オドリコソウ(ラミウム)属は属の中に約25~50種がありヨーロッパ及びアジア、北アフリカを原産とする多年草もしくは一・二年草です。多くの種が雑草として嫌われていますが、マクラツム種は美しいシルバーリーフと這うように広がる草姿からグランドカバーとして魅力的で、またヒメオドリコソウは上部の葉(苞葉)が紫色に染まり装飾性をもちます。
オドリコソウ(ラミウム)は種によって一年草(越年草)や多年草等があり、育て方も様々ですが、一般的には冬の寒さに強く夏の暑さを苦手にしている植物がおおいようです。
種毎の育て方は写真か育て方をクリックすると出てくるためそちらで確認して下さい。
このページでは種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を記載しています。
![]() ①マクラツム | ![]() ②ヒメオドリコソウ |
![]() ③ホトケノザ | ![]() ④オドリコソウ |
⑤その他の種や園芸品種 |
原産:ヨーロッパ/アジア/北アフリカ
学名:lamium maculatum
草丈:約10~20cm
分類:半常緑多年草
開花時期:3月~6月
花色:桃色●紫色●白色〇
葉色:緑色●黄色●銀色●白色〇
耐暑性:普通
耐寒性:強い
誕生花:8月24日
花言葉:「清明」「愛嬌」「気づかれない想い」
特徴:ラミウム(マクラツム)は学名lamium maculatum、別名「スポッテッド デッド ネトル(spotted dead nettle)」とも呼ばれるヨーロッパ及びアジア、北アフリカが原産の半常緑多年草です。この種は非常に多様で葉の形や色、サイズや毛の生え方等に変動があります。
葉はふんわりと柔らかく葉全体が毛で覆われているため、触るとパサパサ?ふわふわ?とした優しい手触りがあり、思わず寝転んでしまいたくなる様な魅力があります。また光を反射する白色や銀色等の美しい葉色は足元を明るくするだけでなく、お庭全体の雰囲気をよくしてくれるでしょう。茎は根元でのみ分枝した後、匍匐(傾状)しながら不定根を出して制限なく広がります。踏圧にも比較的耐え、耐陰性も強い事から小道の脇や飛び石の間、日当たりの悪い植物と植物の間等のグランドカバーとして利用する事ができ非常に優秀な被覆植物です。
開花時期は早春から初夏に一斉に咲きますが、疎らに秋まで続きます。花色は桃色や紫色、白色があり、唇形の小花を輪散花序に咲かせます。草姿は根元近くで分枝した後に匍匐(傾伏)しながら不定根を出して広がり高さ約10(20)cm × 幅は約30(90)cmまで成長します。葉色は緑色や黄色、白色や銀色等があり、葉身は卵形や腎形、三角形をしており葉序は対生葉序につきます。
ラミウム(マクラツム)は匍匐する様に茎が広がり不定根を出してどんどん広がる事から主にグラントカバーとして利用され、小道の脇や石の隙間、耐陰性がある事から日当たりの悪い植物と植物の間等に植えられます。冬は寒さの厳しい地域では葉を落とす事がありますが、暖かな地域では冬も葉で覆われ地面が剥き出しになる事はありません。早春から初夏にかけて咲く桃色や紫色の花はシルバーリーフとの相性もよく、桃色の花であればピュアでロマンティックな雰囲気のお庭に、紫色の花であれば上品でエレガンスな雰囲気のお庭によく合うでしょう。
ラミウム(マクラツム)は挿し木や株分けによって増やすことが出来ます。育てる際は夏の暑さに耐えるもののジメジメした高温多湿や強い日差しを苦手にするため管理に注意が必要でしょう。一方で冬の寒さには強く丈夫です。
![]() ラミウム(ビーコンシルバー)は緑色に縁取られたハートの形の美しいシルバーリーフが魅力的な園芸品種です。明るいシルバーリーフと濃いな紫色の花は落ち着きのある上品な雰囲気を作るでしょう。高さ約20cm × 幅は約60cmまで成長します。 (´・ω・)p楽天で購入q | ![]() ラミウム(ホワイト ナンシー)は緑色の縁が入る美しいシルバーリーフと清潔感を感じさせる白色の花が明るく上品な雰囲気をつくる園芸品種です。草姿は基部で分枝した後に傾伏に茎を這わせて広がりグランドカバーを作ります。高さ約20cm × 幅は約60cmまで成長します。 (´・ω・)p楽天で購入q |
![]() ラミウム(ビーコンシルバー)は緑色に縁取られたハートの形の美しいシルバーリーフが魅力的な園芸品種です。明るいシルバーリーフと上品な紫色の花は上品なコントラストを作りエレガンスな雰囲気のお庭によく合うでしょう。高さ約20cm × 幅は約60cmまで成長します。 (´・ω・)p楽天で購入q | ![]() ラミウム(ピンクピューター)はピンク色の花と明るいシルバーリーフがロマンティックな雰囲気を作る園芸品種です。 (´・ω・)p楽天で購入q |
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原産:ヨーロッパ
学名:lamium purpureum
草丈:約20~30cm
分類:一年草(越年草)
開花時期:2月~5月
花色:桃色●紫色●白色〇
葉色:緑色●紫色●
耐暑性:-
耐寒性:強い
誕生花:2月6日
花言葉:「快活」「陽気」「愛嬌」
特徴:ヒメオドリコソウは学名lamium purpureum、別名「パープル デッド ネタル(purple dead nettle)」とも呼ばれるヨーロッパ原産の一年草(越年草)です。日本でも明治時代中期に帰化しており、北海道から九州までほぼ全国に分布しており畑地や荒地、林縁や河岸等の様々な場所で見る事が出来ます。草姿は根元で分枝した後に少し水平に成長してその後、直立に茎を伸ばして群生するような姿を作ります。上部の葉には葉柄がなく赤紫色に染まっており、葉の両面共に毛があります。
ヒメオドリコソウの若葉はサラダとして食べる事もでき、またおひたしや天ぷら等に調理して食べる事ができます。ただし一般的な葉物野菜と比べるとエグ味があり味はあまり良くないようです。また花にも甘い蜜があり筒状の小花を外してお尻から吸うとほんのり甘い蜜の味を感じる事が出来ます。またこの花蜜は花蜂や蜜蜂の重要な蜜源にもなっており、開花期になると花の下唇に足を乗せて花の中に頭を入れながら蜜を吸う可愛らしい花蜂達の姿を見る事が出来るでしょう。
ヒメオドリコソウとホトケノザは花の形や葉の形がやや似ている所があります。比較するとヒメオドリコソウは花序(節間)が短く詰まった感じに花を咲かせますが、ホトケノザは花序(節間)が長く伸び伸びとした花姿をしています。ヒメオドリコソウは上部の葉が卵形で茎葉ともに赤紫色に染まりますが、ホトケノザは葉の形が扇形で浅く避けた鋸歯があり緑色です。
開花時期は晩冬から晩春、花色は紫色や桃色、白色があり、唇形の小花を苞葉の腋に数個ずつ咲かせ花序は密になる。草姿は直立して高さ約20(30)cm × 幅は約20(30)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は卵形で葉縁に鋸歯があり葉序は対生葉序につきます。
![]() ヒメオドリコソウ |
原産:ヨーロッパ/アジア/北アフリカ
学名:lamium amplexicaule
草丈:約10~30cm
分類:一年草(越年草)
開花時期:2月~6月
花色:桃色●紫色●
葉色:緑色●
耐暑性:-
耐寒性:-
誕生花:2月8日
花言葉:「調和」「輝く心」
特徴:ホトケノザは学名lamium amplexicaule、別名「サンガイグサ」とも呼ばれるヨーロッパ及びアジア、北アフリカが原産の一年草(越年草)です。日本にも帰化しており北海道を除く全国の道端や田畑等でよく見られ、花壇等にもいつの間にか侵入して雑草として嫌われる事もあります。ホトケノザがいつの間にか様々な場所に侵入する理由のひとつに、種にエライオソームと呼ばれる蟻が好む粒子が付いており、種を蟻がよく運ぶことにあります。エライオソームは乾いたり擦れたりするといつの間にか無くなるため、蟻は暫くすると種に見向きもしなくなり、その場に残った種は発芽して翌年に花と種を付けて枯れていきます。
ホトケノザ(L.amplexicaule)は食用ではありません(食用に向かない)が、同名(別名)で「ホトケノザ」と呼ばれ春の七草として七草粥にして食べられるコオニタビラコ(L. apogonoides)があります。同名のためしばしば混同されてしまう事があるため注意が必要ですが、基本的には草姿や葉の形、花の形や花色等が違うため名前以外で間違う要素はありません。
花は甘い蜜があり、ツツジと同様に筒状の小花を外した後にお尻から吸うとほんのり甘い蜜を感じる事が出来ます。またこの花蜜は花蜂の重要な蜜源(蜜蜂は舌が届かないため花粉のみ)にもなっており、花は斑点や足場になる下唇によって蜜の場所を蜜蜂や花蜂等に教えて蜜を与えるかわりに花粉を運んで貰っています。また一方で花弁が開く程に成長しない閉鎖花ももち自家受粉する事で種をつける花もあります。
開花時期は晩冬から初夏、花色は桃色や紫色、2唇形で下唇が3裂、中央裂片が2裂する小花を茎上部の葉腋に数個ずつ咲きます。草姿は下部でよく分枝して直立し高さ約10(30)cm × 幅は約10(30)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は扇形で葉縁に鋸歯があり葉序は対生葉序につきます。
![]() ホトケノザ |
原産:ヨーロッパ/アジア
学名:lamium album
草丈:約30~60cm
分類:常緑多年草
開花時期:4月~6月
花色:白色〇
葉色:緑色●
耐暑性:普通
耐寒性:強い
誕生花:4月7日
花言葉:「陽気」「愛嬌」「快活」
特徴:オドリコソウは学名lamium album、別名「ホワイト ネトル(white nettle)」とも呼ばれるヨーロッパ及びアジアが原産の常緑多年草です。日本では北海道から九州まで広く分布して山地や平地等の様々な場所で群生した姿を見る事が出来ます。群生する理由は一度根付くと地面下を地下茎で広がりながら茎を地面から何本も出すためで、こぼれ種や地下茎で広がる事が出来ます。常緑のため冬も葉が枯れる事なく茂り続け、また春に新しく成長した若葉は山菜としておひたしにされたり天ぷら等にして食べられます。
花には甘い蜜があり筒状の小花を外してお尻から吸うとほんのり甘い蜜を感じる事が出来ます。またこの花蜜は花蜂や蜜蜂の重要な蜜源にもなっており、開花期になると下唇に足を乗せて花の中に頭を入れながら蜜を吸う可愛らしい花蜂達の姿を見る事が出来るでしょう。
開花時期は春から夏、花色は白色、長さ3~4cmの唇形の小花を輪散花序に咲かせます。草姿は直立した地下茎により広がり高さ約30(60)cm × 幅は約30(60)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は卵形で葉縁に鋸歯があり葉序は対生葉序につきます。
![]() オドリコソウ |
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