- 原産:アジア/ヨーロッパ/北アフリカ
- 科:バラ(Rosaceae)
- 属:ワレモコウ(Sanguisorba)
- 種:サラダバーネット/マイナー(minor)
- 英名:サラダバーネット(salad burnet)
- 別名:オランダワレモコウ/ガーデンバーネット(garden burnet)/スモールバーネット(small burnet)/サンギソルバ・マイナー
- 開花時期:5月~7月
- 花の色:緑色●黄色●赤色●
- 葉の色:緑色●
- 分類:多年草
- 草丈:約30~60cm
- 誕生花:
- 花言葉:
- 用途:
目次 | ||
| ||
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
サラダバーネットとは!?
サラダバーネットは学名Sanguisorba minor、別名「オランダワレモコウ」や「ガーデンバーネット(garden burnet)」等とも呼ばれるヨーロッパおよびアジア、北アフリカが原産の多年草です。
サラダバーネットの語源(由来)
- 属名のSanguisorbaはラテン語で「血の」を意味する「sangui」と、「吸収する」を意味する「sorba」の2語からなり、止血する目的で利用されていた事に由来します。
- 種小名のminorはラテン語で「より小さい」を意味しており、他のワレモコウの種と比べて花が小さい事に由来します。
- 英名のサラダバーネット(salad burnet)は、葉がサラダに利用される事からきており、バーネット(burnet)はワレモコウ属の植物の名前の総称です。
サラダバーネットの特徴(魅力)
- サラダバーネットは、一般的にキュウリの様な風味のある葉を収穫して食べる目的で栽培される植物です。
- 葉は根生葉と茎葉で構成されており、地際から伸びる根生葉は中央から外側へと弧を描くように優雅に広がるため美しい外観をつくります。
- 葉は小葉が幾つも集まり羽状に広がる形から「レース模様」や「シダ植物」などを連想させます。そのため鑑賞目的で育てられる事もあります。
- 葉は下部に集まり上部に殆どないため地被植物となり、また上部では茎と花だけの様なシルエットをつくります。
- サラダバーネットの花は球状で長さ約1~2cmしかなく、他のワレモコウ属の植物と比べ小さめです。
- 花には花弁がなく、花弁として見られている部分は緑色もしくは黄色か赤色に着色された萼片です。
- 花は葉と比べると重要視される事は少なく、多くの場合は葉の生産性と品質を上げる目的で早めに摘み取られます。
- 新鮮な葉は生のまま食用にされており、風味は「キュウリ」等に例えられます。
- 収穫した葉は、生のままスープに入れたりサラダに入れられたり、ジュース等に風味付けとして入れたり、みじん切りにしてドレッシングに入れられたりします。
- 乾燥させた葉はお湯で蒸らしハーブティーにする事も出来ます。
- サラダバーネットの収穫は株の高さが20cm以上になった後で行うと、その後の生育も安定します。
- 基本的には新しい葉(若葉)の方が柔らかく美味しいです。
サラダバーネットは草丈が約30(~60)cm、地面下に地下茎があり、草姿はロゼットを形成します。茎は直立、茎の色は緑色もしくは赤みを帯びます。葉序は根生葉もしくは互生葉序、葉色は緑色、葉身は奇数羽状複葉、奇数羽状複葉は小葉が約5(~25)個あり、小葉の形は卵形もしくは楕円形、縁部分に鋸歯があります。花序は穂状花序、穂状花序は長さ約1(~2)cmの球形です。花は直径約0.2(~0.3)cm、萼片が4個、萼片の色は緑色・黄色・赤色があり、雄蕊は多数あります。果実は痩果(果実は成熟すると乾燥して裂開せず、中に1個の種子を包みます)です。
サラダバーネットの園芸品種の紹介
ワレモコウの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ワレモコウの珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種の紹介【2021】
サラダバーネットの育て方
花壇の土づくり
日当たり
サラダバーネットは日光のよく当たる場所で最も生産性が高まりよく成長します。そのため直射日光が6時間以上あたる日向で育てる事が理想です。ただし夏の暑さの厳しい地域では、葉やけを引き起こし生育不良を引き起こす可能性があるため西日の当たらない半日影で育てた方がよい場合もあります。
作土層
サラダバーネットがしっかり根を張り健康な成長するには、十分な深さの作土層(表層にある柔らかな土)が必要です。深さ約30cmまでスコップを使い穴を掘り、根張りを邪魔したり保水性や栄養の保持を悪くする石やゴミ等を取り除いておきましょう。
土壌の土質
サラダバーネットは土質を選ばず育てる事が可能で、通気性がよければ幅広い土壌で育てる事が出来ます。ただし最もよく成長して、沢山の花を咲かせるのは通気性がよく有機物がしっかり入る肥沃な土壌のため、植え付け前にしっかり土壌診断を行い改善してから植え付けを行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 土を適度に濡らして手にとり握って土塊を作り通気性・保水性を診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
サラダバーネットは日光のよく当たる場所で最も生産性が高まりよく成長します。そのため直射日光が6時間以上あたる日向で育てる事が理想です。ただし夏の暑さの厳しい地域では、葉やけを引き起こし生育不良を引き起こす可能性があるため西日の当たらない半日影で育てた方がよい場合もあります。
培養土
サラダバーネットは一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
水やりの仕方
地植え
サラダバーネットは乾燥に強い植物のため、地植えしている場合は降水のみでも育てられます。 しかし、やや湿り気のある土壌で最も生産性が高まるため、余裕があれば土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
鉢植え
サラダバーネットを鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土の表面が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
サラダバーネットは晩冬から早春に堆肥と元肥(寒肥)を入れて、成長を促進させるために月に一度の頻度で追肥も与えましょう。
サラダバーネットの元肥(寒肥)と堆肥の与え方
- 元肥(寒肥)は植付け時もしくは晩冬から早春に与える肥料です。
- 肥料は肥効が長く続く緩効性肥料や有機肥料(配合肥料等)を選び、成分は水平型肥料(肥料成分がバランスよく入る)を選びましょう。
- 元肥(寒肥)の与え方は、植付け時であれば全面施肥
- 元肥の与え方は土壌に均一に混ぜこむ全面施肥、もしくは苗の下に肥料(有機肥料)を入れる溝施肥で与えましょう。
- 緩効性肥料の場合は根に肥料が当たっても肥焼けする事がないため全面施肥されます。
- 有機肥料の場合は根に肥料が当たると肥焼けする事があるため根から離して施肥されるのが一般的です。
- 寒肥は株元から少し離れた場所に穴を掘り肥料を入れるか置き肥しましょう。
- 有機肥料の場合は匂い等で虫がよってくる可能性があるため、穴を掘り肥料を与えた方が良いでしょう。
- 堆肥は寒肥を与える時期(初冬から晩冬の間)に、寒肥と一緒に与えると良いでしょう。株から少し離れた場所に堆肥(腐葉土もしくは牛糞堆肥等)を盛ってマルチングするか、穴を掘って堆肥を埋めましょう。
サラダバーネットの追肥の与え方
- サラダバーネットの追肥は地植えである場合は基本的に不要です。
- 鉢植えで育てている場合は栄養が足らなくなる事があるため必要に応じて肥料を施します。
- 追肥は液肥を規定された分量で希釈して、生育期間中に月に1回のペースで水やりの際に一緒に液肥を与えるとよいでしょう。
剪定のやり方
サラダバーネットの剪定は基本的に不要です。葉の収穫を優先する場合は花が咲く前に花芽を摘みましょう。
夏越しする方法
サラダバーネットは夏の暑さに強いため基本的には夏越し対策は不要です。ただし、乾燥をやや苦手にしているため、土壌が乾燥してきたら水やりをしっかり行いましょう。また葉焼け(葉の先端や縁部分等が褐色に変色して萎れや落葉を招く症状)する事もあるため、夏の暑さと日差しが強い地域では西日の当たらない半日影に移動するといいかもしれません。
冬越しする方法
Hardiness:4b~8a
サラダバーネットは耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。
挿し木や株分けで増やす
サラダバーネットは株分けによって増やすことが出来ます。
サラダバーネットの株分け手順
- サラダバーネットの株分け時期は早春もしくは秋が最適です。
- スコップを使い株を掘りあげます。
- 株から少し土を落として根と芽の位置を確認します。
- 根に数個の芽を残すようにしてナイフやハサミ等を使い個々に切り分けましょう。
- 株分けした株は、必要な場所に植え直して水をたっぷり与えます。
播種で増やす
サラダバーネットの種蒔の方法
播種時期:3月~4月
発芽適温:約20度
発芽日数:
発芽条件:
種まき手順
- 種を撒く前に、ポットに種まき用の培養土を準備します。もしくは直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 次に種に薄く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
植物の病気
サラダバーネットの病気
- うどんこ病
サラダバーネットの害虫
- ハダニ
- ナメクジ