ワレモコウは属の中に約26種がありますが、一般に園芸で親しまれている種は幾つかの種とその園芸品種です。例えば、園芸品種が最も多く小ぶりな花と茎のシルエットが洗練された印象を与えるワレモコウ、雄蕊が長く突出するため猫のしっぽの様なふさふさとした外観をしているカライトソウ、葉っぱが食用になりサラダやスープ等に入れて食べられるサラダバーネット等が親しまれています。
ワレモコウ属の種ごとの育て方は写真か育て方をクリックすると出てくる為よかったらそちらをご覧下さい!
このページでは主な種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を紹介しています。
ワレモコウの主な種の目次
ワレモコウの特徴や園芸品種
- 原産:ヨーロッパ/アジア/北アメリカ
- 学名:Sanguisorba officinalis
- 草丈:約60~120cm
- 分類:多年草
- 開花時期:6月~10月
- 花色:赤色●桃色●紫色●白色〇
- 葉色:緑色●黄色●白色〇
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:強い
- 誕生花:8月25日/10月28日/10月30日
- 花言葉:愛慕/変化/移ろい/もの思い
- 用途:カラーリーフ/背が高い花/切り花
ワレモコウとは!?
ワレモコウは学名Sanguisorba officinalis、別名では「吾亦紅/吾木香/割木瓜」や「グレートバーネット(great burnet)」等とも呼ばれるヨーロッパおよびアジア、北アメリカが原産の多年草です。日本でも北海道から九州まで分布しており、日当たりの良い草地などに自生しています。
ワレモコウの語源(由来)
- 属名のSanguisorbaはラテン語で「血の」を意味する「sangui」と、「吸収する」を意味する「sorba」の2語からなり、止血する目的で利用されていた事に由来します。
- 種小名のofficinalisはラテン語で「薬用の」を意味しており、治療特性を有する事に由来します。
- ワレモコウの由来は諸説あります。
- 一説には、香りが線香の原料になる木香の匂いに似ている事から「吾木香(ワレモコウ)」となったとう説があります。
- 一説には、ワレモコウ自身が「吾もまた紅なり」と唱えたことが由来という説があります。
- 一説には、織田家家紋のモッコウ紋が割れた形に見える事から「割木瓜(ワレモコウ)」となった説等があります。
ワレモコウの特徴(魅力)
- ワレモコウは上部に殆ど葉がないため茎の枝分かれするシルエットが目立ち、赤紫色の小ぶりな花が上品な印象を与える植物です。
- 花は切り花やドライフラワー等にも利用されます。
- ワレモコウは地面下に太い根茎があり、地際から多数の茎を出し叢生する草姿をつくります。
- 葉は下部に集まり上部に殆どないため茎と花だけの様な洗練された印象を与えやすいです。ただし上部の茎は枝分かれがよく繁茂して交差しやすいため、やや雑多な印象を与える場合があります。
- ワレモコウの花は長さが約1~3cmあり、長球状に小花が多数集まり出来ています。
- 花には花弁がなく、花弁として見られている部分は、ふつう赤紫色に着色された萼片です。
- 赤紫色の花は華やかでありながら円熟して落ち着いた雰囲気があるため、優雅な雰囲気漂うエレガントなお庭や、現実世界から離れたような幻想的な雰囲気があるお庭などによくあうでしょう。
- 花はカット後の日持ちがよく、また楚々とした雰囲気があるため切り花や茶花などにして楽しまれます。
- 日持ちは管理の方法などでも左右されますが約7~10日です。
- 花(萼片)は乾燥しても型崩れや色褪せが少ないためドライフラワーやフラワーアレンジメントの花材として重宝されます。
- 花は色鮮やなため花束の中でアクセントとして利用すると良いかもしれません。
- 若葉は収穫して食用にされることもあり、味は「キュウリ」等に例えられます。
- スープやサラダ等にして食べられています。
- 根茎は漢方薬などにも配合されており、生薬名は「地楡」と呼ばれています。
- タンニンやサポニンを多く含んでおり、収斂薬や止血、火傷の治療等に利用されています。
ワレモコウは草丈が約60(~120)cm、地面下に短い地下茎があり、草姿は叢生(根元から多くの茎が出る)します。茎は直立で所々で分枝して、茎の色は緑色もしくは赤みを帯びます。葉序は根生葉もしくは互生葉序、葉色は緑色、葉身は奇数羽状複葉、奇数羽状複葉は小葉が約5(~15)個あり、小葉の形は卵形もしくは楕円形、縁部分に鋸歯があります。花序は穂状花序、穂状花序は長さ約1(~3)cmの円筒型です。花は直径約0.2(~0.3)cm、萼片が4個、萼片の色は赤色・紫色・桃色・白色があり、雄蕊が4個、雌蕊は心皮が3個あります。果実は痩果(果実は成熟すると乾燥して裂開せず、中に1個の種子を包みます)です。
ワレモコウの切り花の楽しみ方
- 収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 水揚げは水切りもしくは湯揚げを行います。
- 花瓶に水と延命剤を入れて花を生けましょう。
- 延命剤の効果によって日持ちが長くなります。
- 管理は必要に応じて数日ごとに水切りもしくは湯揚げを行い、水換えも同時に行いましょう。
- 日持ちは管理の方法でも左右されますが約7~10日です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
湯揚げ法
湯揚げ法とは、切り花の切り口をお湯の中と冷水につけて、吸水を改善する水揚げ方法です。※水切りなどをしても、水揚げが上手くいかない場合等に行われます。
湯揚げは、導管内にある空気を熱で膨張させて外に押し出す効果があり、また熱のショックで一気に吸水する効果があります。またお湯で熱するため、切り口部分の雑菌が死滅して、微生物の影響が抑えられます。
湯揚げの方法
- お湯(約60~100度)と冷水を準備します。
- 切り花の花や葉が湯気で弱らないように、新聞紙で切り花を覆います。ただし、切り口の部分はお湯につけるため、茎の下部は新聞紙から出しておきましょう。
- 切り口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
- お湯(約60~100度)の中に切り口を付けて、切り口から空気が出てこなくなるのをまちます。お湯につける時間はおおよそ20~60秒です。
- お湯から切り花を出して、そのまま冷水の中に2時間程度浸けて水揚げします。
- 水揚げが終わったら必要に応じて水切りを行い花瓶に生けて楽しみます。
ワレモコウのドライフラワーの作り方
- 収穫は乾燥が続く日の朝(朝露が消えた後)もしくは夕方に行いましょう。
- 収穫のタイミングは花の見栄えが良いものを選びます。
- 茎を好みの長さで剪定ハサミで切って収穫して下葉を取り除きましょう。
- 収穫した花はハンギング法で乾燥させます。
ハンギング法
ハンギング法とは、植物を壁や天井等から吊り下げて自然乾燥でドライフラワーをつくる方法です。ハンギング法は最も一般的に利用されるドライフラワーを作る手順で、用意する物も花材以外には殆ど要らず手軽に作れる所が魅力です。手順は花の茎の下部を固定する物(麻紐・洗濯バサミ等)で抑えて、逆さにし壁や天井から吊り下げます。管理する場所は基本的に直射日光の当たらない涼しく乾燥した場所です。乾燥させる時間は2~4週間程度で、自然乾燥させます。
ワレモコウの園芸品種の紹介
- レッドサンダー(red thunder)はオランダのPiet Oudolfによる選抜品種で、非常に濃い赤色の花色と背の高い丈夫な茎が魅力の園芸品種です。重厚感を感じさせる濃い赤色の花は、神秘的な印象を与えたり、ゴシック調の雰囲気をつくったりします。そのため独特な世界観のある不思議なお庭や、チャーミングで小悪魔的な印象を与えるお庭などによく合うでしょう。草姿は茎が何本も伸びて叢生して、高さは約90~120cmまで成長するため花壇の中央や後方に植えて背景や立体感を作るのに利用しやすく、また茎が長いため切り花として利用しやすい所も魅力です。
- リトルエンジェル(Sanguisorba officinalis ver.microcephala ‘Little Angel’)は一般的なワレモコウより葉が小さい変種(Sanguisorba officinalis ver.microcephala)の園芸品種です。リトルエンジェルは葉の縁部分に白色(クリーム色)の班が入る事からカラーリーフとしても楽しめる所が魅力です。白色の葉は鮮やかな赤色の花との対比も美しく遠くからでも強く目を引きつける効果があり、花が咲かない時期も洗練された印象や柔らかでロマンチックな印象を与えるカラーリーフとして楽しめます。草姿は茎が何本も伸びて叢生して高さ約25cm、幅約40cmに成長します。とても背が低くコンパクトな草姿のため、鉢植えでも育てやすく、また花壇に並べると縁どりにも利用できます。
- ピンクタンナ(sanguisorba officinalis ‘pink tanna’)は可愛らしい印象を与える桃色の花色と、ふんわりとした柔らかな印象を与える萼片から突出する淡い桃色の雄蕊が特徴の園芸品種です。草姿は茎が何本も伸びて叢生して、高さは約90cmまで成長するため花壇の中央や後方に植えて背景や立体感を作るのに利用しやすく、また茎が長いため切り花として利用しやすい所も魅力です。
- タンナ(sanguisorba officinalis ‘tanna’)は一般的な種と比較すると背が低く高さが60cm程度までにしかならないため小さな花壇や鉢植えでも育てやすく、また赤ワインなどを連想させる様な濃い赤色(赤紫色)の花が上品な印象を与える魅力的な園芸品種です。
カライトソウの特徴や園芸品種
- 原産:日本
- 学名:Sanguisorba hakusanensis
- 草丈:約30~100cm
- 分類:多年草
- 開花時期:7月~9月
- 花色:桃色●
- 葉色:緑色●
- 耐暑性:普通
- 耐寒性:強い
- 誕生花:7月13日/8月16日
- 花言葉:繊細/深い思い/あたたかい心
- 用途:背が高い花/切り花
カライトソウとは!?
カライトソウは学名Sanguisorba hakusanensis、別名「サンギソルバ・ハクサネンシス」とも呼ばれる日本固有の多年草です。日本では日本の本州中部地方の日本海側に分布します。
カライトソウの語源(由来)
- 属名のSanguisorbaはラテン語で「血の」を意味する「sangui」と、「吸収する」を意味する「sorba」の2語からなり、止血する目的で利用されていた事に由来します。
- 種小名のhakusanensisは石川県・岐阜県・富山県にまたがる両白山地の白山の名前に由来します。
- カライトソウの由来は、花から突出する長い雄蕊を唐(中国)の絹糸に見立てた事からきています。
カライトソウの特徴(魅力)
- カライトソウは日本の白山に自生する日本固有種で、花の形が猫の尻尾などを連想させるようなふさふさとした形をしています。
- カライトソウは地面下に太い根茎があり、地際から多数の茎を出し叢生する草姿をつくります。
- 葉は下部に集まり上部に殆どないため茎と花だけの様な印象を与え、下部の葉は地被植物のように広がります。
- カライトソウの花は円柱形で長さが約4~10cmあり、花穂の途中で折れ曲がり湾曲するように開花します。
- 花穂は散房状(茎下部の花柄ほど長く頂部に花が集まる)に集まる傾向が高いです。
- 花穂は0.1cm程度の小花が多数集まり、花穂は上から下に向かって小花が開花していきます。
- カライトソウには花弁がなく花弁のように見える萼片が4個ついています。
- 1個の小花からは著しく長い雄蕊が6~12個突出するため「猫の尻尾」や「ブラシ」を思わせるような外観の花姿をしています。
- ふんわりした花姿と桃色の花色は、ベビーグッズの様な柔らかな印象や心が癒される様な優しい雰囲気をつくるため、ふんわりした可愛らしいお庭や、ロマンチックなお庭などによくあいます。
- 花は切り花や茶花などにして楽しまれます。
カライトソウは草丈が約30(~100)cm、地面下に地下茎があり、草姿は叢生(根元から多くの茎が出る)します。茎は直立で所々で分枝して、茎の色は緑色もしくは赤みを帯びます。葉序は根生葉もしくは互生葉序、葉色は緑色、葉身は奇数羽状複葉、奇数羽状複葉は小葉が約9(~13)個あり、小葉は長さ約4(~6)cm、小葉の形は楕円形、縁部分に鋸歯があります。花序は穂状花序が散房状(茎下部の花柄ほど長く頂部に花が集まる)に付き、穂状花序は長さ約4(~10)cmの円柱形、穂状花序は湾曲する傾向があります。花は直径約0.1cm、萼片が4個、萼片の色は桃色、雄蕊が約6(~12)、雌蕊は1個あります。果実は痩果(果実は成熟すると乾燥して裂開せず、中に1個の種子を包みます)です。
カライトソウの園芸品種の紹介
サラダバーネットの特徴や園芸品種
- 原産:アジア/ヨーロッパ/北アフリカ
- 学名:Sanguisorba minor
- 草丈:約30~60cm
- 分類:多年草
- 開花時期:5月~7月
- 花色:赤色●黄色●緑色●
- 葉色:緑色●
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:強い
- 誕生花:
- 花言葉:
- 用途:
サラダバーネットとは!?
サラダバーネットは学名Sanguisorba minor、別名「オランダワレモコウ」や「ガーデンバーネット(garden burnet)」等とも呼ばれるヨーロッパおよびアジア、北アフリカが原産の多年草です。
サラダバーネットの語源(由来)
- 属名のSanguisorbaはラテン語で「血の」を意味する「sangui」と、「吸収する」を意味する「sorba」の2語からなり、止血する目的で利用されていた事に由来します。
- 種小名のminorはラテン語で「より小さい」を意味しており、他のワレモコウの種と比べて花が小さい事に由来します。
- 英名のサラダバーネット(salad burnet)は、葉がサラダに利用される事からきており、バーネット(burnet)はワレモコウ属の植物の名前の総称です。
サラダバーネットの特徴(魅力)
- サラダバーネットは、一般的にキュウリの様な風味のある葉を収穫して食べる目的で栽培される植物です。
- 葉は根生葉と茎葉で構成されており、地際から伸びる根生葉は中央から外側へと弧を描くように優雅に広がるため美しい外観をつくります。
- 葉は小葉が幾つも集まり羽状に広がる形から「レース模様」や「シダ植物」などを連想させます。そのため鑑賞目的で育てられる事もあります。
- 葉は下部に集まり上部に殆どないため地被植物となり、また上部では茎と花だけの様なシルエットをつくります。
- サラダバーネットの花は球状で長さ約1~2cmしかなく、他のワレモコウ属の植物と比べ小さめです。
- 花には花弁がなく、花弁として見られている部分は緑色もしくは黄色か赤色に着色された萼片です。
- 花は葉と比べると重要視される事は少なく、多くの場合は葉の生産性と品質を上げる目的で早めに摘み取られます。
- 新鮮な葉は生のまま食用にされており、風味は「キュウリ」等に例えられます。
- 収穫した葉は、生のままスープに入れたりサラダに入れられたり、ジュース等に風味付けとして入れたり、みじん切りにしてドレッシングに入れられたりします。
- 乾燥させた葉はお湯で蒸らしハーブティーにする事も出来ます。
- サラダバーネットの収穫は株の高さが20cm以上になった後で行うと、その後の生育も安定します。
- 基本的には新しい葉(若葉)の方が柔らかく美味しいです。
サラダバーネットは草丈が約30(~60)cm、地面下に地下茎があり、草姿はロゼットを形成します。茎は直立、茎の色は緑色もしくは赤みを帯びます。葉序は根生葉もしくは互生葉序、葉色は緑色、葉身は奇数羽状複葉、奇数羽状複葉は小葉が約5(~25)個あり、小葉の形は卵形もしくは楕円形、縁部分に鋸歯があります。花序は穂状花序、穂状花序は長さ約1(~2)cmの球形です。花は直径約0.2(~0.3)cm、萼片が4個、萼片の色は緑色・黄色・赤色があり、雄蕊は多数あります。果実は痩果(果実は成熟すると乾燥して裂開せず、中に1個の種子を包みます)です。
サラダバーネットの園芸品種の紹介
ナンブトウウチソウの特徴や園芸品種
- 原産:日本
- 学名:Sanguisorba obtusa
- 草丈:約30~50cm
- 分類:多年草
- 開花時期:7月~9月
- 花色:桃色●
- 葉色:緑色●
- 耐暑性:普通
- 耐寒性:強い
- 用途:切り花
ナンブトウウチソウとは!?
ナンブトウウチソウは学名Sanguisorba obtusa、別名では「ジャパニーズ・バーネット(Japanese Burnet)」や「サンギソルバ・ハクサネンシス」とも呼ばれる日本固有の多年草です。日本では本州の岩手県の早池峰山に自生しています。
ナンブトウウチソウの語源(由来)
- 属名のSanguisorbaはラテン語で「血の」を意味する「sangui」と、「吸収する」を意味する「sorba」の2語からなり、止血する目的で利用されていた事に由来します。
- 種小名のobtusaはラテン語で「鈍形」や「鈍角」を意味しています。
ナンブトウウチソウの特徴(魅力)
- ナンブトウウチソウは日本の岩手県の早池峰山に自生する日本固有種の植物で、花の形が猫の尻尾などを連想させるようなふさふさとした形をしており、葉の形が羽状に広がる装飾的な形をしています。
- 葉は小葉が幾つも集まり羽状に広がり「レース模様」や「シダ植物」などを連想させる装飾的な形をしています。
- 葉は下部に集まり上部に殆どないため、上部では茎と花だけの様な印象を与え、下部では葉が地被植物のように広がります。
- ナンブトウウチソウの花は円柱形で長さが約4~7cmあり、花穂の途中で湾曲して垂れ下がるように開花します。
- 花穂は散房状(茎下部の花柄ほど長く頂部に花が集まる)に集まる傾向が高いです。
- 花穂は小花が多数集まり、花穂の小花は上から下に向かって開花していきます。
- ナンブトウウチソウには花弁がなく花弁のように見える萼片が4個ついています。
- 1個の小花からは著しく長い雄蕊が4個突出するため「猫の尻尾」や「ブラシ」を思わせるようなふさふさとした外観の花姿をしています。
- ふんわりした花姿と桃色の花色は、ベビーグッズの様な柔らかな印象や心が癒される様な優しい雰囲気をつくるため、ふんわりした可愛らしいお庭や、ロマンチックなお庭などによくあいます。
- 花は切り花や茶花などにして楽しまれます。
ナンブトウウチソウは草丈が約30(~100)cm、地面下に地下茎があり、草姿は叢生(根元から多くの茎が出る)します。茎は直立で所々で分枝して、茎の色は緑色もしくは赤みを帯びます。葉序は根生葉もしくは互生葉序、葉色は緑色、葉身は奇数羽状複葉、奇数羽状複葉は小葉が約13(~17)個あり、小葉は長さ約2(~5)cm、小葉の形は楕円形、縁部分に鋸歯があります。花序は穂状花序が散房状(茎下部の花柄ほど長く頂部に花が集まる)に付き、穂状花序は長さ約4(~7)cmの円柱形、穂状花序は湾曲して垂れる傾向があります。花は萼片が4個、萼片の色は桃色、雄蕊が約4個あります。果実は痩果(果実は成熟すると乾燥して裂開せず、中に1個の種子を包みます)です。
ナンブトウウチソウの園芸品種の紹介
ナガボノアカワレモコウの特徴や園芸品種
- 原産:日本/東アジア
- 学名:Sanguisorba tenuifolia
- 草丈:約60~130cm
- 分類:多年草
- 開花時期:8月~10月
- 花色:赤色●紫色●白色〇
- 葉色:緑色●
- 耐暑性:普通
- 耐寒性:強い
- 用途:背が高い花/切り花
ナガボノアカワレモコウとは!?
ナガボノアカワレモコウは学名Sanguisorba tenuifolia、別名では「サンギソルバ・テヌイフォリア」等とも呼ばれる日本および東アジアが原産の多年草です。日本でも北海道から本州に分布しており、日当たりの良い草地などに自生しています。
ナガボノアカワレモコウの語源(由来)
- 属名のSanguisorbaはラテン語で「血の」を意味する「sangui」と、「吸収する」を意味する「sorba」の2語からなり、止血する目的で利用されていた事に由来します。
- 種小名のtenuifoliaはラテン語で「薄い」を意味する「tenuis」と、ラテン語で「葉」を意味する「folium」の2語からなります。
ナガボノアカワレモコウの特徴(魅力)
- ナガボノアカワレモコウは、ワレモコウと比べ花穂が長く湾曲する傾向にあり、上部に殆ど葉がないため茎の枝分かれするシルエットと花が目立つ植物です。
- ナガボノアカワレモコウは地面下に太い根茎があり、地際から多数の茎を出し叢生する草姿をつくります。
- 葉は下部に集まり上部に殆どないため茎と花だけの様な洗練された印象を与えやすいです。ただし上部の茎は枝分かれがよく繁茂して交差しやすいため、やや雑多な印象を与える場合があります。
- ナガボノアカワレモコウの花穂は長さが約2~7cmあり、花穂は途中で湾曲して垂れる傾向が強いです。
- 花穂は上から下に向かって花(小花)が開花していきます。
- 花(小花)には花弁がなく、花弁として見られている部分は、ふつう赤紫色もしくは白色に着色された萼片です。
- 花(小花)からは4個の暗紫色をした雄蕊が少し突出するため、ふさふさとした外観になる事もあります。
- 花はカット後の日持ちがよく、また楚々とした雰囲気があるため切り花や茶花などにして楽しまれます。
- 日持ちは管理の方法などでも左右されますが約7~10日です。
ナガボノアカワレモコウは草丈が約60(~130)cm、地面下に短い地下茎があり、草姿は叢生(根元から多くの茎が出る)します。茎は直立で所々で分枝して、茎の色は緑色です。葉序は根生葉もしくは互生葉序、葉色は緑色、葉身は奇数羽状複葉、奇数羽状複葉は小葉が約11(~19)個あり、小葉の長さ約3(~7)cm、幅約1.5(2)cm、小葉の形は楕円形もしくは狭楕円形、縁部分に鋸歯があります。花序は穂状花序、穂状花序は長さ約2(~7)cmの円筒型で多くの場合は花序の途中で湾曲して垂れます。花は萼片が4個、萼片の色は赤色・白色があり、雄蕊が4個。果実は痩果(果実は成熟すると乾燥して裂開せず、中に1個の種子を包みます)です。
ナガボノアカワレモコウの切り花の楽しみ方
- 収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 水揚げは水切りもしくは湯揚げを行います。
- 花瓶に水と延命剤を入れて花を生けましょう。
- 延命剤の効果によって日持ちが長くなります。
- 管理は必要に応じて数日ごとに水切りもしくは湯揚げを行い、水換えも同時に行いましょう。
- 日持ちは管理の方法でも左右されますが約7~10日です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
湯揚げ法
湯揚げ法とは、切り花の切り口をお湯の中と冷水につけて、吸水を改善する水揚げ方法です。※水切りなどをしても、水揚げが上手くいかない場合等に行われます。
湯揚げは、導管内にある空気を熱で膨張させて外に押し出す効果があり、また熱のショックで一気に吸水する効果があります。またお湯で熱するため、切り口部分の雑菌が死滅して、微生物の影響が抑えられます。
湯揚げの方法
- お湯(約60~100度)と冷水を準備します。
- 切り花の花や葉が湯気で弱らないように、新聞紙で切り花を覆います。ただし、切り口の部分はお湯につけるため、茎の下部は新聞紙から出しておきましょう。
- 切り口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
- お湯(約60~100度)の中に切り口を付けて、切り口から空気が出てこなくなるのをまちます。お湯につける時間はおおよそ20~60秒です。
- お湯から切り花を出して、そのまま冷水の中に2時間程度浸けて水揚げします。
- 水揚げが終わったら必要に応じて水切りを行い花瓶に生けて楽しみます。
ナガボノアカワレモコウの園芸品種の紹介