- 原産:東ヨーロッパ
- 科:ボタン(Paeoniaceae)
- 属:ボタン/パエオニア(Paeonia)
- 種:ホソバシャクヤク(tenuifolia)
- 別名:イトバシャクヤク/ファーン・リーフ・ピオニー(fern leaf peony)/ステップ・ピオニー(steppe peony)
- 開花時期:4月~6月
- 花の色:赤色●桃色●黄色●
- 葉色:緑色●
- 分類:多年草(宿根草)
- 草丈:約30~60cm
- 用途:
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ホソバシャクヤクとは!?
ホソバシャクヤクは学名Paeonia tenuifolia、別名では「イトバシャクヤク」や「ファーン・リーフ・ピオニー(fern leaf peony)」等とも呼ばれる東ヨーロッパ原産の多年草です。
ホソバシャクヤクの語源(由来)
- 属名のPaeoniaはギリシャ神話の中で神々の医師だったピーアン(Paean)に由来しています。
- 種小名のtenuifoliaはラテン語で「細い」「薄い」「繊細」等を意味する「tenuis」と、ラテン語で「葉」を意味する「folia」の2語からなり、細い葉に由来します。
- ホソバシャクヤクは「細葉(ホソバ)」の「シャクヤク」を意味します。
ホソバシャクヤクの特徴(魅力)
- ホソバシャクヤクはシダ植物を思わさる様な細く裂ける葉の形とペンギンの子供を思わさる様なモコモコとした可愛らしい草姿が特徴の多年草です。
- 花は直径約6~8cmの大きさがあります。
- 花は色鮮やかな赤色の花弁と鮮やかな黄色の多数の雄蕊からなり色の対比が非常に魅力的です。
- ホソバシャクヤクは地面下に塊茎をもち地際から多数の茎を出して叢生します。
ホソバシャクヤクは地面下に塊茎をもちます。草姿は叢生して茎は直立して高さ約30(~60)cmの間で成長します。葉序は互生葉序、葉色は緑色、葉身は3~4回羽状複葉、小葉は糸状です。花は頂生、大きさは直径約6(~8)cm、花弁の色は赤色、花弁の数は8(~10)個、中央に多数の黄色の雄蕊があります。花後の果実は長さ約2cmの袋果です。
ボタンの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ボタン(パエオニア)の珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種等の紹介【2021】
ホソバシャクヤクの育て方
花壇の土づくり
日当たり
ホソバシャクヤクは直射日光が6時間以上あたる日向から3時間から5時間の半日陰までで育てる事ができます。理想的な環境は直射日光が6時間以上あたる日向です。
土壌の土質
ホソバシャクヤクは水捌けの悪い粘土質な土壌を嫌います。基本的には通気性がよく有機物がしっかり入る肥沃な土壌を好むため植付けの前にしっかり土壌改善を行いましょう。
植付けの前に土壌診断を行いましょう。
①土を掘る時に硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
②土を濡らして握った時にバラバラと崩れる場合は保水性がない可能性があります。逆に土の塊が出来ても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。
③肥沃な土の場合は土の色が黒っぽくなるため、土の色が薄い場合は土壌の肥沃さが足りない場合があります。
土壌診断後、必要に応じて通気性を高めるパーライトや川砂を入れたり、保水性や保肥力を高める田土や黒土を混ぜたり、肥沃さが足りない場合は牛ふん堆肥や腐葉土等の堆肥を混ぜこみ土壌改善を行いましょう。
鉢土づくり
日当り
ホソバシャクヤクは日当り好むため、直射日光が6時間以上当たる日向もしくは、午前中のみ日が当たり午後から日陰になるような半日影で育てましょう。
培養土
ホソバシャクヤクは一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
水やりの仕方
生育初期
ホソバシャクヤクは植え付け後、根が張り活着するまでは、土が完全に乾燥しないように、水やりをしっかり行い育てましょう。
地植え
ホソバシャクヤクは乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。ただし葉や茎が萎れている場合は直ちに水やりを行いましょう。
鉢植え
ホソバシャクヤクを鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
ホソバシャクヤクはある程度、有機物を含んだ肥沃な土壌であれば肥料を必要としません。
ただし土壌が風雨などで劣化している場合や、栄養が足りないと感じる場合などは必要に応じて堆肥や肥料を与えましょう。
植え付け時の元肥
植え付け時に肥料を与える場合は、腐葉土等の堆肥をしっかり混ぜ込んだ後に、水平型(肥料成分がバランスよく入る)もしくは山型(リン酸が多い)の緩効性肥料を規定量はかり培養土もしくは土壌に均一に混ぜこみ全面施肥しましょう。
植え付け後の元肥(寒肥)
植え付け後の肥料は毎年晩冬から早春に与えます。ホソバシャクヤクは基本的に肥沃な土壌であれば肥料を必要としないことから、牛糞堆肥や腐葉土等を株から少し離れた場所にマルチングもしくは、穴を掘って埋めると良いです。肥料を与える場合は水平型もしくは山型の配合肥料を選びます。施し方は株元から少し離した場所に何ヶ所か穴を掘り、その中に肥料を施しましょう。
剪定のやり方
ホソバシャクヤクの剪定は基本的に「花がら摘み」だけです。また必ず必要というわけではないものの「秋に切り戻し」する事も出来ます。
花がら摘み
ホソバシャクヤクは開花期間中の花がら摘みが大切です。何故なら枯れた花を残すと見た目が悪いばかりか、真菌性(カビ)の病気になる原因となったり、種を作り初めて生育が衰える事があるからです。枯れた花を摘む事は、根や茎葉の成長を促し翌年の開花に影響を与えます。
花がら摘みの方法
ホソバシャクヤクの花がら摘みは開花期間中に行います。萎れた花もしくは枯れた花を元気な葉の上で剪定します。
冬の切り戻し
ホソバシャクヤクの切り戻しは基本的に不要ですが、秋に切り戻しを行うことで病気の持ち越しを防ぐ事が出来ます。
ホソバシャクヤクの切り戻し剪定のやり方
ホソバシャクヤクの切り戻し剪定の時期は晩秋です。地際で一律に剪定します。
夏越しする方法
ホソバシャクヤクは夏の暑さに強く基本的には夏越し対策不要で育てられます。
冬越しする方法
Hardiness:4b~8a
ホソバシャクヤクは耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。
挿し木や株分けで増やす
ホソバシャクヤクは秋もしくは早春に塊茎を株分けして増やすことが出来ます。
播種で増やす
ホソバシャクヤクの種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
ホソバシャクヤクの病気
- 灰色カビ病
ホソバシャクヤクの害虫