- 原産:ヨーロッパ/北アフリカ
- 科:レンプクソウ(Adoxaceae)
- 属:ガマズミ/ビバーナム(Viburnum)
- 種:セイヨウカンボク(opulus)
- 別名:ヨウシュカンボク/ゲルダーローズ(guelder rose)/スノーボールツリー(snowball tree)
- 品種:セイヨウテマリカンボク(viburnum opulus ‘sterile’)
- 開花時期:5月~6月
- 花の色:白色〇
- 葉の色:緑色●
- 分類:落葉低木
- 草丈:約200~400cm
- 誕生花:
- 花言葉:
- 用途:生垣
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
セイヨウテマリカンボクとは!?
セイヨウテマリカンボクは、テマリ型のアジサイのような花の形をしている所が特徴です。花は白色の装飾花のみで構成されており、直径6cmまでの大きさの球状の形をした花を咲かせます。樹形は株立ち状、高さ約200(~400)cm、幅約200(~400)cmまで成長します。
セイヨウカンボクとは!?
セイヨウカンボクは学名Viburnum opulus、別名「ヨウシュカンボク」や「ゲルダーローズ(guelder rose)」等とも呼ばれるヨーロッパ及び北アフリカが原産の落葉低木です。
セイヨウカンボクの語源(由来)
- 属名のViburnumはViburnum lantanaのラテン語名に由来します。
- 種小名のopulusはラテン語で「楓」を意味しており、掌状に裂ける葉の形に由来します。
セイヨウカンボクの特徴(魅力)
- セイヨウカンボクは「楓の葉」を思わせる掌のように裂ける葉の形をしている所が特徴です。また花はアジサイのような外観をしており、花後にはサクランボのように透明感と光沢がある赤色の果実を実らせます。
- 花の大きさは直径約4~11cmあり、花の形は装飾花と両性花の構成により変わります。
- 装飾花と両性花で構成される花は、平面状の形をしており、装飾花が外周に並び、両性花が中央に集まる【ガクアジサイ型】の様な花の形をしています。
- 装飾花は直径約1.5~2cm、花弁のように見える部分は萼片で、萼片の大きさは殆ど均一な大きさをしており、雄蕊と雌蕊が未発達のため、果実を実らせません。
- 両性花は稔性のため花が終わると赤色の果実を実らせます。
- 装飾花のみで構成される花は、球状もしくは半球状の形をしており【テマリ型アジサイ】の様な花の形をしています。
- 基本的に装飾花のみで構成されているため果実は実りません。
- 装飾花と両性花で構成される花は、平面状の形をしており、装飾花が外周に並び、両性花が中央に集まる【ガクアジサイ型】の様な花の形をしています。
- 果実は小さく直径約1cmの球形をしており、光沢のある赤色の実はサクランボのような外観をしています。
- 果実は酸味がありゼリー等として1部地域で食べられる事があります。ただし弱い毒性があるため多量に食べた場合、下痢や嘔吐などを引き起こし健康に害を及ぼす可能性があります。そのため多量には食べられません。
- 果実は鳥などが食べにくる事もあるため、木に集って赤色の果実を食べる鳥の姿を観察する事が出来ることもあります。
- 葉は掌状に3裂しており、楓の葉を思わせるような形をしています。
- 葉は冬になると落葉しますが、落葉前の秋になると橙色から赤色へと変わり紅葉するため美しい景観をつくります。
- セイヨウカンボクの生垣は花を楽しみながら利用するインフォーマルヘッジの生垣して一般的に利用されます。
- セイヨウカンボクはやや葉が大きいため全体的に緩い印象を与えたり、刈り込み剪定を行った時に剪断された葉が少し気になる場合があります。
- セイヨウカンボクの年間の成長率は20~40cmです。
- セイヨウカンボクは夏の暑さや冬の寒さに強く育てやすい植物です。
セイヨウカンボクの樹高は約400(~500)cm、幅約400(~500)cm、樹形は株立ち状(地際付近から幹・枝が立ち上がる茂る樹形)で、樹皮の色は灰褐色です。
葉序は対生葉序、葉色は緑色、葉柄は蜜腺をもち、葉身の長さ約5(~10)cm、葉身の形は卵形もしくは広卵形、ふち部分が掌状に3裂します。
花序は散房花序、散房花序は直径約4(~11)cm、装飾花のみで構成された半球状の花形もしくは装飾花と両性花で構成された平面状の花形をしています。装飾花は直径約1.5(~2)cm、萼片は5個、萼片の色は白色、雄蕊と雌蕊は未発達で不稔性です。両性花は直径約0.5cm、花弁は5個、花弁の色は白色、雄蕊は5個、雌蕊は1個、稔性です。果実は核果(薄い外果皮・多肉質な中果皮・殻状の硬い内果皮がある)です。核果は直径約1cm、形は球形、色は透明感のある赤色です。
セイヨウカンボクの園芸品種の紹介
- セイヨウテマリカンボク(viburnum opulus ‘sterile’)は、テマリ型のアジサイのような花の形をしている所が特徴です。花は白色の装飾花のみで構成されており、直径6cmまでの大きさの球状の形をした花を咲かせます。樹形は株立ち状、高さ約200(~400)cm、幅約200(~400)cmまで成長します。
- スノーボール(viburnum opulus ‘roseum’)は、花序の中に非常に多くの装飾花が集まりモコモコとした雪玉の様な外観をつくるボリューミーな花姿が魅力の園芸品種です。花はテマリ型のアジサイのような花の形をしている所が特徴です。花は白色の装飾花のみで構成されており、直径7cmまでの大きさの球状の形をした花を咲かせます。樹形は株立ち状、高さ約200(~400)cm、幅約200(~400)cmまで成長します。
ガマズミ(ビバーナム)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ガマズミ(ビバーナム)の珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種の紹介【2021】
セイヨウテマリカンボクの育て方
花壇の土づくり
日当たり
セイヨウテマリカンボクは直射日光が6時間以上当たる日向から、3時間から5時間の半日影迄で育てられます。日当たりの悪い環境にも耐えますが、葉が疎らになり花付きが悪くなることがあるため避けた方がよいでしょう。
作土層
セイヨウテマリカンボクがしっかり根を張り健康な成長するには、十分な深さの作土層(表層にある柔らかな土)が必要です。苗(根鉢)の1.5~3倍(深さ30~40cm)の深さまでスコップを使い穴を掘り、根張りを邪魔したり保水性や栄養の保持を悪くする石やゴミ等を取り除いておきましょう。
土壌の土質
セイヨウテマリカンボクは通気性と保水性のバランスがよく肥沃な土壌を好みます。基本的には幅広い土壌で育てる事が出来ますが、粘土質な土壌は生育不良を引き起こす可能性があるため避けた方がよいでしょう。植え付け前にしっかり土壌診断を行い、通気性と保水性のバランスがよく肥沃な壌土に改善してから植え付けを行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
セイヨウテマリカンボクは直射日光が6時間以上あたる日向から直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。花は日当たりの良い場所で最もよく開花しますが、夏の暑さが厳しい地域では半日影に移動した方が良いでしょう。
培養土
セイヨウテマリカンボクの培養土を自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
赤玉土+鹿沼土+腐葉土=4:2:4
赤玉土(中粒)+バーク堆肥=5:5
水やりの仕方
地植え
セイヨウテマリカンボクは根が活着すると乾燥に強くなります。そのため地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。
鉢植え
セイヨウテマリカンボクを鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
セイヨウテマリカンボクはある程度、有機物を含んだ肥沃な土壌であれば多くの肥料を必要としません。晩冬から早春に1回のみ肥料(寒肥)を与えて、必要に応じて堆肥をいれましょう。
寒肥の与え方
- 寒肥は晩冬から早春に与える肥料です。
- 肥料は肥効が長く続く緩効性肥料や有機肥料(配合肥料等)を選び、成分は水平型肥料(肥料成分がバランスよく入る)を選びましょう。
- 寒肥は株元から少し離れた場所に穴を掘り肥料を入れるか置き肥しましょう。
- 緩効性肥料の場合は株元から少し離れた場所に置き肥しましょう。
- 有機肥料の場合は匂い等で虫がよってくる可能性があるため、穴を掘り肥料を与えた方が良いでしょう。
堆肥の与え方
- 堆肥とは有機物が微生物により分解された肥料もしくは土壌改良材です。生態サイクルのない庭の花壇や鉢植えは、風雨や微生物の働き等により、土壌が年々劣化していき土が硬くなったり水はけが悪くなったりします。堆肥には【化学性・物理性・生物性】を高める効果があり、劣化した土を肥沃(植物の生育がよく生産性が高い土)な土に変える働きがあります。
- 堆肥は寒肥を与える時期(初冬から早春の間)に、寒肥と一緒に与えると良いでしょう。株から少し離れた場所に堆肥(腐葉土もしくは牛糞堆肥等)を盛ってマルチングするか、穴を掘って堆肥を埋めましょう。
剪定のやり方
セイヨウテマリカンボクは、一般的に花を楽しみながら樹形を整える目的で剪定されます。剪定時期は花が終わる初夏頃、不要な枝や邪魔な枝を間引き剪定や切り戻し剪定して形を整えます。またフォーマルな生垣として利用する場合は花を犠牲にして定期的に刈り込み剪定することも可能です。
庭木として剪定する方法
- 剪定する時期は花が終わる初夏頃(6月)です。
- 剪定が遅くなると翌年の花を犠牲にする事があります。ただし花を犠牲にしていい場合(生垣)などは再度剪定することも出来ます。
- 株全体を観察して枯れた茎・損傷した茎(折れてる茎等)・病気の茎を探して、これを根元から間引き剪定して取り除きます。
- 何故ならこれらの茎は日当りや風通しを阻害したり、健康に成長している茎に悪影響を及ぼしやすいからです。
- 枝が混み合うと風通しや日当たりが悪くなり害虫や病気が発生しやすくなるため、株全体のバランスを必ず見ながら不要枝を間引き剪定もしくは切り戻し剪定をします。
- 間引き剪定とは枝の根元から切る剪定です。平行枝や下がり枝などの完全に不要な枝、自然に淘汰されるような枝を剪定する時に行います。
- 切り戻し剪定とは枝の途中(芽・節がある場所の少し上)で切り戻す剪定です。切り戻し剪定は側面から飛び出る徒長枝などの外観を崩す枝で行われる事が多い剪定です。
剪定をプロに任せる
剪定を自分で行う事が不安な場合は、剪定のプロに任せて綺麗に仕上げて貰う事も出来ます。また剪定する時間がとれない、他にも庭の作業を依頼したい時などもプロに作業を任せてしまう事が可能です。
- 剪定作業を自分で行う時に不安がある時
- 剪定は重労働になるため体力が最後までもつか不安がある。
- 大きな木を剪定する時は高所作業になるため怪我をするリスクがあり不安がある。
- 間違った剪定を行う事で、数年後に不格好な樹形になったり、スカスカした生垣になるかもしれない不安がある。※必要な枝と不要な枝の見極めが素人には難しい場合があり、太い枝や古い枝などを残すと不格好な樹形になることもある。
- 剪定を行う時間がとれず放ったらかしになっている
- 生垣の管理が疎かになると枝が暴れるため見た目が悪くなったり、枝が歩行者の邪魔になり怪我をさせるリスクがある。
- 木がどんどん成長していくと管理が難しくなったり、鑑賞したい花が上の方に咲いてしまったり、電線の近くだと枝が電線にかかる可能性がある。
- 剪定の他にも作業を依頼したい
- 庭の草が育って薮のようになっている、芝が伸びてボウボウになっている、庭石を並べたり外壁工事を頼みたい、庭にある不要物を撤去して欲しい等の相談も、剪定依頼をする時に一緒に行うことが可能です。
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夏越しする方法
セイヨウテマリカンボクは夏の暑さに強く基本的に夏越し対策は不要です。
冬越しする方法
Hardiness:3b~8a
セイヨウテマリカンボクは軽い霜が降りる程度の地域であれば屋外での越冬が可能ですが、強い霜の降りる地域では屋外での越冬は難しいかもしれません。
挿し木や株分けで増やす
セイヨウカンボクは挿し木によって増やす事ができます。
- 挿し木時期は晩春から初夏が適します。
- 挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットしましょう。
- 挿し穂 の長さ約10~15cmにわけます。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き上部の葉を残します。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 挿し穂用の無菌の培養土を準備します。切り口を下にして培養土の中に挿し穂を挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
播種で増やす
セイヨウカンボクの種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
セイヨウカンボクの病気
- すす病
セイヨウカンボクの害虫
- サンゴジュハムシ
- アメリカシロヒトリ
- カイガラムシ