アラビス(ヤマハタザオ)は属の中に約110種がありますが、一般に園芸で親しまれている種は幾つかの種とその園芸品種です。例えば、茎が横に広がり絨毯のように広がり春になると沢山の花を咲かせるアラビス(ニワハタザオ)やアラビス(フェルディナンディ・コブルギ)、日本にも自生しているヤマハタザオ等が親しまれています。
アラビス(ヤマハタザオ)属の種ごとの育て方は写真か育て方をクリックすると出てくる為よかったらそちらをご覧下さい!
このページでは主な種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を紹介しています。
目次
アラビス(フェルディナンディ・コブルギ)の特徴や園芸品種
- 原産:ブルガリア
- 学名: ferdinandi coburgii
- 草丈:約5~10cm
- 分類:多年草
- 開花時期:3月~6月
- 花色:白色〇
- 葉色:緑色●黄色●紫色●青色●白色〇
- 耐暑性:普通
- 耐寒性:強い
- 用途:カラーリーフ/グランドカバー/ハンギング/ロックガーデン
アラビス(フェルディナンディ・コブルギ)とは!?
アラビス(フェルディナンディ・コブルギ)は学名Arabis ferdinandi coburgii、ブルガリアが原産の多年草です。
アラビス(フェルディナンディ・コブルギ)の語源(由来)
- 属名のArabisは、ラテン語で「アラビア人」を意味する「Araps」「Arab」からきており、自生地が「岩地」や「砂地」にある事に由来します。
- 種小名のferdinandi coburgiiはブルガリアの皇帝フェルディナンド1世(Ferdinand I of Bulgaria)への献名です。
アラビス(フェルディナンディ・コブルギ)の特徴(魅力)
- アラビス(フェルディナンディ・コブルギ)は、草丈が高くならず、地面を覆うように広がる草姿をしている事から、地被植物として利用される事が多く、近縁のニワハタザオと比較して葉のふち部分が比較的に滑らかな外観をしています。
- 園芸では白色・黄色・桃色などの様々な葉色がある事からカラーリーフとして楽しまれる事が多いです。
- 草姿は匍匐性、茎は地面を匍匐して広がる性質があり斜面などは下垂します。
- 花は白色、穂状に並び咲くためシャープな外観の花姿をつくります。
- 葉はふち部分が比較的に滑らかで、上部が膨らむ卵が逆向きになったような外観(倒卵形)をしています。
- 葉の色は、ふつう緑色ですが幾つかの品種では明るく輝くような印象を与える白色の葉色、可愛らしい印象を与える桃色の葉色をもつ品種があるため、品種を選びカラーリーフとして楽しむ事も出来ます。
- アラビス(フェルディナンディ・コブルギ)の仕立て方には「被覆植物(グランドカバー)」「ハンギング」「ロックガーデン」等があります。
- 被覆植物(グランドカバー)とは、地表面を覆う目的で、草丈が低く、茎葉が横へと広がる習慣がある植物を植え付ける事です。
- ハンギングとは、植物をハンギングバスケットや吊り鉢に入れて上や横の目線から、鑑賞出来るようにする仕立て方です。
- ロックガーデンとは、高山や崖地などをイメージしながら岩石や大きめの石などを配置して、植物等も植え付けられて作られる庭園のスタイルのひとつです。
アラビス(フェルディナンディ・コブルギ)の草丈は約5(~10)cm、草姿は匍匐性、茎の色は緑色または赤みを帯びます。葉序は根生葉または互生葉序、葉色は緑色、葉身の形はヘラ形または楕円形か倒卵形、ふち部分には疎らに鋸歯があります。花序は総状花序、花は花弁が4個、花弁の色は白色、雄蕊は6個あります。
アラビス(フェルディナンディ・コブルギ)の園芸品種の紹介
アラビス(ニワハタザオ)の特徴や園芸品種
- 原産:地中海沿岸
- 学名:Arabis caucasica
- 草丈:約10~20cm
- 分類:多年草
- 開花時期:3月~6月
- 花色:桃色●白色〇
- 葉色:緑色●黄色●白色〇
- 耐暑性:普通
- 耐寒性:強い
- 用途:カラーリーフ/グランドカバー/ハンギング/ロックガーデン
アラビス(ニワハタザオ)とは!?
アラビス(ニワハタザオ)は学名Arabis caucasica、別名では「アラビス・コウカシカ」や「ガーデン・アラビス(garden arabis)」等とも呼ばれる地中海沿岸が原産の多年草です。
アラビス(ニワハタザオ)の語源(由来)
- 属名のArabisは、ラテン語で「アラビア人」を意味する「Araps」「Arab」からきており、自生地が「岩地」や「砂地」にある事に由来します。
- 種小名のcaucasicaは「コーカサス地方」を意味します。
アラビス(ニワハタザオ)の特徴(魅力)
- アラビス(ニワハタザオ)は、地面を覆うように広がる草姿をしており、春から初夏にかけて明るく輝くような真っ白な花を咲かせ、白色の絨毯のような美しい外観をつくる植物です。
- 草姿は匍匐性、茎は横に伸びたり下垂する性質があるため、園芸では地被植物にされたり、ハンギング仕立てにされたります。
- 花序は総状花序または散房花序、花は茎の下部ほど花柄が長いため、全体的に上の方に花が集まる傾向がつよくなります。
- そのため半球状の盛り上がる外観の花姿をつくり、また沢山の茎と花序が集まる事で株を覆うような花姿が作られます。
- アラビス(ニワハタザオ)の葉は、ふつう緑色ですが幾つかの品種では明るく輝くような印象を与える白色の葉色、可愛らしい印象を与える桃色の葉色をもつ品種があるため、品種を選びカラーリーフとして楽しむ事も出来ます。
- アラビス(ニワハタザオ)の仕立て方には「被覆植物(グランドカバー)」「ハンギング」「ロックガーデン」等があります。
- 被覆植物(グランドカバー)とは、地表面を覆う目的で、草丈が低く、茎葉が横へと広がる習慣がある植物を植え付ける事です。
- ハンギングとは、植物をハンギングバスケットや吊り鉢に入れて上や横の目線から、鑑賞出来るようにする仕立て方です。
- ロックガーデンとは、高山や崖地などをイメージしながら岩石や大きめの石などを配置して、植物等も植え付けられて作られる庭園のスタイルのひとつです。
アラビス(ニワハタザオ)の草丈は約20cm、草姿はほふく性、茎の色は緑色または赤みを帯び、白色の毛が生えます。
葉序は根生葉または互生葉序、葉色は緑色、葉身の形はヘラ形または楕円形か卵形、ふち部分には鋸歯があり、葉は全体的に白色の毛が生えています。
花序は総状花序または散房花序、茎の頂部に花が密に集まる傾向にあります。花は花弁が4個、花弁の色は白色または桃色、雄蕊は6個あります。
アラビス(ニワハタザオ)の園芸品種の紹介
- スノーキャップ(Arabis caucasica ‘snowcap’)は、非常に多花性で、開花期には株を覆うように白色の花を咲かせる事から、白色の絨毯や積雪などを連想させるような美しい花姿を作ります。草姿はロゼット状、高さ約10(20)cm × 幅は約30(50)cmまで成長します。
- バリエガータ(Arabis caucasica ‘Variegata’)は、葉のふち部分に白色の班が入るため、葉が光ってるいかのような明るい印象をカラーリーフとして楽しめる園芸植物です。また白色の班が入る葉は、白色の花との相性もよく、洗練された雰囲気をつくったり、また清潔感を感じさせたりします。そのため、エレガントなお庭などによく合います。草姿はロゼット状、高さ約10(20)cm × 幅は約30(50)cmまで成長します。
- ピクシークリーム(arabis caucasica ‘pixie cream’)は、小さく可愛らしい外観の花と、優しい印象をあたえるクリーム色の花色が魅力的な園芸品種です。クリーム色の花は、甘く優しい雰囲気を作るため、穏やかでリラックス出来るようなお庭や、可愛らしくロマンチックなお庭などにおすすめです。草姿はロゼット状、高さ約10(20)cm × 幅は約30(50)cmまで成長します。
- ロゼア(arabis caucasica ‘rosea’)は、花の色が桃色をしており、可愛らしくロマンチックな印象をあたえる魅力的な園芸品種です。草姿はロゼット状、高さ約10(20)cm × 幅は約30(50)cmまで成長します。
アラビス(プロクレンス)の特徴や園芸品種
- 原産:ヨーロッパ
- 学名:Arabis procurrens
- 草丈:約5~10cm
- 分類:多年草
- 開花時期:3月~6月
- 花色:白色〇
- 葉色:緑色●黄色●白色〇
- 耐暑性:普通
- 耐寒性:強い
- 用途:カラーリーフ/グランドカバー/ハンギング/ロックガーデン
アラビス(プロクレンス)とは!?
アラビス(プロクレンス)は学名Arabis procurrens、別名では「ランニング・ロッククレス(running rockcress)」や「スプレディング・ロッククレス(spreading rock cress)」等とも呼ばれるヨーロッパが原産の多年草です。
アラビス(プロクレンス)の語源(由来)
- 属名のArabisは、ラテン語で「アラビア人」を意味する「Araps」「Arab」からきており、自生地が「岩地」や「砂地」にある事に由来します。
- 種小名のprocurrensはラテン語で「広がった」を意味しており、草姿に由来します。
アラビス(プロクレンス)の特徴(魅力)
- アラビス(プロクレンス)は、地面を覆うように広がる草姿をしており、春から初夏にかけて茎を立ち上げて明るく輝くような真っ白な花を咲かせます。
- 草姿はロゼット状、茎は地面を匍匐して広がる性質があり斜面などは下垂します。
- 花は白色、穂状に並び咲くためシャープな外観の花姿をつくります。
- 葉はふち部分が比較的に滑らかで、上部が膨らむ卵が逆向きになったような外観(倒卵形)をしており、葉は全体的に光沢があります。
- アラビス(プロクレンス)の葉は、ふつう緑色ですが幾つかの品種では明るく輝くような印象を与える白色の葉色、可愛らしい印象を与える桃色の葉色をもつ品種があるため、品種を選びカラーリーフとして楽しむ事も出来ます。
- アラビス(プロクレンス)の仕立て方には「被覆植物(グランドカバー)」「ハンギング」「ロックガーデン」等があります。
- 被覆植物(グランドカバー)とは、地表面を覆う目的で、草丈が低く、茎葉が横へと広がる習慣がある植物を植え付ける事です。
- ハンギングとは、植物をハンギングバスケットや吊り鉢に入れて上や横の目線から、鑑賞出来るようにする仕立て方です。
- ロックガーデンとは、高山や崖地などをイメージしながら岩石や大きめの石などを配置して、植物等も植え付けられて作られる庭園のスタイルのひとつです。
アラビス(プロクレンス)の草丈は約5(~10)cm、草姿はロゼット状、茎は直立または匍匐性、茎の色は緑色です。葉序は根生葉または互生葉序、葉色は緑色、葉身の形はヘラ形または楕円形か倒卵形、ふち部分には疎らに鋸歯があり、葉は全体的に光沢があります。花序は総状花序、花は花弁が4個、花弁の色は白色、雄蕊は6個あります。
アラビス(プロクレンス)の園芸品種の紹介
ヤマハタザオの特徴や園芸品種
- 原産:ヨーロッパ/アジア/北アフリカ
- 学名:Arabis hirsuta
- 草丈:約15~80cm
- 分類:一年草/多年草
- 開花時期:4月~5月
- 花色:桃色●白色〇
- 葉色:緑色●
- 耐暑性:普通
- 耐寒性:強い
- 用途:
ヤマハタザオとは!?
ヤマハタザオは学名Arabis hirsuta、別名では「へアリー・ロッククレス(hairy rock-cress)」等とも呼ばれるヨーロッパおよびアジア、北アフリカに自生する一年草もしくは多年草です。日本では北海道から九州まで分布しており、草地や道端等に自生しています。
ヤマハタザオの語源(由来)
- 属名のArabisは、ラテン語で「アラビア人」を意味する「Araps」「Arab」からきており、自生地が「岩地」や「砂地」にある事に由来します。
- 種小名のhirsutaはラテン語で「毛深い」「多毛」を意味しており、茎や葉が毛で覆われている事に由来します。
- 和名ヤマハタザオの由来は「旗竿(ハタザオ)」の様に茎がスラリと伸びて花を咲かせる姿から来ています。
ヤマハタザオの特徴(魅力)
- ヤマハタザオは、冬の間はロゼットで過ごし、春になると茎を伸ばし、白色の花を茎に穂状につけて楚々とした外観の花姿をつくります。
- 草姿はロゼット状、茎は殆ど分枝すること無く垂直に伸びるためスラッとした外観をしています。
- 茎や葉には粗い毛(剛毛)が生えており、種小名(hirsuta)や英名(hairy rock-cress))の由来にもなっています。
ヤマハタザオの草丈は約15(~80)cm、草姿はロゼット状、茎は直立、茎の色は緑色または赤みを帯び、全体的に白色の粗い毛が生えます。
葉序は根生葉または互生葉序、葉色は緑色、葉身の形はヘラ形または狭楕円形か倒卵形、ふち部分には疎らに鋸歯があり粗い毛が生えます。
花序は総状花序または散房花序、花は花弁が4個、花弁の色は白色または桃色、雄蕊は6個あります。
ヤマハタザオの園芸品種の紹介
アラビス(アルピナ)の特徴や園芸品種
- 原産:小アジア
- 学名:Arabis alpina
- 草丈:約15~40cm
- 分類:多年草
- 開花時期:3月~6月
- 花色:白色〇
- 葉色:緑色●
- 耐暑性:普通
- 耐寒性:強い
- 用途:
アラビス(アルピナ)とは!?
アラビス(アルピナ)は学名Arabis alpina、別名では「マウンテン ロック クレス(Mountain Rock Cress)」等とも呼ばれる小アジア原産の多年草です。
アラビス(アルピナ)の語源(由来)
- 属名のArabisは、ラテン語で「アラビア人」を意味する「Araps」「Arab」からきており、自生地が「岩地」や「砂地」にある事に由来します。
- 種小名のalpinaはラテン語で「高山の」を意味しており自生している場所に由来します。
アラビス(アルピナ)の特徴(魅力)
アラビス(アルピナ)の草丈は約15(~40)cm、草姿はロゼット状、茎は直立または傾状茎(匍匐して途中で立ち上がる)、茎の色は緑色または赤みを帯び、白色の毛が生えます。葉序は根生葉または互生葉序、葉色は緑色、葉身の形はヘラ形または狭楕円形か倒卵形、ふち部分には鋸歯があり、葉は全体的に白色の毛が生えています。花序は総状花序、花は花弁が4個、花弁の色は白色、雄蕊は6個あります。