ムラサキツユクサ(トラデスカンチア)は属の中に約85種がありますが、一般に園芸で親しまれている種は幾つかの種とその園芸品種です。例えば、ムラサキオモトは剣のような葉がロゼットのように広がるため洗練された草姿をしており、緑色と紫色の葉色が上品さを感じさせる植物です。またシマムラサキツユクサは草姿がほふく性のため地被植物やハンギング仕立てにされることが多く、葉の中に縞模様が入り、緑色・銀色・紫色の三色の葉色が上品さやカッコ良さを感じさせる植物です。
上記の他にも、このページでは様々な種や園芸品種を紹介しています。育て方へのリンクや購入方法のリンクなども用意しているため、そちらもよければご活用下さい。
目次
ムラサキオモトの特徴や園芸品種
- 原産:メキシコ/グアテマラ/ベリーズ
- 学名:Tradescantia spathacea
- 草丈:約30~45cm
- 分類:多年草
- 開花時期:7月~8月
- 花色:白色〇
- 葉色:緑色●黄色●桃色●紫色●
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:普通
- 誕生花:8月18日
- 花言葉:旅行・航海
- 用途:カラーリーフ/グランドカバー/観葉植物/日陰植物/ロックガーデン
- 購入方法:ムラサキオモトを楽天で購入
ムラサキオモトとは!?
ムラサキオモトの学名はTradescantia spathacea、別名では「ロエオ」や「シキンラン」等とも呼ばれるベリーズ・グアテマラ・メキシコが原産の多年草です。
ムラサキオモトの語源(由来)
- 属名のTradescantiaは植物学者で収集家のJohn Tradescant the Elderと植物学者のJohn Tradescant the Youngerへの献名です。
- 種小名のspathaceaはラテン語で「剣」や「刃」を意味する「spatha」からきており、恐らく葉の形に由来します。
- ムラサキオモトの由来は、葉の裏の色が紫色をしており、草姿がオモトに似ている所からきています。
ムラサキオモトの特徴(魅力)
- ムラサキオモトの特徴は、地下茎で広がりながら群生をつくる所、葉がロゼット状に広がる傾向がある事から行儀良い見た目をしている所、葉の形が剣のような見た目をしている所、葉の表面と裏面で色が変わり緑色と紫色の二色の葉色が上品さを感じさせる所などにあります。
- 園芸では、一般的に寒さに弱いため、インドアグリーンとして鉢植えの中で育てながら、お部屋の中で楽しまれますが、温暖な地域では地被植物として利用されることもあります。
- 草姿は叢生、地面下にある地下茎を介して広がりながら、茎を何本もだします。
- 茎は直立したり、匍匐した後に直立して地面を覆うように広がる事から地被植物として利用されたりします。
- 葉は茎の上部に密生してロゼットのように広がっており、葉の形は剣のように細長くシャープな見た目をしています。
- 葉の色は上面が緑色、裏面が紫色をしているため、上品さを感じさせるカラーリーフとして楽しめます。
ムラサキオモトの草丈は約30~45cm、草姿は叢生、地下茎があり、茎は直立または傾状(匍匐後に立ち上がる)します。
葉序は互生葉序、葉身の長さ約20~35cm、葉身の形は長楕円形または披針形、葉の色は上面が緑色、下面が紫色です。
花序は腋生で複数の花が束生します。花の形は花弁が3個、花弁の形は広卵形、花弁の色は白色、雄蕊は6個、雄蕊の色は黄色です。果実は蒴果、成熟すると裂開して種子を放出します。
ムラサキオモトの園芸品種の紹介
シタラズ・ゴールド(Tradescantia spathacea ‘Sitara’s Gold’)は、葉の表面が鮮やかな黄色、裏面が発色のよい紫色をしています。そのため、ネオンサインを思わせるようなカラフルなカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。
ムラサキゴテンの特徴や園芸品種
- 原産:メキシコ
- 学名:Tradescantia pallida
- 草丈:約30~45cm
- 分類:多年草
- 開花時期:6月~10月
- 花色:桃色●紫色●
- 葉色:緑色●紫色●
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:強い
- 誕生花:6月30日
- 花言葉:誠実・優しい愛情・変わらぬ愛
- 用途:カラーリーフ/グランドカバー/枝垂れる植物/観葉植物
- 購入方法:ムラサキゴテンを楽天で購入
ムラサキゴテンとは!?
ムラサキゴテンの学名はTradescantia pallida、別名では「ムラサキオオツユクサ」や「セトクレアセア」等とも呼ばれるメキシコが原産の多年草です。
ムラサキゴテンの語源(由来)
- 属名のTradescantiaは植物学者で収集家のJohn Tradescant the Elderと植物学者のJohn Tradescant the Youngerへの献名です。
- 種小名のpallidaはラテン語で「青白い」「淡い」を意味しています。
- ムラサキゴテンの由来は、雄蕊の葯を除いて葉・茎・花に至るまで、全部が紫色をしている所からきています。
ムラサキゴテンの特徴(魅力)
- ムラサキゴテンの特徴は、地上部の殆どが紫色をしており上品さを感じさせる所、草姿がほふく性で、茎は横に移動したり下垂したりするため、園芸では地被植物やハンギング仕立てにされる所、ファイトレメディエーションにより空気を浄化する働きをもっている所等にあります。
- 園芸では、茎が横に広がったり下垂する性質がある事から、地被植物として利用されたり、またハンギング仕立てにされたりして楽しまれます。
- 草姿はほふく性、茎は横に移動したり下垂したりするため、園芸では地被植物やハンギング仕立てにされる事が多いです。
- 茎は多肉質で脆く、衝撃や踏圧に弱いため、人通りの多いところの地被植物には向きません。
- 葉の色は鮮やかな紫色をしており、表面に白色の毛が生えているため白粉を帯びたような色合いをしています。そのため、上品さを感じさせるカラーリーフとして楽しめる植物です。
- 開花時期は初夏から秋、花は茎の頂部につき、桃色から紫色の小さな花を咲かせます。
- ただし、開花した茎は長く伸びるため、一般的には花が咲かないように、摘芯を繰り返して花を咲かせないようされます。
- ムラサキゴテンの樹液は、皮膚に触れると人によっては炎症を引き起こすことがあります。そのため、植物を扱う際は長袖を着て、手袋をしておくと安心です。
ムラサキゴテンの草丈は約30~45cm、草姿はほふく性、茎は直立・匍匐・傾伏・下垂しながら広がる傾向にあり、茎の質感は多肉質、茎の色は紫色です。
葉序は互生葉序、葉鞘は茎を抱き、葉身の長さ約7~15cm、葉身の幅は約1.5~3cm、葉身の形は長楕円形、葉は白色の毛が生えており、葉の色は紫色で表面が白みを帯びます。
花径は約1~2cm、花の形は花弁が3個、花弁の形は卵形、花弁の色は紫色または桃色、雄蕊は6個、雄蕊の色は黄色です。果実は蒴果、成熟すると裂開して種子を放出します。
ムラサキゴテンの園芸品種の紹介
班入りムラサキゴテン(Tradescantia pallida ‘variegata’)は、葉の中に桃色の縞班がはいる事から、上品さと可愛らしさを感じさせるカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。
トキワツユクサの特徴や園芸品種
- 原産:南アメリカ
- 学名:Tradescantia fluminensis
- 草丈:約15~30cm
- 分類:多年草
- 開花時期:5月~8月
- 花色:白色〇
- 葉色:緑色●黄色●桃色●紫色●白色〇
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:普通
- 花言葉:尊敬・懐かしい関係
- 用途:カラーリーフ/グランドカバー/枝垂れる植物/観葉植物
- 購入方法:トキワツユクサを楽天で購入
トキワツユクサとは!?
トキワツユクサの学名はTradescantia fluminensis、別名では「ノハカタカラクサ」や「ワンダリング・ジュー(wandering Jew)」等とも呼ばれる多年草です。
トキワツユクサの原産地は南アメリカ、自生地は熱帯雨林の中の日陰や、水辺などにあります。日本では昭和初期に鑑賞用として持ち込まれたものが、逸出して帰化しており、要注意外来生物(2024現在)のリストに入っています。
トキワツユクサの語源(由来)
- 属名のTradescantiaは植物学者で収集家のJohn Tradescant the Elderと植物学者のJohn Tradescant the Youngerへの献名です。
- 種小名のfluminensisはラテン語で「川」を意味する「flumen」と「産(場所を意味する)」を意味する「ensis」の二語で構成されており、またfluminensisはブラジルのリオデジャネイロに関連しています。
- トキワツユクサの由来は、一年を通して葉がある事から「常緑」を意味する「常磐(トキワ)」が頭についており、また草姿や葉が「ツユクサ」に似ている所からきています。
トキワツユクサの特徴(魅力)
- トキワツユクサは2024年現在、要注意外来生物に指定されており、特定外来生物(規制・防除対象)への適否が検討されています。そのため、栽培する際は、外に逸出させないように気をつける必要があります。
- トキワツユクサの特徴は、草姿がほふく性で、茎が横に移動したり下垂したりする所、茎は節から不定根を出し、節から簡単に折れるため除草がやや面倒な所、園芸品種の中には葉の色が複数あるためカラーリーフとして楽しまれる事もある所などにあります。
- 園芸では、一般的に寒さに弱いため、インドアグリーンとして鉢植えの中で育てながら、お部屋の中で楽しまれることが多いです。
- 草姿はほふく性、茎は横に移動したり下垂したりするため、地被植物やハンギング仕立てにされる事が多いです。
- 茎は多肉質で脆く、節から簡単に折れてしまいます。また節から不定根を出して簡単に定着するため、除草する場合は植物の裂片を残さず除去する必要があります。
- 葉の色は一般的に緑色で、表面に濡れたような光沢があります。また園芸品種の中には黄色・桃色・紫色・白色の葉色もあるため、カラーリーフとして楽しまれりこともあります。
- 開花時期は晩春から夏、花は白花で房状に茎の頂部または葉腋につきますが、あまり目立たず鑑賞目的に利用されることは基本的にありません。
トキワツユクサの草丈は約15~30cm、草姿はほふく性、茎は直立・匍匐・傾伏・下垂しながら広がる傾向にあり、茎の質感は多肉質、茎の節から不定根を出し、茎の色は緑色または赤紫色です。
葉序は互生葉序、葉鞘は茎を抱き、葉身の長さ約3~6.5cm、葉身の幅は約1~3cm、葉身の形は卵形、葉の表面には光沢があり、葉の色は緑色です。
花序は頂生または腋生、花径は約1.5~2.5cm、花の形は花弁が3個、花弁の形は卵形、花弁の色は白色、雄蕊は6個、雄蕊の色は黄色です。果実は蒴果、成熟すると三つに裂開して種子を放出します。
トキワツユクサの園芸品種の紹介
育て方・楽天で購入
トキワツユクサ(トリコロール)は、葉の色が緑色・桃色・クリーム色の三色で構成されていて、葉の中に縞班がはいります。そのため、柔らかでロマンチックな印象を感じさせるカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。
トラデスカンチア(バリエガタ)は、葉の色が緑色・白色(クリーム色)の二色で構成されていて、葉の中に縞班がはいります。そのため、明るさや清潔感を感じさせるカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。
トラデスカンチア(胡蝶の舞)は、葉の色が緑色・薄い桃色の二色で構成されていて、葉の中に横方向で切断されたようなユニークな班がはいります。そのため、可愛らしさを感じさせるカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。
シマムラサキツユクサの特徴や園芸品種
- 原産:メキシコ/中央アメリカ/コロンビア
- 学名:Tradescantia zebrina
- 草丈:約15~20cm
- 分類:多年草
- 開花時期:周年(散発的)
- 花色:桃色●紫色●
- 葉色:緑色●紫色●白色〇灰色●
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:普通
- 用途:カラーリーフ/グランドカバー/枝垂れる植物/観葉植物
- 購入方法:シマムラサキツユクサを楽天で購入
シマムラサキツユクサとは!?
シマムラサキツユクサの学名はTradescantia zebrina、別名では「ゼブリナ」や「シルバーインチ・プラント(silver inch plant)」等とも呼ばれる多年草です。
シマムラサキツユクサの原産地はメキシコ・中央アメリカ・コロンビアにあり、熱帯雨林や湿地に自生しています。
シマムラサキツユクサの語源(由来)
- 属名のTradescantiaは植物学者で収集家のJohn Tradescant the Elderと植物学者のJohn Tradescant the Youngerへの献名です。
- 種小名のzebrinaはラテン語で「シマウマのような縞模様」を意味しており、葉の模様に由来します。
シマムラサキツユクサの特徴(魅力)
- シマムラサキツユクサの特徴は、葉の中に縦縞の模様があり、緑色・銀色・紫色の三色の葉色がメタリックなカッコ良さを感じさせる所、草姿がほふく性で、茎が横に移動したり下垂したりする所などにあります。
- 園芸では、一般的に寒さに弱いため、インドアグリーンとして鉢植えの中で育てながら、お部屋の中で楽しまれることが多いですが、温暖な地域では地被植物として利用されることもあります。
- 草姿はほふく性、茎は横に移動したり下垂したりするため、地被植物やハンギング仕立てにされる事が多いです。
- 茎は多肉質で脆く、節から簡単に折れてしまいます。また節から不定根を出して定着するため、除草する場合は植物の裂片を残さず除去する必要があります。
- 葉の色は一般的に裏面が紫色、表面が緑色・銀色(白色)をしています。ただし光が足りないと葉全体が紫色に変化します。
- 葉の中に縞模様が入る事から、お洒落な印象をあたえるカラーリーフとして楽しむことができます。
- 開花時期は一年を通して散発的に咲きますが、屋内で咲くことはほとんどありません。また花は、あまり目立たないため鑑賞目的に利用されることは基本的にありません。
シマムラサキツユクサの草丈は約15~20cm、草姿はほふく性、茎の質感は多肉質、茎の節から不定根を出し、茎の色は緑色または赤紫色です。
葉序は互生葉序、葉鞘は茎を抱き、葉鞘の色は半透明、葉身の長さ約3~10cm、葉身の幅は約1.5~3cm、葉身の形は卵形、葉の色は表面が緑色と銀色(白色)、裏面が紫色をしています。
花は先端に房状に咲き、花の形は花弁が3個、花弁の形は卵形、花弁の色は桃色、雄蕊は6個、雄蕊の色は白色です。果実は蒴果、成熟すると三つに裂開して種子を放出します。
シマムラサキツユクサの園芸品種の紹介
その他の種や園芸品種
オオムラサキツユクサの学名はTradescantia virginiana、別名では「バージニア・スパイダーワート(Virginia spiderwort)」等とも呼ばれる北アメリカが原産の多年草です。