ジンチョウゲは属の中に約70~95種がありアジア及びヨーロッパ、北アフリカを原産とする落葉もしくは常緑の低木です。一般に園芸では、香りがよく樹形がよくまともり生垣としても利用されるジンチョウゲ、 春に上品な紫色の花を咲かせるチョウジザクラ、這うように広がる樹形でグランドカバーとして利用されるクネオルム種等が親しまれます。
ジンチョウゲは夏の暑さや乾燥を苦手にしている種が多く、また剪定や植え替えを苦手にしているため、育てる際は注意が必要です。
種毎の育て方は写真か育て方をクリックすると出てくるためそちらで確認して下さい。
このページでは種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を記載しています。
①ジンチョウゲ 開花時期:2月~4月 | ②チョウジザクラ 開花時期:3月~4月 |
③クネオルム種 開花時期:4月~6月 | ④セイヨウオニシバリ 開花時期:3月~4月 |
⑤その他の種や園芸品種 |
原産:中国
学名:daphne odora
草丈:約100~150cm
分類:常緑低木
開花時期:2月~4月
花色:桃色●紫色●白色〇
葉色:緑色●黄色●
耐暑性:強い
耐寒性:普通
誕生花:2月10日/2月23日
花言葉:「栄光」「不死」「不滅」「歓楽」「永遠」「不老長寿」
特徴:ジンチョウゲは学名daphne odora、別名「瑞香」や「輪丁花」や「ダフネ・オドラ」とも呼ばれる常緑低木です。ジンチョウゲは中国が原産ですが、日本にも室町時代には既に入ってきていたと言われています。
ジンチョウゲの語源(由来)
- 属名のダフネ(daphne)はギリシャ語で「月桂樹」を意味しています。ギリシャ神話ではアポローンから逃げるために、ニンフが父(ゼウス)に自ら(ニンフ)を月桂樹に変えてくれるように頼み、アポローンに捕まる寸前でニンフが月桂樹に変えられた事に因んでいます。
- 種小名のodoraはラテン語で「香りのある/臭い」を意味しており、花の香りに由来します。
- 和名のジンチョウゲ(沈丁花)の由来は沈香の様な花の香りと丁子(チョウジ)の様な花の形からきています。
- 別名の輪丁花の由来は鞠の様に丸い花姿からきています。
ジンチョウゲの特徴
- 花の香りは繊細で上質な甘い香りがあり
- ↳香りは強く開花時には遠くまで芳香が漂います
- 自然樹形のまま美しく丸みをもったドーム状の樹形をつくります
- 枝や葉、花に至るまで全ての部分が有毒
- ↳樹液を触るだけで炎症を起こす場合があります
- 雌雄異株で雌株は花後に赤色の果実をつけることがある
- ↳果実は他の部位と比べ毒が濃縮されているため食べられません
ジンチョウゲの樹皮は赤褐色、樹形はよく枝分かれして丸みを帯びたドーム状に茂り成熟すると高さ150cmまで成長する事があります。葉は常緑のため冬も落葉する事がなく、葉は濃い緑色で光に当たると反射する光沢があり、倒披針形もしくは楕円形の形をしています。花には花弁がなく花弁の様に見える萼片が4個あり、茎頂に花が12~20個付き頭状花序に花をさかせます。
開花時期は晩冬から春、花色は紫色や桃色、白色があり、個々の花には花弁はなく萼片が4個あり、花序は小花を約12~20個つけて頭状花序に花を咲かせます。樹形はブッシュ状に茂り高さは約100(150)cm × 幅は約100(150)cmまで成長します。葉色は緑色で品種により黄色の班が入り、葉身は楕円形もしくは倒披針形、葉序は互生葉序につきます。
ジンチョウゲの毒性(既知の危険性)
ジンチョウゲには毒性の強い「ダフネトキシン」や「メゼレイン」が植物全体、特に果実に多く含まれています。
毒物は樹液にももちろん含まれており、剪定した際に触れるだけでも皮膚から毒が吸収され人によっては強い炎症を引き起こす事があります。また経口摂取すると、下痢や嘔吐の他に、腎臓や循環器系に重度の損傷を引き起こす恐れがあるため絶対に食べられません。またペットに対しても同様に有毒なため、育てる際は注意が必要でしょう。
ジンチョウゲの栽培
ジンチョウゲは根が傷む事を嫌い移植が難しいため、基本的に植えたらそのままです。鉢植えで植え替えする場合は根鉢を崩さず一回り大きな鉢に植え替えます。また根も浅めなため特に夏場等の乾燥に注意する必要があります。冬は軽い霜程度であれば耐えますが、強い霜の降りる地域では屋外での越冬は難しいかもしれません。そのため寒冷地では管理のしやすい鉢植え等で育てた方がいいでしょう。増やし方は挿し木によって行えます。
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原産:中国
学名:daphne genkwa
草丈:約100cm
分類:落葉低木
開花時期:3月~4月
花色:桃色●紫色●
葉色:緑色●
耐暑性:普通
耐寒性:強い
特徴:フジモドキ(チョウジザクラ)は学名daphne genkwa、別名「瑞香」や「輪丁花」や「ダフネ・オドラ」とも呼ばれる常緑低木です。フジモドキ(チョウジザクラ)は中国が原産で、日本にも江戸時代初期に入ってきていたと言われています。
フジモドキ(チョウジザクラ)の語源(由来)
- 属名のダフネ(daphne)はギリシャ語で「月桂樹」を意味しています。ギリシャ神話ではアポローンから逃げるために、ニンフが父(ゼウス)に自ら(ニンフ)を月桂樹に変えてくれるように頼み、アポローンに捕まる寸前でニンフが月桂樹に変えられた事に因んでいます。
フジモドキ(チョウジザクラ)の特徴
- 落葉性のため冬の間は葉がありません
- ↳開花時に葉がないため花によりフォーカスがあたり洗練されています
- ↳非常に多花性で開花期間中は圧倒される程の花を咲かせます
- 枝分かれがよく扇を開いたような美しい樹形をつくります
- 中国では漢方薬として利用されます
- ↳ただし他のジンチョウゲ同様に枝葉、花に至るまで有毒です
- 底の浅い鉢植えに植えて盆栽としても楽しめます
フジモドキ(チョウジザクラ)の樹皮は赤褐色、樹形はよく枝分かれして扇を開いたように茂り成熟すると高さ100cmまで成長する事があります。葉は落葉性のため秋になると黄色くなり冬になると落葉します、葉は緑色で倒披針形もしくは楕円形の形をしています。花には花弁がなく花弁の様に見える萼片が4個あり、腋生で節に数個ずつ咲きます。
開花時期は早春から春、花色は紫色や桃色があり、個々の花には花弁はなく萼片が4個あり、花序は散形総状花序に花を咲かせます。樹形はブッシュ状に茂り高さは約100cm × 幅は約100cmまで成長します。葉色は緑色で品種により黄色の班が入り、葉身は楕円形もしくは倒披針形、葉序は互生葉序につきます。
フジモドキ(チョウジザクラ)の毒性(既知の危険性)
フジモドキ(チョウジザクラ)には毒性の強い「ダフネトキシン」や「メゼレイン」が植物全体、特に果実に多く含まれています。
毒物は樹液にももちろん含まれており、剪定した際に触れるだけでも皮膚から毒が吸収され人によっては強い炎症を引き起こす事があります。また経口摂取すると、下痢や嘔吐の他に、腎臓や循環器系に重度の損傷を引き起こす恐れがあるため絶対に食べられません。またペットに対しても同様に有毒なため、育てる際は注意が必要でしょう。
フジモドキ(チョウジザクラ)の栽培
フジモドキ(チョウジザクラ)は根が傷む事を嫌い移植が難しいため、基本的に植えたらそのままです。鉢植えで植え替えする場合は根鉢を崩さず一回り大きな鉢に植え替えます。また根も浅めなため特に夏場等の乾燥に注意する必要があります。 増やし方は挿し木もしくは種によって増やせます。
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原産:中央・南ヨーロッパ
学名:daphne cneorum
草丈:約15~30cm
分類:常緑低木
開花時期:4月~6月
花色:桃色●白色〇
葉色:緑色●
耐暑性:普通
耐寒性:強い
特徴:ダフネ(クネオルム)は学名daphne cneorum、別名「ガーランド・フラワー(garland flower)」や「ローズ・ダフネ(rose daphne)」とも呼ばれる中央ヨーロッパおよび南ヨーロッパが原産の常緑低木です。
ダフネ(クネオルム)の語源(由来)
- 属名のダフネ(daphne)はギリシャ語で「月桂樹」を意味しています。ギリシャ神話ではアポローンから逃げるために、ニンフが父(ゼウス)に自ら(ニンフ)を月桂樹に変えてくれるように頼み、アポローンに捕まる寸前でニンフが月桂樹に変えられた事に因んでいます。
- 種小名のcneorumの由来は恐らくクネオラム属(Cneorum)との類似性から
ダフネ(クネオルム)の特徴
- 非常に背が低く僅かに盛り上がるグランドカバーになります
- 花は桃色で小さな小花が集まり半球状に咲きます
- ↳香りは繊細で甘い香り
- 他のダフネと比べて葉が非常に細長い
- 枝や葉、花に至るまで全ての部分が有毒
- ↳樹液を触るだけで炎症を起こす場合があります
開花時期は春から初夏、花色は桃色や白色があり、個々の花には花弁はなく萼片が4個あり、花序は茎頂に小花が集まり頭状花序に花を咲かせます。樹形は僅かに盛り上がり地面を被覆する様に広がり高さ約15(30)cm × 幅は約60(90)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は長楕円形もしくは線形、葉序は互生葉序につきます。
ダフネ(クネオルム)の毒性(既知の危険性)
ダフネ(クネオルム)には毒性の強い「ダフネトキシン」や「メゼレイン」が植物全体に果に多く含まれています。
毒物は樹液にももちろん含まれており、剪定した際に樹液に触れるだけでも皮膚から毒が吸収され人によっては強い炎症を引き起こす事があります。また経口摂取すると、下痢や嘔吐の他に、腎臓や循環器系に重度の損傷を引き起こす恐れがあるため絶対に食べられません。またペットに対しても同様に有毒なため、育てる際は注意が必要でしょう。
ダフネ(クネオルム)の栽培
ダフネ(クネオルム)は根が傷む事を嫌い移植が難しいため、基本的に植えたらそのままです。鉢植えで植え替えする場合は根鉢を崩さず一回り大きな鉢に植え替えます。また根も浅めなため特に夏場等の乾燥に注意する必要があります。増やし方は挿し木もしくは種によって増やせます。
ダフネ(ルビーグロウ)は非常に香りがよく濃い桃色の花が魅力的な園芸品種です。色鮮やかな桃色の花はポップで明るく可愛らしい雰囲気のお庭を作ります。 |
原産:ヨーロッパ/西アジア
学名:daphne mezereum
草丈:約100~150cm
分類:落葉低木
開花時期:3月~4月
花色:桃色●紫色●白色〇
葉色:緑色●
耐暑性:普通
耐寒性:強い
特徴:セイヨウオニシバリは学名daphne mezereum、別名「ヨウシュジンチョウゲ」や「フェブラリー・ダフネ(February daphne)」とも呼ばれるヨーロッパおよび西アジア原産の常緑低木です。
セイヨウオニシバリの語源(由来)
- 属名のダフネ(daphne)はギリシャ語で「月桂樹」を意味しています。ギリシャ神話ではアポローンから逃げるために、ニンフが父(ゼウス)に自ら(ニンフ)を月桂樹に変えてくれるように頼み、アポローンに捕まる寸前でニンフが月桂樹に変えられた事に因んでいます。
セイヨウオニシバリの特徴
- 落葉性のため冬の間は葉がありません
- ↳開花時に葉がないため花によりフォーカスがあたり洗練されています
- ↳非常に多花性で開花期間中は圧倒される程の花を咲かせます
- 枝分かれがよく扇を開いたような美しい樹形をつくります
- 枝や葉、花に至るまで全ての部分が有毒です
- ↳非常に毒性が強く摂取した場合重度の中毒症状を起こす可能性があります
セイヨウオニシバリの樹皮は灰褐色、樹形はよく枝分かれして扇を開いたように茂り成熟すると高さ150cmまで成長する事があります。葉は落葉性のため秋になると黄色くなり冬になると落葉します、葉は緑色で倒披針形もしくは楕円形の形をしています。花には花弁がなく花弁の様に見える萼片が4個あり、腋生で節に数個ずつ咲きます。
開花時期は早春から春、花色は紫色や桃色、白色があり、個々の花には花弁はなく萼片が4個あり、花序は穂状花序に花を咲かせます。樹形はブッシュ状に茂り高さは約150cm × 幅は約150cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は楕円形もしくは倒披針形、葉序は互生葉序につきます。
セイヨウオニシバリの毒性(既知の危険性)
セイヨウオニシバリには毒性の強い「ダフネトキシン」「ダフニン」「メゼレイン」が植物全体、特に果実に多く含まれています。
毒物は樹液にももちろん含まれており、剪定した際に触れるだけでも皮膚から毒が吸収され人によっては強い炎症を引き起こす事があります。また経口摂取すると、下痢や嘔吐の他に、腎臓や循環器系に重度の損傷を引き起こす恐れがあるため絶対に食べられません。またペットに対しても同様に有毒なため、育てる際は注意が必要でしょう。
セイヨウオニシバリの栽培
セイヨウオニシバリは根が傷む事を嫌い移植が難しいため、基本的に植えたらそのままです。鉢植えで植え替えする場合は根鉢を崩さず一回り大きな鉢に植え替えます。また根も浅めなため特に夏場等の乾燥に注意する必要があります。 増やし方は挿し木もしくは種によって増やせます。
セイヨウオニシバリ |
ダフネ・ペトラエアは学名daphne petraea、イタリア原産の常緑低木です。非常に矮性で高さは約20cmまで成長して地面を被覆する様に広がります。 (´・ω・)p楽天で購入q |