クサギ(クレロデンドラム)は属の中に約239種があり、園芸でも様々な種と品種が親しまれています。このページでは5の原種と園芸品種等を紹介しています。
上記の他にも、このページでは育て方へのリンクや購入方法のリンクなども用意しているため、そちらもよければご活用下さい。
■目次
■クサギ(クレロデンドラム)の主な種と園芸品種の紹介
ゲンペイカズラ
ゲンペイカズラとは!
ゲンペイカズラの学名は Clerodendrum thomsoniae 、別名では「ゲンペイクサギ」「ゲンペイボク」「ブリーディング グローリー ボウワー(bleeding glory-bower)」「バック フラワー(bagflower)」等とも呼ばれる常緑低木または常緑つる性木本です。
ゲンペイカズラの原産地は西アフリカ、自生地は熱帯の森林の中などにあります。
ゲンペイカズラの特徴
- 開花期間:十分な温度と光があれば一年を通して花が見られますが、一般的には夏に最も花がみられます。
- 花の装飾性:花(花被片)は白色の萼と赤色の花弁で構成されており、日本では紅白の彩りとなり縁起の良さを感じさせたり、華やかさを感じさせたりする植物です。また海外では萼を心臓に見立て、花弁を一滴の血の雫(bleeding-heart vine)に見立てています。
- 花の日持ち:花被片のうち萼は色が白色・桃色・紫色に変化しながらも数週間から数ヶ月ほど保ちます。一方で赤色の花弁は早期に落ちます。
- 樹形:茎はツル性で柔軟なため、ハンギング仕立てにして枝垂れる姿を演出したり、またトレリスなどの誘引資材を準備してツルを誘引して利用されたりもします。
- インドアグリーン:日光を好む植物ですが、窓際で管理したり、植物育成ライトを活用する事でインドアグリーンとして楽しむ事もできます。
ゲンペイカズラの園芸品種の紹介
ボタンクサギ
ボタンクサギとは!
ボタンクサギの学名は Clerodendrum bungei 、別名では「ヒマラヤクサギ」「ローズ グローリー バウア(rose glory bower)」「メキシカン・ハイドランジア(Mexican hydrangea)」等とも呼ばれる落葉低木です。
ボタンクサギの原産地は中国・台湾・ベトナム、自生地は日当たりの良い山野の林縁などにあります。
ボタンクサギの特徴
- 花の装飾性:花は茎の上部で半球状に集まりボリュームのよい大きな花房となり、花の色は淡い桃色から赤桃色をしています。そのため、可愛らしさを感じさせるお庭などによくあいます。
- 花の日持ち:花被片のうち萼は赤色に変化して多肉化しながら数週間から数ヶ月ほど保ちます。一方で淡い桃色の花弁は早期に落ちます。
- 果実の装飾性:果実の色は植物の世界では珍しい青色・黒色をしており、また赤色の多肉化した萼と強いコントラストを生み出すため、非常によく目立ちます。
- 葉の装飾性:葉の色はふつう緑色ですが、いくつかの品種ではクリーム色があります。そのため、明るさや柔らかさなどを感じさせるカラーリーフとして楽しめる品種もあります。
- 香り:枝葉には香りがあり、特に葉を潰すとピーナッツにも例えられる独特な臭気があります。
- 蜜源:花はアゲハ蝶などの蜜源として働きます。そのため、昆虫と共生したい時などに利用できる植物です。
ボタンクサギの園芸品種の紹介
クサギ
クサギとは!
クサギの学名は Clerodendrum trichotomum 、別名では「ハーレクイン グローリーバウア(harlequin glorybower)」「ピーナツバター ツリー(peanut butter tree)」「グローリーツリー(glorytree)」等とも呼ばれる落葉低木・落葉小高木です。
クサギの原産地は日本・朝鮮・中国、日本では北海道・本州・四国・九州に分布しており、自生地は日当たりの良い山野の林縁などにあります。
クサギの特徴
- 花の特徴:萼は壺形でほんのりと桃色に染まり、萼の中から白色の花弁が出てきます。
- 花の日持ち:花被片のうち萼は赤色に変化して多肉化しながら数週間から数ヶ月ほど保ちます。一方で白色の花弁は早期に落ちます。
- 果実の装飾性:果実の見た目は羽子板の羽根に似ており、果実の色は成熟するにつれて白色・青色・黒色へと変化します。また青色の多肉化した子房と赤色の多肉化した萼のコントラストが、植物の世界ではあまり見られない色合いとなるため非常によく目立ちます。
- 染料:クサギの実は青色の染料になり、クサギ染めとして利用されることもある。
- 香り:枝葉には香りがあり、特に葉を潰すとピーナッツにも例えられる独特な臭気があり、その匂いからクサギ(臭木)の名前がついています。
- 食用:若葉は茹でて食べることができるため、山菜としてとられることもあります。
- 薬用:花の咲く前の枝葉をとり天日乾燥したものは臭梧桐(しゅうごとう)と呼ばれる生薬になる。臭梧桐は高血圧や神経痛にきくと言われる。
クラリンドウ
クラリンドウとは!
クラリンドウの学名は Clerodendrum wallichii 、同義語で Clerodendrum laevifolium 、別名では「クラリンドウ」「クレロデンドラム・ウォリキー」「ブライダルヴェール(Bridal Veil)」等とも呼ばれる常緑低木です。
クラリンドウの原産地はインド・中国・東南アジア など、自生地は熱帯の開けた森林などにあります。
クラリンドウの特徴
- 花の装飾性:花は真っ白なため上品さや清潔感があり、また花穂は真下に垂れ下がるため優雅さを演出することができます。またその美しい花姿から海外では結婚式で花嫁が被るブライダルヴェール(Bridal Veil)に例えられる事もあるようです。
- 花の日持ち:花被片のうち萼は色が黄緑色から赤色に変化しながらも数週間から数ヶ月ほど保ちます。一方で白色の花弁は早期に落ちる傾向にあります。
- 樹形:幹は直立しますが、枝は斜上に伸びながら湾曲する傾向があり、花穂が優雅に枝垂れます。
- インドアグリーン:日光を好む植物ですが、窓際で管理したり、植物育成ライトを活用する事でインドアグリーンとして楽しむ事もできます。
ベニバナクサギ
ベニバナクサギとは!
ベニバナクサギの学名は Clerodendrum bungei 、別名では「クレロデンドロン・スプレンデンス」「フラミンゴグローリーバウア(flaming glorybower)」等とも呼ばれる常緑つる性木本です。
ベニバナクサギの原産地は西アフリカ、自生地は熱帯の森林の中や藪の中などあります。
ベニバナクサギの特徴
- 花の装飾性:花は茎の上部で半球状に集まりボリュームのよい大きな花房となり、花の色は赤色・赤橙色をしています。そのため、派手でカラフルな雰囲気をつくります。
- 花の日持ち:花被片のうち萼は赤色に変化して多肉化しながら数週間から数ヶ月ほど保ちます。一方で花弁は早期に落ちます。
- 果実の装飾性:果実の色は植物の世界では珍しい青色・黒色をしており、また赤色の多肉化した萼と強いコントラストを生み出すため、非常によく目立ちます。
- 樹形:茎はツル性で柔軟なため、トレリスなどの誘引資材を準備してツルを誘引して利用されることが多いです。また茎が絡むものがない場合は地面を這うため地被植物になります。