アカシア属の種は約1085種があり、園芸でも様々な種と品種が親しまれています。このページでは19種類の原種と、いくつかの園芸品種を紹介しています。
上記の他にも、このページでは育て方や購入する際のリンクも用意しています。よければ、そちらもご活用ください。
■目次
■アカシア属の簡易比較

学名:Acacia dealbata
生活形:常緑高木
樹高:約150~3000cm
開花:2月~4月
花の形:頭状円錐花序
花色:黄色
葉の形:2回羽状複葉
葉色:緑色・白緑色・青緑色
備考:一般的にミモザの花として花材に利用されます。花の数が他の種と比べて非常に多く、枝葉を覆うように咲き誇るため豪華な花姿が楽しめます。また花の香りとよく、蜂蜜を想像させるような甘くパウダリーな香りが楽しめます。

学名:Acacia baileyana
生活形:常緑小高木・常緑高木
樹高:約300~1000cm
開花:2月~4月
花の形:頭状総状花序
花色:黄色
葉の形:2回羽状複葉
葉色:緑色・白緑色・青緑色・赤紫色・白色
備考:本種は枝葉が強く白粉を帯び、白緑色から灰緑色をしているため、柔らかで明るい印象を与えるカラーリーフとして楽しめます。また一部の品種は赤紫色をしているため、上品な印象を与えるカラーリーフにもなります。花のボリューム感はフサアカシアと比べるとないですが、美しい葉とのコントラストが楽しめます。

学名:Acacia podalyriifolia
生活形:常緑低木
樹高:約150~700cm(自生地では1000cmに達します)
開花:2月~4月
花の形:頭状総状花序
花色:黄色
葉の形:広楕円形・卵形・倒卵形
葉色:緑色・灰緑色・白緑色・白青緑色
備考:偽葉は丸みのある外観をしており、さらに表面に白色の軟毛が生え、葉の色が白緑色・灰緑色・白青緑色をしているため、真珠(パール)のようなラグジュアリーな見た目をしています。

学名:Acacia cultriformis
生活形:常緑低木
樹高:約400cm
開花:2月~4月
花の形:頭状総状花序
花色:黄色
葉の形:三角形
葉色:緑色・灰緑色・白緑色・白青緑色
備考:偽葉は三角形でシャープな外観をしており、さらに表面に白色の軟毛が生えるためシルバーリーフとして楽しめます。

学名:Acacia deanei
生活形:常緑小高木
樹高:約150~700cm
開花:周年
花の形:頭状総状花序
花色:黄色・クリーム色
葉の形:2回羽状複葉
葉色:緑色・灰緑色・白緑色
備考:花は一年を通し開花するため、花を長く楽しみたい人に好まれるアカシアです。

学名:Acacia aphylla
生活形:常緑低木
樹高:約100~300cm
開花:2月~4月
花の形:頭状花序
花色:黄色
葉の形:-(幼木の時期のみ2回羽状複葉の葉がある)
葉色:-
備考:本種は葉が無いため、珊瑚を想像させるような枝のシルエットが楽しめます。
学名:Acacia spinescens
生活形:常緑低木
樹高:約50~100cm
開花:2月~4月
花の形:頭状花序
花色:黄色
葉の形:-(幼木の時期のみ2回羽状複葉の葉がある)
葉色:-
備考:本種は葉が無いため、枝のシルエットを楽しむ事ができます。また枝の先端には刺があります。

学名:Acacia covenyi
生活形:常緑小高木
樹高:約150~750cm
開花:2月~4月
花の形:頭状総状花序
花色:黄色
葉の形:狭楕円形
葉色:白緑色・白青緑色
備考:本種は分枝がとても多く細い枝が高密度に茂るため、株はブッシュの見た目になりやすいです。そのため、生垣などに活用されます。葉表面は白粉を帯びて、白っぽく白緑色から白青緑色をしており、パステル調の柔らかな雰囲気を感じさせるためカラーリーフとしても楽しめます。

学名:Acacia cognata
生活形:常緑小高木・常緑高木
樹高:約100~1000cm
開花:2月~4月
花の形:頭状
花色:黄色
葉の形:線形
葉色:緑色・灰緑色・黄色・銅色
備考:本種は柳のように末端の枝葉が枝垂れ優美な樹形をつくります。また一部の品種の枝葉が匍匐するように広がるため、ボリューム感のある地被植物として利用する事が可能です。

学名:Acacia fimbriata
生活形:常緑小高木
樹高:約300~700cm
開花:2月~4月
花の形:頭状総状花序
花色:黄色
葉の形:線形
葉色:緑色・赤色・黄色
備考:偽葉は線形で縁部分に糸状の毛が生えてフリンジ状になります。葉の色は普通緑色ですが、いくつかの品種では葉の色が黄色から赤色を呈しカラーリーフとして楽しめます。

学名:Acacia pycnantha
生活形:常緑小高木
樹高:約300~800cm
開花:2月~4月
花の形:頭状総状花序
花色:黄色
葉の形:鎌形
葉色:緑色
備考:花数が多く、枝葉を覆うように花が咲き誇るため豪華な花姿が楽しめます。花は香りがとても良く、精油を抽出し香水の原料にも使われます。
学名:Acacia pendula
生活形:常緑高木
樹高:約500~1300cm
開花:2月~4月
花の形:頭状総状花序
花色:黄色
葉の形:線形・鎌形
葉色:緑色・灰緑色・黄色・銅色
備考:本種は柳のように末端の枝葉が枝垂れ優美な樹形をつくります。葉は表面に白色の毛が密生するため、灰緑色を呈し、さらに毛に光が反射することで銀白色に見えることもあります。

学名:Acacia floribunda
生活形:常緑小高木
樹高:約300~800cm
開花:2月~4月
花の形:穂状花序
花色:黄色・白色
葉の形:線形・鎌形
葉色:緑色・黄色・赤橙色
備考:花序が頭花を形成せず、穂状花序になり、また雄蕊が突出するため、猫のしっぽのようなふさふさとした見た目の花穂をつくります。
学名:Acacia flexifolia
生活形:常緑低木
樹高:約30~150cm
開花:2月~4月
花の形:頭状花序
花色:黄色
葉の形:線形
葉色:緑色・灰緑色
備考:地際からシュートが出やすく叢生型(株立ち)になりやすい。
学名:Acacia spectabilis
生活形:常緑低木・常緑小高木
樹高:約200~600cm
開花:2月~4月
花の形:頭状総状花序・頭状円錐花序
花色:黄色・クリーム色
葉の形:2回羽状複葉
葉色:緑色
備考:多花性で枝葉を覆うように花が咲き誇るため、豪華な花姿が楽しめます。小葉が丸みのある楕円形で可愛らしい見た目をしています。
学名:Acacia rubida
生活形:常緑小高木
樹高:約200~1000cm
開花:2月~4月
花の形:頭状
花色:黄色
葉の形:鎌形
葉色:緑色
備考:茎の色が赤色を呈します。
学名:Acacia boormanii
生活形:常緑低木
樹高:約450cm
開花:2月~4月
花の形:頭状総状花序・頭状円錐花序
花色:黄色・白色
葉の形:狭楕円形・線形
葉色:緑色・灰緑色
備考:多花性で枝葉を覆うように花が咲き誇るため、豪華な花姿が楽しめます。

学名:Acacia mearnsii
生活形:常緑高木
樹高:約1000~1600cm
開花:3月~5月
花の形:頭状円錐花序
花色:黄色・クリーム色
葉の形:2回羽状複葉
葉色:緑色・濃緑色
備考:樹皮の色が黒色をしています。
学名:Acacia myrtifolia
生活形:常緑低木
樹高:約50~300cm
開花:2月~4月
花の形:頭状総状花序
花色:白色・クリーム色
葉の形:楕円形・鎌形
葉色:緑色・濃緑色
備考:花色は白色の花糸と、クリーム色の葯からなり、ギンバイカの花のような見た目をしています。
■アカシア属の主な種と園芸品種の紹介
フサアカシア

フサアカシアとは!
フサアカシア(学名:Acacia dealbata)は、別名では「ミモザ(mimosa)」「シルバーワトル(silver wattle)」「ブルーワトル(blue wattle)」等とも呼ばれるマメ科アカシア属の種です。
フサアカシアの原産地はオーストラリア(ニューサウスウェールズ州、タスマニア州、ビクトリア州)に分布し、自生地は山地の林縁、開けた疎林、火事後などの撹乱地、湿地の縁などに見られます。
フサアカシアの特徴
- 形態:樹高は一般的に約1.5~20 m(自生地では最大30m)で、生育型は直立型または分枝型か叢生型になり、葉の形は2回羽状複葉、花は頭状円錐花序です。
- 近縁種との比較:本種は、ギンヨウアカシアと比べて花数が非常に多く、枝葉を覆い尽くすように非常に沢山の花が咲きます。そのため、一般的にミモザの花として花材に利用されるのは本種です。また葉を構成する羽片の数が多く優美に広がり、この羽片は殆ど同じ角度で平行に並びます。
- 花の魅力:本種は、黄色の花が枝葉を覆うように咲き誇る圧巻の花数が魅力です。そのため、開花期には明るさや元気の良さを感じさせるような美しい景観を作り出し、またこの花を収穫すれば花材としても利用できます。この花は球形に集まり、雄蕊が突出しているため、ぽんぽんのような可愛らしい形をしており、また球形に集まる頭花は円錐状につき頭状円錐花序を形成します。
- 葉の魅力:本種の若い葉(と枝)は白色の毛が生え、色が白緑色・灰緑色をしているため、明るく柔らかな印象を与える色彩効果を生み出します。またこの葉は2回羽状複葉で、小葉も細長い線形のため、鳥の羽根やレースの編み物を思わせる繊細で洗練された印象を与えるファンシーリーフとして楽しむことも出来ます。またこのように、全体的に洗練された印象を与えることから、気品のあるエレガントなお庭などによく調和します。
- 香りの特徴:本種の花には、蜂蜜を想像させる甘くパウダリーな香りがあります。この芳香を生みだす主要な精油はルペオール、安息香酸ベンジル、安息香酸エチル、サリチル酸メチル、リノール酸エチルなどが含まれ、香りに複雑さと奥行きを与えています。本種は、この香りを楽しむ目的で、小道の植え込みに植栽してそこを通る度に香りを楽しめるようにしたり、玄関先に飾られて出かける際に香りが楽しめるようにしたり、お庭のガーデンファニチャーの傍に植栽して休憩しながら香りが楽しまれたり、切り花として部屋に飾り充満する香りが楽しまれたりします。
- フラワーアレンジメント:花や葉は収穫して切り花として楽しんだり、ドライフラワーにしてスワッグなどの花材として利用したりできます。特に本種はアカシア属の中で花穂が大きくて、ボリューム感があるため、豪華な花材となります。
- 文化:イタリア、アルバニア、ロシアなどでは、国際女性デー(International Women’s Day)の日に、ミモザ(フサアカシアの別名)の花を女性に贈る習慣があります。この花を贈る意味は、男女平等・女性の戦いと功績を称え、支援する意味を持つようです。
- その他の用途:花から採れる精油は香水や石鹸の原料として利用されます。またフサアカシアからとれる木材は家具などの材料に使われており、オーストラリアの一部の民族は樹皮をロープや紐の素材に使用しています。
フサアカシアの園芸品種の紹介
●モニカ
学名:Acacia dealbata ‘Monica
開花時期:2月~4月
花の色:黄色
葉の色:緑色・白緑色・灰緑色
草丈:約100cm
備考:矮性品種で樹高は100cm程度にしかならないため、スモールガーデンや鉢植えで育てやすくなっています、ら花穂の形が円柱形で、ふさふさとしており、猫の尻尾のような可愛らしい見た目をしています。
ギンヨウアカシア



ギンヨウアカシアとは!
ギンヨウアカシア(学名:Acacia baileyana)は、別名では「ミモザアカシア」「ハナアカシア」「クータマンドラ ワトル(Cootamundra wattle)」等とも呼ばれるマメ科アカシア属の種です。
ギンヨウアカシアの原産地はオーストラリアで、ニューサウスウェールズ州に分布し、自生地は乾燥した砂地、低木が疎らに生える疎林、荒れ地などに見られます。
ギンヨウアカシアの特徴
- 形態:樹高は300~1000cm、生育型は直立型または分枝型か叢生型になり、葉の形は2回羽状複葉、花は頭状総状花序です。
- 近縁種との比較:本種は枝葉が白粉を帯びるため見た目が白緑色・灰緑色をしており、一部の品種は赤紫色をしています。
- 花の魅力:本種はフサアカシアと比べると、頭花が小さくて数も少ないため、枝葉を覆うようなボリューム感がないですが、黄色の花と白緑色の美しい葉とのコントラストが楽しめます。この花は球形に集まり、雄蕊が突出しているため、ぽんぽんのような可愛らしい形をしており、また鮮やかな黄色をしているため、明るさや元気の良さを感じさせる色彩効果を生み出します。
- 葉の魅力:本種の葉は白粉を帯び、色が白緑色・灰緑色をしているため、明るく柔らかな印象を与える色彩効果を生み出します。またこの葉は2回羽状複葉で、小葉も細長い線形のため、鳥の羽根やレースの編み物を思わせる繊細で洗練された印象を与えるファンシーリーフとして楽しむことも出来ます。またこのように、全体的に洗練された印象を与えることから、気品のあるエレガントなお庭などによく調和します。
- 耐乾性:若い枝葉は白粉を帯びており、これは植物を紫外線や乾燥等から植物を守る働きがあります。実際、この植物は乾燥にとても強く、地植えであれば水やりを基本的に必要とせず、降水に任せて栽培ができます。
- フラワーアレンジメント:花や葉は収穫して切り花として楽しんだり、ドライフラワーにしてスワッグなどの花材として利用したりできます。本種は花穂にフサアカシアのようなボリューム感はないですが、黄色の花と白緑色の葉のコントラストがとても美しく、また葉は一年を通して花材として利用できるため重宝します。
ギンヨウアカシアの園芸品種の紹介
●プルプレア

学名:Acacia baileyana ‘purpurea’
開花時期:2月~4月
花の色:黄色
葉の色:白緑色・赤紫色
樹高:約300~1000cm
備考:葉の色は基本的に白緑色をしていますが、若葉の色が赤紫色をしています。そのため、一般的なギンヨウアカシアよりも華やかさの中に上品さも感じさせるカラーリーフとして楽しめる品種です。
●ペンデュラ


学名:Acacia dealbata ‘pendula’
開花時期:2月~4月
花の色:黄色
葉の色:白緑色・灰緑色
樹高:約100~400cm
備考:側枝が弧状に広がり枝垂れるため、柳の木のような優雅な樹形をつくります。そのため、エレガントなお庭によく調和します。またギンヨウアカシアの近縁種のアカシア・ペンデュラ(Acacia pendula)と比べると、葉の形が羽状複葉となるため、繊細な葉姿が楽しめます。
パールアカシア

パールアカシアとは!
パールアカシア(学名:Acacia podalyriifolia)は、別名では「ムクゲアカシア」「パールワトル(pearl wattle)」「アカシア・ポダリリーフォリア」「マウント・モルガンワトル(Mount Morgan wattle)」「クィーンズランド・シルバーワトル(Queensland silver wattle)」とも呼ばれるマメ科アカシア属の種です。
パールアカシアの原産地はオーストラリア(ニューサウスウェールズ州、クイーンズランド州)で、自生地は硬葉樹林が広がる平地や丘陵地、砂岩地帯などに見られます。
パールアカシアの特徴
- 形態:樹高は約150~700cm(自生地では1000cmに達します)、生育型は直立型または分枝型か叢生型になり、葉は葉柄が葉身のような機能を持った偽葉で、花は球形の頭花が集まる頭状総状花序です。
- 近縁種との比較:本種は、多くの近縁種のアカシアの葉(2回羽状複葉)と違い、葉柄が葉身のような見た目をしている偽葉です。さらに、この若い葉(と枝)は白色の軟毛が密生しているため白緑色・灰緑色・白青緑色の色合いをしており、質感がビロードのようになっています。
- 花の魅力:本種は、他のアカシア属の種と同様に雄蕊の花糸が目立つ頭花が総状に並び豪華な花姿を見せます。またこの黄色の花は、白緑色の葉と美しいコントラストを生み出して、光り輝いているような色彩効果が生まれます。そのため、明るく清潔感を感じさせるようなお庭や、また高級感を感じさせるラグジュアリーなお庭などによく調和するでしょう。
- 葉の魅力:本種の葉は葉柄が葉身のように変化した偽葉で、丸みのある外観をしており、さらに表面に白色の軟毛が密生しているため、葉の色が白緑色・灰緑色・白青緑色をしています。そのため、真珠(パール)に例えられることもあり、ラグジュアリーな見た目のカラーリーフとして楽しむことができます。
- フラワーアレンジメント:花や葉は収穫して切り花として楽しんだり、ドライフラワーにしてスワッグなどの花材として利用したりできます。本種は花穂にフサアカシアのようなボリューム感はないですが、黄色の花と白緑色の葉のコントラストがとても美しく、また葉は一年を通して花材として利用できるため重宝します。
サンカクバアカシア


サンカクバアカシアとは!
サンカクバアカシア(学名:Acacia cultriformis)は、別名では「アカシア・カルトリフォラミス」「ナイフ リーフワトル(knife leaf wattle)」「ドックトゥース・ワトル(dogtooth wattle)」「ゴールデングロウ・ワトル(golden-glow wattle)」とも呼ばれるマメ科アカシア属の種です。
サンカクバアカシアの原産地はオーストラリア(ニューサウスウェールズ州、クイーンズランド州)で、自生地は硬葉樹林やヒース(荒れ地)が広がる平地や丘陵地、砂岩地帯などに見られます。
サンカクバアカシアの特徴
- 形態:樹高は約400cm、生育型は直立型または分枝型か叢生型になり、葉は葉柄が葉身のような機能を持った偽葉で、偽葉は三角形をしており、花は球形の頭花が集まる頭状総状花序です。
- 近縁種との比較:本種は、多くの近縁種のアカシアの葉(2回羽状複葉)と違い、葉柄が葉身のような見た目をしている偽葉です。この偽葉はナイフに例えられるように三角形をしており、さらに、この若い葉(と枝)は白粉を帯びるため白っぽい見た目をしています。
- 花の魅力:本種は、他のアカシア属の種と同様に雄蕊の花糸が目立つ頭花が総状に並び豪華な花姿を見せます。またこの黄色の花は、白緑色の葉と美しいコントラストを生み出して、光り輝いているような色彩効果が生まれます。そのため、明るく清潔感を感じさせるようなお庭や、また高級感を感じさせるラグジュアリーなお庭などによく調和するでしょう。
- 葉の魅力:本種の葉は葉柄が葉身のように変化した偽葉で、ナイフを思わせるような尖った三角形をしており、さらに白粉で覆われクチクラ層が発達しています。そのため、葉の色は灰緑色・白緑色・白青緑色をしており、爽やかさや清潔感のあるを感じさせるカラーリーフとして楽しめます。
- 耐乾性:若い枝葉は白粉を帯びてクチクラ層が発達し、これは植物を紫外線や乾燥等から植物を守る働きがあります。実際、この植物は乾燥にとても強く、地植えであれば水やりを基本的に必要とせず、降水に任せて栽培ができます。
- フラワーアレンジメント:花や葉は収穫して切り花として楽しんだり、ドライフラワーにしてスワッグなどの花材として利用したりできます。本種は花穂にフサアカシアのようなボリューム感はないですが、黄色の花と白緑色の葉のコントラストがとても美しく、また葉は一年を通して花材として利用できるため重宝します。
アカシア・デアネイ

アカシア・デアネイとは!
アカシア・デアネイ(学名:Acacia deanei)は、別名で「四季咲きアカシア」「ディーンズ・ワトル(Deane’s wattle)」「グリーン・ワトル(green wattle)」とも呼ばれるマメ科アカシア属の種です。
アカシア・デアネイの原産地はオーストラリア(ニューサウスウェールズ州、クイーンズランド州、ビクトリア州)に分布し、自生地は硬葉樹林が広がる平地や丘陵地などに見られます。
アカシア・デアネイの特徴
- 形態:樹高は一般的に約150~700cm 、生育型は直立型または分枝型か叢生型になり、葉の形は2回羽状複葉、花は頭状総状花序または頭状円錐花序になります。
- 近縁種との比較:本種は、近縁種の多くのアカシア属の種が晩冬から早春に一斉に花を咲かせるのに対して、一年を通して花を咲かせます。ただし、花は一斉に開花せず疎らに咲くため、枝葉を覆い尽くすような豪華さはなく、また花の色はクリーム色に近いため色彩効果は控えめです。
- 開花期間:花が一年を通して見られるため、アカシアの花を長く楽しみたい人に好まれます。
- 花の魅力:本種は、他のアカシア属の種と同様に雄蕊の花糸が目立つ頭花が総状または円錐状に並び豪華な花姿を見せます。ただし、開花が疎らで色もクリーム色を呈すため、葉の存在感に負けてひっそりと咲いていることも多いです。そのため、景観としての魅力はフサアカシア等に劣りますが、一年を通して花が収穫できるため花材としては重宝するかもしれません。
- 葉の魅力:葉は2回羽状複葉で、小葉も細長い線形のため、鳥の羽根やレースの編み物を思わせる繊細で洗練された印象を与えるファンシーリーフとして楽しむこともできます。またこのように、全体的に洗練された印象を与えることから、気品のあるエレガントなお庭などによく調和します。
- フラワーアレンジメント:花や葉は収穫して切り花として楽しんだり、ドライフラワーにしてスワッグなどの花材として利用したりできます。特に本種は一年を通して花が収穫できるため、季節を問わずにアカシアを楽しみたい人に好まれるでしょう。
アカシア・アフィラ

アカシア・アフィラとは!
アカシア・アフィラ(学名:Acacia aphylla)は、別名では「リーフレス・ロック・ワトル(leafless rock wattle)」「ツイステッド・デザート ワトル(twisted desert wattle)」とも呼ばれるマメ科アカシア属の種です。
アカシア・アフィラの原産地はオーストラリア(西オーストラリア州)で、自生地は平地や丘陵地の疎林(ユーカリ林)や岩場の露頭などに見られます。
アカシア・アフィラの特徴
- 形態:樹高は約100~300cm、生育型は分枝型で、葉は幼木の時期のみ羽状複葉があり、成木になると葉がなくなり茎のみになり、花は節から花柄を伸ばし球形の頭花が単生します。
- 花の魅力:本種は、他のアカシア属の種と同様に雄蕊の花糸が目立つ頭花があります。ただし、基本的に単生で節に1個しか付かないためボリューム感は感じさせにくいです。その一方で、葉が無いため黄色の花が際立ちます。
- 枝の魅力:本種は成木になると葉が付かないため、枝が作り出すシルエットが楽しめます。この枝は、分枝が多く斜上に広がるため、ジグザグと交差した見た目になり、珊瑚を想像させるようなシルエットを作り出します。またこの枝は白粉を帯び、白緑色をしているため、爽やかな色彩効果を生み出す点も魅力となります。
- 耐乾性:本種は葉が無いことで蒸散による水分の損失を抑えており、さらに枝は白粉を帯びてクチクラ層が発達しており、植物を紫外線や乾燥等から植物を守っています。実際、この植物は乾燥にとても強く、地植えであれば水やりを基本的に必要とせず、降水に任せて栽培ができます。
- ロックガーデン:本種は自生地が岩場の露頭などにあり、砂礫が多く栄養の乏しい土壌に生息しています。そのため、土壌層が浅くて乾燥しやすいロックガーデンにも最適な植物のひとつとなります。
- フラワーアレンジメント:花や枝は収穫して切り花として楽しんだり、ドライフラワーにしてスワッグなどの花材として利用したりできます。
アカシア・スピネセンス
アカシア・スピネセンスとは!
アカシア・スピネセンス(学名:Acacia spinescens)は、別名では「スピニー・ワトル(spiny wattle)」等とも呼ばれるマメ科アカシア属の種です。
アカシア・スピネセンスの原産地はオーストラリア(南オーストラリア州、ビクトリア州)で、自生地は疎林や荒れ地などに見られます。
アカシア・スピネセンスの特徴
- 形態:樹高は50~100cm、生育型は分枝型か叢生型になり、葉は幼木の時期のみ羽状複葉があり、成木になると葉がなくなり茎のみになり、花は節から花柄を伸ばし球形の頭花が単生します。
- 花の魅力:本種は、他のアカシア属の種と同様に雄蕊の花糸が目立つ頭花があります。ただし、基本的に単生で節に1個しか付かないためボリューム感は感じさせにくいです。その一方で、葉が無いため黄色の花が際立ちます。
- 枝の魅力:本種は成木になると葉が付かないため、枝が作り出すシルエットが楽しめます。この枝は、分枝が多く斜上に広がるため、ジグザグと交差した見た目になり、珊瑚を想像させるようなシルエットを作り出します。またこの枝は、先端が棘状に尖るため、近寄り難いシャープな印象を感じさせやすいです。
- 耐乾性:本種は葉が無いことで蒸散による水分の損失を抑えられています。実際、この植物は乾燥にとても強く、地植えであれば水やりを基本的に必要とせず、降水に任せて栽培ができます。
- ロックガーデン:本種は自生地が岩場の露頭などにあり、砂礫が多く栄養の乏しい土壌に生息しています。そのため、土壌層が浅くて乾燥しやすいロックガーデンにも最適な植物のひとつとなります。
- フラワーアレンジメント:花と枝は収穫して切り花として楽しんだり、ドライフラワーにしてスワッグなどの花材として利用したりできます。
アカシア・コベニー

アカシア・コベニーとは!
アカシア・コベニー(学名:Acacia covenyi)は、別名では「ブルーブッシュワトル(blue bush wattle)」とも呼ばれるマメ科アカシア属の種です。
アカシア・コベニーの原産地はオーストラリア(ニューサウスウェールズ州)で、自生地は石灰岩を母材とした斜面などに見られます。
アカシア・コベニーの特徴
- 形態:樹高は約150~750cm、生育型は直立型または分枝型か叢生型、葉は葉柄が葉身のような機能を持った偽葉、この偽葉は狭楕円形で、花は球形の頭花が集まる頭状総状花序です。
- 近縁種との比較:本種は、近縁種と比べて分枝がとても多く細い枝が高密度に茂るため、株はブッシュの見た目になりやすいです。葉は葉柄が葉身のような見た目をしている偽葉で、この偽葉は狭楕円形をしており、表面は白粉を帯びて、見た目はかなり白っぽくなります。
- 花の魅力:本種は、他のアカシア属の種と同様に雄蕊の花糸が目立つ頭花が総状に並び豪華な花姿を見せます。またこの花穂は、節ごとにつくため、開花期には株を覆うように花が咲き誇り豪華な花姿が楽しめます。花の色は鮮やかな黄色をしているため、太陽の輝きを見てるような明るい色彩効果を生み出します。
- 葉の魅力:本種の葉は葉柄が葉身のように変化した偽葉で、この偽葉は狭楕円形で、表面は白粉を帯びています。そのため、葉色は白っぽく白緑色から白青緑色をしており、パステル調の柔らかな雰囲気を感じさせるカラーリーフとしても楽しめる植物です。
- 耐乾性:若い枝葉は白粉を帯びてクチクラ層が発達し、これは植物を紫外線や乾燥等から植物を守る働きがあります。実際、この植物は乾燥にとても強く、地植えであれば水やりを基本的に必要とせず、降水に任せて栽培ができます。
- 生垣:本種は枝葉が密に茂りブッシュ状になり、高さ約150~750cmまで成長します。一般的に自然風の生垣として利用されますが、剪定で株の概形をある程度整えることも出来ます。また開花もしっかり楽しめる点も魅力です。生垣として利用する場合は、品種により変わりますが、株同士の間隔は100~150cm程にして植栽します。
- フラワーアレンジメント:花や葉は収穫して切り花として楽しんだり、ドライフラワーにしてスワッグなどの花材として利用したりできます。
アカシア・コグナータ

アカシア・コグナータとは!
アカシア・コグナータ(学名:Acacia cognata)は、別名では「バウワー・ワトル(bower wattle)」「リバーワトル(river wattle)」「ナローリーブ・バウワー・ワトル(narrow-leaved bower wattle)」とも呼ばれるマメ科アカシア属の種です。
アカシア・コグナータの原産地はオーストラリア(ニューサウスウェールズ州、ビクトリア州)で、自生地は丘陵地の草原や岩場などに見られます。
アカシア・コグナータの特徴
- 形態:樹高は矮性品種では約100cm、自生地では1000cmに達することがあり、生育型は直立型または分枝型か叢生型になり、特に細い側枝が枝垂れる傾向にあります。葉は葉柄が葉身のような機能を持った偽葉で、偽葉は非常に長い線形です。花は球形の頭花が集まる頭状総状花序です。
- 近縁種との比較:本種は、柳のように枝葉が枝垂れる樹形が最も際立った特徴です。また多くの近縁種のアカシアの葉(2回羽状複葉)と違い、葉柄が葉身のような見た目をしている偽葉で、この偽葉は細長い線形をしており枝垂れます。
- 花の魅力:本種は、他のアカシア属の種と同様に雄蕊の花糸が目立つ頭花が総状に並び豪華な花姿を見せます。またこの花穂は、樹形と同様に枝垂れながら咲くため、優雅な雰囲気も感じさせます。
- 枝葉の魅力:本種の枝葉は、どちらも細く柔軟で優美に湾曲したり、枝垂れたりして、柳の木のような樹形をつくりだします。この枝垂れる樹形は、優雅さを醸し出すため、遊び心のあるお庭や優雅さをテーマにするエレガントなお庭などによく調和します。
- カラーリーフ:葉の色は一般的に緑色・灰緑色ですが、園芸品種の中には黄色や銅色をしている品種もあるため、品種を選べばカラーリーフとしても楽しめます。
- 地被植物:本種は、一部の品種の枝葉が匍匐するように広がります。そのため、ボリューム感のある地被植物として利用する事が可能です。本種の魅力は、常緑のため年間を通して葉で地面を覆える点や、開花期になると花が黄色の花が楽しめる点、一部の品種は葉の色が黄色のためカラーリーフとしても楽しめる点などにあります。
- 枝垂れ植物:本種の一部の品種(ウォーターフォール等)は、非常に矮性で枝葉が真下に枝垂れる性質を持ちます。そのため、壁面を枝垂れさせたり、吊り鉢の側面から枝垂れる樹形を鑑賞することが可能です。
- フラワーアレンジメント:花や葉は収穫して切り花として楽しんだり、ドライフラワーにしてスワッグなどの花材として利用したりできます。
アカシア・コグナータの園芸品種の紹介
●イエローテイル
学名:Acacia cognata ‘yellow tail’
開花時期:2月~4月
花の色:黄色
葉の色:緑色・黄緑色・黄色
樹高:約50~100cm
株張り:約100~200cm
備考:矮性品種で樹高が100cm程度までにしかならず、枝葉は横に広がる傾向があります。そのため、地被植物として利用されたり、花壇などの縁どりとして利用されたりします。また若葉の色は黄色から黄緑色をしているため、明るく輝いているような印象を与えるカラーリーフとして楽しむことができます。
●ライムマジック
学名:Acacia cognata ‘Lime Magik’
開花時期:2月~4月
花の色:黄色
葉の色:クリーム色・黄緑色
樹高:約400~500cm
備考:樹形は柳の木のように優美に枝垂れます。葉の色はクリーム色から黄緑色を呈し、明るく爽やかな雰囲気を与えるカラーリーフとしても楽しめます。
●カズンイット
学名:Acacia cognata ‘cousin itt’
開花時期:2月~4月
花の色:黄色
葉の色:黄色・青緑色
樹高:50~100cm
備考:矮性品種で、枝葉は地表を這うようにモコモコと広がり、地被植物として活用できます。葉の色は黄緑色から青緑色で、カラーリーフとしても楽しめます。
●ウォーターフォール
学名:Acacia cognata ‘waterfall’
開花時期:2月~4月
花の色:黄色
葉の色:緑色
樹高:30~50cm
株張り:約200cm
備考:矮性品種で、枝葉は枝垂れる性質があるため、壁面を枝垂れさせたり、吊り鉢で栽培し枝垂れる様子を鑑賞したり、地被植物として利用されたりします。
●コッパーチップ
学名:Acacia cognata ‘copper tips’
開花時期:2月~4月
花の色:黄色
葉の色:緑色・銅色
樹高:300~500cm
備考:葉の色は緑色を基調として、葉の先端に銅色の爪斑がはいります。
ブリスベーンアカシア

ブリスベーンアカシアとは!
ブリスベーンアカシア(学名:Acacia fimbriata)は、別名では「アカシア・フィンブリアタ」「フリンジド・ワトル(fringed wattle)」とも呼ばれるマメ科アカシア属の種です。
ブリスベーンアカシアの原産地はオーストラリア(ニューサウスウェールズ州、クイーンズランド州)で、自生地は沿岸やそこに隣接する丘陵地の硬葉樹林やヒース(荒れ地)などに見られます。
ブリスベーンアカシアの特徴
- 形態:樹高は約300~700cm、生育型は直立型または分枝型か叢生型になり、葉は葉柄が葉身のような機能を持った偽葉で、偽葉は線形で、花は球形の頭花が集まる頭状総状花序です。
- 近縁種との比較:本種は、多くの近縁種のアカシアの葉(2回羽状複葉)と違い、葉柄が葉身のような見た目をしている偽葉です。この偽葉は線形で縁部分に糸状の毛が生えてフリンジ状になる点が特徴です。
- 花の魅力:本種は、他のアカシア属の種と同様に雄蕊の花糸が目立つ頭花が総状に並び豪華な花姿を見せます。またこの花は、細い枝葉を覆うように咲き誇るため豪華な花姿を楽しむことが出来て、黄色の花色が、太陽が光り輝いているような明るい雰囲気を演出します。
- 葉の魅力:本種の葉は葉柄が葉身のように変化した偽葉で、形は線形で、よく見ると縁部分の毛が生えて、房飾り状になっています。また本種の葉の色は一般的に緑色ですが、品種(テレサ等)の中には黄色や赤色の斑が入る品種もあるため、カラーリーフとして楽しむことが出来ます。
- 生垣:本種は枝葉が密に茂りブッシュ状になり、高さ約300~700cmまで成長します。一般的に自然風の生垣として利用されますが、剪定で株の概形をある程度整えることも出来ます。また開花もしっかり楽しめる点も魅力です。生垣として利用する場合は、品種により変わりますが、株同士の間隔は100~150cm程にして植栽します。
- フラワーアレンジメント:花や葉は収穫して切り花として楽しんだり、ドライフラワーにしてスワッグなどの花材として利用したりできます。
ブリスベーンアカシアの園芸品種の紹介
ゴールデン・ワトル

ゴールデン・ワトルとは!
ゴールデン・ワトル(学名:Acacia pycnantha)は、別名では「アカシア・ピクナンサ」とも呼ばれるマメ科アカシア属の種です。
ゴールデン・ワトルの原産地はオーストラリア(ニューサウスウェールズ州、南オーストラリア州、ビクトリア州)で、自生地は平地や丘陵地の疎林(ユーカリ林)やヒース(荒れ地)などに見られます。
ゴールデン・ワトルの特徴
- 形態:樹高は約300~800cm、生育型は直立型または分枝型か叢生型になり、葉は葉柄が葉身のような機能を持った偽葉で、偽葉は鎌形で、花は球形の頭花が集まる頭状総状花序です。
- 近縁種との比較:本種は、多くの近縁種のアカシアの葉(2回羽状複葉)と違い、葉柄が葉身のような見た目をしている偽葉です。この偽葉は鎌形で全体が弧状に湾曲しています。また頭花の直径が大きめで1cm程度までなり、この頭花が高密度に咲くためボリューム感のある花穂を形成します。
- 花の魅力:本種は、他のアカシア属の種と同様に雄蕊の花糸が目立つ頭花が総状に並び豪華な花姿を見せます。この頭花は直径が約0.4~1cmとなり、近縁種と比べて大きいため、個々の花(頭花)が目立つ豪華な花穂として楽しめます。さらに、この花は香りがとてもよいことから精油を抽出し、香水の原料としても利用されており、芳香のよい植物としても楽しめます。
- 耐乾性:茎や偽葉は白粉を帯びてクチクラ層が発達し、これは植物を紫外線や乾燥等から植物を守る働きがあります。実際、この植物は乾燥にとても強く、地植えであれば水やりを基本的に必要とせず、降水に任せて栽培ができます。
- フラワーアレンジメント:花や葉(偽葉)は収穫して切り花として楽しんだり、ドライフラワーにしてスワッグなどの花材として利用したりできます。またこの花穂は大きくてボリューム感があるため、豪華な花材となり、ミモザの花として流通することもあります。
- その他の用途:樹皮に含まれるタンニンを採取するため商業的に栽培されている国もあります。木材は燃料用として活用されることもあります。花は香りがよく、精油を抽出し香水の原料に用いられます。
アカシア・ペンデュラ
アカシア・ペンデュラとは!
アカシア・ペンデュラ(学名:Acacia pendula)は、別名では「枝垂れアカシア(weeping myall)」「ウィーピング・マイアル(weeping myall)」「トゥルー・マイアル(true myall)」「シルバーリーフ・ボリー(silver-leaf boree)」とも呼ばれるマメ科アカシア属の種です。
アカシア・ペンデュラの原産地はオーストラリア(ニューサウスウェールズ州、クイーンズランド州、南オーストラリア州、ビクトリア州)で、自生地は内陸部の河川の氾濫原(沖積粘土)などに見られます。
アカシア・ペンデュラの特徴
- 形態:樹高は約500~1300cmで、生育型は直立型または分枝型か叢生型になり、細い側枝が枝垂れる傾向にあります。葉は葉柄が葉身のような機能を持った偽葉で、偽葉は非常に線形・鎌形です。花は球形の頭花が集まる頭状総状花序です。
- 近縁種との比較:本種は、柳のように枝葉が枝垂れる樹形が最も際立った特徴です。また多くの近縁種のアカシアの葉(2回羽状複葉)と違い、葉柄が葉身のような見た目をしている偽葉で、この偽葉は線形または鎌形をしており枝垂れており、葉表面には白色の毛が生えるため白っぽく見えることがあります。
- 花の魅力:本種は、他のアカシア属の種と同様に雄蕊の花糸が目立つ頭花が総状に並び豪華な花姿を見せます。またこの花穂は、樹形と同様に枝垂れながら咲くため、優雅な雰囲気も感じさせます。
- 枝葉の魅力:本種の枝葉は、どちらも細く柔軟で優美に湾曲したり、枝垂れたりして、柳の木のような樹形をつくりだします。この枝垂れる樹形は、優雅さを醸し出すため、遊び心のあるお庭や優雅さをテーマにするエレガントなお庭などによく調和します。
- カラーリーフ:本種の葉は表面に白色の毛が生えるため白っぽく、また毛に光が反射して銀白色に見えることもあります。そのため、ラグジュアリーな雰囲気に彩るシルバーリーフとしても楽しめる植物です。
- フラワーアレンジメント:花や葉は収穫して切り花として楽しんだり、ドライフラワーにしてスワッグなどの花材として利用したりできます。
- ロックガーデン・ドライガーデン等:本種は自生地が降水量の少ない乾燥帯にあり、非常に耐乾性が高い植物です。そのため、土壌層が浅くて乾燥しやすいロックガーデン、乾燥に強い植物(多肉・サボテン等)を集めたドライガーデン、水資源を節約しながら作り出すランドスケープのゼリスケープなどに活用できます。
アカシア・フロリバンダ

アカシア・フロリバンダとは!
アカシア・フロリバンダ(学名:Acacia floribunda)は、別名では「ゴッサマー・ワトル(gossamer wattle)」「ウィーピング・アカシア(weeping acacia)」「ホワイト・サロウ・ワトル(white sallow wattle)」とも呼ばれるマメ科アカシア属の種です。
アカシア・フロリバンダの原産地はオーストラリア(ニューサウスウェールズ州、クイーンズランド州、ビクトリア州)で、自生地は沿岸やそこに隣接する丘陵地の硬葉樹林やヒース(荒れ地)などに見られます。
アカシア・フロリバンダの特徴
- 形態:樹高は約300~800cm、生育型は直立型または分枝型になり、葉は葉柄が葉身のような機能を持った偽葉で、偽葉は線形または鎌形で、花は穂状花序です。
- 近縁種との比較:本種は、多くの近縁種のアカシアの花(頭花)の形態と違い、穂状花序を形成します。また葉柄が葉身のような見た目をしている偽葉で、この偽葉は線形または鎌形で色が濃緑色と濃い傾向があります。
- 花の魅力:本種は、近縁種のアカシア属の種と同様に雄蕊の花糸が突出し目立ちますが、頭花を形成せず穂状花序を形成します。この花穂は、細長い円柱形で雄蕊が突出しフサフサとした外観をしているため、猫のしっぽのような見た目をしており、またこの花穂は節ごとに発生し、非常に多花性のため開花期には枝葉を覆い尽くす豪華な花姿が楽しめます。花の色は黄色で、太陽のような輝きを感じさせるため、明るい雰囲気のお庭によく調和するでしょう。
- カラーリーフ:葉の色は濃緑色が一般的ですが、品種により黄色・赤橙色の葉色も見られます。そのため、品種を選べば温もりや華やかさを感じさせるカラーリーフを楽しむこともできます。
- フラワーアレンジメント:花や葉は収穫して切り花として楽しんだり、ドライフラワーにしてスワッグなどの花材として利用したりできます。
アカシア・フロリバンダの園芸品種の紹介
アカシア・フレクシフォリア
アカシア・フレクシフォリアとは!
アカシア・フレクシフォリア(学名:Acacia flexifolia)は、別名では「ベントリーフワトル(bent-leaf wattle)」「スモールウィンターワトル(small winter wattle)」とも呼ばれるマメ科アカシア属の種です。
アカシア・フレクシフォリアの原産地はオーストラリア(ニューサウスウェールズ州、クイーンズランド州、ビクトリア州)で、自生地は疎林(硬葉樹林)や丘陵地の岩場などに見られます。
アカシア・フレクシフォリアの特徴
- 形態:樹高は約30~150cm、生育型は一般的に叢生型ですが直立型や分枝型になることもあり、葉は葉柄が葉身のような機能を持った偽葉、この偽葉は線形で、花は球形の頭花です。
- 近縁種との比較:本種は、近縁種のアカシアと比べて樹高が約30~150cmと低く、地際からシュートが出やすく叢生型(株立ち)になりやすいアカシアです。花にも特徴があり、アカシア属の多くの種は頭花が総状または円錐状につきますが、本種は各節に1~2個の頭花がつきます。また偽葉にも際立った特徴があり、弧状に湾曲しています。
- 花の魅力:本種は、他のアカシア属の種と同様に雄蕊の黄色の花糸が目立つ、ポンポンのような見た目をした頭花があり、この頭花が枝を覆うように咲き、豪華な花姿が見られます。また花の色は鮮やかな黄色をしているため、太陽の輝きを見ているような明るい色彩効果を生み出します。
- フラワーアレンジメント:花や葉は収穫して切り花として楽しんだり、ドライフラワーにしてスワッグなどの花材として利用したりできます。
アカシア・スペクタビリス
アカシア・スペクタビリスとは!
アカシア・スペクタビリス(学名:Acacia spectabilis)は、別名では「マッジーワトル(Mudgee wattle)」等とも呼ばれるマメ科アカシア属の種です。
アカシア・スペクタビリスの原産地はオーストラリア(ニューサウスウェールズ州、クイーンズランド州)で、自生地は疎林(硬葉樹林)や荒れ地(ヒース)などに見られます。
アカシア・スペクタビリスの特徴
- 形態:樹高は200~600cm、生育型は直立型または分枝型か叢生型になり、葉の形は2回羽状複葉、花は頭状総状花序または頭状円錐花序です。
- 近縁種との比較:本種は近縁種のアカシア属の葉と比べて、2回羽状複葉を構成する小葉が幅広な楕円形で丸みがあります。また花の数が非常に多くて、頭花が総状または円錐状につき、さらに節ごとにつくため、豪華な花姿が楽しめます。
- 花の魅力:本種は、他のアカシア属の種と同様に雄蕊の黄色の花糸が目立つ、ポンポンのような見た目をした頭花があり、この頭花が総状または円錐状に並びます。さらに、この花序が節ごとに咲くため、枝葉を覆うように花が咲き誇り、開花期には美しい景観をつくりだします。また花の色は鮮やかな黄色をしているため、太陽の輝きを見ているような明るい色彩効果を生み出します。
- 葉の魅力:葉は2回羽状複葉で、小葉は丸みのある楕円形をしており、鳥の羽根やレースの編み物を思わせる繊細で洗練された印象を与えるファンシーリーフとして楽しむこともできます。さらに、この葉は白粉を帯びて白緑色から白青緑色をしているため、パステル調の柔らかな雰囲気を感じさせるカラーリーフとしても楽しめる植物です。
- フラワーアレンジメント:花や葉は収穫して切り花として楽しんだり、ドライフラワーにしてスワッグなどの花材として利用したりできます。
アカシア・ルビダ
アカシア・ルビダとは!
アカシア・ルビダ(学名:Acacia rubida)は、別名では「レッドステムワトル(red-stem wattle)」「レッドリーブワトル(red-leaved wattle)」とも呼ばれるマメ科アカシア属の種です。
アカシア・ルビダの原産地はオーストラリア(ニューサウスウェールズ州、クイーンズランド州、ビクトリア州)で、自生地は丘陵地の岩場や疎林などに見られます。
アカシア・ルビダの特徴
- 形態:樹高は約200~1000cm、生育型は直立型または分枝型か叢生型で、茎は赤色を呈していることが多く英名の「レッドステムワトル(red-stem wattle)」の由来にもなっています。葉は基本的に葉柄が葉身のような機能を持った偽葉ですが、成木になっても幼木の時期に見られる2回羽状複葉の葉が見られることがあり、偽葉の形は鎌形で湾曲しています。花は球形の頭花が集まる頭状総状花序です。
- 花の魅力:本種は、他のアカシア属の種と同様に雄蕊の花糸が目立つ頭花が総状に並び豪華な花姿を見せます。そのため、ボリューム感のある花姿が楽しめます。また花の色は鮮やかな黄色をしているため、太陽の輝きを見ているような明るい色彩効果を生み出します。
- フラワーアレンジメント:花や葉は収穫して切り花として楽しんだり、ドライフラワーにしてスワッグなどの花材として利用したりできます。
アカシア・ブアマニー
アカシア・ブアマニーとは!
アカシア・ブアマニー(学名:Acacia boormanii)は、別名では「アカシア・スノーウィリバー」「スノーウィリバーワトル(Snowy River wattle)」とも呼ばれるマメ科アカシア属の種です。
アカシア・ブアマニーの原産地はオーストラリア(ニューサウスウェールズ州、ビクトリア州)で、自生地は森林(ユーカリ林)や疎林などに見られます。
アカシア・ブアマニーの特徴
- 形態:樹高は約450cm、生育型は一般的に地際からシュートが出やすく叢生型になりやすいですが、直立型や分枝型になることもあります。葉は葉柄が葉身のような機能を持った偽葉で、偽葉は狭楕円形または線形で、白粉を帯びて灰緑色をしています。花は頭状総状花序または頭状円錐花序です。
- 花の魅力:本種は、他のアカシア属の種と同様に雄蕊の黄色の花糸が目立つ、ポンポンのような見た目をした頭花があり、この頭花が総状または円錐状に並びます。さらに、この花序が節ごとに咲くため、枝葉を覆うように花が咲き誇り、開花期には美しい景観をつくりだします。また花の色は鮮やかな黄色をしているため、太陽の輝きを見ているような明るい色彩効果を生み出します。
- カラーリーフ:葉は白粉を帯びているため、全体的に白っぽく灰緑色をしています。そのため、上品な印象を感じさせるカラーリーフとして楽しめます。
- フラワーアレンジメント:花や葉は収穫して切り花として楽しんだり、ドライフラワーにしてスワッグなどの花材として利用したりできます。
ブラックワトル

ブラックワトルとは!
ブラックワトル(学名:Acacia mearnsii)は、別名では「モリシマアカシア」「レイト・ブラックワトル(late black wattle)」「グリーンワトル(green wattle)」等とも呼ばれるマメ科アカシア属の種です。
ブラックワトルの原産地はオーストラリア(ニューサウスウェールズ州、南オーストラリア州、タスマニア州、ビクトリア州)で、自生地は硬葉樹林や乾燥した草原などに見られます。
ブラックワトルの特徴
- 形態:樹高は1000~1600cm、生育型は直立型または分枝型か叢生型になり、葉の形は2回羽状複葉、花は頭状円錐花序です。
- 近縁種との比較:本種は樹皮の色が黒色を呈す点が最大の特徴です。また葉は2回羽状複葉で、近縁のアカシアと比べて羽片や小葉が多いため大きさを感じさせながら、小葉が小さいため緻密さも感じさせます。
- 花の魅力:本種は、他のアカシア属の種と同様に雄蕊の黄色の花糸が目立つ、ポンポンのような見た目をした頭花があり、この頭花が円錐状に並びます。
- 葉の魅力:葉は2回羽状複葉で、小葉も細長い線形のため、鳥の羽根やレースの編み物を思わせる繊細で洗練された印象を与えるファンシーリーフとして楽しむことも出来ます。またこのように、全体的に洗練された印象を与えることから、気品のあるエレガントなお庭などによく調和します。
- フラワーアレンジメント:花や葉は収穫して切り花として楽しんだり、ドライフラワーにしてスワッグなどの花材として利用したりできます。
- その他の用途:オーストラリアのングナワル(Ngunnawal)の人たちは、本種の樹脂を食料として活用したり、樹皮を縄などに加工し利用しています。
アカシア・ミルティフォリア
アカシア・ミルティフォリアとは!
アカシア・ミルティフォリア(学名:Acacia myrtifolia)は、別名では「マートルワトル(myrtle wattle)」「レッドステムワトル(red stem wattle)」とも呼ばれるマメ科アカシア属の種です。
アカシア・ミルティフォリアの原産地はオーストラリア(ニューサウスウェールズ州、クイーンズランド州、南オーストラリア州、タスマニア州、ビクトリア州、西オーストラリア州)で、自生地は沿岸地域の砂地や疎林、荒れ地(ヒース)などに見られます。
アカシア・ミルティフォリアの特徴
- 形態:樹高は約50~300cm、生育型は直立型または分枝型か叢生型で、茎は赤色を呈していることが多い傾向にあります。葉は葉柄が葉身のような見た目をしている偽葉で、この偽葉の形は楕円形または鎌形で湾曲している傾向にあります。花は球形の頭花が集まる頭状総状花序です。
- 花の魅力:本種は、他のアカシア属の種と同様に雄蕊の花糸が目立つ頭花が総状に並び豪華な花姿をしています。ただし、この花色は白色の花糸と、クリーム色の葯からなり、ギンバイカの花のような見た目をしています。
- フラワーアレンジメント:花や葉は収穫して切り花として楽しんだり、ドライフラワーにしてスワッグなどの花材として利用したりできます。







