原産:東アジア 科:キジカクシ(Asparagaceae) 亜科:スズラン(Nolinoideae) 属:ヤブラン(Liriope) 種:ヤブラン(muscari) 別名:リリオペ/サマームスカリ/ボーダーグラス(border grass)/モンキーグラス(Monkey grass)/ビックブルー・リリーターフ(big blue lilyturf) 品種:ビッグブルー(big blue) 開花時期:7月~10月 花の色:紫色● 葉色:緑色● 分類:常緑多年草 草丈:約30~50cm 誕生花:9月20日/10月6日/10月26日 花言葉:「忍耐」「謙遜」「隠された心」 | ||
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ヤブラン(ビッグブルー)は青紫色の長い花穂をもつ魅力的な園芸品種です。明るい黄緑色の葉と上品な紫色の花はエレガンスで落ち着きのあるお庭によく合うでしょう。
開花時期は夏から中秋、花色は紫色(~青紫色)、個々の花は小さく花被片6個・雄蕊6個雌蕊1個があり、花序は穂状花序に花を咲かせます。草姿はロゼット状で高さ約30(50)cm × 幅は約30(60)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は剣形もしくは線形、葉序は根生葉につきます。
ヤブランは学名Liriope muscari、別名「リリオペ」や「サマームスカリ」等とも呼ばれる日本及び東アジアが原産の多年草です。日本では北海道・本州・四国・九州・沖縄までに分布して山野の林床等に自生しています。
ヤブランの語源(由来)
- 属名のリリオペ(Liriope)はギリシャ神話に出てくる美少年ナルキッソスの母の名前(リリオペ)に由来します。
- 種小名のムスカリ(muscari)は花の形が「ムスカリ」に似ることに由来しています。
- 和名ヤブランの由来は「ヤブ」に自生していて葉の形がランと似る事からきています。
ヤブランの特徴(魅力)
- ヤブランは中央から外側へと弧を描きながら広がる草姿が非常に優雅で美しく
- ↳地面を被覆するグランドカバーとして魅力的です
- ↳日本庭園の下草としてもよく利用されています
- 葉は剣の様にスラリと伸びる洗練された形をしていて
- ↳幾つかの品種では黄色や白色等の班がありカラーリーフとして楽しめます
- 花は基本的に葉よりも高い位置にあるためとても目立ち
- ↳重厚感ある濃い緑色の葉と濃い紫色の花は落ち着いた雰囲気の気品ある庭等によくあうでしょう
- ヤブランは匐枝や走出枝がないため基本的に定められた範囲内で広がり
- ↳逸出しにくい所も魅力です
- 陰性植物のため日陰(シェードガーデン)でも育てる事が出来ます
- ↳ただし花数は減ります
- 夏の暑さ冬の寒さに強く病気や害虫の被害が少ない
- 水やりや肥料等が基本的に不要で放ったらかしで育ちます
- 耐陰性が高いためシェードガーデン等にもおすすめです
ヤブランは地面下に短い根茎をもちます。葉は濃い緑色で光沢があり、葉脈は7~11本、葉の長さ約30(~60)cm幅は約0.7(1.2)cm、全て基部から根生します。花茎は長さ50~100cmあり、花序は8~12cmで小花が穂状花序に配置し、個々の花は非常に小さく6個の花被片と6個の雄蕊と1個の雌蕊があります。花後に出来る種子は直径約5mmの球形で、熟すと緑色から黒紫色へと色が変わり光沢があります。
ヤブランの栽培
園芸では、放射状に広がる優雅な草姿や上品な花姿を鑑賞する目的で花壇や植え込みの縁どりとして利用されたり、花壇の中央部で高さやボリュームを出す植物として利用されたりしています。また園芸では黄色や白色の班が入る品種もあるためカラーリーフとしても楽しまれます。
ヤブランを育てる際に注意する事は「西日の当たる場所に植えるのを避ける」くらいで基本的にありません。一度活着すれば水やりや肥料を与える事が基本的に不要なため放ったらかしでも育ちます。また夏の暑さや冬の寒さに強く、病害虫の被害も殆どありません。増やし方は、一般的に株分けで増やすことが出来ます。種でも増やすことが出来ますが、休眠状態にあり発芽までに幾つかの手順が必要なため一般的ではありません。
ヤブランの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。