ウツギは属の中に約72種がありますが、一般に園芸で親しまれている種は幾つかの種とその園芸品種です。例えば、上部で開帳するように広がる優雅な樹形と白色の花が円錐状に集まり咲くボリュームある花姿が魅力的なウツギ、ウツギより背が低く中央から外側へと弧を描くように広がり円錐状に集まる花を咲かせるヒメウツギ、丸みを帯びるぽっちゃりとした葉と平開して星の形のように咲く花が魅力のマルバウツギ等が親しまれています。
ウツギ属の種ごとの育て方は写真か育て方をクリックすると出てくる為よかったらそちらをご覧下さい!
このページでは主な種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を紹介しています。
ウツギの主な種の目次
ウツギの特徴や園芸品種
- 原産:日本
- 学名:Deutzia crenata
- 草丈:約100~250cm
- 分類:落葉低木
- 開花時期:5月~6月
- 花色:桃色●白色〇
- 葉色:緑色●黄色●
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:強い
- 誕生花:4月14日/6月4日
- 花言葉:秘密/風情/古風
- 用途:カラーリーフ/生垣
ウツギとは!?
ウツギは学名Deutzia crenata、別名では「卯の花」とも呼ばれる日本原産の落葉低木です。日本では北海道から九州まで広く分布しており、日当たりの良い山野や崖地等に自生しています。
ウツギの語源(由来)
- 属名のDeutziaは18世紀のオランダ出身で、植物学者達の支援者だったJohann van der Deutzへの献名です。
- 種小名のcrenataはラテン語で「鋸歯状の」を意味しています。
- 和名のウツギ(空木)は幹の中が空洞(中空)になっている事に由来しています。
- 別名の卯の花の由来は卯月(4月下旬~6月上旬)に花が咲く事からきているいると言われています。一方で逆説として、卯の花が咲く季節を卯月と呼ぶ様になったという説もあります。
ウツギの特徴(魅力)
- ウツギは日本原産の植物で、上部で開帳するように広がる優雅な樹形と、白色の花が円錐状に集まり咲くボリュームある花姿が魅力です。
- 園芸では花を鑑賞する目的で庭木として育てられたり、境界を示す目的で生垣として利用されたりします。
- ウツギの樹形は株立ち状で、地際から多数の茎を伸ばします。
- 茎は直立する傾向が強く、上部でカスケード(湾曲)して優雅に広がります。
- 茎は中が空洞になっており、和名のウツギ(空木)の由来にもなります。
- 花は円錐状に小花が集まるため、ボリュームある雰囲気をつくり、また白い花色が明るい印象や清潔感を感じさせるため、鑑賞価値が非常に高いです。
- 花はふつう花弁が5個ですが、八重咲きする品種もあり、より豪華で華やかな印象を与える事もあります。
- 雌蕊の花糸には翼があり幅広です。
- 葉には星のように放射状に伸びる毛(星状毛)があり、触るとザラザラとした質感があります。
- ウツギの生垣は、とりあえず境界を示す目的で利用されることが多く、優雅に広がる美しい樹形や花を楽しむ目的でインフォーマルヘッジとして利用されます。
- 優雅に広がる樹形をつくるために数年ごとに花後ある程度バッサリと切り戻しましょう。
- ウツギの生垣の植え付け間隔は成熟時の横幅を目安にして最低100cm以上の間隔をとりましょう。
ウツギの樹高は約100(~250)cm、樹形は株立ち状(地際付近から幹・枝が立ち上がる茂る樹形)です。茎はよく枝分かれして、茎は上部で湾曲して広がる傾向にあります。樹皮の色は若い時は褐色、成熟すると灰褐色になり、樹皮は縦に割れます。
葉序は対生葉序、葉色は緑色、星状毛が生えており触るとざらつき、葉柄はあり、葉身の大きさは長さ約5(~12)cm、幅約2(~3.5)cm、葉身の形は楕円形もしくは卵形か披針形、縁部分に鋸歯があります。
花序は円錐花序、円錐花序は円錐状に花が多数集まります。花の花弁は5個、花弁は白色、雄蕊は10個(長い雄蕊5個・短い雄蕊5個)、花柱が3(~4)個、花柱は翼があり、翼の両端が広がり尖ります。萼は緑色、白色の星状毛が密生しています。果実は蒴果(複数の心皮からなり果皮が裂開して種子を放出する)、蒴果は直径約0.4(~0.6)cm、形は球状もしくは半球形、先端に雌蕊が残り、熟すと3(~4)裂して種子を放出します。種子は長さ約0.2cm、翼があり、形は楕円形、色は褐色です。
ウツギの園芸品種の紹介
- サマースノー(Deutzia crenata ‘Summer snow’)は葉にクリーム色の網状の斑が入る事から、明るく柔らかな印象を与えるカラーリーフとしても楽しめる園芸品種です。樹形は株立ち状、高さ約120cm、幅は約120cmまで成長します。
- サラサウツギ(Deutzia crenata f. plena)は別名では「八重ウツギ」とも呼ばれており、細長い花弁が幾重にも重なり八重咲きする華やかな花姿と、外側の花弁が桃色に染まり可愛らしい印象を与える花色が魅力の園芸品種です。樹形は株立ち状、高さ約100~200cmに成長します。
- シロバナヤエウツギ(Deutzia crenata f.candisissima)は細長い花弁が幾重にも重なり八重咲きする華やかな花姿と、清潔感や清楚な印象を与える純白の花色が魅力的な園芸品種です。樹形は株立ち状、高さ約100~200cmに成長します。
ヒメウツギの特徴や園芸品種
- 原産:日本
- 学名:Deutzia gracilis
- 草丈:約50~100cm
- 分類:落葉低木
- 開花時期:4月~6月
- 花色:桃色●白色〇
- 葉色:緑色●黄色●
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:強い
- 誕生花:4月14日/6月4日
- 花言葉:秘密/風情/古風/夏の訪れ/秘めた恋
- 用途:カラーリーフ/生垣
ヒメウツギとは!?
ヒメウツギは学名Deutzia gracilis、別名では「デューツィア・グラキリス」や「スレンダー デューツィア(slender deutzia)」とも呼ばれる日本原産の落葉低木です。日本では本州(関東以西)・四国・九州に分布しており、日当たりの良い山地や岩場等に自生しています。
ヒメウツギの語源(由来)
- 属名のDeutziaは18世紀のオランダ出身で、植物学者達の支援者だったJohann van der Deutzへの献名です。
- 種小名のgracilisはラテン語で「細い」を意味しています。
- ヒメウツギは、近縁と比べて「小さい」事を意味する「ヒメ」がウツギについている事からもわかる通り、ウツギと比べて小さい事に由来します。
ヒメウツギの特徴(魅力)
- ヒメウツギはウツギと比べて背の低い樹形をしているため管理がしやすく、弧を描くように中央から外側へと広がる優雅な樹形と、白色の花が円錐状に集まり咲くボリュームある花姿が魅力の植物です。
- 園芸では花を鑑賞する目的で庭木として育てられたり、境界を示す目的で生垣として利用されたりします。
- ヒメウツギの樹形は株立ち状で、地際から多数の茎を伸ばします。
- 茎は弧を描くように優雅に広がり地面を覆うため地被植物としても利用されます。
- 花は円錐状に小花が集まるため、ボリュームある雰囲気をつくり、また白い花色が明るい印象や清潔感を感じさせるため、鑑賞価値が非常に高いです。
- 花はふつう花弁が5個ですが、八重咲きする品種もあり、より豪華で華やかな印象を与える事もあります。
- ヒメウツギは葉の表に星のように放射状に伸びる毛(星状毛)が疎らにありますが、裏面には星状毛がありません。
- ウツギは葉裏に星状毛が密生するためヒメウツギと比較する事ができます。
- ヒメウツギの生垣は、とりあえず境界を示す目的で利用されることが多く、優雅に広がる美しい樹形や花を楽しむ目的でインフォーマルヘッジとして利用されます。
- 優雅に広がる樹形をつくるために数年ごとに花後ある程度バッサリと切り戻しましょう。
- ヒメウツギの生垣の植え付け間隔は成熟時の横幅を目安にして最低でも100cm以上の間隔をとりましょう。
ヒメウツギの樹高は約50(~150)cm、樹形は株立ち状(地際付近から幹・枝が立ち上がる茂る樹形)です。茎はよく枝分かれして、茎は湾曲して横に広がる傾向にあります。樹皮の色は若い時は褐色、成熟すると灰褐色になり、樹皮は縦に割れます。
葉序は対生葉序、葉色は緑色、表面は星状毛が疎らに生え、裏面は星状毛がありません。葉柄はあり、葉身の大きさは長さ約4(~8.5)cm、幅約1.5(~3)cm、葉身の形は楕円形(~狭楕円形)もしくは披針形、縁部分に鋸歯があります。
花序は円錐花序もしくは総状花序、円錐花序は長さ約5(~12)cm、幅の狭い円錐状に花が多数集まります。花の花弁は5個、花弁の色は白色、雄蕊は10個、花柱が3(~4)個、花柱は翼があります。果実は蒴果(複数の心皮からなり果皮が裂開して種子を放出する)、蒴果は直径約0.3(~0.4)cm、形は球状もしくは半球形、先端に雌蕊が残ります。
ヒメウツギの園芸品種の紹介
- ライムシャンデリア(deutzia gracilis ‘lime chandelier’)は明るく爽やかな印象を甘えるライムグリーンの葉色と、明るく清潔感を感じさせる白色の花が魅力の園芸品種です。白色の花とライムグリーン(黄緑色)の葉は相性がとてもよく、爽やかで清潔感のあるオシャレなお庭などによくあいます。樹形は株立ち状、高さ約50(~100)cm、幅は約50(~100)cmに成長します。
- シャルドネパール(deutzia gracilis ‘chardonnay pearls’)は葉全体が爽やかな印象を甘えるライムグリーンをしており、花は明るく清潔感を感じさせる白色をしています。白色とライムグリーン(黄緑色)の相性はとてもよく、爽やかで清潔感のあるオシャレなお庭などによくあいます。樹形は株立ち状、高さ約50(~100)cm、幅は約50(~100)cmに成長します。
- ニッコー(deutzia crenata ‘nikko’)は一般的なウツギと比べて非常に背が低く、大きく優雅に横へと広がるため、地被植物や背の低い生垣などにおすすめの園芸品種です。樹形は株立ち状、高さ約50(~100)cm、幅は約100(~200)cmに成長します。
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マルバウツギの特徴や園芸品種
- 原産:日本
- 学名:Deutzia scabra
- 草丈:約100~300cm
- 分類:落葉低木
- 開花時期:4月~6月
- 花色:桃色●白色〇
- 葉色:緑色●黄色●
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:強い
- 花言葉:秘密/古風
- 用途:カラーリーフ/生垣
マルバウツギとは!?
マルバウツギは学名Deutzia scabra、別名では「ファジー・デューツィア(Fuzzy Deutzia)」や「ファジー・プライド・オブ・ロチェスター(Fuzzy Pride-of-Rochester)」とも呼ばれる日本原産の落葉低木です。日本では本州(関東以西)・四国・九州に分布しており、日当たりの良い山地や崖地等に自生しています。
マルバウツギの語源(由来)
- 属名のDeutziaは18世紀のオランダ出身で、植物学者達の支援者だったJohann van der Deutzへの献名です。
- 種小名のscabraはラテン語で「ザラザラした」「かさぶたのある」等を意味しており、葉や茎等を触った時にザラザラした手触りがある事に由来します。
- マルバウツギの由来はウツギと比べて葉が丸い事からきています。
マルバウツギの特徴(魅力)
- マルバウツギはウツギと比べて葉が幅広で丸みを帯びており、上部で開帳するように広がる優雅な樹形と、白色の花が円錐状に集まり咲くボリュームある花姿が魅力です。
- マルバウツギの樹形は株立ち状で、地際から多数の茎を伸ばします。
- 茎は直立して、上部でカスケード(湾曲)する傾向が強く優雅に広がります。
- 花は円錐状に小花が集まるため、ボリュームある雰囲気をつくり、また白い花色が明るい印象や清潔感を感じさせるため、鑑賞価値が非常に高いです。
- 花は花弁が5個、花弁は水平に大きく平開して「星の形」の様な外観をしています。
- 八重咲きする品種もあります。
- 花は花弁が5個、花弁は水平に大きく平開して「星の形」の様な外観をしています。
- マルバウツギの葉は丸みを帯びぽっちゃりした可愛らしい外観をしています。
- 葉は両面に放射状に伸びる毛(星状毛)があり、触るとザラザラとした質感があります。
- 葉にはふつう葉柄がありますが、花序の下だけ葉柄がなく茎をだくように包茎している所がこの種の特徴です。
- マルバウツギの生垣は、優雅に広がる美しい樹形や花を楽しむ目的でインフォーマルヘッジとして利用されます。
- マルバウツギの生垣の植え付け間隔は普通約150cmですが、品種などによって違うため、成熟時の横幅を目安にして間隔をとりましょう。
マルバウツギの樹高は約100(~300)cm、樹形は株立ち状(地際付近から幹・枝が立ち上がる茂る樹形)です。茎はよく枝分かれして、茎は直立して上部で湾曲して広がる傾向にあります。樹皮の色は若い時は褐色、成熟すると灰褐色になり、樹皮は縦に割れます。
葉序は対生葉序、葉色は緑色、表面・裏面ともに星状毛が生えザラザラとした質感があります。葉柄は普通ありますが、花序の下の葉のみ葉柄がなく茎を抱茎する。葉身の形は広卵形もしくは広楕円形、縁部分に鋸歯があります。
花序は円錐花序、円錐花序は長さ約7(~15)cm、円錐状に花が多数集まります。花の花弁は5個、花弁の色は白色、雄蕊は10個、花柱が3(~4)個、花柱は翼があります。果実は蒴果(複数の心皮からなり果皮が裂開して種子を放出する)、蒴果は直径約0.3(~0.4)cm、形は球状もしくは半球形、先端に雌蕊が残ります。
マルバウツギの園芸品種の紹介
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ヒメウツギ(ロゼア)の特徴や園芸品種
- 学名:Deutzia × rosea
- 草丈:約50~100cm
- 分類:落葉低木
- 開花時期:4月~6月
- 花色:桃色●白色〇
- 葉色:緑色●
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:強い
- 用途:生垣
ヒメウツギ(ロゼア)とは!?
ヒメウツギ(ロゼア)は学名Deutzia × rosea、日本原産でコンパクトな樹形が魅力のヒメウツギ(D.gracilis)と中国原産で桃色の花を咲かせるプルプラムケンス種(D.purpurascens)の交雑種の落葉低木です。
ヒメウツギ(ロゼア)の語源(由来)
- 属名のDeutziaは18世紀のオランダ出身で、植物学者達の支援者だったJohann van der Deutzへの献名です。
- 種小名のroseaはラテン語で「バラ色の」「桃色の」を意味しており、花の色に由来します。
ヒメウツギ(ロゼア)の特徴(魅力)
- ヒメウツギ(ロゼア)はヒメウツギと比べて、桃色の花が咲く傾向が強く、円錐花序はやや疎らについてボリューミーな中に繊細な印象も与える植物です。
- 園芸では花を鑑賞する目的で庭木として育てられたり、境界を示す目的で生垣として利用されたりします。
- ヒメウツギ(ロゼア)の樹形は株立ち状で、地際から多数の茎を伸ばします。
- 茎は弧を描くように優雅に広がり地面を覆うため地被植物としても利用されます。
- 花は円錐状に小花が集まるため、ボリュームある雰囲気をつくり、また白色と桃色の花色が可愛らしい印象や清楚な印象などを感じさせます。
- ヒメウツギ(ロゼア)の生垣は、とりあえず境界を示す目的で利用されることが多く、優雅に広がる美しい樹形や花を楽しむ目的でインフォーマルヘッジとして利用されます。
- 優雅に広がる樹形をつくるために数年ごとに花後ある程度バッサリと切り戻しましょう。
- ヒメウツギ(ロゼア)の生垣の植え付け間隔は成熟時の横幅を目安にして最低でも100cm以上の間隔をとりましょう。
ヒメウツギ(ロゼア)の園芸品種の紹介
- ユキ・チェリーブロッサム(deutzia gracilis ‘yuki cherry blossom’)は、地面を被覆するように広がるカーペット状の樹形と、可愛らしい印象を与える桃色と白色の2色の花が魅力の園芸品種です。桃色と白色の2色の花色は、可愛らしい印象や清楚な印象などを与えます。そのため清潔感のあるお庭や、ぴゅあな印象を与える可愛らしいお庭などにおすすめです。高さ約30(~60)cm、幅は約60cmに成長します。
- ユキ・スノーフレークは、多花性の性質があり、株を覆うように咲く花姿と、清楚で清潔感を感じさせる白色の花が魅力の園芸品種です。樹形はマウンド状で地面を被覆するように広がり、高さ約30(~60)cm、幅は約60cmに成長します。
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