オトギリソウ(ヒペリカム)は属の中に約238種がありますが、一般に園芸で親しまれている種は幾つかの種とその園芸品種です。例えば、開花期間中は沢山の黄色の花が咲き生垣や庭木として利用されるタイリンキンシバイやキンシバイ、花後に出来る光沢のある果実が切り花やフラワーアレンジメントなどに利用されるヒペリカム(イノドルム)やコボウズオトギリ、匍匐性の樹形をしている事から地被植物として利用されるセイヨウキンシバイ等が親しまれています。
オトギリソウ(ヒペリカム)属の種ごとの育て方は写真か育て方をクリックすると出てくる為よかったらそちらをご覧下さい!
このページでは主な種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を紹介しています。
オトギリソウ(ヒペリカム)の主な種の目次
タイリンキンシバイの特徴や園芸品種
- 学名:Hypericum x hidcoteense
- 草丈:約50~150cm
- 分類:半常緑低木
- 開花時期:5月~7月
- 花色:黄色●
- 葉色:緑色●
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:強い
- 用途:生垣
タイリンキンシバイとは!?
タイリンキンシバイは学名Hypericum x hidcoteense、中国原産のフォレスティ種(H. forrestii)と小アジア原産のセイヨウキンシバイ(Hypericum calycinum)の雑種と考えられている半常緑低木です。
タイリンキンシバイの語源(由来)
- 属名のHypericumは古代ギリシア語で「さらに上」を意味する「ὑπέρ(huper)」と、古代ギリシア語で「宗教画」や「肖像」を意味する「εἰκών(eikon)」の2語からきており、悪霊を撃退する目的で用いられた事に由来すると言われています。
- 種小名のhidcoteenseはおそらく園芸品種のヒデコートが起源という事を意味します。
タイリンキンシバイの特徴(魅力)
- タイリンキンシバイは大輪(タイリン)の名前からもわかる通り直径7cmに達する大きな花と沢山の花を咲かせる所が特徴で、丸みを帯びて成長する習慣(決まりのように繰り返す癖)から生垣などにも使われる雑種の植物です。
- 樹形は株立ち状になり、地際から何本も茎を伸ばし、基部からもよく枝分かれします。
- 多くの場合は晩冬から早春に剪定されて丸みを帯びた半球状の樹形が作られます。
- タイリンキンシバイの花は集散花序に集まり、キンシバイよりも沢山の花が咲く傾向にあります。
- 花はやや丸みを帯びるように花弁がカップ状に開くため可愛らしい外観をしており、花の大きさは直径4~7cmあります。
- 鮮やかな黄色の花色は、明るく開放的な印象を与えたり、レモンのような爽やかな印象を与えたりします。そのため気分が向上する様な爽やかで明るいお庭や、様々な花色を組み合わせたカラフルなお庭などによくあうでしょう。
- タイリンキンシバイ(Hypericum x hidcoteense)とキンシバイ(Hypericum patulum)はよく似ており、また以前はキンシバイの園芸品種と見られていた「ヒドコート」も現在はタイリンキンシバイの園芸品種として扱われている事もあって、しばしば比較される事があります。
- タイリンキンシバイは葉が殆ど十字対生に並び、花の直径は約4~7cmと大ぶりです。
- タイリンキンシバイの生垣は、とりあえず境界を示す目的で利用されることが多く、丸みを帯びる可愛らしい樹形や晩春から夏に開花する花を鑑賞する目的で利用されます。
- タイリンキンシバイはあまり背が高くならないため生垣に求められることが多い【目隠し効果・騒音対策】などの機能は殆どありません。
- タイリンキンシバイの生垣の植え付け間隔は成熟時の横幅を目安にして広めに植え付け間隔をとります。基本的には60cm以上です。
- タイリンキンシバイは夏の暑さ冬の寒さに強いです。
- また地植えしている場合は水やりも肥料も殆どいらないため放ったらかしで育てる事も可能です
タイリンキンシバイの樹高は約50(~150)cm、幅は約50(~150)cm、樹形は株立ち状で地際付近からよく枝分かれして立ち上がり、茎はよく枝分かれして丸みを帯びる外観をつくります。茎の断面は隆起した稜がなく円柱形となります。茎の色は緑色もしくは赤色、木質化した樹皮は褐色から灰褐色になります。
葉序は対生葉序(十字対生)、葉色は緑色、葉柄は無しもしくは非常に短く、葉身の大きさは長さ約1.5(~6)cm、葉身は狭卵形もしくは披針形です。
花序は集散花序、花は直径4(~7)cm、花弁はやや内向きになり皿状に開き、花弁の色は黄色、花弁の数は5個、雄蕊は多数で5個の束で構成されており、雌蕊は5個の心皮が融合する複合雌しべです。果実は蒴果(複数の心皮からなり果皮が裂開して種子を放出する)です。
タイリンキンシバイの園芸品種の紹介
- ヒドコート(Hypericum x hidcoteense ‘Hidcote’)は以前はキンシバイの園芸品種と扱われていましたが、現在はタイリンキンシバイの園芸品種として扱われています。ヒドコートはキンシバイと比べて多花性で花が多く咲く傾向があり、また花は直径が7.5cmにも達する大輪のため華やかで豪華な印象を与えます。ヒドコートの鮮やかな黄色の花色は、明るく開放的な印象を与えたり、レモンのような爽やかな印象を与えたりします。そのため気分が向上する様な爽やかで明るいお庭や、様々な花色を組み合わせたカラフルなお庭などにおすすめです。樹形は株立ち状で丸みを帯びる傾向があり、高さ約50(~150)cm、幅約50(~150)cmに成長します。花は新枝に咲く傾向が強い事から、毎年刈り込みされて丸い樹形に整えられる事が一般的で、庭木として利用されたり、等間隔に並べて生垣として利用されたりします。
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キンシバイの特徴や園芸品種
- 原産:中国
- 学名:Hypericum patulum
- 草丈:約50~150cm
- 分類:半常緑低木
- 開花時期:5月~7月
- 花色:黄色●
- 葉色:緑色●
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:強い
- 誕生花:6月16日/6月30日
- 花言葉:秘密/きらめき/悲しみを止める
- 用途:生垣
キンシバイとは!?
キンシバイは学名Hypericum patulum、別名では「ダンダンゲ」や「ゴールデンカップ・セントジョーンズワート(goldencup St. John’s wort)」とも呼ばれる中国が原産の半常緑低木です。
キンシバイの語源(由来)
- 属名のHypericumは古代ギリシア語で「さらに上」を意味する「ὑπέρ(huper)」と、古代ギリシア語で「宗教画」や「肖像」を意味する「εἰκών(eikon)」の2語からきており、悪霊を撃退する目的で用いられた事に由来すると言われています。
- 種小名のpatulumはラテン語で「広がる」を意味しています。
キンシバイの特徴(魅力)
- キンシバイは株立ち状に丸みを帯びて成長する習慣(決まりのように繰り返す癖)と、晩春から夏にかけて咲くカップ状の可愛らしい黄色の花が魅力の植物です。
- 樹形は株立ち状になり、地際から何本も茎を伸ばし、基部からもよく枝分かれします。
- 多くの場合は晩冬から早春に剪定されて丸みを帯びた球形の樹形が作られます。
- 花は新枝の先につき、複集散花序に花が1~15個集まり開花します。
- 花はやや丸みを帯びるように花弁がカップ状に開くため可愛らしい外観をしており、花の大きさは直径2.5~4cmあります。
- 鮮やかな黄色の花色は、明るく開放的な印象を与えたり、レモンのような爽やかな印象を与えたりします。そのため気分が向上する様な爽やかで明るいお庭や、様々な花色を組み合わせたカラフルなお庭などによくあうでしょう。
- キンシバイ(Hypericum patulum)とタイリンキンシバイ(Hypericum x hidcoteense)はよく似ており、また以前はキンシバイの園芸品種と見られていた「ヒドコート」も現在はタイリンキンシバイの園芸品種として扱われている事もあって、しばしば比較される事があります。
- タイリンキンシバイは葉が殆ど十字対生に並び、花の直径は約4~7cmと大ぶりです。
- キンシバイの生垣は、とりあえず境界を示す目的で利用されることが多く、丸みを帯びる可愛らしい樹形や晩春から夏に開花する花を鑑賞する目的で利用されます。
- キンシバイはあまり背が高くならないため生垣に求められることが多い【目隠し効果・騒音対策】などの機能は殆どありません。
- キンシバイの生垣の植え付け間隔は成熟時の横幅を目安にして広めに植え付け間隔をとります。基本的には60cm以上です。
- キンシバイは夏の暑さ冬の寒さに強いです。
- また地植えしている場合は水やりも肥料も殆どいらないため放ったらかしで育てる事も可能です
キンシバイの樹高は約50(~150)cm、幅は約50(~150)cm、樹形は株立ち状で地際付近からよく枝分かれして立ち上がり、茎はよく枝分かれして丸みを帯びる外観をつくります。茎は四角形で角に隆起した線が4線あり、成長すると2つの隆起した線が消えて両端に隆起した2線が残り、さらに成長すると隆起がなくなり円柱形となります。茎の色は緑色もしくは赤色、木質化した樹皮は褐色から灰褐色になります。
葉序は対生葉序、葉色は緑色、葉柄は無しもしくは非常に短く、葉身の大きさは長さ約1.5(~6)cm、幅は約0.5(~3)cm、葉身は卵形もしくは披針形です。
花序は複集散花序、複集散花序は1(~15)個の花が集まり開花します。花は直径2.5(~4)cm、花弁はやや内向きになり皿状に開き、花弁の色は黄色、花弁の数は5個、雄蕊は5個の束で構成されており、束の中に雄蕊が50(~70)個ある、雌蕊は5個の心皮が融合する複合雌しべです。果実は蒴果(複数の心皮からなり果皮が裂開して種子を放出する)です。蒴果は長さ約1cmの卵形、熟すと5裂して種子を放出します。
キンシバイの園芸品種の紹介
ビヨウヤナギの特徴や園芸品種
- 原産:中国
- 学名:Hypericum monogynum
- 草丈:約50~130cm
- 分類:半常緑低木
- 開花時期:5月~7月
- 花色:黄色●
- 葉色:緑色●
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:強い
- 誕生花:6月23日/6月26日
- 花言葉:多感/薬用/有用/気高さ/あきらめ
- 用途:生垣
ビヨウヤナギとは!?
ビヨウヤナギは学名Hypericum monogynum、別名「ビジョヤナギ」とも呼ばれる中国原産の半落葉低木です。日本には中国時代に渡来したと言われており生垣として庭や公園等で見かける事があります。
ビヨウヤナギの語源(由来)
- 属名のHypericumは古代ギリシア語で「さらに上」を意味する「ὑπέρ(huper)」と、古代ギリシア語で「宗教画」や「肖像」を意味する「εἰκών(eikon)」の2語からきており、悪霊を撃退する目的で用いられた事に由来すると言われています。
- ビヨウヤナギ(未央柳)の由来は、未央宮殿の柳を楊貴妃の眉に例えて玄宗皇帝が詠んだ長恨歌の中での一説「太液の芙蓉未央の柳此に対ひて如何にしてか涙垂れざらむ」からきていると言われています。
- 和名のビヨウヤナギ(未央柳)は、恐らくこの故事になぞらえて楊貴妃の長い眉のように美しい雄蕊をもつ花と、柳に似てやや垂れ下がる枝葉の外観からつけられたと考えられます。
ビヨウヤナギの特徴(魅力)
- ビヨウヤナギは花の雄蕊が著しく長く優雅に伸びるため、女性のまつ毛のような上品な外観をしており、枝葉が優雅に横へと広がる樹形が魅力の植物です。
- 樹形は地際から茎を何本も伸ばす株立ち状です。
- 枝葉は弧を描くように優雅に外へと広がる傾向があります。
- 花は新枝の先につき、複集散花序もしくは集散花序に花が1~15個集まり開花します。
- 花は直径約2.5~6.5cmあり、花弁は水平もしくはやや反り返るように平開して開花します。
- 雄蕊は長さ約1.5~3cmと長く、やや外側に膨らみながら内側を包むように、多数の雄蕊が並びます。
- 鮮やかな黄色の花色は、明るく開放的な印象を与えたり、レモンのような爽やかな印象を与えたりします。そのため気分が向上する様な爽やかで明るいお庭や、様々な花色を組み合わせたカラフルなお庭などによくあうでしょう。
- ビヨウヤナギの生垣は、とりあえず境界を示す目的で利用されることが多く、優雅に広がる樹形や晩春から夏に開花する花を鑑賞する目的で利用されます。
- ビヨウヤナギはあまり背が高くならないため生垣に求められることが多い【目隠し効果・騒音対策】などの機能は殆どありません。
- ビヨウヤナギの生垣の植え付け間隔は成熟時の横幅を目安にして広めに植え付け間隔をとります。基本的には60cm以上です。
- ビヨウヤナギは夏の暑さ冬の寒さに強いです。
- また地植えしている場合は水やりも肥料も殆どいらないため放ったらかしで育てる事も可能です
ビヨウヤナギの樹高は約50(~130)cm、幅は約50(~130)cm、樹形は株立ち状(地際付近から幹・枝が立ち上がる茂る樹形)です。茎は四角形で角に隆起した線が4線あり、成長すると2つの隆起した線が消えて両端に隆起した2線が残り、さらに成長すると隆起がなくなり円柱形となります。茎の色は緑色もしくは赤色、木質化した樹皮は褐色から灰褐色になります。
葉序は対生葉序(十字対生)、葉色は緑色、葉柄は約0.1(~0.2)cm、葉身の大きさは長さ約2.5(~5)cm、幅は約1(~2.5)cm、葉身は狭楕円形です。
花序は集散花序もしくは複集散花序、複集散花序は約1(~15)個の花が集まり開花します。花は直径2.5(~6.5)cm、花弁は平開して水平から垂れ下がる様に広がり、花弁の色は黄色、花弁の数は5個、雄蕊は5個の束で構成されており、束の中に雄蕊が約25(~38)個、雄蕊の長さ約1.5(~3)cm、雌蕊は複合雌しべ。果実は蒴果(複数の心皮からなり果皮が裂開して種子を放出する)です。蒴果は長さ約0.6(~1)cmの卵形もしくは球形です。
ビヨウヤナギの園芸品種の紹介
ヒペリカム(イノドルム)の特徴や園芸品種
- 原産:
- 学名:Hypericum × inodorum
- 草丈:約50~100cm
- 分類:半常緑低木
- 開花時期:5月~7月
- 果実時期:6月~9月
- 花色:黄色●
- 葉色:緑色●
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:強い
- 用途:切り花
ヒペリカム(イノドルム)とは!?
ヒペリカム(イノドルム)は学名Hypericum × inodorum、コボウズオトギリ(Hypericum androsaemum)とヒルキヌム種(H. hircinum)の雑種の半常緑低木です。
ヒペリカム(イノドルム)の語源(由来)
- 属名のHypericumは古代ギリシア語で「さらに上」を意味する「ὑπέρ(huper)」と、古代ギリシア語で「宗教画」や「肖像」を意味する「εἰκών(eikon)」の2語からきており、悪霊を撃退する目的で用いられた事に由来すると言われています。
- 種小名のinodorumは「無臭」を意味します。
ヒペリカム(イノドルム)の特徴(魅力)
- ヒペリカム(イノドルム)は花後に実る果実を鑑賞したり収穫した後に切り花とする目的で育てられる事が多い植物です。
- 果実は初夏から秋にかけて枝先に複数実り、形は球形で光沢があり赤色・桃色・白色等のカラフルな実を楽しめます。
- 樹形は地際から茎を何本も伸ばし株立ち状になります。
- 茎は直立もしくは弧状に湾曲しながら外側へと優雅に広がります。
- 花は多花性で集散花序もしくは複集散花序に枝先に密に集まり開花します。
- 花は花弁が横に平開して広がり、中央に花弁と同程度の長さの雄蕊がフサフサと垂直に伸び目立ちます。
- 鮮やかな黄色の花色は、明るく開放的な印象を与えたり、レモンのような爽やかな印象を与えたりします。そのため気分が向上する様な爽やかで明るいお庭や、様々な花色を組み合わせたカラフルなお庭などによくあうでしょう。
- 果実は収穫して切り花やフラワーアレンジメントの素材として利用されます。
- 鮮やかな赤色もしくは桃色(熟すと黒色)の果実は部屋に飾るとカラフルでポップな雰囲気や、華やかな雰囲気をつくります。
- 切り花の日持ちは管理の仕方などで変化しますが約10日です。
- ヒペリカム(イノドルム)は夏の暑さ冬の寒さに強いです。
- また地植えしている場合は水やりも肥料も殆どいらないため放ったらかしで育てる事も可能です
ヒペリカム(イノドルム)の切り花の楽しみ方
- 切り花の収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 収穫のタイミングは果実が赤色に変化したタイミングで行います。
- 水揚げは水切りです。
- 花瓶に水を入れて果実のついた枝を生けましょう。
- 管理は必要に応じて数日ごとに水切りを行い、水換えも同時に行いましょう。
- 日持ちは管理の方法でも左右されますが約10日です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
ヒペリカム(イノドルム)の園芸品種の紹介
- マジカル・シリーズは枝分かれがよくコンパクトに沢山の花を咲かせるため鉢花として育てやすい所が魅力で、またシリーズの中には豊富な実の色があります。高さは成熟すると80cmまで成長します。
- ミラクル・シリーズ
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コボウズオトギリの特徴や園芸品種
- 原産:ヨーロッパ/西アジア/北アフリカ
- 学名:Hypericum androsaemum
- 草丈:約30~70cm
- 分類:半常緑低木
- 開花時期:5月~7月
- 果実時期:6月~9月
- 花色:黄色●
- 葉色:緑色●
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:強い
- 用途:切り花
コボウズオトギリとは!?
コボウズオトギリは学名Hypericum androsaemum、別名では「ヒペリカム アンドロサエマム」とも呼ばれるヨーロッパ及び西アジア、北アフリカが原産の半常緑低木です。
コボウズオトギリの語源(由来)
- 属名のHypericumは古代ギリシア語で「さらに上」を意味する「ὑπέρ(huper)」と、古代ギリシア語で「宗教画」や「肖像」を意味する「εἰκών(eikon)」の2語からきており、悪霊を撃退する目的で用いられた事に由来すると言われています。
- 種小名のandrosaemumは古代ギリシア語で「人」「男」を意味する「ἀνδρός(andro)」と、古代ギリシア語で「血液」を意味する「αἷμᾰ(haima)」の2語からなり、赤い樹液を意味します。
コボウズオトギリの特徴(魅力)
- コボウズオトギリは花後に実る果実を鑑賞したり収穫した後に切り花とする目的で育てられる事が多い植物です。
- 果実は初夏から秋にかけて枝先に複数実り、形は球形で赤色(桃色)から黒色へと熟すにつれて変化します。
- 樹形は地際から茎を何本も伸ばし株立ち状になります。
- 茎は直立もしくは弧状に湾曲しながら外側へと優雅に広がります。
- 花は枝先につき、集散花序もしくは複集散花序に複数の花が集まり開花します。
- 花は小ぶりで直径約2cm、花弁は横に平開して、突出する黄色の雄蕊が目立ちます。
- 雄蕊は花弁と同程度の長さがあります。
- 花は小ぶりで直径約2cm、花弁は横に平開して、突出する黄色の雄蕊が目立ちます。
- 果実は収穫して切り花やフラワーアレンジメントの素材として利用されます。
- 鮮やかな赤色もしくは桃色(熟すと黒色)の果実は部屋に飾るとカラフルでポップな雰囲気や、華やかな雰囲気をつくります。
- 切り花の日持ちは管理の仕方などで変化しますが約10日です。
- コボウズオトギリは夏の暑さ冬の寒さに強いです。
- また地植えしている場合は水やりも肥料も殆どいらないため放ったらかしで育てる事も可能です
コボウズオトギリの樹高は約30(~70)cm、幅は約30(~70)cm、樹形は株立ち状(地際付近から幹・枝が立ち上がる茂る樹形)です。茎は直立もしくは湾曲して横へと広がる傾向にあり、茎の色は緑色もしくは赤色、木質化した樹皮は褐色から灰褐色になります。
葉序は対生葉序、葉色は緑色、葉柄は無し、葉身の大きさは長さ約4(~15)cm、葉身は卵形です。
花序は集散花序もしくは複集散花序、花は直径1(~2)cm、花弁は平開して水平もしくは後ろにやや反り返り、花弁の色は黄色、花弁の数は5個、雄蕊は多数。果実は球形、色は赤色(桃色)から熟すと黒色へと変わります。
コボウズオトギリの切り花の楽しみ方
- 切り花の収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 収穫のタイミングは果実が赤色に変化したタイミングで行います。
- 水揚げは水切りです。
- 花瓶に水を入れて果実のついた枝を生けましょう。
- 管理は必要に応じて数日ごとに水切りを行い、水換えも同時に行いましょう。
- 日持ちは管理の方法でも左右されますが約10日です。
コボウズオトギリの園芸品種の紹介
セイヨウキンシバイの特徴や園芸品種
セイヨウキンシバイとは!?
セイヨウキンシバイは学名Hypericum calycinum、別名「ヒメキンシバイ」や「ヒペリカム・カリキナム」とも呼ばれる小アジア原産の半常緑低木です。
セイヨウキンシバイの語源(由来)
- 属名のHypericumは古代ギリシア語で「さらに上」を意味する「ὑπέρ(huper)」と、古代ギリシア語で「宗教画」や「肖像」を意味する「εἰκών(eikon)」の2語からきており、悪霊を撃退する目的で用いられた事に由来すると言われています。
- 種小名のcalycinumは「萼」や「蕾」を意味します。
セイヨウキンシバイの特徴(魅力)
- セイヨウキンシバイは地面を匍匐する様に広がる樹形をしている事から、園芸では主に地被植物として利用されており、また花弁と同程度の長さの雄蕊が髭のようにフサフサとしている事から英名ではアーロンの髭(Aaron’s beard)と呼ばる植物です。
- アーロンとは詩篇 133 篇に登場する髭の長い族長です。
- 茎は地面を這うように横に広がる習慣(決まりのように繰り返す癖)があります。
- そのため園芸では植え込みの地面を被覆する地被植物として利用されたり、背の低い生垣などとして利用されたりします。
- 花は直径3~5cmと大ぶりで茎頂に1個もしくは2個か3個つきます。
- 花は雄蕊が著しく多く、また花弁と同程度の長さがあるため、花弁の上で球状の外観をつくります。
- 鮮やかな黄色の花色は、明るく開放的な印象を与えたり、レモンのような爽やかな印象を与えたりします。そのため気分が向上する様な爽やかで明るいお庭や、様々な花色を組み合わせたカラフルなお庭などによくあうでしょう。
- セイヨウキンシバイは夏の暑さ冬の寒さに強いです。
- また地植えしている場合は水やりも肥料も殆どいらないため放ったらかしで育てる事も可能です
セイヨウキンシバイの樹高は約30(~50)cm、幅は約100(~200)cm、地下茎が地面下にあり、樹形は匍匐性、茎の色は緑色もしくは赤色です。
葉序は対生葉序、葉色は緑色、葉柄は無しもしくは非常に短く、葉身の大きさは長さ約5(~10)cm、葉身は卵形もしくは披針形です。
花序は茎頂部にふつう1個もしくは2(~3)個をつきます。花は直径3(~5)cm、花弁は横に平開して、花弁の色は黄色、花弁の数は5個、雄蕊は束ごとに約90(~120)個、雄蕊の花糸は黄色、雄蕊の葯は橙色(~赤色)、雌蕊は複合雌しべです。果実は蒴果(複数の心皮からなり果皮が裂開して種子を放出する)です。
セイヨウキンシバイの園芸品種の紹介
セイヨウオトギリの特徴や園芸品種
- 原産:ヨーロッパ/北アフリカ/西アジア
- 学名:Hypericum perforatum
- 草丈:約30~100cm
- 分類:半常緑低木
- 開花時期:5月~7月
- 花色:黄色●
- 葉色:緑色●
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:強い
- 用途:
セイヨウオトギリとは!?
セイヨウオトギリは学名Hypericum perforatum、別名「セントジョーンズワート」とも呼ばれるヨーロッパ及び北アフリカ、西アジアが原産の多年草です。
セイヨウオトギリの語源(由来)
- 属名のHypericumは古代ギリシア語で「さらに上」を意味する「ὑπέρ(huper)」と、古代ギリシア語で「宗教画」や「肖像」を意味する「εἰκών(eikon)」の2語からきており、悪霊を撃退する目的で用いられた事に由来すると言われています。
- 種小名のperforatumはラテン語で「穴のあいた」「貫通した」を意味しており、葉全体に小さな腺点(明点)があり、その部分は光にかざすと穴があいているように見える事に由来します。
- セントジョーンズワート(St. John’s wort)の由来は、6月24日の聖ヨハネの日までに花が咲き、その日の前後に花が収穫される事に由来しています。
- 収穫した花を家のドア等に吊るしておくことで、人や家畜は悪霊・魔女・危険・病気から守られると信じられています。
セイヨウオトギリの特徴(魅力)
- セイヨウオトギリは葉に半透明の斑点(腺点)がある所が特徴で、腺点は豊富な精油を含んでいるため、潰すと暗赤色の精油(ヒペリシン等)が滲み出てきます。
- 精油はうつ病に対する臨床研究がされており、今のところプラセボ効果よりも有効性があり、抗うつ薬と同等の効果があり、副作用が少ないと言われています。
- 日本ではセイヨウオトギリを乾燥させたものがハーブとして販売されている事があり、ハーブティーなどにして飲まれる事があります。
- ただし様々な薬剤の作用を弱める事があるため、薬を常用している場合などは、セイヨウオトギリのハーブティーを飲む前にお医者に相談した方がよいかもしれません。
- セイヨウオトギリは地面下に匍匐して広がる地下茎があり、地下茎から何本も茎を伸ばし群生をつくります。
- 花は散房状(茎下部の花柄ほど長く頂部に花が集まる)に黄色の花が集まり装飾的です。
- 花は直径約2cm、5個の黄色の花弁があり、花弁の縁部分を中心に黒点が散在します。
- セイヨウオトギリは地下茎と種から広がり雑草化しやすく、アメリカやオーストラリア等の多くの国で侵襲的で有害な雑草として扱われています。
- 日本でも1部の地域で逸出して帰化しており、野生に自生しています。
- 1部の国と地域では、セイヨウオトギリの花が人や家畜等を悪霊・魔女・危険・病気から守ってくれると信じられているため、儀式的な用途で収穫した花を家のドア等に吊るす風習があります。
セイヨウオトギリは草丈が約30(~100)cm、地下茎は匍匐して広がり、草姿は地下茎から茎を何本も伸ばして群生をつくります。茎は直立してよく分枝しており、茎の両端には隆起した線があります。茎の色は緑色もしくは赤みを帯び、黒色の腺が疎らにあります。
葉序は対生葉序、葉色は緑色、葉には小さな腺点(明点)があり光にかざすと透けます。葉柄は無し、葉身の長さ約1(~3)cm、葉身は楕円形(~狭楕円形)もしくは披針形です。
花序は散房花序、散房花序は茎下部の花柄ほど長く頂部に花が集まります。花は直径約2cm、花弁は平開して、花弁の色は黄色(縁部分を中心に黒点がある)、花弁の数は5個、雄蕊は多数、雌蕊は3個の心皮が融合する複合雌しべです。果実は蒴果(複数の心皮からなり果皮が裂開して種子を放出する)です。
セイヨウオトギリの園芸品種の紹介
オトギリソウの特徴や園芸品種
- 原産:日本/朝鮮
- 学名:Hypericum erectum
- 草丈:約20~80cm
- 分類:半常緑低木
- 開花時期:5月~7月
- 花色:黄色●
- 葉色:緑色●
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:強い
- 誕生花:6月24日/11月19日
- 花言葉:迷信/恨み/敵意/盲信/秘密
- 用途:
オトギリソウとは!?
オトギリソウは学名Hypericum erectum、別名では「タカノキズグスリ」や「ヒペリカム・エレクタム」とも呼ばれる日本及び朝鮮が原産の多年草です。日本では北海道から九州まで分布しており、日当たりの良い山地や平地等に自生しています。
オトギリソウの語源(由来)
- 属名のHypericumは古代ギリシア語で「さらに上」を意味する「ὑπέρ(huper)」と、古代ギリシア語で「宗教画」や「肖像」を意味する「εἰκών(eikon)」の2語からきており、悪霊を撃退する目的で用いられた事に由来すると言われています。
- 種小名のperforatumは「直立した」を意味しており、茎が殆ど分枝せずに直立する事からきています。
- オトギリソウ(弟切草)の由来は兄が弟を切り殺したという伝説からきています。
- 平安時代、この植物を原料とした秘伝薬の秘密を隣の恋人に弟が漏らしてしまい、その事に激怒した鷹匠の兄が弟を斬り殺したという伝説があります。
オトギリソウの特徴(魅力)
- オトギリソウは花や葉に黒色の線状(点状)の腺点がある所が特徴で、腺点は精油を含んでいるため、潰すと暗赤色の精油(ヒペリシン等)が滲み出てきます。
- 精油に含まれるヒペリシンやタンニンには薬効もあり、民間療法でも薬草(ハーブ)として使用されますが、経口摂取した場合にヒペリシンが日光アレルギー(光線過敏症)を高める可能性があります。
- オトギリソウは地面下に匍匐して広がる地下茎があり、地下茎から何本も茎を伸ばし群生をつくります。
- 茎は殆ど分枝することなく直立に伸びます。
- 花は散房状(花柄が茎下部ほど長く茎頂部ほど短い)に黄色の花が集まり咲きます。
- 花の花弁には花脈に沿うように黒色の線状(点状)の腺点があります。※ない場合もあります
- オトギリソウと似たセイヨウオトギリは花弁の縁部分に集まる様に腺点があります。
- 花の花弁には花脈に沿うように黒色の線状(点状)の腺点があります。※ない場合もあります
オトギリソウは草丈が約20(~80)cm、地下茎は匍匐して広がり、草姿は地下茎から茎を何本も伸ばして群生をつくります。茎は殆ど分枝することなく直立します。
葉序は対生葉序、葉色は緑色、葉には黒色の腺点が点状または線状に疎らにあります。葉柄は無し、葉身の長さ約2(~6)cm、葉身は披針形です。
花序は散房状(花柄が茎下部ほど長く茎頂部ほど短い)に集まります。花は直径約2cm、花弁は平開して、花弁の色は黄色(花脈に沿うように黒点がある)、花弁の数は5個、雄蕊は多数、雌蕊は3個の心皮が融合する複合雌しべです。果実は蒴果(複数の心皮からなり果皮が裂開して種子を放出する)です。
オトギリソウの園芸品種の紹介