- 原産:日本/台湾/中国
- 科:レンプクソウ(Adoxaceae)
- 属:ガマズミ/ビバーナム(Viburnum)
- 種:ヤブデマリ(plicatum var. tomentosum)
- 別名:ダブルファイル ビバーナム(doublefile Viburnum)
- 品種:オオデマリ(viburnum plicatum var. plicatum f. plicatum)
- 開花時期:4月~6月
- 花の色:白色〇桃色●
- 葉の色:緑色●
- 分類:落葉低木
- 草丈:約200~600cm
- 誕生日:6月22日
- 花言葉:今日の幸福/決死の覚悟/年輪を美しく重ねる
- 用途:
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
オオデマリとは!?
オオデマリは花が装飾花のみで構成されており、直径約10cmまでの球形のボリュームある花姿をつくるヤブデマリの園芸品種です。花は一般的なヤブデマリの両性花と装飾花で構成される平面状の花と比べて、盛り上がりのある球状の花を咲かせるため豪華な雰囲気をつくります。また白色の美しい花色は清潔な印象を与えたり、輝いている様な明るい印象を与えたりします。そのため、明るく清潔感のあるお庭や、洗練された品の良いお庭などによくあうでしょう。高さは約200cm~600cmまで成長します。
ヤブデマリとは!?
ヤブデマリは学名Viburnum plicatum var. tomentosum、別名「ダブルファイル ビバーナム(doublefile Viburnum)」とも呼ばれる日本及び中国、台湾が原産の落葉低木です。日本では本州や四国、九州に分布しており、沢などの水辺や湿り気のある林縁等に自生しています。
ヤブデマリの語源(由来)
- 属名のViburnumはViburnum lantanaのラテン語名に由来します。
- 種小名のtomentosumは「毛の多い」を意味します。
- 変種名のplicatumは「折りたたまれる」を意味します。
ヤブデマリの特徴(魅力)
- ヤブデマリは垂直に伸びる幹と水平に伸びる枝から層状になる個性的な樹形をつくり、またアジサイのように装飾花と両性花で構成される個性的な花の形をしている所が特徴の植物です。
- 園芸では主に美しい樹形を景観として利用したり、花を鑑賞したりする目的で利用されます。
- 花の大きさは直径約5~10cmあり、花の形は装飾花と両性花の構成により変わります。
- 装飾花と両性花で構成される花は、平面状の形をしており、装飾花が外周に並び、両性花が中央に集まる【ガクアジサイ型】の様な花の形をしています。
- 装飾花は直径約1.5~4cm、花弁のように見える部分は萼片で内側が著しく小さい形をしており、雄蕊と雌蕊が未発達のため、果実を実らせません。
- 両性花は稔性のため花が終わると赤色の果実を実らせます。
- 装飾花のみで構成される花は、球状もしくは半球状の形をしており【テマリ型アジサイ】の様な花の形をしています。
- 装飾花と両性花で構成される花は、平面状の形をしており、装飾花が外周に並び、両性花が中央に集まる【ガクアジサイ型】の様な花の形をしています。
- 葉は幅広でぽっちゃりとした可愛らしい外観をしており、深い溝の入る葉脈が目立ちます。
- 葉は冬になると落葉しますが、落葉前の秋になると橙色から赤色へと変わり紅葉するため美しい景観をつくります。
- ヤブデマリは夏の暑さや冬の寒さに強く丈夫で育てやすいです。
ヤブデマリの樹高は約200(~600)cm、幹は直立して枝を水平に伸ばす傾向にあります。1年目の枝には星状毛があり、樹皮の色は灰褐色もしくは灰黒色です。
葉序は対生葉序、葉色は緑色、葉柄はあり、葉身の大きさは長さ約5(~12)cm、幅約3(~7)cm、葉身の形は広卵形もしくは広楕円形、ふち部分に鋸歯があり、葉裏と葉柄に星状毛があります。
花序は散房花序、散房花序は直径約5(~10)cm、装飾花と両性花で構成された平面状の花形をしています。※園芸品種(オオデマリなど)の中には装飾花のみで構成された半球状の花形もある。装飾花は直径約1.5(~4)cm、萼片は5個(内側の萼片が小さくなる)、萼片の色は白色、雄蕊と雌蕊は未発達で不稔性です。両性花は直径約0.4(~0.5)cm、花弁は5個、花弁の色は白色(~薄黄色)、雄蕊は5個、雌蕊は1個、稔性です。果実は核果(薄い外果皮・多肉質な中果皮・殻状の硬い内果皮がある)です。核果は長さ約0.5(~0.7)、形は楕円形、色は赤色から黒色へと熟します。
ヤブデマリの園芸品種の紹介
- オオデマリ(viburnum plicatum var. plicatum f. plicatum)は花が装飾花のみで構成されており、直径約10cmまでの球形のボリュームある花姿をつくるヤブデマリの園芸品種です。花は一般的なヤブデマリの両性花と装飾花で構成される平面状の花と比べて、盛り上がりのある球状の花を咲かせるため豪華な雰囲気をつくります。また白色の美しい花色は清潔な印象を与えたり、輝いている様な明るい印象を与えたりします。そのため、明るく清潔感のあるお庭や、洗練された品の良いお庭などによくあうでしょう。高さは約200cm~600cmまで成長します。
- ジェミニ(viburnum plicatum var. tomentosum ‘Gemini’)は桃色の花を咲かせるタイプのオオデマリです。花は装飾花のみで構成されており、直径約10cmまでの球状の花姿をつくります。一般的な平面状の花と比べ球状の花は豪華な雰囲気をつくります。また桃色の花色は可愛らしい印象を与えたり、心が癒される様な優しい印象を与えたりするため、甘い雰囲気をつくるロマンチックなお庭などにオススメです。木は成熟すると高さ約200cm~600cmまで成長します。
- サマースノーフレーク(viburnum plicatum var. tomentosum ‘Summer Snowflake’)は開花期になると木を覆うほどに沢山の花が咲く所と、レース模様のように光を通す上品な外観の花が魅力の園芸品種です。花は直径約10cm、外周に白色の装飾花が並び、中央に両性花が集まる平面状の形をしています。両性花は稔性のため花がおわると赤色の果実が実ります。そのため鳥なども遊びにくることもあります。高さは約150~250cm、幅は200(~300)cmに成長します。
- ヒメヤブデマリ(viburnum plicatum f. tomentosum)は似た植物と比較して小ぶりな時に使われる「ヒメ」がついてることからも分かる通り、ヤブデマリの矮性品種です。あまり背が高くならないことから小さな庭でも管理しやすい所が魅力で、花は装飾花と両性花で構成される平面状の形をした花を咲かせます。成熟した高さは約100~300cmです。
- ピンクビューティ(viburnum plicatum var. tomentosum ‘pink beauty’)は、可愛らしい印象を与える薄いピンク色の花色と、レース模様のように光を通す上品な花の形が魅力の園芸品種です。花はガクアジサイを思わせる様な形をしており、外周に薄い桃色(白色)の装飾花が並び、中央に両性花が集まる平面状の形をしています。樹形は成熟すると高さ約200~400cm、幅は200(~400)cmに成長します。
- キリマンジャロ・サンライズ(viburnum plicatum tomentosum ‘kilimanjaro sunrise’)は、ほんのりピンク色に色付く白色の花色と、ガクアジサイを思わせる様な上品な花姿、小さなお庭でも育てやすいコンパクトな樹形が魅力の園芸品種です。花は平面状の形に小花が集まり、小花は外周に装飾花と中央に両性花があり、装飾花の色は薄い桃色から白色へと変化します。樹形は成熟すると高さ約300cm、幅は200cmに成長します。
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ガマズミ(ビバーナム)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ガマズミ(ビバーナム)の珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種の紹介【2021】
オオデマリの育て方
花壇の土づくり
日当たり
オオデマリは日光のよく当たる場所で最も生産性が高まり沢山の花を咲かせます。そのため直射日光が6時間以上あたる日向が理想です。また直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。
作土層
オオデマリがしっかり根を張り健康な成長するには、十分な深さの作土層(表層にある柔らかな土)が必要です。苗(根鉢)の1.5~3倍(深さ30~40cm)の深さまでスコップを使い穴を掘り、根張りを邪魔したり保水性や栄養の保持を悪くする石やゴミ等を取り除いておきましょう。
土壌の土質
オオデマリは通気性と保水性のバランスがよく肥沃な土壌を好みます。基本的には幅広い土壌で育てる事が出来ますが、粘土質な土壌は生育不良を引き起こす可能性があるため避けた方がよいでしょう。植え付け前にしっかり土壌診断を行い、通気性と保水性のバランスがよく肥沃な壌土に改善してから植え付けを行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
オオデマリは日光のよく当たる場所で最も生産性が高まり沢山の花を咲かせます。そのため直射日光が6時間以上あたる日向が理想です。また直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。
培養土
オオデマリの培養土を自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
赤玉土+鹿沼土+腐葉土=4:2:4
赤玉土(中粒)+バーク堆肥=5:5
水やりの仕方
地植え
オオデマリは水分が均一に含まれる状態を好みますが、乾燥に強いため地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てる事が出来ます。必要に応じて土壌の表面が乾燥してきたら水をしっかり与えるようにしましょう。
鉢植え
オオデマリを鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
オオデマリはある程度、有機物を含んだ肥沃な土壌であれば多くの肥料を必要としません。晩冬から早春に1回のみ肥料(寒肥)を与えて、必要に応じて堆肥をいれましょう。
寒肥の与え方
- 寒肥は晩冬から早春に与える肥料です。
- 肥料は肥効が長く続く緩効性肥料や有機肥料(配合肥料等)を選び、成分は水平型肥料(肥料成分がバランスよく入る)を選びましょう。
- 寒肥は株元から少し離れた場所に穴を掘り肥料を入れるか置き肥しましょう。
- 緩効性肥料の場合は株元から少し離れた場所に置き肥しましょう。
- 有機肥料の場合は匂い等で虫がよってくる可能性があるため、穴を掘り肥料を与えた方が良いでしょう。
堆肥の与え方
- 堆肥とは有機物が微生物により分解された肥料もしくは土壌改良材です。生態サイクルのない庭の花壇や鉢植えは、風雨や微生物の働き等により、土壌が年々劣化していき土が硬くなったり水はけが悪くなったりします。堆肥には【化学性・物理性・生物性】を高める効果があり、劣化した土を肥沃(植物の生育がよく生産性が高い土)な土に変える働きがあります。
- 堆肥は寒肥を与える時期(初冬から早春の間)に、寒肥と一緒に与えると良いでしょう。株から少し離れた場所に堆肥(腐葉土もしくは牛糞堆肥等)を盛ってマルチングするか、穴を掘って堆肥を埋めましょう。
剪定のやり方
オオデマリは、一般的に花を楽しみながら樹形を整える目的で剪定されます。剪定時期は花が終わる晩春から初夏頃、不要な枝や邪魔な枝を間引き剪定して形を整えます。
庭木として剪定する方法
- 剪定する時期は花が終わる晩春頃(5月)です。
- 剪定が遅くなると翌年の花を犠牲にする事があります。
- 株全体を観察して枯れた茎・損傷した茎(折れてる茎等)・病気の茎を探して、これを根元から間引き剪定して取り除きます。
- 何故ならこれらの茎は日当りや風通しを阻害したり、エネルギーの分散がおこり、健康に成長している茎に悪影響を及ぼしやすいからです。
- 枝が混み合うと外観が悪くなったり、風通しや日当たりが悪くなったり、害虫や病気が発生しやすくなるため、株全体のバランスを見ながら不要枝を間引き剪定しましょう。
- 間引き剪定とは枝の根元から切る剪定です。平行枝や下がり枝などの完全に不要な枝、自然に淘汰されるような枝を剪定する時に行います。また健康な成長の見込めない弱々しい蘖(根元から出てくる枝)も間引き剪定して取り除きます。
- 木が成熟して株立ち状になっている場合は、生産性の衰えた古い幹・枝を株全体のバランスを見ながら1/3以下を目安にして剪定して取り除き、新しい成長を促すことも出来ます。※必ず必要な作業ではありません。
剪定をプロに任せる
剪定を自分で行う事が不安な場合は、剪定のプロに任せて綺麗に仕上げて貰う事も出来ます。また剪定する時間がとれない、他にも庭の作業を依頼したい時などもプロに作業を任せてしまう事が可能です。
- 剪定作業を自分で行う時に不安がある時
- 剪定は重労働になるため体力が最後までもつか不安がある。
- 大きな木を剪定する時は高所作業になるため怪我をするリスクがあり不安がある。
- 間違った剪定を行う事で、数年後に不格好な樹形になったり、スカスカした生垣になるかもしれない不安がある。※必要な枝と不要な枝の見極めが素人には難しい場合があり、太い枝や古い枝などを残すと不格好な樹形になることもある。
- 剪定を行う時間がとれず放ったらかしになっている
- 生垣の管理が疎かになると枝が暴れるため見た目が悪くなったり、枝が歩行者の邪魔になり怪我をさせるリスクがある。
- 木がどんどん成長していくと管理が難しくなったり、鑑賞したい花が上の方に咲いてしまったり、電線の近くだと枝が電線にかかる可能性がある。
- 剪定の他にも作業を依頼したい
- 庭の草が育って薮のようになっている、芝が伸びてボウボウになっている、庭石を並べたり外壁工事を頼みたい、庭にある不要物を撤去して欲しい等の相談も、剪定依頼をする時に一緒に行うことが可能です。
\剪定の依頼は下記のバーナーから【PR】/
夏越しする方法
オオデマリは夏の暑さに強く基本的に夏越し対策は不要です。
冬越しする方法
Hardiness:5b~8a
オオデマリは寒い地域では葉が落ちる事もありますが、基本的に耐寒性が高く、冬越し対策は不要です。
挿し木や株分けで増やす
ヤブデマリは挿し木によって増やす事ができます。
- の挿し木時期は晩春から初夏が適します。
- 挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットしましょう。
- 挿し穂 の長さ約10~15cmにわけます。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き上部の葉を残します。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 挿し穂用の無菌の培養土を準備します。
- 切り口を下にして培養土の中に挿し穂を挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
播種で増やす
ヤブデマリの種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
ヤブデマリの病気
- すす病
ヤブデマリの害虫
- アブラムシ
- カイガラムシ
- サンゴジュハムシ