ムラサキツユクサ(トラデスカンチア)は属の中に約86種があり、園芸でも様々な種と品種が親しまれています。このページでは5種類の原種と、12の園芸品種を紹介しています。
上記の他にも、このページでは育て方や購入する際のリンクも用意しています。よければ、そちらもご活用ください。
■目次
■ムラサキツユクサ(トラデスカンチア)属の簡易比較

学名:Tradescantia zebrina
生活形:多年草
草丈:約10~20cm
開花:周年
花色:桃色・紫色
葉色:緑色・白緑色・白銀色・紫色
生育型:匍匐型
備考:中央アメリカからコロンビアの熱帯に自生している植物で、日本では一般的に観葉植物として屋内で栽培されています。最大の魅力である、葉の色は緑色・白緑色・白銀色・紫色の複色で、葉の中に縞斑が入り、特に白銀色の部分が光で反射すると煌めくため、宝飾品を見ているような美しさを感じさせます。草姿は匍匐型で、地表をマット状に広がる性質があり、また鉢植えで栽培した場合は枝垂れる優美な姿を鑑賞する点も魅力となります。

学名:Tradescantia fluminensis
生活形:多年草
草丈:約15~50cm
開花:5月~8月
花色:白色
葉色:緑色・桃色・紫色・黄色・白色
生育型:匍匐型
備考:南アメリカの熱帯や温帯に自生している植物で、日本では一般的に観葉植物として屋内で栽培されています。草姿は匍匐型で、地表をマット状に広がる性質があり、また鉢植えで栽培した場合は枝垂れる優美な姿を鑑賞する事ができます。葉は3~6.5cmほどとこぶりなため、洗練された外観となりやすく、葉表面には強い光沢があるため、葉色によっては宝飾品のようなラグジュアリーな雰囲気を添えることができます。葉色は緑色の他に、品種を選ぶと桃色・紫色・黄色・白色と多彩な色があります。そのため、カラーリーフとして楽しめる点も魅力となるでしょう。 一方で、繁殖力が高く匍匐性の茎が地表を広がり固有種の生息域を奪うため、海外(オーストラリアやアメリカ合衆国等)では栽培を禁止している所も多く、日本でも生態系被害防止外来種(旧要注意外来生物)として扱われています。そのため、栽培する場合は注意が必要でしょう。

学名:Tradescantia pallida
生活形:多年草
草丈:約30~45cm
開花:6月~9月
花色:紫色・桃色
葉色:紫色
生育型:匍匐型・分枝型
備考:茎・葉・花に至るまでほとんど全部が紫色をしているため、上品で高貴な雰囲気を感じさせる点が特徴です。また匍匐性に広がり地面を覆うように広がったり、壁面を垂れ下がる性質があるため、地被植物として栽培されたり、ハンギング仕立てで栽培されることもあります。メキシコの熱帯に自生する植物ですが、耐寒性がある程度あるため、日本の温帯地域であれば屋外で栽培する事が可能で、また耐陰性も比較的に高いことからインドアグリーンとして栽培されることもあります。

学名:Tradescantia spathacea
生活形:多年草
草丈:約30~50cm
開花:周年
花色:白色
葉色:緑色・黄色・桃色・紫色
生育型:ロゼット型・叢生型
備考:熱帯に自生している植物で、日本では一般的に観葉植物として屋内で栽培されていたり、また温帯地域では霜に注意して屋外で栽培されたりしています。生育型はロゼット型から叢生型になり、主茎から放射状に葉を広げて薔薇のような華やかなロゼットを形成します。また親株は根茎で広がり複数の子株を生成するため、年を追うごとに美しい群生を形成します。個々の葉は剣のようにシャープで細長い形状をしており、特に色は表裏で緑色・紫色と異なるため、非常に洗練された姿と上品な印象を与えるカラーリーフとして楽しめる所もこの植物の魅力です。
■ムラサキツユクサ(トラデスカンチア)属の主な種と園芸品種の紹介
シマムラサキツユクサ



シマムラサキツユクサとは!
シマムラサキツユクサ(学名: Tradescantia zebrina)は、別名では「ゼブリナ」「ハカタカラクサ」「トラデスカンチア・ゼブリナ」「シルバーインチ・プラント(silver inch plant)」「ワンダリング・ジュー(wandering jew)」とも呼ばれるツユクサ科ムラサキツユクサ属(トラデスカンチア属)の多年草です。
シマムラサキツユクサの原産地はメキシコ、グアテマラ、ベリーズ、コロンビア、コスタリカ、エルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグア、パナマにあり、自生地は標高2000m以下の熱帯雨林にある林床や川岸、湿地や岩場などにあります。
シマムラサキツユクサの特徴
- シマムラサキツユクサの魅力:この植物は、 中央アメリカからコロンビアの熱帯に自生している植物で、日本では一般的に観葉植物として屋内で栽培されています。最大の魅力である、葉の色は緑色・白緑色・白銀色・紫色の複色で、葉の中に縞斑が入り、特に白銀色の部分が光で反射すると煌めくため、宝飾品を見ているような美しさを感じさせます。草姿は匍匐型で、地表をマット状に広がる性質があり、また鉢植えで栽培した場合は枝垂れる優美な姿を鑑賞する点も魅力となります。
- 草姿:生育型は匍匐型になり、地表を覆うように広がり、また壁面では枝垂れて成長します。茎の色は緑色または赤紫色、茎の質感は肉質で、節からは容易に発根して定着します。
- 葉の特徴:葉の概形は卵形・披針形で、長さは約3~10cm、葉の色は個体差があり緑色・白緑色・白銀色・紫色の中で2~3色の複色となり、縞斑がはいります。特に白銀色の部分は光が当たると反射して輝くため、宝飾品のような美しさがあり、ラグジュアリーな雰囲気を醸し出すカラーリーフとして楽しめます。
- 花の特徴:開花期は温暖な地域ではまばらに周年あり、主に夏に開花します。花序は集散花序になり、花序の基部にある2枚の苞の間から開花します。 花は直径が約1~2cmで桃色から紫色をしており鑑賞価値もありますが、葉に隠れることも多く、あまり重要視されず、これを鑑賞する目的で栽培されることは殆どありません。
- 地被植物:シマムラサキツユクサは、生育型が匍匐型でマット状に広がる性質があるため、地被植物(グランドカバー)として利用される事もあります。基本的に一年を通して、紫色の美しい茎葉が地表を覆うためエレガントな雰囲気を添えることが出来るでしょう。ただし、耐踏圧性はなく簡単に折れるため歩行者のいない場所で利用する必要があります。さらに、耐寒性が低いため温帯でも冬に枯れる可能性があります。
- 枝垂れ植物:シマムラサキツユクサは、草姿が匍匐型で茎は柔軟で壁面から真っ直ぐ下に下垂する性質があります。そのため、ハンギング鉢などに植えると鉢縁から滝のように枝垂れる草姿が鑑賞できたり、またロックガーデンに植えると岩肌を被覆するように枝垂れる草姿が鑑賞できたりします。
- インドアグリーン:シマムラサキツユクサは、熱帯の森林などに自生している植物になり高い耐陰性があります。そのため、屋内の中では間接光が当たるような明るい場所(Lux5000~10000程度)で栽培する事ができます。
- シェードガーデン:シマムラサキツユクサは耐陰性があるため、午前中だけ日光に当たる場所から、日光が当たらず間接光しか入らないような明るい日陰までで栽培が可能です。
シマムラサキツユクサの園芸品種の紹介
トラデスカンチア・ゼブリナ

トラデスカンチア・ゼブリナは、別名では「ゼブリナ」「ハカタカラクサ」「シマムラサキツユクサ」「シルバーインチ・プラント(silver inch plant)」「ワンダリング・ジュー(wandering jew)」とも呼ばれるツユクサ科ムラサキツユクサ属(トラデスカンチア属)の多年草です。
トラデスカンチア・クオーダリー
学名:tradescantia zebrina ‘quadricolor’
花の色:紫色・桃色
葉の色:緑色・白色(クリーム色)・桃色
草丈:約10~20cm
備考:葉の色は緑色・白色(クリーム色)・桃色の3色で、幅が不規則な縞斑がはいります。そのため、カラフルで可愛らしさを感じさせるカラーリーフとして楽しめる品種です。
トキワツユクサ



トキワツユクサとは!
トキワツユクサ(学名: Tradescantia fluminensis)は、別名では「ノハカタカラクサ」「ワンダリング・ジュー(wandering Jew)」「スモールリーフ・スパイダート(small leaf spiderwort)」「リバー・スパイダーワート(river spiderwort)」とも呼ばれるツユクサ科ムラサキツユクサ属(トラデスカンチア属)の多年草です。
トキワツユクサの原産地はブラジル、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイにあり、自生地は日陰の湿潤な森林や川岸、湿地などにあります。
トキワツユクサの特徴
- トキワツユクサの魅力:この植物は、 南アメリカの熱帯や温帯に自生している植物で、日本では一般的に観葉植物として屋内で栽培されています。草姿は匍匐型で、地表をマット状に広がる性質があり、また鉢植えで栽培した場合は枝垂れる優美な姿を鑑賞する事ができます。葉は3~6.5cmほどとこぶりなため、洗練された外観となりやすく、葉表面には強い光沢があるため、葉色によっては宝飾品のようなラグジュアリーな雰囲気を添えることができます。葉色は緑色の他に、品種を選ぶと桃色・紫色・黄色・白色と多彩な色があります。そのため、カラーリーフとして楽しめる点も魅力となるでしょう。 一方で、繁殖力が高く匍匐性の茎が地表を広がり固有種の生息域を奪うため、海外(オーストラリアやアメリカ合衆国等)では栽培を禁止している所も多く、日本でも生態系被害防止外来種(旧要注意外来生物)として扱われています。そのため、栽培する場合は注意が必要でしょう。
- 草姿:生育型は匍匐型になり、横に延びる匍匐茎と直立後に倒れて横に広がる横臥茎があり、この株は地表を覆ったり、また壁面を枝垂れて成長します。茎の色は緑色または赤紫色、茎の質感は肉質で衝撃などに弱く節から折れやすい。折れた茎は、節から発根して繁殖することもあります。
- 葉の特徴:葉の概形は卵形・披針形で、長さは約3~6.5cm、葉の表面は濡れたような強い光沢があります。葉の色は基本的に緑色ですが、園芸品種が豊富にあり桃色・紫色・黄色・白色なども見られます。そのため、カラーリーフとして楽しまれることが多く、また葉表面には光沢があるため、宝飾品を見てるようなラグジュアリーな雰囲気を添えるリーフとして楽しめます。
- 花の特徴:開花期は5月~8月頃です。花序は密な集散花序になり、花序の基部にある2枚の苞の間から開花します。 花は1~2cm程と大きめで鑑賞価値もありますが、葉に隠れることも多く、あまり重要視されず、これを鑑賞する目的で栽培されることは殆どありません。
- 地被植物:トキワツユクサは、株が匍匐してこんもりと盛り上がりながら広がる性質があるため、地被植物(グランドカバー)として利用される事もあります。基本的に一年を通して、紫色の美しい茎葉が地表を覆うためエレガントな雰囲気を添えることが出来るでしょう。ただし、耐踏圧性はなく簡単に折れるため歩行者のいない場所で利用する必要があります。さらに、繁殖力が高く、逸出して固有種の生息域を脅かす可能性があるため、屋外で栽培する場合は注意が必要です。
- 枝垂れ植物:トキワツユクサは、草姿が匍匐型で茎は柔軟で壁面から真っ直ぐ下に下垂する性質があります。そのため、ハンギング鉢などに植えると鉢縁から滝のように枝垂れる草姿が鑑賞できたり、またロックガーデンに植えると岩肌を被覆するように枝垂れる草姿が鑑賞できたりします。
- インドアグリーン:トキワツユクサは、熱帯の森林などに自生している植物になり高い耐陰性があります。そのため、屋内の中では間接光が当たるような明るい場所(Lux5000~10000程度)で栽培する事ができます。
- シェードガーデン:トキワツユクサは耐陰性があるため、午前中だけ日光に当たる場所から、日光が当たらず間接光しか入らないような明るい日陰までで栽培が可能です。
- 雑草化:トキワツユクサは、日本を含む世界中の熱帯・温帯地域に帰化しており、日本では生態系に悪影響を及ぼす可能性がある植物として生態系被害防止外来種(旧要注意外来生物)のリストに掲載されており、注意が喚起されています。特に熱帯で一年を通して暖かな地域や、森林地帯などの日陰で繁殖しやすい地域では一気に繁殖しやすいため、栽培する場合は注意が必要です。根絶させる場合は、除草剤の散布または手作業で除します。手作業の場合は、茎が折れて節が残ると、その茎の断片からさらに繁殖するため、それらを残さないように除草する必要があります。
トキワツユクサの園芸品種の紹介
トリコロール

学名:Tradescantia fluminensis ‘tricolor’
花の色:白色
葉の色:緑色・紫色・薄い桃色・白色
草丈:約15~30cm
備考:葉の色が緑色・紫色・薄い桃色・白色と多彩で、葉の中に縞斑が入ります。そのため、カラフルな印象や上品な印象を添えるカラーリーフとして楽しめる品種です。
ラベンダー

学名:Tradescantia fluminensis ‘lavender’
花の色:白色
葉の色:灰緑色・白色・薄い桃色
草丈:約15~30cm
備考:葉の色が全体的にパステル調で、淡い灰緑色・白色・薄い桃色で構成されており、柔らかな雰囲気を感じさせます。そのため、可愛いをテーマにするようなお庭やロマンチックな雰囲気があるお庭などによく合う品種です。
バリエガタ
学名:Tradescantia fluminensis ‘variegata’
花の色:白色
葉の色:緑色・白色
草丈:約15~30cm
備考:葉の色が緑色・白色の複色で縞斑がはいります。そのため、上品さを感じさせるカラーリーフとして楽しめる品種です。
胡蝶の舞
学名:Tradescantia fluminensis ‘Maiden’s Blush’
花の色:白色
葉の色:緑色・薄い桃色
草丈:約15~30cm
備考:新芽から若葉にクリーム色から薄い桃色の斑が入るため、花の開花を見てるような美しいカラーリーフを楽しめる品種です。
ムラサキゴテン



ムラサキゴテンとは!
ムラサキゴテン(学名: Tradescantia pallida)は、別名では「ムラサキオオツユクサ」「セトクレアセア」「トラデスカンチア・パリダ」「パープル・セトクレアセア(purple secretia)」「パープルハート(purple-heart)」とも呼ばれるツユクサ科ムラサキツユクサ属(トラデスカンチア属)の多年草です。
ムラサキゴテンの原産地はメキシコにあり、自生地は熱帯の森林や日陰の岩場などにあります。
ムラサキゴテンの特徴
- ムラサキゴテンの魅力:この植物は、 茎・葉・花に至るまでほとんど全部が紫色をしているため、上品で高貴な雰囲気を感じさせる点が特徴です。また匍匐性に広がり地面を覆うように広がったり、壁面を垂れ下がる性質があるため、地被植物として栽培されたり、ハンギング仕立てで栽培されることもあります。メキシコの熱帯に自生する植物ですが、耐寒性がある程度あるため、日本の温帯地域であれば屋外で栽培する事が可能で、また耐陰性も比較的に高いことからインドアグリーンとして栽培されることもあります。
- 草姿:生育型は匍匐型または分枝型になり、横に延びる匍匐茎と直立後に倒れて横に広がる横臥茎が、地表を覆ったり、また壁面を枝垂れて成長する性質がある。茎は肉質で、紫色または日当たりが悪い場所では薄い緑色になり、衝撃などに弱く節から折れやすい。
- 葉の特徴:葉の概形は剣のような見た目の狭楕円形・狭披針形で、長さは約10~18cmほどと大きいため存在感がありシャープなカッコ良さも感じさせます。また葉の色は表面が基本的に鮮やかな紫色をしてるため、高貴な印象を感じさせたり、また上品な印象を感じさせるカラーリーフとなります。葉の表面には白色の毛が生えるため白粉をおびているように見えることがあります。また日照条件の悪い環境で栽培した場合、葉の色が緑色っぽくなる事もあります。
- 花の特徴:開花期は6月~9月頃です。花序は密な集散花序になり、茎頂で花が咲くとその部分の成長は止まり、下の節から分枝してさらに集散花序をつけ開花します。このような経過を連続して辿る事から、茎はジグザグとした見た目になりやすい傾向にあります。花序の基部には2枚の赤紫色の大きな苞があり、これが舟状に重なり花芽を保護しています。花は直径が約1.5cm、色は薄い紫色から桃色をしており、葉に隠れていたり小さいため目立たない傾向にあります。そのため、葉と比べてあまり重要視されず、これを鑑賞する目的で栽培されることは殆どありません。
- 地被植物:ムラサキゴテンは、株が匍匐してこんもりと盛り上がりながら広がる性質があるため、地被植物(グランドカバー)として利用される事もあります。基本的に一年を通して、紫色の美しい茎葉が地表を覆うためエレガントな雰囲気を添えることが出来るでしょう。ただし、耐踏圧性はなく簡単に折れるため歩行者のいない場所で利用する必要があり、また横臥茎や開花後の茎が不規則な動きをするためごちゃごちゃとした見た目になる可能性もあります。
- 枝垂れ植物:ムラサキゴテンは、草姿が匍匐型で茎はやや柔軟で壁面から盛り上がり零れるように下垂する性質があります。そのため、ハンギング鉢などに植えると鉢縁からしなやかに枝垂れる草姿が鑑賞できたり、またロックガーデンや石垣の側に植えると岩肌を被覆するように枝垂れる草姿が鑑賞できたりします。
- インドアグリーン:ムラサキゴテンは、熱帯の森林などに自生している植物になり高い耐陰性があります。そのため、屋内の中では間接光が当たるような明るい場所(Lux5000~20000程度)で栽培する事ができます。ただし、直射日光が全く当たらないような場所で栽培すると葉の色が緑色っぽくなる場合があるため注意してください。
- シェードガーデン:ムラサキゴテンは耐陰性があるため、午前中だけ日光に当たる場所から、日光が当たらず間接光しか入らないような明るい日陰までで栽培が可能です。
ムラサキゴテンの園芸品種の紹介
パープルハート

学名:Tradescantia pallida
花の色:紫色・桃色
葉の色:紫色
草丈:約30~45cm
備考:色鮮やかな紫色の茎・葉と、匍匐したり枝垂れたりする草姿が魅力的な植物です。
ムラサキオモト

ムラサキオモトとは!
ムラサキオモト(学名: Tradescantia spathacea)は、別名では「ロエオ」「シキンラン」「オイスタープラント(oyster plant)」「ボートリリィ(boatlily)」「モーゼ・イン・ザ・クラドル(Moses-in-the-cradle)」とも呼ばれるツユクサ科ムラサキツユクサ属(トラデスカンチア属)の多年草です。
ムラサキオモトの原産地はメキシコ、グアテマラ、ベリーズにあり、自生地は熱帯の森林や日陰の岩場などにあります。
ムラサキオモトの特徴
- ムラサキオモトの魅力:この植物は、 熱帯に自生している植物で、日本では一般的に観葉植物として屋内で栽培されていたり、また温帯地域では霜に注意して屋外で栽培されたりしています。生育型はロゼット型から叢生型になり、主茎から放射状に葉を広げて薔薇のような華やかなロゼットを形成します。また親株は根茎で広がり複数の子株を生成するため、年を追うごとに美しい群生を形成します。個々の葉は剣のようにシャープで細長い形状をしており、特に色は表裏で緑色・紫色と異なるため、非常に洗練された姿と上品な印象を与えるカラーリーフとして楽しめる所もこの植物の魅力です。
- 草姿:生育型はロゼット型または叢生型になり、株は短い主茎に葉を螺旋状に束生させてロゼットを形成するため、株の外観は薔薇の花などに似た美しい姿となります。またこの親株は根茎を伸ばして、子株を形成するため、この植物が成長するのに適した環境であれば美しい群生がつくられます。
- 葉の特徴:葉は極短い主茎に密生するように束生して、放射状に広がりロゼットを形成します。葉の概形は剣のような見た目の狭楕円形・狭披針形で、長さは約10~30cmほどと大きいためシャープでカッコイイ印象を感じさせます。また葉の色は表面が緑色、裏面が紫色と複色をしている点がこの植物の特徴となり、葉の向きが新葉は直立、成熟してくると葉鞘が外れて斜上・水平へと変化する事で、株の上側は紫色、下側は緑色となり、しっかりと表裏のコントラストが楽しめる点も魅力となります。
- 花の特徴:開花期は温暖な地域では周年あり花は一年を通して見られます。花序は集散花序になり、花序の基部にある2枚の赤紫色の苞が二枚貝状になり、花芽を保護しています。基本的に、花は葉に隠れていたり小さいため目立たず、これを鑑賞する目的で栽培されることは殆どありません。
- 地被植物:生育型はロゼット・叢生型で、株は根茎で広がりながら複数の子株を形成します。そのため、樹木の下などを彩る地被植物として利用する事も可能です。
- インドアグリーン:ムラサキオモトは、熱帯の森林などに自生している植物になり高い耐陰性があります。そのため、屋内の中では間接光が当たるような明るい場所(Lux5000~10000程度/1000Luxでギリギリ)で栽培する事ができます。
- シェードガーデン:ムラサキオモトは耐陰性があるため、午前中だけ日光に当たる場所から、日光が当たらず間接光しか入らないような明るい日陰までで栽培が可能です。ただし、この植物は冬の寒さに弱く、強い霜に当たると枯れるため、栽培環境が熱帯または温帯の霜があまり下りない地域でないと屋外での越冬は厳しいかもしれません。
ムラサキオモトの園芸品種の紹介
トリカラー

学名:Tradescantia spathacea ‘tricolor’
花の色:白色
葉の色:緑色・クリーム色・桃色・赤紫色
草丈:約10~30cm
備考:葉の色が緑色・クリーム色・桃色・赤紫色と多彩で、葉の表面に緑色・クリーム色・桃色の3色の縞斑が入ります。そのため、カラフルさや柔らかな雰囲気を感じさせるカラーリーフとしてたのしめる品種です。
オーロラ
学名:Tradescantia spathacea ‘aurora’
花の色:白色
葉の色:緑色・黄色・赤紫色
草丈:約15~30cm
備考:葉の色が緑色・黄色・赤紫色の複色で、葉の表面はほとんど緑色が占める緑色と黄色の複色で、黄色の縞斑が入ります。
イエロースター
学名:Tradescantia spathacea ‘yellow star’
花の色:白色
葉の色:緑色・黄色・赤紫色
草丈:約15~30cm
備考:葉の色が緑色・黄色・赤紫色の複色で、葉の表面に緑色と黄色の縞斑が入ります。そのため、カラフルさを感じさせるカラーリーフとしてたのしめる品種です。
ビッタータ

学名:Tradescantia spathacea ‘Vittata’
花の色:白色
葉の色:緑色・黄色・赤紫色
草丈:約15~30cm
備考:葉の色が緑色・黄色・赤紫色の複色で、葉の表面に緑色と黄色の縞斑が入ります。そのため、カラフルさを感じさせるカラーリーフとしてたのしめる品種です。
オオムラサキツユクサ
オオムラサキツユクサとは!
オオムラサキツユクサ(学名: Tradescantia virginiana)は、別名では「トラデスカンチア・バージニア」「バージニア・スパイダーワート(Virginia spiderwort)」とも呼ばれるツユクサ科ムラサキツユクサ属(トラデスカンチア属)の多年草です。
オオムラサキツユクサの原産地はアメリカ合衆国の東部にあり、自生地は森林や林縁、湿地や岩場、人の手が入った道沿いなどにあります。
オオムラサキツユクサの特徴
- オオムラサキツユクサの魅力:この植物は、 ムラサキツユクサ科ですがイネ科の雑草のような外観をしており、開花期に見られる直径2.5~5cmの紫色の花が魅力となる植物です。生育型は叢生型になり、地下茎から複数の茎を伸ばして群生を形成します。また他のムラサキツユクサ科と比べて耐寒性がとても高い所も魅力になり、冬の寒さで地上部が枯れてしまっても地下茎の部分から翌年の春に芽を出し成長します。そのため、日本の屋外でも栽培しやすいです。
- 草姿:生育型は叢生型になり、地下茎から複数の直立茎を伸ばして群生をつくります。
- 葉の特徴:葉の概形は線形または線状披針形で、長さは約15~35cmと非常に細長く、葉鞘を持っており、イネ科の葉のような見た目をしています。そのため、他のムラサキツユクサ科のような美しい外観ではなく、やや雑草感を感じさせます。
- 花の特徴:開花期は4月~7月頃です。花序は密な集散花序で散形花序状に数個ずつ開花する。花序の基部には、葉と殆ど見た目が変わらない苞が2枚あり花芽を保護しています。花の直径は約2.5~5cm、色は一般的に青色か紫色ですが、桃色や白色もあります
- シェードガーデン:オオムラサキツユクサは耐陰性があるため、午前中だけ日光に当たる場所から、日光が当たらず間接光しか入らないような明るい日陰までで栽培が可能です。ただし、この植物は冬の寒さに弱く、強い霜に当たると枯れるため、栽培環境が熱帯または温帯の霜があまり下りない地域でないと屋外での越冬は厳しいかもしれません。