨弁は鮮やかな紫色です。
- 静かで優雅な雰囲気を漂わせる紫色の花は、高貴(貴族等)な印象を与えたり、ミステリアスな印象を与えるため、エレガントなお庭や格式の高い風格あるお庭等によく合うでしょう。
- フジの花は甘い香りと表現される事もありますが、猫の尿のような悪臭と感じる人も多く、特に花が終わり夏に入ると臭くなる傾向が強くなります。
- 一方で、シナフジの花の香りは甘くフローラルな香りがありライラックの花の香り等に似ていると言われています。
- 葉は小葉が11個~19個集まり羽状に広がる形から、シダ植物の葉のような装飾的な印象を与えます。
- 葉の色はふつう緑色ですが、幾つかの品種では葉に黄色の班がはいるため、品種を選び開放的な印象を与えるカラーリーフとして楽しむ事も出来ます。
- フジの実は豆科でよく見る鞘のような形をしており、鞘は長さ約10~19cmの大きさがあります。
- フジは全草に有毒なグルコシド(配糖体)を含有しているため、食べる事は出来ません。
- フジを摂取すると嘔吐・軽度または重度の胃腸炎・下痢等の中毒症状を引き起こす可能性があります。
- フジの仕立て方には「立木仕立て」「藤棚仕立て」「エスパリエ」「盆栽」等があります。
- 立木仕立てとは、根元から上部まで幹を1本伸ばし、普通の木のように成長させる仕立て方です。
- 若い茎は細く倒れやすいため、支柱で支えながら成長させますが成熟して大きくなると幹が太くなり自立するようになってきます。株が大きくなると枝を優雅に横に伸ばし長い花穂を垂れ下がらせるため圧巻の景観がつくられます。
- 藤棚仕立てとは、バーゴラ(藤棚)にフジのツルを這わせながら、棚から垂れ下がる花を鑑賞する仕立て方です。棚から暖簾のように下垂する花は非常に美しく圧巻の景観をつくります。
- エスパリエとは、垂直な平面の壁などに、しなやかな枝を誘引して樹形などを楽しむ仕立て方です。枝を誘引するために、壁面には事前にワイヤーを張ったり、格子(トレリスなど)を準備しておきます。壁面に美しく誘引されたフジは絵画のような美しい背景をつくりだします。
- 盆栽として底の浅い鉢に上で低木状に仕立てられて育てられる事もあります。盆栽や鉢植えで育てられるフジは、一般的に樹高が50cm程の矮性品種が用いられています。
- 立木仕立てとは、根元から上部まで幹を1本伸ばし、普通の木のように成長させる仕立て方です。
フジの樹形はツル性(巻き付き茎)、茎の長さ約2000(~3000)cm、茎の色は緑色、若い茎は白色の短毛が生えており、茎が成熟すると木質化して淡褐色または灰色(~灰褐色)になります。※巻き付き茎は茎頂が物体に接触すると、茎の先端が時計回りに旋回するように動き、他の植物や物体に茎を巻き付けて体を固定します。
葉序は互生葉序、葉色は緑色、葉柄はあり、葉身は奇数羽状複葉、奇数羽状複葉は長さ約10(~30)cmで小葉が11(~19)個あり、小葉の長さ約4(~10)cm、小葉の形は楕円形または卵形、葉は若い時は軟毛が生えており、葉のふち部分が波打つ傾向にあります。
花序は総状花序、総状花序は長さが約100cm、花序は地面に向かい垂れ下がります。花冠は蝶形花冠、蝶形花冠は長さ約1.5(~2.5)cm、花弁は旗弁(1個)・翼弁(2個)・竜骨弁(2個)があり、雄蕊10個(1個は自由で9個は接着)、雌蕊1個あります。花弁の色は旗弁が薄い紫色または白色で花芯部が黄色、翼弁は紫色、竜骨弁は紫色です。※特別天然記念物である牛島のフジは、長さ200cmに達する花を咲かせており、明治時代には長さ300cmの花を咲かせたことがあります。
果実は豆果(1枚の心皮からなり、腹縫線と背縫線が一方もしくは二方ともが裂けて種子を放出する)、豆果は長さは約10(~19)cm、幅は約2(~2.5)cm、形は細長い楕円形で種部分が膨らみ、色は緑色から成熟すると褐色、白色の短毛が密生します。種の形は扁平な円形、種の大きさは直径約1.1(~1.2)cm、種の色は褐色から暗褐色です。
フジの園芸品種
- シロナガフジ(白長藤)は、その名前からも分かる通り、一般的なフジと比べて花穂(花序)が著しく長く、長さ約100~200cmあり、花色が白色をしている所が特徴の園芸品種です。花はカーテンのように長く吊り下がるため優雅な雰囲気をつくり、白色の花色は明るく輝くような印象を与えたり清潔感を感じさせます。
- シロバナフジ(Wisteria floribunda ‘alba’)は、その名前からも分かる通り白色の花を咲かせる園芸品種です。花序は普通長さ約20~30cmですが、更に長く伸びる場合があり、明るく輝くような印象を与える白色の花を咲かせます。樹形はツル性、長さ約300~1000cmに成長します。
- マルチジュガ(Wisteria floribunda ‘multijuga’)は、長さが100cmにも達する非常に長い花穂と、上品な着物のような印象を与える紫色と白色の花色が魅力的な園芸品種です。樹形はツル性、長さ約300~1000cmに成長します。
- 一才藤は、接ぎ木する事で幼木の頃から花が楽しめる園芸品種です。株は高さ50cm程度で仕立てる事が出来るため、鉢中で育てる盆栽用のフジとして最も親しまれており、庭木として親しまれる事もあります。花序は長さ約10~20cm、花の色は藤色(紫色)をしています。
- 長崎一才藤は、艶やかな印象を与える鮮やかな紫色の花色と長さ30cmに達する事もある長い花穂が魅力です。株は接ぎ木する事で幼木の頃から花が楽しめます。また高さ50cm程度で仕立てる事が出来るため、鉢中で育てる盆栽用のフジとして最も親しまれており、庭木として親しまれる事もあります。
- ヤエコクリュウ(八重黒竜)は、別名では丸みを帯びる花の形から「玉藤」と呼ばれたり、花の色から「黒藤」と呼ばれたりしています。フジでは珍しい八重咲き品種で、コロンとした丸みを帯びる可愛らしい外観の花の形をしており、花が幾つも並び長さ約30cmまでのボリュームある花穂をつくります。花の色は濃い紫色、濃い紫色は上品な印象やミステリアスな雰囲気をつくります。そのためエレガントなお庭などによく合うでしょう。樹形はツル性、長さ約300~1000cmに成長します。
- 本紅藤は、花序の長さは約20~30cm、花の色がほんのりと優しい薄い桃色をしており花の1部(翼弁の先端)に鮮やかな紅色の班が入り、化粧されたかのような上品な花色が楽しめる園芸品種です。樹形はツル性、長さ約300~1000cmに成長します。
- 口紅藤は、別名では「アケボノフジ」ともよばれており、花の1部(翼弁の先端)に口紅を塗ったかのような花色が魅力的な園芸品種です。花序は長さ約25cm、花は鮮やかな桃色の蕾から、白色の花が開き、翼弁の先端のみ鮮やかな桃色が残ります。樹形はツル性、長さ約300~1000cmに成長します。
- ノダナガフジ(Wisteria floribunda ‘Macrobotrys’)は、別名では「九尺藤」ともよばれており、一般的なフジと比べて花穂(花序)が著しく長く約100~200cmあり、カーテンのように吊り下がる優雅な花姿をつくる魅力的な園芸品種です。花の色は薄い紫色(白色)と紫色、旗弁は薄い紫色・翼弁と竜骨弁は紫色をしており、紫色の色の花色はミステリアスな印象を与えたり、静かで優雅な雰囲気をつくり、エレガントなお庭や格式の高い風格あるお庭等によく合うでしょう。
- ニシキフジ(wisteria floribunda ‘Nishiki’)は、葉全体に虎柄のようなまだら模様の薄い黄色の班がはいるため、花のない時期もカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。花穂は長さ約30cm、花の色は淡い紫色をしており、樹形はツル性、長さ約300~1000cmに成長します。
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シナフジの特徴や園芸品種
- 原産:中国
- 学名:Wisteria sinensis
- 草丈:約1000~3000cm
- 分類:落葉ツル性木本
- 開花時期:3月~5月
- 花色:紫色●青色●白色〇
- 葉色:緑色●
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:強い
- 花言葉:歓迎/優しさ/忠実な/恋に酔う/決して離れない
- 誕生花:4月29日
- 用途:壁面緑化
シナフジとは!?
シナフジは学名Wisteria sinensis、別名では「ウイステリア シネンシス」や「チャイニーズ・ウイステリア(Chinese Wisteria)」とも呼ばれる中国が原産の落葉ツル性木本です。
シナフジの語源(由来)
- 属名のWisteriaはアメリカの植物学者のThomas Nuttallが、アメリカの医者であるCaspar Wistar(1761-1818)に敬意を示しつけられた献名です。
- 種小名のsinensisは「中国の」を意味しており自生地に由来しています。
シナフジの特徴(魅力)
- シナフジは、近縁のフジ(Wisteria floribunda)と比べて、花穂が30cmまでと短めで、花に甘い香りがあります。またツルは反時計回りに旋回しながら他の植物や構造物に巻き付く性質があります。
- シナフジは、茎がツル性で藤棚や壁面等に誘引される事が多い植物です。上手く誘引された株は、シャンデリアのように垂れ下がる豪華な花を視界いっぱいに咲かせるため、非現実的な雰囲気を漂わせる幻想的な空間をつくりだします。
- 樹形はツル性、若い茎は基本的に自力せず倒れやすい傾向にあり、巻き付き茎を他の植物や物体に絡ませて自らの体を固定します。
- 巻き付き茎とは、茎自体が他の植物や物体に巻きついて登る習慣がある茎の事です。巻き付き茎は茎頂が物体に接触すると、茎の先端が反時計回りに旋回するように動き、他の植物や物体に茎を巻き付けて体を固定して登る事が出来ます。
- 巻き付き茎は巻き付く事が出来ない岩壁等は登る事が出来ません。そのため、ツルを巻き付けるトレリスやバーゴラ等の資材を準備して育てましょう。
- 巻き付き茎とは、茎自体が他の植物や物体に巻きついて登る習慣がある茎の事です。巻き付き茎は茎頂が物体に接触すると、茎の先端が反時計回りに旋回するように動き、他の植物や物体に茎を巻き付けて体を固定して登る事が出来ます。
- 開花期は3月~5月、花序は長さが約10~30cm、逆さまに吊り下がりながらボリュームある花姿をつくります。
- 花の形はマメ科でよく見られる蝶形花をしており、花弁は一番大きな旗弁が1個・中央に突き出る翼弁が2個・翼弁の内側に竜骨弁が2個あります。
- 花の色はふつう、旗弁は薄い紫色または白色で花芯部分が黄色をしており、翼弁と竜骨弁は鮮やかな紫色です。
- 静かで優雅な雰囲気を漂わせる紫色の花は、高貴(貴族等)な印象を与えたり、ミステリアスな印象を与えるため、エレガントなお庭や格式の高い風格あるお庭等によく合うでしょう。
- シナフジの花の香りは甘くフローラルな香りがありライラックの花の香り等に似ていると言われています。
- 一方で、フジの花は甘い香りと表現される事もありますが、猫の尿のような悪臭と感じる人も多く、特に花が終わり夏に入ると臭くなる傾向が強くなります。
- 葉は小葉が7個~13個集まり羽状に広がる形から、シダ植物の葉のような装飾的な印象を与えます。
- シナフジの実は豆科でよく見る鞘のような形をしており、鞘は長さ約5~10cmの大きさがあります。
- シナフジは全草に有毒なグルコシドを含有しているため、食べる事は出来ません。
- シナフジを摂取すると嘔吐・軽度または重度の胃腸炎・下痢等の中毒症状を引き起こす可能性があります。
- シナフジの仕立て方には「立木仕立て」「藤棚仕立て」「エスパリエ」「盆栽」等があります。
- 立木仕立てとは、根元から上部まで幹を1本伸ばし、普通の木のように成長させる仕立て方です。若い茎は細く倒れやすいため、支柱で支えながら成長させますが、成熟して大きくなった株は自立して枝を優雅に横に伸ばし圧巻の景観をつくりだします。
- 藤棚仕立てとは、バーゴラ(藤棚)にフジのツルを這わせながら、棚から垂れ下がる花を鑑賞する仕立て方です。棚から暖簾のように下垂する花は非常に美しく圧巻の景観をつくります。
- エスパリエとは、垂直な平面の壁などに、しなやかな枝を誘引して樹形などを楽しむ仕立て方です。枝を誘引するために、壁面には事前にワイヤーを張ったり、格子(トレリスなど)を準備しておきます。壁面に美しく誘引されたフジは絵画のような美しい背景をつくりだします。
シナフジの樹形はツル性(巻き付き茎)、茎の長さ約1000(~3000)cm、茎の色は緑色、若い茎は白色の毛が生えており、茎が成熟すると木質化して淡褐色または灰色(~灰褐色)になります。※巻き付き茎は茎頂が物体に接触すると、茎の先端が反時計回りに旋回するように動き、他の植物や物体に茎を巻き付けて体を固定します。
葉序は互生葉序、葉色は緑色、葉柄は長さ約3(~5)cm、葉身は奇数羽状複葉、奇数羽状複葉は長さ約10(~30)cmで小葉が7(~13)個あり、小葉の長さ約5(~8)cm、幅は約2(~4)cm、小葉の形は楕円形または披針形、葉は若い時は軟毛が生えています。
花序は総状花序、総状花序は長さが約15(~30)cm、幅が約5(~10)cm、花序は地面に向かい垂れ下がります。花冠は蝶形花冠、蝶形花冠は直径約2.5cm、花弁は旗弁(1個)・翼弁(2個)・竜骨弁(2個)があり、雄蕊10個(1個は自由で9個は接着)、雌蕊1個あります。花弁の色は旗弁が薄い紫色または白色で花芯部が黄色、翼弁は紫色、竜骨弁は紫色です。
果実は豆果(1枚の心皮からなり、腹縫線と背縫線が一方もしくは二方ともが裂けて種子を放出する)、豆果は長さは約5(~10)cm、形は楕円形で種部分が膨らみ、色は緑色から成熟すると 暗褐色になります。果実には種が約1(~3)個入っており、種の形は扁平な円形、種の色は褐色から暗褐色です。
シナフジの園芸品種
- アルバ(wisteria sinensis ‘alba’)は、花に甘い香りがあり、明るく輝くような印象を与える真っ白な花色が魅力的な園芸品種です。樹形はツル性、高さ約800~1200cmに成長します。
- アメジスト(wisteria sinensis ‘amethyst’)は、花に非常に甘く心地よい香りがあり、透明感のある紫色の花色が宝石のアメジストを思わせるような上品な雰囲気をつくる魅力的な園芸品種です。樹形はツル性、高さ約800~1200cmに成長します。
- プロリフィック(wisteria sinensis ‘prolific’)は、品種名の多産(wisteria sinensis ‘prolific’)からも分かる通り花が沢山咲き、花穂は長さ約30cmまでになります。花色は紫色から白色で、気品を感じさせる花色をしており、エレガントなお庭などによく合うでしょう。樹形はツル性、高さ約800~1200cmに成長します。
- ジャコ(wisteria sinensis ‘Jako’)は、花に非常に甘い香りがあり、長さ約30cmに達する長くボリュームある花穂をつける所が魅力的な品種です。花の色は白色、白色は明るく輝くような印象や清潔感を感じさせるため、洗練された品の良いお庭などにおすすめです。
ヤマフジの特徴や園芸品種
- 原産:日本
- 学名:Wisteria brachybotrys
- 草丈:約300~2000cm
- 分類:落葉ツル性木本
- 開花時期:4月~5月
- 花色:紫色●青色●白色〇
- 葉色:緑色●
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:強い
- 花言葉:歓迎/優しさ/忠実な/恋に酔う/決して離れない
- 誕生花:4月5日/4月29日/5月31日
- 用途:壁面緑化
ヤマフジとは!?
ヤマフジは学名Wisteria brachybotrys、別名「ノフジ」や「シルキー・ウイステリア(silky wisteria)」とも呼ばれる日本固有の落葉ツル性木本です。日本では本州・四国・九州に分布しており、山野に自生しています。
ヤマフジの語源(由来)
- 属名のWisteriaはアメリカの植物学者のThomas Nuttallが、アメリカの医者であるCaspar Wistar(1761-1818)に敬意を示しつけられた献名です。
- 種小名のbrachybotrysは、ギリシャ語で「短い」を意味する「brachy」と、ギリシャ語で「ぶどうの房」を意味する「botrys」の2語からきており、ヤマフジの短い花房に由来します。
ヤマフジの特徴(魅力)
- ヤマフジは、近縁のフジ(Wisteria floribunda)と比べて、花穂が著しく短く約10~20cmの長さしかない一方で、やや花が大きいためごつごつした印象の花姿をしており、また葉は柔らかな短毛で覆われているため英名でsilky wisteria(シルクのフジ)とも呼ばれている植物です。
- ヤマフジは、茎がツル性で藤棚や壁面等に誘引される事が多い植物です。垂れ下がる花はシャンデリアのような豪華な雰囲気をつくるため、開花期は美しい景観がつくられます。
- 樹形はツル性、若い茎は基本的に自力せず倒れやすい傾向にあり、巻き付き茎を他の植物や物体に絡ませて自らの体を固定します。
- 巻き付き茎とは、茎自体が他の植物や物体に巻きついて登る習慣がある茎の事です。巻き付き茎は茎頂が物体に接触すると、茎の先端が反時計回りに旋回するように動き、他の植物や物体に茎を巻き付けて体を固定して登る事が出来ます。
- 巻き付き茎は巻き付く事が出来ない岩壁等は登る事が出来ません。そのため、ツルを巻き付けるトレリスやバーゴラ等の資材を準備して育てましょう。
- 巻き付き茎とは、茎自体が他の植物や物体に巻きついて登る習慣がある茎の事です。巻き付き茎は茎頂が物体に接触すると、茎の先端が反時計回りに旋回するように動き、他の植物や物体に茎を巻き付けて体を固定して登る事が出来ます。
- 開花期は4月~5月、花序は長さは約10~20cm、逆さまに吊り下がりながらボリュームある花姿をつくります。
- 花の形はマメ科でよく見られる蝶形花をしており、花弁は一番大きな旗弁が1個・中央に突き出る翼弁が2個・翼弁の内側に竜骨弁が2個あります。
- 葉は小葉が9個~13個集まり羽状に広がる事からシダ植物の葉のような装飾的な外観をしており、葉には柔らかな短毛が生えます。
- ヤマフジの実は豆科でよく見る鞘のような形をしており、鞘は長さ約15~20cmの大きさがあります。
- ヤマフジは全草に有毒なグルコシド(配糖体)を含有しているため、食べる事は出来ません。
- ヤマフジを摂取すると嘔吐・軽度または重度の胃腸炎・下痢等の中毒症状を引き起こす可能性があります。
- ヤマフジの仕立て方には「立木仕立て」「藤棚仕立て」「エスパリエ」「盆栽」等があります。
- 立木仕立てとは、根元から上部まで幹を1本伸ばし、普通の木のように成長させる仕立て方です。
- 藤棚仕立てとは、バーゴラ(藤棚)にフジのツルを這わせながら、棚から垂れ下がる花を鑑賞する仕立て方です。棚から暖簾のように下垂する花は非常に美しく圧巻の景観をつくります。
- エスパリエとは、垂直な平面の壁などに、しなやかな枝を誘引して樹形などを楽しむ仕立て方です。枝を誘引するために、壁面には事前にワイヤーを張ったり、格子(トレリスなど)を準備しておきます。壁面に美しく誘引されたフジは絵画のような美しい背景をつくりだします。
- 盆栽として底の浅い鉢に上で低木状に仕立てられて育てられる事もあります。
ヤマフジの樹形はツル性(巻き付き茎)、茎の長さ約300(~2000)cm、茎の色は緑色、若い茎は白色の短毛が生えており、茎が成熟すると木質化して赤褐色または灰色(~灰褐色)になります。※巻き付き茎は茎頂が物体に接触すると、茎の先端が反時計回りに旋回するように動き、他の植物や物体に茎を巻き付けて体を固定します。
葉序は互生葉序、葉色は緑色、葉柄はあり、葉身は奇数羽状複葉、奇数羽状複葉は小葉が9(~13)個あり、小葉の長さ約4(~6)cm、小葉の形は楕円形または卵形、葉には短毛が生え絹のような質感があります。
花序は総状花序、総状花序は長さが約10(~20)cm、花序は地面に向かい垂れ下がります。花冠は蝶形花冠、蝶形花冠は長さ約2(~3)cm、花弁は旗弁(1個)・翼弁(2個)・竜骨弁(2個)があり、花弁の色は青色または紫色か白色です。果実は豆果(1枚の心皮からなり、腹縫線と背縫線が一方もしくは二方ともが裂けて種子を放出する)、豆果は長さは約15(~20)cmです。
ヤマフジの園芸品種
- シロカピタン(Wisteria brachybotrys ‘shiro kapitan’)は、花の香りがとてもよく、長さ20cmまでの花穂に1個1個の花がよく目立つ大きめの花を多数つける魅力的な園芸品種です。樹形はツル性、高さ1200cmまで成長します。
- ムラサキカピタン(Wisteria brachybotrys ‘murasaki kapitan’)は、花の色が白色と紫色の2色で構成されており、花が紫色の透き通る宝石のような美しい外観をしている魅力的な園芸品種です。花序は長さ約20cm、花の色は旗弁が白色、翼弁と竜骨弁が紫色をしており、花は香りが良いです。樹形はツル性、高さ1200cmまで成長します。
- シロバナヤマフジは、その名前からも分かる通り、明るく輝くような印象を与える白色の花を咲かせるヤマフジの園芸品種です。樹形はツル性、高さ300~2000cmまで成長します。
- オカヤマフジ(wisteria brachybotrys ‘okayama’)は、花に強い香りがあり、上品な印象を与える濃い紫色の花色が魅力的な園芸品種です。花序は長さ約20cm、花の色は旗弁が薄い紫色または白色、翼弁と竜骨弁が紫色をしています。樹形はツル性、高さ1200cmまで成長します。
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アメリカフジの特徴や園芸品種
- 原産:北アメリカ
- 学名:Wisteria frutescens
- 草丈:約500~1500cm
- 分類:落葉ツル性木本
- 開花時期:4月~8月
- 花色:紫色●青色●白色〇
- 葉色:緑色●
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:強い
- 誕生花:
- 花言葉:
- 用途:壁面緑化
アメリカフジとは!?
アメリカフジは学名Wisteria frutescens、別名では「アメリカン・ウィステリア(American wisteria)」等とも呼ばれる北アメリカが原産の落葉ツル性木本です。北アメリカではバージニア州・テキサス州・フロリダ州・アイオワ州・ミシガン州・ニューヨーク州に分布しており、湿った森林や川岸などに自生します。
アメリカフジの語源(由来)
- 属名のWisteriaはアメリカの植物学者のThomas Nuttallが、アメリカの医者であるCaspar Wistar(1761-1818)に敬意を示しつけられた献名です。
- 種小名のfrutescensは「低木のような」を意味しており樹形に由来します。
アメリカフジの特徴(魅力)
- アメリカフジは、近縁のフジ(Wisteria floribunda)と比べて、花穂が5~25cmと短めな一方で花が密につくためモコモコとしたボリュームある花姿をしています。また花には強い香りがあり、花後には無毛の美(鞘)が実ります。またツルは反時計回りに旋回しながら他の植物や構造物に巻き付く性質があります。
- アメリカフジは、茎がツル性で藤棚や壁面等に誘引される事が多い植物です。垂れ下がる花はシャンデリアのような豪華な雰囲気をつくるため、開花期は美しい景観がつくられます。
- 樹形はツル性、若い茎は基本的に自力せず倒れやすい傾向にあり、巻き付き茎を他の植物や物体に絡ませて自らの体を固定します。
- 巻き付き茎とは、茎自体が他の植物や物体に巻きついて登る習慣がある茎の事です。巻き付き茎は茎頂が物体に接触すると、茎の先端が反時計回りに旋回するように動き、他の植物や物体に茎を巻き付けて体を固定して登る事が出来ます。
- 巻き付き茎は巻き付く事が出来ない岩壁等は登る事が出来ません。そのため、ツルを巻き付けるトレリスやバーゴラ等の資材を準備して育てましょう。
- 巻き付き茎とは、茎自体が他の植物や物体に巻きついて登る習慣がある茎の事です。巻き付き茎は茎頂が物体に接触すると、茎の先端が反時計回りに旋回するように動き、他の植物や物体に茎を巻き付けて体を固定して登る事が出来ます。
- 開花期は4月~8月、花序は長さが約5~25cm、逆さまに吊り下がりながらボリュームある花姿をつくります。
- 花の形はマメ科でよく見られる蝶形花をしており、花弁は一番大きな旗弁が1個・中央に突き出る翼弁が2個・翼弁の内側に竜骨弁が2個あります。
- 花の色はふつう、旗弁は薄い紫色または白色で花芯部分が黄色をしており、翼弁と竜骨弁は鮮やかな紫色です。
- 静かで優雅な雰囲気を漂わせる紫色の花は、高貴(貴族等)な印象を与えたり、ミステリアスな印象を与えるため、エレガントなお庭や格式の高い風格あるお庭等によく合うでしょう。
- アメリカフジの花の香りは「麝香」の心地よい香りに例えられますが、香りが強いと猫の尿のような香りがする事もあります。そのため人によってはいい香りと感じたり悪臭と感じたりする事があるようです。
- 葉は小葉が7個~15個集まり羽状に広がる形から、シダ植物の葉のような装飾的な印象を与えます。
- アメリカフジの実は豆科でよく見る鞘のような形をしており、鞘は長さ約5~10cmの大きさがあります。
- アメリカフジは実(鞘)が無毛なため、実(鞘)に毛が生える日本のフジなどと区別する事ができます。
- アメリカフジは全草に有毒なグルコシドを含有しているため、食べる事は出来ません。
- アメリカフジを摂取すると嘔吐・軽度または重度の胃腸炎・下痢等の中毒症状を引き起こす可能性があります。
- アメリカフジの仕立て方には「立木仕立て」「藤棚仕立て」「エスパリエ」「盆栽」等があります。
- 立木仕立てとは、根元から上部まで幹を1本伸ばし、普通の木のように成長させる仕立て方です。若い茎は細く倒れやすいため、支柱で支えながら成長させますが、成熟して大きくなった株は自立して枝を優雅に横に伸ばし圧巻の景観をつくりだします。
- 藤棚仕立てとは、バーゴラ(藤棚)にフジのツルを這わせながら、棚から垂れ下がる花を鑑賞する仕立て方です。棚から暖簾のように下垂する花は非常に美しく圧巻の景観をつくります。
- エスパリエとは、垂直な平面の壁などに、しなやかな枝を誘引して樹形などを楽しむ仕立て方です。枝を誘引するために、壁面には事前にワイヤーを張ったり、格子(トレリスなど)を準備しておきます。壁面に美しく誘引されたフジは絵画のような美しい背景をつくりだします。
- 盆栽とは、底の浅い鉢で根域を制限して、成長を制御しながらコンパクトな樹形で楽しむ仕立て方です。アメリカフジは花穂が他のフジ等と比べて短いため、盆栽に使いやすいとされています。
アメリカフジの樹形はツル性(巻き付き茎)、茎の長さ約500(~1500)cm、茎の色は緑色、若い茎は白色の毛が生えており、茎が成熟すると木質化して淡褐色または灰褐色になります。※巻き付き茎は茎頂が物体に接触すると、茎の先端が反時計回りに旋回するように動き、他の植物や物体に茎を巻き付けて体を固定します。
葉序は互生葉序、葉色は緑色、葉柄はあり、葉身は奇数羽状複葉、奇数羽状複葉は長さ約10(~30)cmで小葉が7(~15)個あり、小葉の長さ約2(~8)cm、小葉の形は楕円形(~狭楕円形)または披針形、葉は若い時は短毛が生えています。
花序は総状花序、総状花序は長さが約5(~25)cm、花序は地面に向かい垂れ下がります。花冠は蝶形花冠、蝶形花冠は直径約2cm、花弁は旗弁(1個)・翼弁(2個)・竜骨弁(2個)があり、花弁の色は旗弁が薄い紫色または白色で花芯部が黄色、翼弁は紫色、竜骨弁は紫色です。
果実は豆果(1枚の心皮からなり、腹縫線と背縫線が一方もしくは二方ともが裂けて種子を放出する)、豆果は長さは約5(~10)cm、形は楕円形で種部分が膨らみ、色は緑色から成熟すると褐色、鞘は無毛です。果実には種が約1(~8)個入っており、種の形は楕円形、種の色は暗色から暗褐色です。
アメリカフジの園芸品種
- アメジストフォール(Wisteria frutescens ‘amethyst falls’)は、花全体がラベンダーを思わせるような紫色(青紫色)をしているため、上品で落ち着いた雰囲気をしており、またアジアに自生するフジなどよりも侵襲性が低いため管理がしやすい所が魅力的な園芸品種です。樹形はツル性、高さ約300~500cmに成長します。
- ロングウッド・パープル(wisteria frutescens ‘longwood purple’)は、花に麝香を思わせるような香りがあり、鮮やかな紫色の花が静かで優雅な雰囲気や高貴(貴族等)な印象を与える魅力的な園芸品種です。樹形はツル性、高さ約600~800cmに成長します。
- ニベア(Wisteria frutescens ‘nivea’)は、結婚式のブーケを思わせるようなボリュームある花姿と真っ白な花色が魅力的な園芸品種です。樹形はツル性、高さ約300~500cmに成長します。
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