ヒヤシンスは属の中に約3種がありますが、一般に園芸で親しまれている種は豪華で香りのよい花が魅力的なヒヤシンス(Hyacinthus orientalis)と、その園芸品種です。
ヒヤシンス属の種ごとの育て方は写真か育て方をクリックすると出てくる為よかったらそちらをご覧下さい!
このページでは主な種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を紹介しています。
ヒヤシンスの主な種の目次
ヒヤシンスの特徴や園芸品種
- 原産:地中海東部沿岸/イラン/トルクメニスタン
- 学名:Hyacinthus orientalis
- 草丈:約15~50cm
- 分類:多年草
- 開花時期:2月~4月
- 花色:赤色●桃色●橙色●黄色●紫色●青色●黒色●白色〇
- 葉色:緑色●
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:強い
- 誕生花:4月11日
- 花言葉:紫色:悲しみ/悲哀/初恋のひたむきさ青色:変わらぬ愛/赤色:「 嫉妬/桃色:ゲーム/スポーツ/しとやかなかわいらしさ/黄色:勝負/あなたとなら幸せ/白色:控えめな愛らしさ/心静かな愛
- 用途:香りが良い/切り花
ヒヤシンスとは!?
ヒヤシンスは学名Hyacinthus orientalis、別名「にしきゆり(錦百合)」や「飛信子」等とも呼ばれる地中海東部沿岸およびイラン、トルクメニスタンが原産の多年草です。
ヒヤシンスの語源(由来)
- 属名のHyacinthusはギリシャ神話に登場する美少年のヒュアキントスの名前に由来しており、ヒュアキントスの血液からヒヤシンスが生まれたという逸話があります。
- スパルタンの王子ヒュアキントスはアポローンに愛される恋人でした。ある時、アポローンとヒュアキントスは交代で円盤を投げる遊戯をしていました。アポローンの投げる円盤は雲を割るほどの強さがあり、アポローンが投げた円盤を捕まえるためにヒュアキントスは円盤を追いました。しかし円盤は地面にぶつかった際にヒュアキントスの方へ強く跳ね返ってきてしまい、ヒュアキントスは円盤を捕まえる事ができず、額に円盤を受けて致命傷を負ってしまいます。その時、流れた血液からヒヤシンスが生まれたと言われています。
- 種小名のorientalisはラテン語で「東」を意味しています。
- 和名の飛信子や風信子の由来は、1863年に渡来した際に「Hyacinthus」を当て字で名付けられた事からきています。
ヒヤシンスの特徴(魅力)
- ヒヤシンスの花はユリを思わせる様な小花が穂状に連なる豪華な花姿をしています。
- 花は1個の球根から複数の花茎を出す「ローマン系」と、1個の花茎に沢山(30以上)の花を豪華に咲かせる「ダッチ系」に分けられる事があります。
- その他にも、花が一重咲きする「シングル系」と、花が八重咲きする「ダブル系」と、1個の球根から沢山の花茎を出して疎らな花序で花を咲かせる「マルチフローラ系」の3パターンに分けられる場合もあります。
- 花(小花)は花被片が緩くカールしており優雅な雰囲気をつくります。
- 花には心地よさを感じさせるフレッシュでスパイシーな強い香りがあり、心地よい香りから香水としても高い人気があります。
- ヒヤシンスの精油には安息香酸ベンジル・シンナミルアルコール・酢酸ベンジル・p-シメン・テルピネンなどの成分が含まれています。
- 花は1個の球根から複数の花茎を出す「ローマン系」と、1個の花茎に沢山(30以上)の花を豪華に咲かせる「ダッチ系」に分けられる事があります。
- ヒヤシンスの花はカット後の日持ちが約14日と長く非常に豪華な花姿のため切り花として高い人気があります。
- 花には心地よいフレッシュな香りがあり切り花にして部屋に飾ると心地よい芳香が部屋全体に広がります。
- 葉は肉質で細長く球根から立ち上がるように4~6個つきます。
- ヒヤシンスはシュウ酸カルシウムやアルカロイド(リコリン)を含み全草(特に球根)が有毒なため食べられせん。
- 多量に摂取した場合は亡くなることもあります。
- ヒヤシンスは水耕栽培も可能でペットボトルに水を入れて育てられることもあります。
ヒヤシンスは草丈(花茎)が約15(~50)cm、地際に球根(鱗茎)があり、球根は直径約3~7cm、球根から4(~6)個の葉と花茎が出ます。葉は球根から螺旋状に出て、葉色は緑色、葉身の大きさは長さ約15(~35)cm、幅約1(~3)cm、葉身の形は剣形をしており、質感は肉質で柔らかです。花序は総状花序、総状花序は花が20(~100)個付き、花は筒状で花被片がふつう6個(八重咲き品種もある)、花被片の色は赤色・桃色・黄色・橙色・青色・紫色・白色等があり、雄蕊6個、雌蕊1個がつきます。果実は蒴果(複数の心皮からなり果皮が裂開して種子を放出する)、蒴果は乾燥すると3裂に割れ黒色の種子を放出します。
ヒヤシンスの切り花の楽しみ方
- ヒヤシンスの収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 収穫のタイミングは蕾が色付いてきたら行うと日持ちがよくなります。
- 収穫方法は球根の1部をつけて収穫すると蕾に栄養が補給され開花しやすくなりますが、球根(1部)をつけなくても問題ありません。
- 花瓶は花穂が重く倒れやすいため長めのものを準備します。
- 管理場所は出来るだけ低温環境(糖の消費や蒸散が抑えられる)にすると日持ちがよくなります。
- よく水を吸うため数日ごとに必要に応じて水換えを行います。
- 日持ちは管理の方法でも左右されますが14日程度です。
浅水法
浅水法とは花瓶等の容器に入れる水の量を減らして、浅い水で花を生ける方法です。
浅水は、水に浸かる茎の面積が減るため、腐敗のリスクを低減することが出来ます。そのため浅水は主に茎が柔らかく腐敗しやすい花等で行われます。
ヒヤシンスの毒性(既知の危険性)
ヒヤシンスは全草に毒性のあるシュウ酸カルシウムやアルカロイド(リコリン)が含まれており、特に球根部分には高い濃度で含有しています。そのため人および家畜(犬や猫も含む)は食べる事が出来ません。
- シュウ酸カルシウムを摂取すると症状として、口内が荒れたり、尿路結石になるリスクが高まります。
- リコリンを摂取すると、嘔吐や悪心、下痢や発汗、頭痛や昏睡等の症状を引き起こす事があり、多量に摂取した場合は死亡する事もあります。
ヒヤシンスの水耕栽培の楽しみ方
- 水耕栽培で育てるための容器を準備します。
- 簡単なものではペットボトルや瓶が利用出来ます。
- 専用のオシャレなガラス容器もあるので好みに合わせて選ぶと良いでしょう。
- 容器に水を張り、球根を置いてお尻に水を当てて吸水出来るようにしておきましょう。
- 球根から根が出てくるまでは、水をたっぷり入れて球根のおしりから吸水出来るようにしておきましょう。
- 球根から白い根が長く伸びてきたら水の量を減らします。
- 水の量を変えずに球根に水をつけて管理すると腐敗する事もあるため注意して下さい。
- 水の入れ替えの頻度も週に一度のペースに落としても基本的には問題ありません。ただし水が汚れてる場合は直ぐにかえましょう。
- 補足として、ヒヤシンスは寒さに当たらないと花が咲かないため、事前に球根を冷蔵庫に1ヶ月程入れて寒さを経験させておいてください。
おすすめの水耕栽培の容器
ヒヤシンスの園芸品種
- ヒヤシンス(デルフトブルー)はヒヤシンスの中でも飛び抜けて香りが良いことて知られており、立ち止まり嗅ぎたくなるようなフレッシュな香りを花から漂わせます。花は濃い青色(青紫色)のシングル咲きの花が穂状に密に連なり咲きます。濃い青色の落ち着いた花は「誠実」「権威性」「力強さ」等を印象付けます。そのため、重厚感のある落ち着いた雰囲気のお庭や、勉強や仕事などの集中できる空間(青色は時間の流れが早く感じる)のお庭を作りたい時などにおすすめです。草丈は約15~30cmまで成長します。
- ヒヤシンス(アナスタシア)は、一般的なヒヤシンス(1個の球根から花茎1個と小花が密につく花穂)と違い、1個の球根から沢山(5~15個)の花茎が出て、花穂(花序)には疎らに花が付く「マルチフローラ系」のヒヤシンスです。花は落ち着いた印象を与える濃い青色の花色をしており、花茎には疎らにつくため豪華さは劣りますが洗練された魅力を感じさせます。また1個の球根から沢山の花がとれるため切り花を何回も楽しめる所も魅力です。草丈は約15~20cmまで成長します。
- ヒヤシンス(パープルセンセーション)は、花に香水を思わせる様なフレッシュでスパイシーな強い香りがあり、また白色の縁取りのある鮮やかな紫色の花色と、花が非常に密に並び穂状に咲く豪華な花姿が魅力の園芸品種です。
- ヒヤシンス(ピンク サプライズ)は、柔らかな薄桃色の花色と、花が密に並び穂状に咲く豪華な花姿が魅力の園芸品種です。柔らかな薄桃色の花色は「女性らしさ」「恋愛」「優しさ」等を象徴する色です。そのため恋心をくすぐる様なロマンチックなお庭や、繊細で心が癒されるような優しい雰囲気のお庭などによく合うでしょう。
- ヒヤシンス(ブルージャケット)は、中央に濃い青色の筋が入る鮮やかな青色の花色と、花が密に並び咲く豪華な花姿、香水を思わせるような爽やかなスパイシーな香りなどが魅力的な園芸品種です。
- ヒヤシンス(スカーレット パール)は、殆ど赤色に見える鮮やかな桃色の花色と、非常に密に花が並び咲く豪華な花穂が魅力の園芸品種です。鮮やかな桃色の花は、華やかなガールズパーティや甘いピーチやお菓子等を連想させます。そのため元気が出る様な可愛いお庭や、様々な色(青色・黄色等)を組合せながらつくるカラフルなお庭等におすすめです。
- ヒヤシンス(ホワイトパール)は、光沢を感じさせる純白の美しい花色と、非常に密に花が並び咲く豪華な花穂が魅力の園芸品種です。白色の美しい花色は「純粋さ」や「神様の色」などを象徴しており、汚れのない清潔な印象を与えたり、輝いている様な明るい印象を与えたりします。そのため、明るく清潔感のあるお庭や、洗練された品の良いお庭などにおすすめです。
- ヒヤシンス(シティオブハーレム)は、ヒヤシンスの中では珍しい黄色の花を咲かせる園芸品種です。花は色鮮やかな黄色で、小花が穂状に密に並び豪華な花姿をつくり、開花期には香水を振り撒いたかの様なスパイシーな心地よい香りが漂います。
- ヒヤシンス(マンハッタン)は、個々の花が八重咲きするダブル系のヒヤシンスです。花色は濃い青紫色をしているため落ち着いた雰囲気があり、また小花が穂状に密に並ぶため豪華な花姿をつくります。
- ヒヤシンス(スプリングビューティ)は、個々の花が八重咲きするダブル系のヒヤシンスです。花色は柔らかな桃色をしているため恋心をくすぐる様なロマンチックな雰囲気があり、また小花が穂状に密に並ぶため豪華な花姿をつくります。
- ヒヤシンス(ウッドストック)は上品な赤ワインやお洒落な口紅の色を連想させるような濃い赤色(赤紫色)の花色が魅力の園芸品種です。濃い赤色(赤紫色)の小花が穂状に密に並び咲く花姿は非常に豪華な印象を与え、また華やかでありながら円熟したような落ち着いた雰囲気をつくるため、エレガントで気品のあるお庭などによく会うでしょう。草丈は約15~30cmまで成長します。
- ヒヤシンス(オディッセウス)は「ピーチ(桃)」や「マカロン」等の甘い果物やお菓子を連想させる花色と、小花が密に並び穂状に咲く豪華な花姿が魅力の園芸品種です。薄橙色の柔らかな花色は、甘くて優しい印象を与えるため、心が癒される様な優しい雰囲気のお庭や、ロマンチックなお庭などにオススメです。
- ヒヤシンス(ブルーアイズ)は、透明感を感じさせるような薄青色(薄紫色)と白色の2色の花色と、花が密に並び咲く豪華な花穂が魅力の園芸品種です。透明感を感じさせる青色と白色の花は、気分を落ち着け心を癒したり、また清涼感や清潔感を感じさせます。そのため、心を落ち着かせリラックス出来る様なお庭や、清涼感を感じさせるすっきりしたお庭などにおすすめです。
- ヒヤシンス(ダークディメンション)は、殆ど黒色に見える濃い紫色の美しい花色と、花が穂状に密に並び咲く豪華な花姿が魅力の園芸品種です。濃い紫色(~黒色)の美しい花は、重厚的で高価な印象を与えたり、モダンでスタイリッシュな印象を与えたりします。そのため重厚感のあるお洒落なお庭や、洗練された現代的なお庭などにおすすめです。
- ヒヤシンス(チャイナピンク)は「白桃の果肉」を連想させるような薄桃色の柔らかな花色と、小花が穂状に密につく豪華な花姿などが魅力的な園芸品種です。柔らかな薄桃色の花は「女性らしさ」「恋愛」「優しさ」等を象徴する色です。そのため恋心をくすぐる様なロマンチックなお庭や、繊細で心が癒されるような優しい雰囲気のお庭などによくあいます。
- ヒヤシンス(パシフィックオーシャン)は、花にフレッシュでスパイシーな強い香りがあり、黒色にも見える濃い紫色の花色と、花が非常に密に並び穂状に咲く豪華な花姿が魅力の園芸品種です。黒色にも見える濃い紫色の美しい花は、重厚的で高価な印象を与えたり、モダンでスタイリッシュな印象を与えたりします。そのため重厚感のあるお洒落なお庭や、洗練された現代的なお庭などにおすすめです。
- ヒヤシンス(ブルーパール)は、花に香水を思わせる様なフレッシュでスパイシーな強い香りがあり、濃い青色の花色と、花が非常に密に並び穂状に咲く豪華な花姿が魅力の園芸品種です。