- 原産:中国
- 科:レンプクソウ(Adoxaceae)
- 属:ガマズミ/ビバーナム(Viburnum)
- 種:マクロセファラム(macrocephalum)
- 別名:ムーシューチュー/チャイニーズスノーボール(Chinese Snowball)
- 品種:ケイカ(Viburnum macrocephalum f.keteleeri)
- 開花時期:4月~5月
- 花の色:白色〇
- 葉の色:緑色●
- 分類:半常緑低木
- 草丈:約200~400cm
- 用途:
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ケイカ(瓊花)とは!?
ケイカ(瓊花)は学名Viburnum macrocephalum f.keteleeri、装飾花と両性花で構成される「ガクアジサイ」の様な花の形をしている品種です。花は複集散花序、白色の装飾花が外周に8~18個並び、中央に両性花が密集します。樹形はブッシュ状、高さ約200~400cmに成長します。
ビバーナム(マクロセファラム)とは!?
ビバーナム(マクロセファラム)は学名Viburnum macrocephalum 、別名では「ムーシューチュー」や「チャイニーズスノーボール(Chinese Snowball)」とも呼ばれる中国が原産の半常緑低木です。
ビバーナム(マクロセファラム)の語源(由来)
- 属名のViburnumはViburnum lantanaのラテン語名に由来します。
- 種小名のmacrocephalumは「頭が大きい」を意味しており、大きな花に由来します。
ビバーナム(マクロセファラム)の特徴(魅力)
- ビバーナム(マクロセファラム)はアジサイを思わせる様な花の形をしている所が特徴の植物で、またアジサイと同様に花は装飾花と両性花で構成されています。
- 園芸では主に花を鑑賞する目的で自然樹形のまま庭木として利用されます。
- 花の大きさは直径約8~20cmあり、花の形は装飾花と両性花の構成により変わります。
- 装飾花のみで構成される花は、球状もしくは半球状の形をしており【テマリ型アジサイ】の様な花の形をしています。
- 装飾花は直径約1.5~4cm、花弁のように見える部分は萼片で、雄蕊と雌蕊が未発達のため、果実を実らせません。
- 装飾花と両性花で構成される花は、平面状の形をしており、装飾花が外周に並び、両性花が中央に集まる【ガクアジサイ型】の様な花の形をしています。
- 両性花は稔性のため花が終わると赤色の果実を実らせます。
- 装飾花のみで構成される花は、球状もしくは半球状の形をしており【テマリ型アジサイ】の様な花の形をしています。
- 葉は半常緑の性質があるため、冬の寒さの厳しい地域では落葉します。
- ビバーナム(マクロセファラム)の年間の成長率は約30~60cmです。
- ビバーナム(マクロセファラム)は夏の暑さや冬の寒さに強く丈夫で育てやすいです。
ビバーナム(マクロセファラム)の樹高は約200(~400)cm、幅約200(~400)cm、樹形はブッシュ状(Bushy)で枝分かれがよくふさふさとしており、樹皮の色は灰褐色です。
葉序は対生葉序、葉色は緑色、葉柄はあり、葉身の大きさは長さ約5(~11)cm、幅約2(~5)cm、葉身の形は卵形もしくは楕円形、ふち部分に鋸歯があります。
花序は複集散花序、複集散花序は直径約8(~20)cm、装飾花のみで構成された半球状の花形もしくは装飾花と両性花で構成された平面状の花形をしています。装飾花は直径約1.5(~4)cm、萼片は5個、萼片の色は白色、雄蕊と雌蕊は未発達で不稔性です。両性花は直径約1cm、花弁は5個、花弁の色は白色、雄蕊は5個、雌蕊は1個、稔性です。果実は長さ約1.2cm、形は楕円形、色は赤色から熟すと黒色になる。
ビバーナム(マクロセファラム)の園芸品種の紹介
ガマズミ(ビバーナム)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ガマズミ(ビバーナム)の珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種の紹介【2021】
ケイカ(瓊花)の育て方
花壇の土づくり
日当たり
ケイカ(瓊花)は日光のよく当たる場所で最も生産性が高まり沢山の花を咲かせます。そのため直射日光が6時間以上あたる日向が理想です。また直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。
作土層
ケイカ(瓊花)がしっかり根を張り健康な成長するには、十分な深さの作土層(表層にある柔らかな土)が必要です。苗(根鉢)の1.5~3倍(深さ30~40cm)の深さまでスコップを使い穴を掘り、根張りを邪魔したり保水性や栄養の保持を悪くする石やゴミ等を取り除いておきましょう。
土壌の土質
ケイカ(瓊花)は通気性と保水性のバランスがよく肥沃な土壌を好みます。基本的には幅広い土壌で育てる事が出来ますが、粘土質な土壌は生育不良を引き起こす可能性があるため避けた方がよいでしょう。植え付け前にしっかり土壌診断を行い、通気性と保水性のバランスがよく肥沃な壌土に改善してから植え付けを行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
ケイカ(瓊花)は日光のよく当たる場所で最も生産性が高まり沢山の花を咲かせます。そのため直射日光が6時間以上あたる日向が理想です。また直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。
培養土
ケイカ(瓊花)の培養土を自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
赤玉土+鹿沼土+腐葉土=4:2:4
赤玉土(中粒)+バーク堆肥=5:5
水やりの仕方
地植え
ケイカ(瓊花)は根が活着すると乾燥に強くなります。そのため地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。
鉢植え
ケイカ(瓊花)を鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
ケイカ(瓊花)の肥料は、晩冬から早春に1回、花後に1回、計2回行います。
寒肥と堆肥の与え方
- 寒肥は晩冬から早春に与える肥料です。
- 肥料の種類は成分がバランスよく入る有機肥料(配合肥料)もしくは緩効性肥料を選びましょう。
- 寒肥は株元から少し離れた場所に穴を掘り肥料を入れるか置き肥しましょう。
- 有機肥料の場合は匂い等で虫がよってくる可能性があるため、株から少し離した場所に穴を掘り肥料を与えた方が良いでしょう。
- 緩効性肥料の場合は株の近くの土の上に置く、置き肥で問題ありません。
- 堆肥とは有機物が微生物により分解された肥料もしくは土壌改良材です。生態サイクルのない庭の花壇や鉢植えは、風雨や微生物の働き等により、土壌が年々劣化していき土が硬くなったり水はけが悪くなったりします。堆肥には【化学性・物理性・生物性】を高める効果があり、劣化した土を肥沃(植物の生育がよく生産性が高い土)な土に変える働きがあります。
- 堆肥は寒肥を与える時期(初冬から早春の間)に、寒肥と一緒に与えると良いでしょう。株から少し離れた場所に堆肥(腐葉土もしくは牛糞堆肥等)を盛ってマルチングするか、穴を掘って堆肥を埋めましょう。
お礼肥の与え方
- お礼肥は開花後の晩春頃に行います。
- お礼肥は翌年の開花のため株を充実させる目的で有機肥料(発酵油カス)もしくは配合肥料を与えると良いでしょう。追肥に近いため、効果が早く出る発酵済みのものがおすすめです。
- 有機肥料は匂い等で虫がよってくる可能性があるため、株から少し離れた場所に穴を掘り肥料を入れて土を上から被せましょう。
剪定のやり方
ケイカ(瓊花)は、一般的に花を楽しみながら樹形を整える目的で剪定されます。剪定時期は花が終わる晩春頃、不要な枝や邪魔な枝を間引き剪定や切り戻し剪定して形を整えます。
庭木として剪定する方法
- 剪定する時期は花が終わる晩春頃(5月)です。
- 剪定が遅くなると翌年の花を犠牲にする事があります。
- 色褪せた花や枯れた花の花がらを切り戻し剪定で摘みとります。
- 株全体を観察して枯れた茎・損傷した茎(折れてる茎等)・病気の茎を探して、これを根元から間引き剪定して取り除きます。
- 何故ならこれらの茎は日当りや風通しを阻害したり、エネルギーの分散がおこり、健康に成長している茎に悪影響を及ぼしやすいからです。
- 枝が混み合うと風通しや日当たりが悪くなり害虫や病気が発生しやすくなるため、株全体のバランスを必ず見ながら不要枝を間引き剪定もしくは切り戻し剪定をします。
- 間引き剪定とは枝の根元から切る剪定です。平行枝や下がり枝などの完全に不要な枝、自然に淘汰されるような枝を剪定する時に行います。
- 切り戻し剪定とは枝の途中(芽・節がある場所の少し上)で切り戻す剪定です。切り戻し剪定は側面から飛び出る徒長枝などの外観を崩す枝で行われる事が多い剪定です。
- 全体に合わせて少し奥めの芽(節)がある部分の上で切り戻しましょう。
- 必ず必要ではないですが、3年~4年毎に地面から60~90cmの場所で全体的に強い切り戻しを行う事が出来ます。剪定の時期は、春からの強い成長で回復が見込める晩冬から早春です。
- 強い切り戻し剪定を行う事で、よりコンパクトでふさふさとした樹形になったり、生産性の落ちた古い枝から新しい枝に変わる事で花数が増えたりします。ただし剪定した最初の年は花などは期待出来ません。
剪定をプロに任せる
剪定を自分で行う事が不安な場合は、剪定のプロに任せて綺麗に仕上げて貰う事も出来ます。また剪定する時間がとれない、他にも庭の作業を依頼したい時などもプロに作業を任せてしまう事が可能です。
- 剪定作業を自分で行う時に不安がある時
- 剪定は重労働になるため体力が最後までもつか不安がある。
- 大きな木を剪定する時は高所作業になるため怪我をするリスクがあり不安がある。
- 間違った剪定を行う事で、数年後に不格好な樹形になったり、スカスカした生垣になるかもしれない不安がある。※必要な枝と不要な枝の見極めが素人には難しい場合があり、太い枝や古い枝などを残すと不格好な樹形になることもある。
- 剪定を行う時間がとれず放ったらかしになっている
- 生垣の管理が疎かになると枝が暴れるため見た目が悪くなったり、枝が歩行者の邪魔になり怪我をさせるリスクがある。
- 木がどんどん成長していくと管理が難しくなったり、鑑賞したい花が上の方に咲いてしまったり、電線の近くだと枝が電線にかかる可能性がある。
- 剪定の他にも作業を依頼したい
- 庭の草が育って薮のようになっている、芝が伸びてボウボウになっている、庭石を並べたり外壁工事を頼みたい、庭にある不要物を撤去して欲しい等の相談も、剪定依頼をする時に一緒に行うことが可能です。
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夏越しする方法
ケイカ(瓊花)は夏の暑さに強く基本的に夏越し対策は不要です。
冬越しする方法
Hardiness:6b~9a
ケイカ(瓊花)は寒い地域では葉が落ちる事もありますが、基本的に耐寒性が高く、冬越し対策は不要です。
挿し木や株分けで増やす
ビバーナム(マクロセファラム)は挿し木によって増やす事ができます。
- 挿し木時期は晩春から初夏が適します。
- 挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットしましょう。
- 挿し穂 の長さ約10~15cmにわけます。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き上部の葉を残します。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 挿し穂用の無菌の培養土を準備します。
- 切り口を下にして培養土の中に挿し穂を挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
播種で増やす
ビバーナム(マクロセファラム)の種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
ビバーナム(マクロセファラム)の病気
- すす病
ビバーナム(マクロセファラム)の害虫
- カイガラムシ